« September 2008 | Main | November 2008 »

少年月刊誌比較(昭和37年、1962年)

初めて国際児童文学館を訪れた時、2階の閲覧室に平置き展示してある漫画月刊誌が4冊あり目次を拾ってみたことがありますがその雑誌は全部昭和32年発行のものだった
これは戦後出産が急増しその成長期になって子ども向けの本がよく売れるようになった頃
それまでの読み物主体からビジュアル主体の大型月刊誌がブームになるらしい
そのブームが終わる頃が昭和37年ということで、今度はその年の月刊誌をまとめて借り読んでみることに
(月刊漫画誌は各出版社から1950年前後に創刊されて60年代には週刊誌に駆逐されていく)
借りたのは次の6冊
光文社「少年」、集英社「日の丸(幼年ブック)」「少年ブック(おもしろブック)」
講談社「ぼくら」、秋田書店「まんが王」「冒険王」

月刊誌の目玉ともいえる「少年画報」をうっかり忘れちゃった
後で調べると、講談社には「幼年クラブ」「少年クラブ」というのもあったらしい
小学館の雑誌がありませんね、学年誌は出していたみたいだが

|

児童文学館便り:横山光輝「おてんば天使1」

Yokoyama_otenba


翠楊社刊行全3巻中600P
小学校低学年くらいの牧村エミちゃんが主人公
家族は中三の千恵子、高三の健太郎と汽船長の父
久しぶりに帰った父は新しい母となる女性とよ子をみんなに紹介する
全く乗り気でない健太郎
彼は自分が家族をまとめていかないとと思っている
そんな折、海難事故で父の船が沈む、責任ある船長として最後を見守って彼も一緒に沈んでしまう
後、記憶喪失となって他の船に助けられるのだが

新しい母とよ子を町の暴力団豚田組長が知っている様子でますます信用できない健太郎
スリをとっちめた仕返しにとよ子が刺されてしまう
傷が治っても、健太郎に責められ家を出ていきアパート暮らしをするとよ子
健太郎の反対でエミ達が会いに来ても追い返すように大家さんに頼むとよ子
このあたり悲しい物語の常用ぱたん
豚田組長がとよ子を知っていたのが、やくざとのけんかで助けられたからとわかり
戦後頼るものがなくスリで暮らしていたとよ子を船長を狙ってつかまえられ逆に助けてもらい学校にもやってもらったという話を聞いて健太郎はとよ子と和解する
一方、記憶を取り戻した船長は陸に戻る途中船が遭難、漂流しているところを助けられたのが密輸船
従わないと殺すと脅され、船の船員となるところで1巻目が終了
横山さん少女まんがというと「鉄人」末期から始まった「魔法使いサリー」、少し絵が粗いかな
もっと初期の「白ゆり行進曲」はなんか横山さんらしくなく、やはり少年まんが家なのかなと思っていたが
これは素晴らしい内容
きっと「東京の青い空」も名作なんでしょうね

|

児童文学館便り:謝花凡太郎「イリヤの冒険」

Saka_iriya


小熊秀夫関連で復刻された「インドの旅」後半にこの名作が附属している
ストーリーは以下のよう
イワン・チモヘーウィチの家では嵐の日に男の子が生まれる
イリヤ・ムウロツメと名付けられた子供は足が動かず30年を暮らすが、三人の老人が訪れると足が動くようになる
また3人が蜜を飲ませると力が充ち満ちてくる
馬を手に霧の中で飼い慣らし柵を越えられるようになったら旅立てと教えられ
そのとおりにする、駄馬が駿馬となりたぐいまれな力を持つ馬となって
首都キエフをめざす
途中巨人スウヤトゴルと出会い兄と慕い共に旅するが、スウヤトゴルは棺の中に入って永眠してゆく
その際生まれた泡をかぶりさらに力をましたイリヤは森の悪魔ソロウェイを退治し
怪人イドリシチコをやっつけウラジミール王の元に帰還し国境を守って暮らすことになる
イリヤの馬に乗る姿が印象的で記憶に残っているが
そんな激しい動きのコマは数コマで全体にゆったりした旧来のコマ割、展開になっている

|

児童文学館便り:鈴木光明「独眼流参上」

Suzuki_dokugannryu09


少年ブック59年9月号付録、こちらは32P
副題は柳生旅日記
片目の柳生十兵衛、勝乃(若侍姿の女剣士)、女スリ流れ星お銀、トップ屋ブン吉を連れての旅
同じく片目の海賊マカオの竜との対決を描く
横山光輝風の絵柄で時代物というとかなりかぶって見える
今度は「りぼん」連載の「もも子探偵長」を探索したい
ところで鈴木さん作品については次のサイトが詳しい
http://www.scn-net.ne.jp/~yu_gatou/index.htm
単行本がない作家さんがこれだけ丁寧に紹介されているとは驚く限り、参考になります

|

児童文学館便り:花野原芳明(かのはらほうめい の読みらしい)

