くらもちふさこ「α」03年

「天然コッケコー」の次作ですね
あれは少し長くなりすぎたきらいはあるが(好みからすると映画版、中学卒業時で終了してほしかった)田舎を舞台に実験的な描写を織り交ぜ、方言を新しい快感にしてしまう野心作
あすこで見せたオーバー気味のアップ表情が演劇を扱う「α」ではより生きている
上下巻併せて6編の演劇αシリーズそれぞれにその舞台裏を6編加えた凝った構成
主役は4人の若い俳優、天水キリ、山本耀(この二人はクール)、くらもち作ヒロインの天然娘、三神妃子、好青年生田理一

α1パレス星の姫サクラ(妃子)に婚約者のお告げが出たが、それは人の心を読むというヴィーダ星の中尉(キリ)なのか?
理一はサクラの付人アサダ役、耀はアサダの密かな妻ローズウッド
α2芳乃(耀)は周りから浮いた大学生、ぶっきらぼうに見える家電店員(キリ)が縁あってパソコン接続手伝ってくれ引かれていく
α3名可子(妃子)は兄かず君(理一)と法事に出た本家であこがれの従兄きいちゃん(キリ)に会う
ただ、昔きいちゃんの姉みっちゃんが川でおぼれ死んだ原因が自分にあるというトラウマで彼には複雑な感情を抱いてしまう
α4宇宙船操縦者ポチ(妃子)は赴任してきた艦長(キリ)に指導ばかりされるが好意を抱いている、初めて見つけた敵艦への初めての仕事、装備の無い艦の作戦は「体当たり」
α5旧家のぼけた老婦を世話するゾウイ(耀)、最後の家宝をだまし取りながら怪盗(キリ)がゾウイの元に本物の宝石を戻してキスするのはかなりとっぴな展開、多分婦人の息子ショーンになりすました偽者(理一)がすり替えていたんだろう)
α6不良生徒ミノルは来年から共学という女子校へ転入させられる
原口(妃子)という美人が声をかけてくれるがその友達笹川(耀)は無表情な女
恋人といる所を不良達に乱暴されてかららしいが、なんとミノルグループがいじめた相手みたい

各劇の後に続く舞台裏では親の七光りで主役をもらっているが実力派の、キリ、耀達にかなわないと自信なげの妃子の心理が描かれる
おまけに理一は三神家の付き人から独立して次第に俳優として力を付けてきている
よく見たらどの劇でもキリと妃子は密接に結ばれているのがわかる、この二人は地そのままに役が成り立つ天才肌として描かれている
理一は合間を縫うように登場し、α6では、生身の彼からは想像できない、それまでならキリが演じているような不良っぽい役を果たしている、理一が成長したことと同時に、劇の中では違う人格を持つというのが如実にわかる上手い描き方になっている
現実と演じる劇が補佐し合うように進行して青年達の生態が描かれるという、そんな難しい構成が見事に仕上がっていることには驚かされる
さらに、α1はくらもち作としては珍しい宇宙物でありがたい
α3はみっちゃんの霊が登場するホラー気味もあり、得難いオチで6劇中でも評判高い
でも一番の気に入りはα4
ポチなんてばかにした命名のヒロインが船内をポテトチップでよごすと艦長に叱られ、なんだかコミカルに推移する話だけに
艦長が「ポチの日記」を読んで自分を慕う気持ちを知り認識を変えようとする矢先、見つけた敵艦撃破の方法がなんと「体当たり」
これは泣ける
α6は未完の物語なので考えようによっては評価も違ってこよう
いろんな角度から味わえる、こういう複雑な形式の物語も珍しい

