2015年3月27日 (金)

ディネーセン「アフリカの日々」37年

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久しぶりの読み物
81年に晶文社から出たディネーセンコレクションで読む
このところアフリカポップスを聴くことが多かったので、古いアフリカに暮らした人の実見談を知りたく思った
コーヒー農園を1914年から32年までケニヤで大規模に経営していた頃の話だが
夫はほとんど登場せず、彼女一人が女主人然として現れる
最後の方に、経営がうまくゆかず不安を抱く場面もあるが、大半はアフリカの人・動物・土地を活写している

孤高のマサイ族、これはいろんな本で読むとおり
ソマリ族は、自ら開発するのにはたけていないが、人に従ったり、伝統を守るにはたけている
忍耐強く仕事をこなす、回教徒ということも関係しているようだ
キクユ族は気の良い楽天家、彼等の秋の踊りが描かれる場面がとてもすばらしい

他に作者の友人、サファリに明け暮れるデニス
彼が夜にライオンを二頭しとめる場面は迫力がある
三発で二頭をしとめるとはとんでもない銃の腕前
自家用飛行機も持っていて、アフリカの空を作者を乗せて飛ぶ
こんな光景を見た人は少ないだろう、現在では失われた自然が多く残った最後の片鱗
デニスは飛行機事故でなくなるのだが
また、物語のため隠されているが、そんなデニスとも事故の前に決別があったようだ

話は時間系列で並んでいるわけでもなく、気に入った話題がぽつぽつ綴られまとまりに欠く
それなのに、いくつかの輝かしいアフリカの日々が浮き上がってくる

映画を見た時は全く気付かなかったが、あの名作「バベットの晩餐会」の作者でもあったんだ

中村ヒロシ「Pちゃんの冒険」49年(プランゲ文庫)

Nakamurah_pchan
少年の友社2/25発行、75年、96P
波止場で一人、小犬ちび公と暮らす少年Pちゃん
トラックが果物屋に当たって、バナナがころがり、拾って食べる
捨てた皮に荷役人がすべり、怒られ逃げ出し荷物に隠れる
その荷物が船OK号に積まれて出てしまった
ちび公が水を探しに出て、樽のビールを飲んで酔っぱらい見つかり捨てられるところに
Pちゃんが助けに出て見つかる
船長は仕方なく、ボーイに使ってやれと置いてくれる
さて困ったことは、水と思ってビール樽を船に積み込んでいた
大事な水がなければ航海はできないと、見慣れぬ小島に停泊して水を探すことに
人食い人種がいて船長がつかまってしまう
その船長をキングコングが現れて連れ去ってゆく
恐竜が現れキングコングと戦うすきに、Pちゃんが船長を救い逃げ出すが、またコングにつかまる
先に別の怪獣がいてコングが戦う
逃げ出すが、怪獣をいなしたコングが船まで二人を追ってくる
ビール樽をコングの前にころがして酔わせてコングを船で国へ連れ帰る
国ではOK号の積み荷がラジオで流され評判になっている
港に着いたコングは鎖を切って暴れ出し、船長・Pちゃんを見て追いかける
ビルの上に逃げるのを追いかけ屋上まで上ったコングは、はしごが重みで100M下へ落ちる
気絶したコングをつないで見せ物興行をしてPちゃんたちは大もうけ
もうけた金で船を買って新たな航海に出る
次の話もあるような終わり方
なんともはやりの話をつなぎ合わせたような展開に恐れ入る

ジャズ:ソニー・クラーク・トリオ 57年

Sonnyclark1957
ピアノのソニー・クラークがベースにポール・チェンバース、ドラムズにジョー・ジョーンズを迎えて録音したアルバム
冒頭の「ビバップ」に代表されるように典型的なモダンジャズ
ピアノがはね、ベースがずんずん響き、ドラムスがきっちりリズムをキープする
トリオで一枚まるごとソニー・クラークが聞けるアルバムは多くないようで、これが代表作といえる

2015年3月26日 (木)