Kanohara_seikai


「大暴れ青海入道」54年おもしろブック10月号付録
松本零二「漫画大博物館」で最近知った戦後すぐの頃、動物絵で光った花野原さん
その花野原さんが自然描写中心でない普通の作を描くとどうなるのかという思いで付録ながら122P借りてみました
青海入道、今は話題にならない名前だけど、真田十勇士の一員
生い立ちから話は始まる
武田勝頼が敗れた時の勇士、やりの甚左の子供に清介、伊三郎の兄弟がいる
父のように死なせたくないおじいさんは二人に武術を教えなかったが
思い立って三年間、剣術の修行を積ませる
そんな頃、浪人仙石軍右衛門が家宝の名刀を奪いに来る
おじいは殺されていて向かっていった兄弟もかなわない
あぶいな所を地元の男に助けられるが
以後、祖父の仇打ちに諸国をめぐることになる
ある日、立ち向かった浪人が真田幸村と霧隠才蔵、彼らの配下になり兄弟は入道となる
93Pには絵師ということで作者も登場するというユーモアもあり
青海達は品川まで足をのばして仙石を見つける
ところが彼は目が見えなくなっていて子どものため見えるよう観音に祈っている
青海達に討たれても本望という仙石を許して
帰りかけには徳川方の図面を入手、火薬庫に火をつけて西国に戻ってくるというストーリー

|

今週の長編:「カラマーゾフの兄弟」

別に「まんがで読破」とかいう名作シリーズじゃなく(脚本はよくできているが絵がなぞっているだけで物足りない)
評判の亀山訳でもなく、普通に岩波文庫全4巻
けっこう時間かかりました
登場人物がみんなドストエフスキー的というのか、これでもかこれでもかと喋るんですから、疲れてくる
カラマーゾフ家の3兄弟、激情的なドミートリイ(ミーチャ)、明晰だがやはり変イヴァン、信仰心篤いアリョーシャ
それと道化的父フェードルの私生児と目されるスメルジャコフ
アリョーシャを除いてみんな変質的な面があり、父殺しもやりかねない
実際起こった犯行の犯人は誰かという哲学的著作というより推理を楽しむ娯楽作の趣が大きい
今回読み直して、人生の深さを感じさせたのはキリストは現代には不要という大審問官のくだりなんかじゃなく
4巻目ドミートリイーを巡る二人の女性の生き様
高潔ながら破滅的な欲望もうかがえるカチェリーナ
妖婦ながら事件を境に聖女的な雰囲気を見せるグルーシェンカ
カチェリーナは裁判でミーチャを破滅させる証拠を提出しながらも、その後深い愛を告白している
グルーシェンカは有罪になったミーチャが脱獄したら一緒にアメリカまでついていきそうな様子
真犯人が読者には明かされながらも証拠もなく、判決でミーチャが有罪になる所も今風の物語の結末を裏切っていて潔い


やはりこれだけ変質的にしゃべりまくる人たち、予想を裏切る展開が次から次へと出てくる流れ
こんなんはまんがじゃ描ききれないか(まあ、手塚版「罪と罰」を読んで考えましょう)

|

児童文学館便り:忠津陽子「アマリリス」別冊マーガレット71年4月

Tadatu_amariris


高校生の奈津子はクラスメイトと先生の結婚祝いの買い物に来ている
32歳で結婚は遅いねというみんなの言葉にどうしてみんな同じように考えるのかと不審の奈津子
アマリリス奏でるオルゴールが妙になつかしく買ってしまう
奈津子は日本人形のようだと言われるがそんなおとなしさに嫌気がさしている
母がつきあっていた恋人は交通事故でなくなり、その時出来ていた子供(のちの奈津子)のためにも結婚相手が必要だった母は父と結婚したという
そんな両親がいやで反発したり
ある日、旅行に出た両親は事故で亡くなってしまう
前に酔った父を送ってきてくれた沼田という部下が夜訪れて奈津子の相談に乗ろうという
奈津子に対して気がある沼田は将来の不安を解消するため、結婚しようと申し出るが
弱みをついてくる卑怯な行動のように思え
こんな風に困った時に母が落ち込んだ所へ自分は逃げ込みたくないと決然と断り
弟と生きていくつもりになる
ママのように自分を責めさげすんで生きていくのはいやだ、後悔せず暮らしたい
「美人はいかが」と「ミリーただいま参上」という脳天気まんがの間に描かれたにしてはずいぶんとシリアスな調子

|

児童文学館便り:のがみけい「風よ雲」73年6月号「りぼん」新連載

カラーの表紙はなかなか見応えあり
1573年甲斐の国は武田信玄が治める所
鹿を追う武士たちの中、若い仁科源三郎は信玄第5子
ひとりはぐれた瀧の所で少女に出会う
誘われるように瀧の裏についていくと毒蛇にかまれてしまう
3日も寝続け気づくと、少女が看病してくれていたらしい
そこは隠れ里で見つかるとまずいとそうそうに帰されるが強烈な印象を残していく
少女の名はもえぎ
ゲンという隠れ里の若者がもえぎを嫁に望むのがいやで里を逃げ出し
忍びと間違われ玉姫に殺されそうになったところを源三郎に救われる
玉姫も信玄の血筋で源三郎とは義兄妹となる
武術を心得ているだけでなく顔を覆面でかくす不気味な存在
時々の発作を蛇の毒でおさえている
もえぎが玉姫の体中があざでただれているのを見てしまった所で第一回は終了

Kazeyokumo_2
書影はネットで見た単行本のもの

同号「りぼん」はおおやちき「アルフォンスお先にどうぞ」載るが
鼻穴を描くのはこの時期では彼女だけでなく
一条ゆかり「笑ってクィーンベル」、もりたじゅん「彼はアフリカへ」なんかもそう

ところで同誌に載る巴里夫さん「青幻記」
沖永良部島での母子の悲しい物語
病のため子供を抱けないという悲しみ
6ヶ月だけ子供とくらし無くなる母
父となった少年が島での暮らしを回想するという設定だが
この物語での巴さんの絵柄が少しぎこちないのは?