|

くらもちふさこ「おばけたんご」93年

全1巻で人生の不思議を味あわせてくれる作品
90年代の彼女は、言葉、内容の省略多く、印象重視の簡略化した絵柄

速水病院の娘、憧子(あこ)は幼少の頃に幼なじみ(婚約者でもあった)土方端午を自動車事故で失う
相手自動車は両親がなくなり、一人息子陸朗を土方家が引き取る
高校生になった憧子は、陸朗と婚約しているが、何かに困ったことがあるとすぐ亡くなった端午に「おねがい」する
事故が縁で婚約者ということになっているが、ハンサムな陸朗と自分は不釣り合い?とコンプレックスも感じているこのごろ
少し不良っぽい山室さんが陸朗にアタックかけ始める
おばば(祖母)が学校に山室の素行を告げ口したことで彼女は停学処分に
これでは自分が陸朗の人生の妨げとなると、婚約を解消しようと申し出る
その矢先、バスケ練習でボールをまともにくらった憧子はしばらく失神
急に場面は、幼い頃の交通事故に戻り、なんと端午も陸朗も生きている
高校生になった憧子は端午とうまくやっているが、ある日、木になる柿を取ろうとして届かずもだえている時、通りかかった男の子があっさりもいで渡してくれる
それが小さい頃以来またこの町に戻ってきた陸朗、なんだ端午が生きていても陸朗とはひかれ会う運命だったんだ
と感じた所で失神からさめる憧子、やはり陸朗との出会いは無駄にしたくない というエンディング

最後力入った作品ですが、山室さんからすれば初めて自分を認めてくれた男の子との間を裂くおばばは残酷
P128の顔つきったら憎たらしくていや、くらもちさん作品は性格きたない奴って出てこないんだが、このおばばがいるかぎり憧子の恋を後押しできないもんね

|

くらもちふさこ「アンコールが3回」85年

80年代くらもちを代表する作品、単行本で全3巻
アイドル歌手、二藤ようこは担当マネージャー不破類とひそかに結婚している(プロダクションは認めているというかそそのかしたというか)
ようこのわがまま(失踪、すっぽっかし等)のため担当をはずされた不破は新人日向るみに付き、人気を得させていく
ようこの新担当大塚幸子(さっちゃん)は不破の元恋人で微妙な感じ
不破の仕事は絶妙で悩みも軽くさばいてくれ安心して歌手業に打ち込める
ぜひにも不破に戻ってほしいとようこが思う頃
桂木麗太から入れ知恵もあり
武道館ライブを出ないと言い出したようこの条件は不破に担当戻ってもらうかわり、離婚すると言い出す
この頃の麗太がいい役回り
彼は不破の元担当で、女嫌いでホモと噂がある男、不破に育ててもらったこともあり随分愛着強いんだが
不破が離れるとようこにアタックかけたり、何が本気かわからない
ようことのデートがばれた記者会見では本命(男を想定している)の気を引くためようこに協力してもらったとなかなかの役者ぶり
ラストは武道館ライブ
前々から「3回目のアンコールがかかるようになったら、二人の仲をばらしても、会社から独立してもいい」と決めていた言葉を不破に繰り返すようこ
舞台に出る前にはこんな言葉が飛び出す
「アンコールはしない、アンコールがほしかったらあなたは何をすればいいかわかっているはず」と
ようこは歌に未来をかけるのかと読者に思わせて
結局は、彼女の欲しかったのは不破一人のアンコール
ちょっと決めすぎのラストだけど、少女まんがパタンとしてはいいですね
ただ、辞職覚悟で不破に告白したさっちゃん、ちょっとかわいそう

|

今週の長編:清水玲子「月の子」

人魚伝説を素材に独自に組み立てた物語、ちょうど「輝夜姫」のように
ベンジャミンのじれったさやリタのしつこさが、碧や信男と重なる
かつて人魚姫セイラが王子に恋をして人魚たちの多くが魔女狩りの犠牲になるなど、人魚と人間の恋は不吉な事をもたらす
人魚は宇宙を泳いでいつか元の生まれ星(地球)に戻ってくる
セイラの子ども達セツ、ティルト、ベンジャミンが数百年をかけ20世紀末のアメリカに降り立つ
ティルトは卵を産めない体で、後の二人を守る役、どちらか先に女性化した方が卵を産む
おくてのベンジャミンが予想に反して女性化するが、ダンサーのアートに拾われ少年姿のままでジミーと呼ばれる
ショナという人魚と結ばれれば問題ないが、ショナーアートとの三角関係においてジミーはアートに惹かれ、次第に女性姿になることが多くなるが、その姿では声が出ずアートは急に現れる美女とジミーの関係がつかめない
問題はティルト、先にベンジャミンが女性化したことを恨んでいる上、愛するセツが衰弱死したのを復活させるため魔女と契約を結ぶ
セツを生き返らせる替わりに地球の生物を死滅させるという
大財閥の息子ギルに乗り移り、ロシア、チェルノブイリで原発事故を起こす計画を立てる
アートはベンジャミンが死ねば災厄は防がれると聞き殺そうとするが、愛情が勝ち、自分を傷つけてしまう
原発危機を食い止めようと乗り込むのはショナ、ショナを愛するセツは女性化して彼を追う
愛と憎しみが錯綜して大団円へ突き進む
状況がどう切迫しても主人公達の絡みだけで絵を作っていくのが清水さんのスタイルで
美しい人物たちの葛藤がたちすぎ、悲劇の全容が伝わらないのはいつものことかSimituki