陽気幽平「とり小僧」

Youki_torikozou
陽気さんの原本などとても入手できそうにないが、現代マンガ図書館に残されていて何作か読むことができる
怪奇もので、特異な絵柄ゆえファンも多いようで復刻がなりありがたい
ただこのとり小僧は話しが陰惨な雰囲気のまま終わり残念
「墓場鬼太郎」11巻に併録された「生の巻」70Pと12巻の「死の巻」44Pがとり小僧の全部
他に13巻の「地獄から戻った男」をこの復刻本は収録している

鶏肉屋山之内の家で生まれた赤ん坊は鶏のようなとさかを持ち、くちばしで、鳥の足をしていた
少年となっても鳥の姿のままで、母咲子は夫が仕事にしくじり姿を消して、二斗巻から借金の催促を受ける
悲観して身投げすした母
正念寺の和尚が哀れみ鳥夫を育てることに
鳥夫は母の霊に導かれ二斗巻の一味にいどむ
しかしつかまりつるされてしまう
父が戻って鳥夫を助けに行くが、撃たれた鳥夫は母の沈んだ井戸へ導かれてゆく
すべては山之内の夢で、赤ん坊が生まれた知らせに飛んで行くというラスト

植木金矢「三日月天狗」55年 (北海道訪問L02)

55年6月号~58年9月号「少年画報」に連載の絵物語

55年7月号
謎の印籠をいだてんの半次から奪う白狐のおりん
名無しのごんべえにつかまりそうになったおりんを若侍が救う
その頃、半次に印籠を取られた三日月天狗は覆面団に囲まれていた
銃で狙う男をましら童子がつぶてで落として救う
覆面団が退散して、ましら童子と一緒になった三日月天狗が滝へ来ると
若侍とごんべえが印籠をめぐって向かい合っている
おりんが奪った印籠と同じものをその若侍も持っていた
12月号
立花小源太の火竜木剣を奪って江戸へ逃げ行く覆面武士団を追って三日月天狗も江戸へ

56年
10月号
小源太と妹を助けて、天狗は道中ルビーを拾う
夜止まった宿屋に覆面武士が押し入りルビーを探している
天狗が追いかけて闘っているすきに、白頭巾なる怪盗があらわれましら童子(天狗の連れる少年)からルビーを奪って行く

57年
7月号
西岡は夜光の珠(アパマン国宝の秘密を記す)を持つお菊を追いつめ五重塔に火を放つ
ましろ童子から知らされた三日月天狗がかけつける
お菊を守る振り袖若衆に刀が刺さろうとする時、天狗が救い追い払う
炎の中にお菊のかんざしが落ちている
綱を向こうの木に渡してお菊が連れ去られたらしい

10月
上様が町に出てさみだれ丸の試し切りをしようと辻斬りをする
作った貞国が刀を返せという
柳沢吉保は上様は辻斬りを止めたとだまして、貞国を銃で撃つ
落とした柳沢家の門鑑を三日月天狗が拾って
秋月早人が見る
次の日、辻斬りを止めに入る三日月天狗

58年
4月号
山根道雪は三日月天狗を味方に出来ず毒を飲ませる
毒をのがれた天狗は逃げ出して川舟へ紛れ込んだが、陣場とでくわす
6月号で
三日月天狗は道雪と剣を交え破る
浅見周馬が道雪を師と仰いでいるため、三日月天狗に勝負を挑む
三日月の話から、兄は彼に討たれたのではないと知るが、そのとき道雪が火薬に火をつける
7月号
山根道雪は火薬に火をつけ滅んで行く
その弟、青銅仮面が兄の仇討ちと三日月天狗をつけねらうことに
8月号は付録

58年8月「三日月天狗」
天神堂が夜光の玉を持ってどくろ堂に森の奥へ連れ去られる
天狗とましら童子があとをつけると、どくろ堂の一味が取り囲み矢をはなってくる
煙玉で救ってくれたのが白面夜叉
お菊と振り袖若衆を救いに行った白面夜叉は見つかってしまう
10月号は江戸風雲編に替わって、12月号では物語が完結する
お菊はアパマン国の王女、白面夜叉は5年前海神丸で別れ離れになった波太郎だった

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