|

児童文学館便り:あべりつこ「春の日のおかーちゃん」

Abe_kasuga


マーガレット74年5月19日号読み切り
引っ越してきた一家のおかあさん、少し太めだが明るくきさくな性格
高校生一枝、中学生次雄、小学生三津雄とがんこそうな父
お母さんが夕刻までの時間をお父さんにお願いするので
みんなはてっきりパートに出ると思っている
行く先が橘かおるバレエ研究所
毎日疲れて遅く6時きりきりになるので心配し出す子ども達はそれとなく様子をうかがいに
するとなんと掃除婦姿を想像していたのとまるで違い
おかーちゃんはバレエ衣装で少しどたばたと踊っているじゃあないか
それを知ったとーさん、どなりつけると思っていた子ども達に対して「黙っていなさい」の一言
がまんしている父を見てよけいはらはらの子ども達
事態が進展するのは、おかーちゃんのケガ
バレエで無理しすぎて転んでしまって病院へ
駆けつけた家族を前にした弁が
「子供時代習っていたバレエが引っ越しで続けられなくなった
この土地に引っ越してきてバレエ学校を見つけどうしてもやりたくなった」ということだった
みんな、バレエに熱を上げるおかーちゃんを少しステキだと思い直すというラスト
現在なら颯爽としたママのバレエ姿が描かれるんでしょうが、時代が時代と

|

児童文学館便り:藤子不二雄「光公子」

Fujiko_hikaru


「少女」31年6月号には永島慎二の「花びら日記」も載るが案外普通の少女マンガ絵
お目当てが藤子不二雄「光公子」
でも6月号掲載は7Pで7月号も借りてみましたがまだ2回は続くみたいな

弓月城は赤桐一族に攻められ落城が近い
るり姫の兄、城主の星之進は若輩勝四郎に姫を預けて逃げ延びさせようとする
仲間の犬丸は裏切って一人助かろうと、殿を矢で狙ったり逃げるのを密告したりする
天守閣に火がついていよいよ追いつめられ、勝四郎は崖から落ち、姫も後を追う
枝にかかり命拾いした二人、これからのことを考えているところ
家宝のろうそくをともすと光に満ちた少年が現れなんでも願いをかなえると言う
これが光公子、谷から上っていくロープを出してくれる
次いで次号
追っ手がかかり、光は簡単にやっつける
斬り殺そうとする勝四郎に殺すことはないと言う光公子
逃げ延びる途中助けてくれた虚無僧は兄が化けた姿
この後、光の活躍で復活がなるかという展開

|

児童文学館便り:岡田史子未見作品

岡田さんの「ファニー」や「アイ」に掲載された作品は飛鳥新社版には載っていないし、元雑誌は文学館にもない
かわりにそれが再録された岡田史子作品集1、2が所蔵されていることを知る
今回借り出してみると
おや珍しい連載(9回)と思った「愛の神話」はギリシア神話に素材を取ったエッセイでカットを含むもののまんがではなかった

1集の「ホリディ」20P(くらいだったかな)
マリアン、イリヤーの姉弟は二人、洋館でひっそり暮らす
イリヤーは町で死体を踏みつけている女性に出会う
踏みつけてはいけないと注意すると、これは道路に自分が描いた絵だというところから話しが始まって
その画家エバグリーンと親しくなる
小間使いのナタリは殺人のあった部屋で血を見て仕事を辞める
エバに問いただされイリヤーは一家の真相を語る、
家族は気質に異常なところがあり、マリアンは母を手にかけたらしい
その罪を背負って二人はこの家で暮らさなければならないという
それを聞いて絶望したエバは去っていく
彼女を慕い戻ってきてほしいと待つイリヤーだが、訪ねてきたのはアラン
一家の秘密は知られるところとなり、マリアンは入院、イリヤーには暗い未来しか残らない


Okada_rusii
2集の「死んでしまったルシィ」8P
青年は死んでしまったルシィを悼んで
町で会う女をみなルシィと間違えるしまつ
忘れないで、それがルシィが残した言葉だから
「きみのところまでのぼっていきたい」
ブティックドペから出てくるマリアをルシィと思いこむ
話しかけ彼女はルシィではないと言う
でもわたしを忘れないでと言われ、マリアと連れ立ちマリアの名を呼ぶ

同時期「COM」に発表していた名作群から見るとけっこう軽い気持ちで描いた作品と見える

|

児童文学館便り:ちばてつや「オデット城のにじ」

Tiba_odetto02


「少女ブック」58年6月号からの新連載
この漫画の刮目するところはなんといってもちばさんの絵柄
次の「ママのバイオリン」ではちば画風ができあがっている
この前作はその絵柄ではないのに絵自体が素晴らしい完成度を見せている
当時の少女漫画絵柄に倣いながらもその水準を超えているのにさらに次には独自の絵柄に変化していくというのがなんとも驚異的
この号には他になるみあきら「紅つばき」8P、高橋真琴絵そっくりなんだが良い絵柄
木村光久「かなしき白鳥」バレエもの10P
うちのすみお「ばらの耳かざり」P9ギャングもの
上田としこ「ぼくちゃん」5P ギャグ
野呂新平「チコちゃん」10P
入江しげる「すみれさん」9P探偵物
山口やすたみ「恐怖のいす」20P

さて「オデット城のにじ」は初回11P
マーガレット姫は病気の父から黄金の剣と手紙を持ってすぐ城を出、ロビン王子訪ねるように言われる
臣下のブラック男爵が狙っているからだ
男爵は逃げ出した姫を襲うよう配下に命じる、彼女が賊に囲まれた時、女海賊パールが現れ窮地を救ってくれる
パールもロビンの名前を聞くと探している人物だと、居場所を知る姫に同行することになる
これからの道中の苦難が次号から描かれるという内容

|

今週の長編:浦沢直樹「20世紀少年」

20seiki_1


初回でかなり筋書きが示されています(順不同)
1969年、小学生のケンヂはオッチョらと秘密基地を作る(後「予言の書」なども制作する)
1973年、中学生となったケンヂ(遠藤)がロックを目指すようになった
1997年、ケンジが姉の子カンナを引き取って育てている、その頃、ともだちを核とする宗教団体が登場、同時に(細菌による)変死体が発見される
2001年、国連で新世紀を迎えられないほどの危機を救った恩師(ここではまだ明かされていない「ともだち」)が称揚されている