|

男女作家別マンガベスト30

大島弓子「綿の国星」
こうの史代「夕凪の街 桜の園」
内田善美「星の時計のLiddell」
水樹和佳「イティハーサ」
あべりつこ「テキは強いぞごわいぞ!」
池田理代子「ベルサイユのばら」
高野文子「棒が一本」
内田善美「草迷宮」
山本鈴美香「エースをねらえ」
大島弓子「バナナブレッドのプディング」
岡田史子「ガラス玉」
山岸涼子「日出処の天子」
吉村明美「麒麟館グラフィティ」
手塚治虫「リボンの騎士」
曽根富美子「親なるもの 断崖」
名香智子「PARTNER」
萩尾望都「スター・レッド 」
柴門ふみ「東京ラブストーリー」
大島弓子「四月怪談」
斎藤なずな「熱愛列伝」
佐藤史生「夢みる惑星」
矢沢アイ「ParadiceKiss」
竹宮恵子「地球へ」
万里村奈加「白の条件」
大島弓子「誕生」
小野弥夢「LadyLove」
佐藤史生「ワン・ゼロ」
あべりつこ「でっかいちゃんと集まれ」
くらもちふさこ「海の天辺」
一条ゆかり「砂の城」

坂口尚「あっかんべー一休」
寺田ヒロオ「暗闇五段」
手塚治虫「ロック冒険記」
宮崎駿「風の谷のナウシカ」
大友克洋「童夢」
花沢健吾「ルサンチマン」
白土三平「忍者武芸帳」
藤子不二雄「海の王子」
坂口尚「version」
ちばてつや「あしたのジョー」
手塚治虫「火の鳥」
赤塚不二夫「おそ松くん」
楳図かずお「漂流教室」
鴨川つばめ「マカロニほうれん荘」
横山光輝「鉄人28号」
士郎正宗「攻殻機動隊」
鳥山明「DRAGONBALL」
白土三平「サスケ」
さそうあきら「神童」
手塚治虫「ジャングル大帝」
横山光輝「伊賀の影丸」
貞本義行「新世紀エヴァンゲリオン」
星野之宣「ブルーワールド」
藤田和日郎「からくりサーカス」
寺田ヒロオ「スポーツマン金太郎」
永島慎二「フーテン」
三山のぼる「メフィスト」
白土三平「カムイ伝」
手塚治虫「鉄腕アトム」
つげ義春「ねじ式」

|

くらもちふさこ80年代

いつもポケットにショパンから80年代に
絵柄は70年代のごく普通の少女まんが風からだんだん乾いてきて、彼女独特の省略も増えてくる
もっとも特徴的なのがカマトト風のヒロイン
まわりにびくびくしながら過ごすのにいつの間にか一番いい男を取っているとしたら女性から見てかなり困った存在だなぁ
Tokyo