この後、小学生5年生の万博時期、6年生の理科実験室、首つり坂事件、2014年最終決戦など時間を前後しながら(このパタンは「モンスター」で経験済み)
謎が次第に明らかに、また新たな事件が起きあがってくるという複合的な展開が用意される
核にあるのは、ケンヂ達から注目されない小学生時代の”ともだち”の嫉妬と復讐心
それが世界規模の事件にふくれあがり、ケンヂ達がおじさん(いや最後は60に近い)になりながら阻止するなんて
世界は小学生レベルで決定されるのかという随分荒唐無稽、いかにも漫画的な設定

71年学校の理科室で首をつり生き返って”ともだち”は生まれたというが、実際、怪しい団体として始動したのは97年
ペテン師万丈目と組んで表は宗教組織として人々を誘い込み
裏では細菌兵器を準備している、面倒があれば”絶交(粛清)”が彼らの手段
この時点で”ともだち”に感化され組織の殺し屋となっていく大学生マサオ
彼の瞑想体操がけっさく
20seiki_3

敷島博士も娘を押さえられ、巨大ロボットを建造することに
これが2000年末に細菌をまき散らす
ケンヂはロボット爆発と運命をともにする

これが4巻までで、19巻まで主役は姪のカンナに
予知など不思議な能力を授かったキリコ(ケンヂの姉)の娘
タイと中国マフィアを和解させローマ法王暗殺を食い止める
年代は2014年、翌15年に世界は終わるという
ここでおもしろいのは万博の年を再現した(実際は71年なんだが)ともだちランド
バーチャルな過去に入り込んで謎がいくつも明らかになるしかけ
この14年、小学校の理科室で”ともだち”は細菌開発に誘った小学時代の同級生Drヤマネに撃たれてあっけなく(12巻で)死んでしまう、オッチョたちの見ている前で
15年、日本での再度の万博、その会場の祭壇でローマ法王が”ともだち”の遺体と対面する
なんと”ともだち”は蘇り、暗殺者から法王をかばい負傷する
神格化された”ともだち”の指令は世界に新しい細菌をまき散らすこと
15巻ラスト「そして世界は滅亡した」がソウゼツ
ただこの後に、ともだち歴3年ケンヂらしい男がバイクにまたがり田舎を駆ける描写が3ページ
20seiki_4

ともだち歴3年、”ともだち”は世界大統領となった
日本も各地が壁の中の閉鎖空間で暮らしているという状況
人口が1/3にもなった世界にまだ失望する”ともだち”は最終細菌をまこうと準備している
18巻、いよいよケンヂが戻ってくる、あの大爆発で記憶を喪失していた彼が
スーダララと歌で人々を引き寄せながら、東京の、ともだちのただもとに

カンナとケンヂ、男女のヒーローを存分に描いた作品はそうない、これが本作のポイント
脇役がすばらしい造形なのに、ヒーロー、ヒロインはけっこう平凡なのはいつものこと
「モンスター」でシリアスものを見事にものにした浦沢さんが今度は自分の少年時代を主題にしてまんが的でシリアスな作品を完成させたことも(そこには多大にまんがへのオマージュが溢れている、鉄人ロボットや漫画大家宝塚氏、ともだち歴3年で活躍するサナエ、カツオ姉弟など)
本作の困ったところは、種明かしになるので以下隠し文字
万丈目、高須たちが11巻で大仰に「”1970年の嘘”があばかれてしまう可能性がある」と言っていますが、なんとこれはフクベエが夏休み万博に行かずに東京にいたということなんですね
退屈したフクベエが事件を起こしてやろうと首つり坂の家でてるてる坊主のでっかいのを下げてお化け騒動をかきたてたことも嘘の一つか
見物に来たケンヂ達がお化けを見たと逃げ帰ったことでクラスの話題から万博がふっとんじゃったことがフクベエを痛く傷つけ、後の人類滅亡計画を引き起こすなんて
恋人を事故で失った隙をつかれて言い寄るフクベエとの間に子どもを設けたのはキリコさんの大きな悔いとなったでしょう
フクベエは小学生の頃のあこがれでキリコに近づいたのでしょうね、細菌学者としてはヤマネくんに頼っていたみたいだから
21巻から「21世紀少年」下までの4巻はなくても大して変わらない感じ、カツマタ君が整形してフクベエになりすましていたというのも
カツマタ君の顔が出てこなかったですね
ケンヂの悪行もあまり効いていない
ケンヂがユキジに告白するくらいかな、4巻で読めてよかったのは

|

児童文学館便り:「少年小説体系」別巻1

Oosiro_kisyo


先頃、松本零二編集「漫画博物館」で花野原さんに興味を持ったことから
三一書房から別巻4(傑作漫画集2)に収録されていることを知り注文
では別巻1、3(漫画集1、傑作漫画集1)はどうかというので文学館に来たついで見せてもらう
ぱらぱらめくり買い漏らした大城のぼる「汽車旅行」を読む

東京駅から出発して桑名まで
東海道53次を汽車で行くという趣向
ただステイション、乗り込んだ風景などおもしろくとも汽車旅行はどうしても見える範囲が限られ単調になりがち
そのため、途中で乗り込んだ客にマンガフィルム制作者を当てフィルムまんが制作の過程を絵解き解説
また羽衣伝説や太閤物語など挟んでの工夫が新鮮
写真は小学館クリエイティブyりの復刻表紙

|

児童文学館便り:杉本啓子

Sugimoto_hannin


先日便り「ゴールイン」掲載の「フレンド」70年37号は他に
里中満智子「レディアン」
望月あきら「サインはV」
細川智栄子「アテンションプリーズ」
大和和紀「わたしの兄はヌードロン」
と同誌としてもかなり充実期
そんな中
杉本啓子さんの「犯人は同級生」(連載途中)
保育園のよっちゃんを誘拐した犯人が亜矢子の同級生だった武志
保母さんとしてよっちゃんを助けに来た亜矢子は元優等生の変わりように驚きながらも
武志を信じようとする
彼の話によると父の会社が倒産してから、自殺
母と借金をかかえ大変な苦労の末、誰も頼れず世間を嫌い犯行までに及ぶことになったらしい
亜矢子が説得しようとしてもナイフを出して切りつけてくる
亜矢子達を連れ逃げ出そうとする武志だがよっちゃんが住民に見つかり
武志と二人残された亜矢子、というところで次号に続く
以前、杉本さんの単行本「哀しみのエチュード」入手した時、年代がわからず困ったが、あれは70年より少し前の様子
「犯人は・・」はより洗練された絵柄、大和さんなどこの頃の少女絵に類似したものになっていて見やすい
またサスペンス調の内容に杉本さんの持ち味がある
Sugimoto_humming_2

同年22号から連載の「ハミング・バード」初回を読んでみると
金持ちのジョン・クレイトンから秘密裏の依頼を受けた遺伝子研究生ウィリアム
クレイトンは生まれつき目が見えない娘ナンシーを見えないということを教えないよう温室で一人育ててきた
会ってみるとナンシーは触ることで相手の様子がわかるらしい、まるで見ることに匹敵するほどに
研究対象としても興味を持ったウィリアムは積極的にナンシーに関わろうとするが
見るという真実が明かされた時のナンシーの動揺とナンシーを女性として感じるウィリアムの機微が絡まっておもしろい作品に発展しそうな感じ
書影はやはり「少女マンガの世界2」

|

児童文学館便り:あべりつこ「ひとりぽっちのゴールイン」70年

Abe_hitoribotti


ああ、これも傑作です、文学館再訪の収穫の一つ
あべ作品でも五指に入れたい(テキは、でっかいちゃんと、ママの、すえっ子)
「週刊少女フレンド」9月8日号読み切り作品
陸上盛んな明雄高校の万年補欠、魚屋の娘水沢純子は最後の県大会出場をめざし正選手に選ばれようと遅まきの自主トレーニングを開始する
陸上部には正選手が当確のミスター陸上西城くんとミス陸上三上さんがいるが
悪いことに三上さん専門が純子と同じハードル、だが2人まで出場できる
校内選考で2位につける純子にみな驚きのまなざし、さるものの後半ハードルにぶつかり転倒
選考は三上、大内、先生からはねぎらいの言葉はもらったものの
そんな折、ミスター陸上の西城くんが砲丸を足に受け県大会欠場を余儀なくされる
県大会の日、自宅にいるのもくさるだけと学校に出てみると
なんと水沢さんがグランドにハードルを置いていっている
大会場ではハードル競技が今にも始まろうというところ
ラジオで実況を流しながらスタート位置に着く純子
本大会と同時にスタートした純子は一位(三上さん)と同時にゴールイン
見ていた西城くんも元気づけられ水沢さんの勇姿にほれぼれとするところでラスト
グランドで仮想勝負というのに泣きます
これが100Mとかなら実感が少ないでしょうが、実際あのハードルをひとつひとつ置いていくことを考えると感動的
いやぁ、あべさんは陸上ものが抜群
星原さんHP「星里の本棚」によると単行本「でっかいちゃんと集まれ」にはK544とK721があり
544には本作が収録、721には「ごめんね真奈」を収録
わたしが買い求めた単行本が721だったので今まで読む機会がなかったわけ
決して「真奈」が凡作というわけではないが、全まんがの中に置いても最高作に属する「ゴールイン」
これからあべ作品を購入する人はK544を求められるのが良い

|

児童文学館便り:飛鳥幸子「フレデリカの朝」67年

Asuka_furehyosi


「週刊少女フレンド」10月17日号分(連載途中)
この号は「少女マンガの世界2」で確認していて初回かと思っていたらどうも数回目
病弱の弟とロンドンに暮らすフレデリカはハイスクールほどの年齢
ある夜、ドイツからのスパイが家に紛れ込んで脅すがフレデリカは拳銃を取り上げてしまう
発砲のためスパイは胸に負傷するが次の3時に来る迎えで本国へ戻れるという
警察に訴えればよかったが、スパイは悪者ではないと思った、いやなんとなく惹かれてしまったフレデリカ
学校ではハンサムなアーサーがいやに親切、彼は自分に初めてつれなくした女性としてフレデリカが気になって仕方ないらしい
さて家では弟が発作を起こす、スパイは帰ればすむものをどうも一肌脱いでまたやっかいが起こりそうな雰囲気で次号に続く

これはスパイものといいながら、アクションは無く、シリアス内容ながら多少のギャグ顔が入る
飛鳥さんの完璧シリアスは「白いリーヌ」だけ?(「ガラスの靴」は未見)
同号「フレンド」には里中さんの「ナナとリリ」が連載中
この辺り、忠津さんといい、大和さんといい似た絵柄ですね

|

児童文学館便り:関谷ひさし「月のひとみ」59年

Sekiya_tukino


59年「ひとみ」2月号、14P
身を寄せている船長の遭難で窮地に立たされるひとみ
船長といっても同時期好評の「ジャジャ馬くん」を少し青年にした容貌
父は亡くなっていて母も行方知れず(病気療養を口実に叔母により別荘に軟禁されている状態)
叔母はひとみの宝石を狙っていて自分の住まいに引き取り住むアパートを探ろうという魂胆
管理人に無理強いして家賃の保証がないひとみを追い出させる
叔母さん宅には姉妹がいて、妹のリカは随分いじわる
その家が本当はひとみの譲り受けるものだと知っているから
姉の方は気が良くひとみの味方になってくれそう
元女中のおたけさんも叔母から口止めされ事実を伝えられないが
ひそかに話していた内容からひとみは母が生きていることを知る