「東京のカサノバ」83年
ターコ、水上多美子はカメラマン志望の暁(あきら)にいちゃんが大好き、高校生の今もベッドにもぐりこむくらい
その兄が実は母がかつて付け人やっていた女優羽生かおりの隠し子だったとは
暁には彼を見守り慕っている感じよい川端先輩がいるし、ターコの同級生で彼女なら暁を譲ってもいいと思っている柚木紫(ゆかり)もいるんだが、どういうわけか暁が選ぶのはターコ
「いろはにこんぺいと」83年
同じアパートの幼なじみで、チャコは達(とおる)へ秘かな思いを抱いているが、小学生以来そう話したこともない
それが高校生になって同じクラスになると、親友のリョーコが達を好きになってしまい、告白もつきあいも譲ってしまう
それが結局はチャコとくっつくというのはむしが良すぎないかなぁ
アパートのませガキ、男勝りのクンちゃん(君子)も達が好きで、ラストで彼女の中学生になった姿が出てくるが、この子で一編作った方がおもしろいみたいな
Kura_agirl

「AーGirl」84年
作家の姉マユ子と二人暮らしの妹尾マリ子、ボーイフレンドのバンドリーダー五島くんは乱暴者
アパートの家主の息子夏目くんは同級生でモデルもやっているかっこよい男の子
部屋が火事被害で姉が彼と近づきになるが、マリ子もけっこう引かれている
当の夏目くん、恋の相手が多々いるにも関わらずいつの間にかマリ子に傾いている
Kura_tihana

「千花ちゃんはふつう」87年
ホステスやっていた母が大学教授と再婚することになった千花
相手方息子のカイは頭もきれかっこいいが冷淡な感じ
千花を友人、鹿野の恋人にする約束で、彼の父と競うオークションでの入札価格情報を聞き出そうつするようなやつ
カイは亡くなった母が偏執的に集めていた水晶製品を売り去ってノイローゼに陥れたというが
今回取り戻そうとするのが水晶をあしらった聖母像、カイは意外とナイーブな所があり千花はひかれていく
カイは千花を多少意識しているようだが、表向き冷淡、もっと素敵な女性が似合うはずなのにラストでは千花を選ぶというから、うーんどうもできすぎ話
くらもちふさこ「Kiss+πr2」
都立朝日高校の「女王のような冬子」を好きになった雑賀くん、いいように弄ばれている
両親とは死に別れ、アパート住まいの不運な彼を一変させたのが、一年先輩の葵さん
誕生ケーキを持ってきてくれ、お別れにくれた宝くじ一枚が2000万円の当たりとなる
ここまで「Kiss」の前編「おまち」
本編に入って氷見くんというクールな男子、という幼な顔で男言葉の同級生も登場
でもやっぱり最後は葵さんとくっつくというお定まり

|

分野別マンガ25選

SF、アクション、ファンタジー・ミステリー、時代歴史、スポーツ・芸能、ユーモア、家族日常職業、成長・学園、恋愛・性と8分野にそれぞれ25ずつ自分愛好作を選んでみました

SF
手塚治虫「ロック冒険記」
宮崎駿「風の谷のナウシカ」
花沢健吾「ルサンチマン」
坂口尚「version」
水樹和佳「イティハーサ」
手塚治虫「火の鳥」
楳図かずお「漂流教室」
士郎正宗「攻殻機動隊」
貞本義行「新世紀エヴァンゲリオン」
星野之宣「ブルーワールド」
萩尾望都「スター・レッド 」
佐藤史生「夢みる惑星」
竹宮恵子「地球へ」
手塚治虫「鉄腕アトム」
大友克洋「AKIRA」
岩明均「寄生獣」
佐藤史生「ワン・ゼロ」
諸星大二郎「生物都市」
日渡早紀「ぼくの地球を守って」
森脇真末味「UNDER」
北野文野「夢の果て」
高山和雅「電夢時空」
萩尾望都「百億の昼と千億の夜」
楳図かずお「わたしは慎吾」

アクション
藤子不二雄「海の王子」
横山光輝「鉄人28号」
鳥山明「DRAGONBALL」
手塚治虫「ジャングル大帝」
手塚治虫「リボンの騎士」
小畑健「DEATH NOTE」
バロン吉元「柔侠伝」
ゆうきまさみ「機動警察バトレイバー」
藤子不二雄「シルバークロス」
さいとうたかを「OO7シリーズ」
大友克洋「ショートピース」
奥浩哉「GANTZ」
河島光広「ビリーパック」
ちばてつや「ハリスの旋風」
井出ちかえ「美しき狩人」
ちばてつや「紫電改のタカ」
桑田次郎「まぼろし探偵」
丘けい子「挑戦」
飛鳥幸子「怪盗こうもり男爵」
池上遼一「アイウエオボーイ」
久松文雄「スーパージェッター」
古屋兎丸「彼女を守る51の方法」
御厨さと美「NORA」
園田光慶「アイアンマッスル」

ファンタジー・ミステリー
大島弓子「綿の国星」
大友克洋「童夢」
内田善美「星の時計のLiddell」
内田善美「草迷宮」
岡田史子「ガラス玉」
藤田和日郎「からくりサーカス」
三山のぼる「メフィスト」
つげ義春「ねじ式」
水木しげる「墓場の鬼太郎」
手塚治虫「バンパイヤ」
岡田史子「墓地へゆく道」
竹宮恵子「イズァローン伝説」
吉田秋生「吉祥天女」
小田ひで次「拡散」
浦沢直樹「MONSTER」
さそうあきら「トトの世界」
清水玲子「秘密」
佐藤史生「死せる女王のための孔雀舞」
わたなべまさこ「ガラスの城」
CLAMP「カードキャプターさくら」
岡野玲子「陰陽師」
柏木ハルコ「花園メリーゴーラウンド」
鶴田謙二「アベノ橋魔法商店街」
諸星大二郎「栞と紙魚子」

時代歴史
坂口尚「あっかんべー一休」
白土三平「忍者武芸帳」
池田理代子「ベルサイユのばら」
白土三平「サスケ」
横山光輝「伊賀の影丸」
山岸涼子「日出処の天子」
曽根富美子「親なるもの 断崖」
白土三平「カムイ伝」
竹宮恵子「ファラオの墓」
篠原千絵「天は赤い河のほとり」
白土三平「真田剣流」
村上もとか「龍-RON」
白土三平「ワタリ」
坂口尚「石の花」
手塚治虫「アドルフに告ぐ」
近藤ようこ「水鏡奇譚」
谷口ジロー「坊ちゃんの時代」
あすなひろし「白い霧の物語」
堀江卓「矢車剣之助」
白土三平「カムイ外伝」
坂田靖子「バジル氏の優雅な生活」
白土三平「イシミツ」
河惣益巳「サラディナーサ」
田村由美「BASARA」

スポーツ・芸能
寺田ヒロオ「暗闇五段」
ちばてつや「あしたのジョー」
山本鈴美香「エースをねらえ」
さそうあきら「神童」
寺田ヒロオ「スポーツマン金太郎」
名香智子「PARTNER」
ちばてつや「ちかいの魔球」
小野弥夢「LadyLove」
藤田和子「ライジング!」
村上もとか「六三四の剣」
河合克敏「帯をギュッとね」
山岸涼子「アラベスク」
志賀公江「スマッシュをきめろ!」
槇村さとる「愛のアランフェス」
赤石路代「ワンモアジャンプ」
山田芳裕「デカスロン」
水島慎司「ドカベン」
さいとうちほ「花音」
有吉京子「SWAN」
ちばあきお「キャプテン」
浦沢直樹「YAWARA!」
有吉京子「アプローズ」
浦野千賀子「アタックNo.1」
古谷三敏「寄席芸人伝」

ユーモア
赤塚不二夫「おそ松くん」
鴨川つばめ「マカロニほうれん荘」
藤子不二雄「ドラえもん」
高橋留美子「うる星やつら」
江口寿史「ストップひばりくん」
長谷川町子「サザエさん」
三島たけし「ツレちゃんのゆううつ」
赤塚不二夫「天才バカボン」
秋山治「こちら亀有公園前派出所」
あずまきよひこ「あずまんが大王」
山上たつひこ「喜劇新思想体系」
新関健之介「カバ大王さま」
長谷川町子「意地悪ばあさん」
滝田ゆう「寺島町綺譚」
森田拳次「丸出だめ夫」
山上たつひこ「がきデカ」
いしいひさいち「バイト君」
江口寿史「すすめ!!パイレーツ」
鳥山明「Dr.スランプ」
新田たつお「怪人アッカーマン」
赤塚不二夫「ひみつのアッコちゃん」
藤子不二雄「オバケのQ太郎」
つのだじろう「ブラック団」
藤子不二雄「怪物くん」