58年途中から連載が始まり、あと数号続いて安寧を取り戻して完結したと思われます
「ストップにいちゃん」(62年~「少年」)途中からだんだん登場人物の背が縮んでいくのがどうもスマートさに欠ける
「スーパーお嬢さん」(61年~「りぼん」)でも同じで是非背の整った関谷絵を見たいと望んでいたからこれは最適の作品
書影は「少女マンガの世界1」より
少年マンガから出たのでもない、貸本劇画調から来たのでもない関谷さんの絵柄は魅力的です

|

今週の長編:読み切りなし

ガラスの仮面を20巻まとめ買いしてまだ読み出していない
前の土、日は用事が重なり、それから国際児童文学館再訪の内容をまとめたりしていたし
そんなところに借用お願いの「20世紀少年」が入ってきたからせっせと読み出して
行きの電車で読んでいた文庫「カラマーゾフの兄弟」もそろそろ最終巻中盤にさしかかりと
週の終わりには株価の暴落があり、こんなことしている場合じゃないでしょといった世間の情勢
だからといってわれわれに何の仕様もないんだけどね
20seiki_2

昨年春に喫茶で読んで、あれまだ終わらないのかと思いながらその後の消息を追わなかった「20世紀少年」
「21世紀少年」とタイトル変わっていたわけね
ようやくあの頃読んだ当たりまで到達
二転三転して読みづらかった覚えしかないが、通して読むと高揚感有り、傑作みたい
「モンスター」の時あれだけ興奮させられて最後拍子抜けたから、今回も断定は控えておく

|

卓球の練習

ドライブは少し練習
トップで打つのって難しい
どうしても打点下がってひっかけるのになるから威力はないなぁ
バックはいくらかましになりつつある、切り返し練習も意外と入る
でもとっさの切り返しはバックは浮くし、フォアはネット越さないし最低
サーブはダブルス用にフォアサイドからバックで下切り
2バウンド目を相手コートのぎりぎりに入れるよう練習するが難しい
こんなのやってると短い下切りが決まらなくなる
ついでに同じフォームから速いロングサーブをフォア側に、でもこれって素早くしないと簡単に打ち返されそう
球はたくさん使えるので、普通のサーブ練習も
バックサイドから下切りとロングサーブを
ロングサーブはコーナー一杯に決まるのは5球に一つか、それより少なく使えないわ
それ以上にまいるのはへたすると二つくらいアウトしちゃうこと
それより今回の練習では右腕が痛まなかったのが上出来

今日のワンポイントは返球は常にネットの上を狙うこと
バックから下切りボールを返球するとき少し下からすくい上げるから特に大切なポイント

|

スカイ・イクリプス

森さん「スカイ・クロラ」シリーズの最終巻でしょう
「イクリプス(蝕)」というようにクサナギの飛行技術の消滅を持って話が終了している
8つの短編により、シリーズの補完をしているようでぼやかしが多く不明な所が多く残る
6話目、フーコが娼婦を止め店を開くため町を変える
8話目ではそのフーコをクサナギが訪ねていくのだが、キルドレでもなく飛行機とも縁遠くなってしまっている
7話にはカンナミを見舞う女(姉)が登場、これがクサナギのようで妹を連れている(娘のミズキなんだろう)
姉は脱走したクリタを殺しに行く、その後、妹がカンナミを見舞う場面が出ているのでやはりクリタ、カンナミは別人らしい
とすると、映画ではカンナミの技術はクリタから移植された形になっているが、この話では違い
8話で飛行技術を失ったクサナギを見ると、彼女の能力はカンナミに移植されたのか?
この技術移植のせいか、カンナミやクサナギの人格が入り交じっている部分もあるし
整合性を詰めるならもう一度読み返すことになるが、図書館からの借り物だし、シリーズにそうまでする芳香が薄い
アニメ版「スカイクロラ」に荷担することにしていったんこの物語にケリをつけよう
今は「20世紀少年」の方、整合性を詰めたいわ

|

児童文学館便り:あべりつこ「さよならスモーキング」79年

Abe_sayonara


「ぶーけ」79年2月号掲載、47P読み切り
タバコふかす16歳の高校生笹川一美はいきがいい美人さん
後妻のママとはどうもしっくりいかず無視しがちの毎日
同級の萩原くんがついに彼女に告白しようとするが
萩原くんのお隣さん、中1の山崎ふみ(こちらも可愛いお嬢さん)が横やり入れてくる
萩原くんと自分の仲を監視するようなふみだが、次第に一美のよさもわかり、彼の気持ちもわかり
「たばこを止めたら、萩原くんとの仲を認めてあげる」と条件を付ける
一美が「この一本を最後に」とふかすところをふみの母に見つかり不良娘と勘違いされる
ところがふみの母菊江が実は9年前妹だけ連れて夫(父)から去っていった実の母と気づいてしまう
菊江の手にあるほくろは、別れのかなしい思い出に残るほくろそのものだったから
ふみは母が泣きながら連れ去った妹二美ということになる
一美がたばこを吸うようになったのも、母との別れが一因
複雑な気持ちの一美、でも彼女には決着をつけなければならないことがある
本当の母を確かに見たかぎり後妻のママとの関係はあいまいなままではおれない
いつまでも自分に遠慮しているママの前で思い切りわがままを通す一美
三日目にしてママもとうとう堪忍袋の緒を切らして一美を一叩きする
その厳しさこそ、母に求めていたもの
本当の母が幸せに暮らしていることを知った一美は今のママとの暮らしもよいもの変えていかねばならないと思い始めた