家族・日常・職業
こうの史代「夕凪の街 桜の園」
高野文子「棒が一本」
永島慎二「フーテン」
斎藤なずな「熱愛列伝」
万里村奈加「白の条件」
三山のぼる「ブリキ細工のトタン屋根」
あべりつこ「でっかいちゃんと集まれ」
高野文子「田辺のつる」
永島慎二「漫画家残酷物語」
みやわき心太郎「二等船室」
あべりつこ「ママの王子様」
近藤ようこ「ルームメイツ」
大和和紀「菩提樹」
つげ義春「海辺の情景」
安野モヨコ「働きマン」
波間信子「ハッピー!」
三原順「われらはみだしっ子」
近藤ようこ「遠くにありて」
高橋留美子「めぞん一刻」
谷川史子「君と僕の街で」
斎藤なずな「鳥獣草魚」
星里もちる「りびんぐゲーム」
津雲むつみ「風のロンド」
名香智子「ファンション・ファデ」

成長・学園
あべりつこ「テキは強いぞごわいぞ!」
大島弓子「四月怪談」
矢沢アイ「ParadiceKiss」
大島弓子「誕生」
つげ義春「紅い花」
くらもちふさこ「海の天辺」
くらもちふさこ「いつもポケットにショパン」
高橋亮子「つらいぜボクちゃん!」
高橋真琴「パリ東京」
大矢ちき「雪割草」
大島弓子「秋日子かく語りき」
池田理代子「オルフェウスの窓」
鈴木雅子「ラブステップのぼれば」
つげ義春「沼」
岩重孝「ぼっけもん」
庄司陽子「生徒諸君!」
森脇真末味「おんなのこ物語」
榛野なな恵「ビッグ・キッド・ブルース」
安部慎一「やさしい人」
関谷ひさし「ストップ!にいちゃん」
里中満智子「アリエスの乙女たち」
大島弓子「さようなら女達」
くらもちふさこ「おしゃべり階段」
藤田和子「ジュリエットの娘」
小花美穂 「こどものおもちゃ」

恋愛・性
大島弓子「バナナブレッドのプディング」
吉村明美「麒麟館グラフィティ」
柴門ふみ「東京ラブストーリー」
柳沢きみお「翔んだカップル」
竹宮恵子「風と木の詩」
一条ゆかり「砂の城」
清原なつの「花図鑑」
小沢真理「世界で一番優しい音楽」
海野つなみ「回転銀河」
鈴木雅子「メリー・カップル」
おかのはじめ「闇夜でどっきり」
津雲むつみ「赤い糸の伝説」
樹村みのり「海辺のカイン」
成田美名子「CIPHER」
一条ゆかり「正しい恋愛のすすめ」
小川弥生「きみはペット」
吉田基已「恋風」
宮谷一彦「セブンティーン」
きたがわ翔「C」
矢萩貴子「仮面舞踏会」
柴門ふみ「小早川伸木の恋」
名香智子「レディギネヴィア」
鈴木雅子「フィメールの逸話」
清原なつの「金色のシルバーバック」
奥浩哉「変」

|

くらもちふさこ「いつもポケットにショパン」80年

どの作品からなんだろうか、くらもちさん独特の作風が生まれたのは?
くらもち風ヒロイン:かなり天然で一歩引いているのに最後は彼の心を射止める
くらもち風展開:複雑な人間関係が小出しになって最後にどんでん返しや意外な終結に至る
「おしゃべり階段」もそんな感じありましてね、ただヒロインはけっこう元気、全面に出て、男の方がじみ
「ショパン」が作風を確立した傑作

ピアノ弾きの物語です
須江麻子は六年生で隣の「きしんちゃん(季晋としくにを音読みしたあだ名)」とピアノ教室仲間
麻子の母はピアニストだが忙しくて教えてくれないし、ピアノでは彼にとてもかなわない
きしんちゃんのお母さんは元ピアニスト、天才肌だが家庭を取って引退している
そんなきしんちゃん一家はドイツへ留学、事故で母がなくなりきしんちゃんは失明するらしい

麻子は白河音楽学園に入学、2年に音楽名門の堂園学園から上邑(うえむら)くんが転入してきたことできしんちゃんと6年ぶりに再開する
実は上邑くんは堂園「三羽カラス」の一人で、一番手二階堂まりあを好きだが音楽で敵わないのを恐れての転学
きしんちゃんも三羽カラスの一人、その彼がライバル視しているのが麻子だと言う
上邑くんは麻子の演奏が気になるが、ごく普通のレベル
それが担当の松苗先生と大げんかしながらもショパンを弾けという助言に従ってからぐんぐん才能が開花していく

からくりの一つ
きしんちゃんの母が言っていた「麻子は努力型のピアニストの娘で、きしんちゃんが天才型の子供」は嘘で実は逆だったということ
おばさんはピアノ弾きの名声も男性もライバルの母に奪われてしまっていた
さてからくりの次
麻子の母は一番大事なものがピアノ、その次は結婚した父でなく、きしんちゃんの母だった
いつも孤独な自分に声をかけてくれる人
結婚後彼女の気持ちを知った母は夫と距離が出来てしまう
意外な展開
麻子の父は生きていてドイツで指揮者の修業をして日本の楽団に呼ばれて帰国することに
母はそんな父と定期的に会っていた様子
意地悪な母親は実は想いを抑えて仕事に明け暮れていた女性として非凡な人だった
季晋くんには「あなたは幸せになりなさい、自分を大事にして」とメッセージを送る

そして麻子の弾くショパンが腱鞘炎を押して母の二の舞になろうとするきしんちゃんの意地を溶かしていく

|

くらもちふさこ「おしゃべり階段」78年

このところまとめて読んだのでくらもちさん週間
初の連載、ちびで天然パーマの劣等感娘、加南(かな)の中高生活を描いた学園もの
中学時代は同じように背が低く、幼なじみでいつでも身近な男友達だと思っていた線(せん)が
卒業間近から急に心引く存在にかわり、違う高校へ行ったためのすれちがいが主な内容
高校入学して「とんがらし」とあだ名付けたまゆ剃った茶髪ロック男、真柴くん(マーシ)が加南を気に入るあたりから俄然おもしろくなる
とんがらしは加南の髪を初めて魅力的だと言ってくれた
それに比べて線の方はあまり加南への想いを表に出さず、付き合っていた女の子は加南にそっくり声の子なんて
ふられるとんがらしが可愛そう
それだけに2巻目付録「まゆをつけてピカデリー」でマーシがまゆを剃ったロンドン外遊譚にはけっこうジーンとくる
ああ、彼はそれから高校転入して加南と出会うわけだ

加南と線は浪人して合格発表の朝、中学を訪れる
二人が好きだった国立先生に会うことができ、生徒たちのあれこれの思惑や気休め、いろんなおしゃべりの余韻残る学校を後にして、地下鉄の階段を登りながら大学へ向かう
二人が自分たちの生活してきたあらゆる過去がこれからのテキストになると想いながら歩くラスト、さりげなく合格発表掲示板を差し挟む作者の構成もいき

|

いしいひさいち「バイトくん」

Baitokun


ひさしぶりに朝日新聞「ののちゃん」がおもしろかった(先生が読ませてる頁忘れて四苦八苦の百面相になってる場面が)のでいしいさんのことを
プレイガイドジャーナル社刊行の4コマで「バイトくん」ものを読んだのが初め
貧乏大学生のいじましく過激な行動が4コマ枠をはみ出してくるようで快感を覚えたもの
「タブチくん」はキャラがおもしろいものの野球限定が少しつらく、皮肉も個人向けのようで乗り切れなかった
「となりの山田くん」「ののちゃん」は食事ネタ多く困りものだが、先生周辺のいいかげんなキャラは楽しい
結局、いしいさんは初期バイトくんが懐かしく現在入手できる双葉文庫版で求めてみたが
再構成してあるようで終始笑いに巻き込まれるなんてことはなかった
あの興奮はプガジャ社版を中古で求めると甦ってくるのか?

|

«三山のぼる「レクイエム」08年