あべさんの作品としては内容・構成一歩譲るものの、登場人物が美形揃いで心引かれる

|

児童文学館便り:うしおそうじ「チョウチョウ交響曲」

Usio_tyotyo_2

漫画少年連載の1952年11月号(9Pだけなんだが)を拝読
ごく古くは単行本にもなっているようだけど現在フツウには手に入らない
雑誌に頼ってもさすがに「漫画少年」となると文学館でもすべてあるわけでないのでともかくこの号内容は・・・
一流舞踏家の娘チョウ子は両親をなくし、今は舞踏家若柳宅にやっかいになっている
若柳の娘がいじわるで、チョウ子とお付きのアリ助を下女下男と扱って、アリ助がチョウ子をお嬢さんと呼ぼうものなら手厳しく叱りつける
今日もチョウ子が町で娘達の落とした財布を拾って持って行くと、盗んだのではないかと嫌疑をかけられる
持ち物まで調べられ、両親の形見の品を取り上げられそうになり真剣に抗議に出たチョウ子
娘達が家ではチョウ子に会ってないから盗られるはずもないとようやく疑いは晴れるがこんな風に多難な前途らしい

寺田ヒロオ編集「漫画少年史」には連載開始の52年8月号数ページが再録されており
冒頭から江戸で大成功を収めたチョウ子が苦難の3年を振り返るという構成であることがわかる
8月号の初めも大コマでチョウ子の舞踏姿を描く
11月号は見開きで通りを描き、道向こうに若柳の出る芝居小屋、こちらに宿屋の2階、そこから男達がお尋ね者の虚無僧が若柳宅に出入りしている様子を見るという出だし
見開きには群衆を描き込んで、というのはうしおさん得意の絵柄

|

児童文学館便り:冬野さほ「うそつきサマー」90年

Fuyuno_usotuki


閲覧室では最初10冊余り借り出したのだがだいたい雑誌でまず手に取りやすい新書版から読書開始
タイトル作が50Pもの
大島フユコは毎日をつまんなく思っている中学3年生
幼なじみの藤本アツローを校門近くで見かけるが彼は学校を素通り
自分はまたもや遅刻して先生ににらまれる
帰り寄った文具店でフユコは消しゴム30個セットの大口万引きを企み
手を伸ばしたところ、先に掠め盗ったのがあのアツロー
そんなちょっと周囲からはずれた二人を描いた小品
後のデザイン風じゃなく、少し頼りなげでラフな線、こどもっぽい絵柄
コマの取り方とかトーンの貼り方とかは装飾的でおしゃれな感覚

「クチュクチュ チューインガム」40P
「Merry Merry」46P
「Happy」38P
「Pure Christmas」15P デビュー頃か、これだけ絵柄が幼い、どこか惣領さん似
午後には、次作「HelloHello」も出してもらったが同じように中学生くらいの日常を描いた短編集で今回はパス
どちらも希少本になるほどの絵柄やストーリーでもなさそうだけど

|

国際児童文学館再訪

Kokusaijidou_2


やってきました、もう一度(これから月一にするかも)
先月、文学館を知ったきっかけが批判文だから皮肉なものだけど、読んだ日が誕生日、検索して所蔵のすばらしさを知ってちょっとした記念日の贈り物になり大喜びで初訪問
その帰りの電車でふと気が付いた(館にいるうちに気づけばいいんだが)
古い漫画月刊誌が展示してあるということは雑誌の所蔵もあるのでは?
後日、検索してみるとこれまた膨大にあるんですね
「マーガレット」なんて1642件あり、一年50号ほど出ているとして30年分保存があるとは、すごっ
一方、「少女フレンド」がないのにがっくりしてると、「週刊少女フレンド」で検索するとちゃんとあってほっとしたぁ
うーん、これは再訪するしかないですねと再来した次第

今回のメインは、単行本がない(そもそも出ていないとか、単に文学館にないとか併せて)作品を雑誌から拾おうという試み
閲覧申し込みで、何月何日発売号がその年の何号に当たるか見当つかず、号数がわかっても雑誌の表紙号数と裏表紙号数が違っていたりして初めかなりまごついた
2度目の申し込みから、何年何月(何日)号と書けば見つけると教えてもらい助かる、親切です
複写も可能な限りOKというのでいくつかお願い(カラーで150円、白黒30円)

当初、雑誌で拾うのが18種、単行本ものが15種、雑誌そのものが12種予定していたが
さすがにそんなに読めない、10、6、6と半分くらい楽しみました
ので続きは11月
9月来たときは平日で閲覧室は2、3名程度
今回は入れ替わり6、7名は閲覧していたわ

|

奈良まんが古書店:プラネット

Planet


土曜日の行事、食事会に行く途中立ち寄り
荷物を持てないので店内を駆け足で見るくらい
デジカメを持参していたので店も数枚
近鉄奈良駅から東向商店街を南に少し、200Mほどの通りの中程、東西の小路があり、西には興福寺への登り、東は商店筋
東すぐにある小店がプラネット
陳列の希少本棚には金田光二さんの探偵ものとか・・
目当ての「からくりサーカス」「デカスロン」はなく
倉持さん「青になれ」初巻目のみ(これは30円でした)
その後、菊水楼別館へ
椀もの、煮もの、付け出しとさすがの味ですが
魚はすこし不満、鮪造りがまずまず、後の皿でエビの変わりてんぷらが出るがこれは魚焼きものか煮付けなどが適当なのでは?
ともかく土曜好天に恵まれ、浮き見堂、飛火野への散策も気持ちよい

|

冷ややかさになじむ典籍

Syounensyousetu_2

もう10月、こういう季節になりました
少しまとめ買いや珍しく注文も
「漫画大博物館」を再見していて、花野原芳明という作家さんに引かれました
戦後しばらく活躍した人、動物・自然を得意とする画法で見応えがある
文学館で読むことを考えて図像、書影などネットにあるのかと探していたら復刻が出ているじゃありませんか
三一書房「少年小説体系」の別巻として10年くらい前に松本零二さん所蔵本を元に刊行されていて、文学館にないものが読めそう
値段は8800円とちょっと無理値なんだが、アマゾン中古では3000円切る価格で出ているので思い切って注文
これが久しぶりの注文分
まとめ買いはブックオフ
「ガラスの仮面」は四年前少女まんがを読もうとしたころ、「これから入れば」と勧められ一番最初に読んだ作品
もちろん完結はしていないのだが在るところまで借りたり、喫茶で読んだりとして
久しぶりに再読したい気分になっていて、まとめて出ていたら購入もと思っていたもの
文庫版で22まで(19巻のみ欠けているが)あるだけ求め
ついで、長谷川さん「やじきた珍道中」、須藤さん「電気ぶらん」、菅原雅雪「牛のおっぱい」2、3巻
菅原さんの「暁星記」以外は初めて本屋で見ました
そういえば「暁星記」第8巻がもうすぐ発売されるんですね、わくわく

|

牧村和美「少女と風船」65年りぼん3月号付録

Makimurakazumi


先月訪れた国際児童文学館での読み物を何回か渡っての紹介もこれが最終、いくつか残ったものをまとめて拾い書き
まず少年チャンピオンに「モーレツ先生」とかセクシーな女性ヒロインの作を数作発表した牧村さん
この頃は少女向けに描いていて、ちばてつやそっくりの絵柄なんだが
公園で売り物の風船を盗んだひろしを諭すリエ
両親がなくなり、兄のみのるは家を売ってリエを村上おじさんに託して東京へ
仕事がうまくいかず宝石強盗で新聞に載る始末
ひろしが車に轢かれそうになったのを救おうとしてリエの方が轢死してしまうという何とも暗い結末
この作、書影は見つからないので、当時の牧村さんの別作品を
他、国際児童文学館で閲覧したまんがは
山根赤鬼は付録で「かのこちゃん」、まあ普通にユーモアもの
みやはら啓一も付録「0学級の子どもたち」などを拾い読み
ジョージ秋山「アシュラ」上巻は人肉食を主題とした激しい人間絵巻
これは普通に売っていることがわかったので下はまたしばらくして

|

細野みち子「おはようエルザ」65年全3巻

Ohayoeruza


コリー犬を主役にした感動のTVドラマ「名犬ラッシー」が日本で放映されたのが57年から65年
その影響でコリー人気はまんがにもおよびこの作品が描かれたわけだが、お涙ちょうだいのストーリーを3巻に詰め込みすぎのきらいはあるもののよく描かれた名作ですよ
今回、国際児童文学館で閲覧した25冊ほどのうちこれと井出さん「ボダからの脱出」は傑作の部類に入るでしょう、ベスト400作品に追加
したいもの

ヒロイン高見さぎりは母と二人くらし
友達の大平洋子さんの所に招かれた時、母(大平さんの母は無類の犬好きだが高慢で嫌みな女性)が自慢するコリー犬ローザに目をひっかかれ、単なる傷と思っていたのが悪化して失明してしまう
大平母はローザのせいじゃないと意に介しないが、洋子は気に病んで以後何かにつけてさぎりの味方になる
普通の少女まんがなら洋子さんも悪役になるんだがその辺、現実味ある設定になってますね
ローザの子供の中で雑種みたいに見える一匹(エルザ)を大平母は毛嫌いしてる、そのエルザをさぎりが引き取ってから彼女の無二の友となる
ローザは母としてエルザのことが気になるのだろう、それが元で事故に遭ってしまう、エルザが愛されていたということがわかる一方、あんなにかわいがっていたローザを忘れて新しい犬に夢中になる大平母のむごさも良く出ている
さて、完全に失明したさぎりは盲学校に入ることになるが、そこでもそれぞれの事情に応じていじめはある
5年生の学芸会は「アルプスの少女」、さぎりはおじいさんの役しか回ってこない
ハイジ役がクラスのボス格の大橋友子、クララ役が引っ込み思案のみどり
エルザもクララを導く役として出演することになるが、エルザはけがをしてかろうじて歩ける痛々しさ
それでもおびえるみどりをうまく支え、さぎりも親身で友子を支えたことで気持ちが通い合うようになる
エルザはここでの無理がたたり入院することになるが、病院の先生が親切で、エルザを知り合いに頼んで盲導犬に仕立ててくれる
しかし哀しい出来事、心臓病が悪化したママが自分は本当の母ではないんだと衝撃的な告白をして亡くなる
さぎりは小豆島、父の実家に預けられることになるが実家雨宮家、長男を奪ったとママには厳しい目で、さぎりも冷たく迎えられる
父は亡くなっているし、実の母もママとのいさかいが原因で顔にやけどを負い隠れて暮らしていたらしい
修道院の尼僧マリアンネが母かと想定していたが彼女は母の親友で既に亡くなっていることを知らされる
おじいさんはいこじ、おばさんは意地悪、その夫と息子の敬太は人がよいんだが、娘の千代がまた意地悪な子ども
さぎりは離れの座しき牢に住まわされ、エルザも邪険にされる
千代はエルザを引っ張り出し雨の中縛ったままでおいてくるというひどさ
絶望的になっていたさぎりは海へ入って死のうするがエルザが弱った体ながら海へ入りさぎりを救い出す
エルザは死んでしまうが幸い、地元の黒コリーとの間に3匹の子を設け、エルザのような賢い犬に育つのが救い
おじいさんも次第にさぎりを理解するようになり明るい展望が見え始めたところで終了
エルザの顔は正面からは描きにくいようでちょっとすっとぼけた感じになり、「ラッシー」並みのりりしさに欠けるが、うーんけなげな名犬です

|

忠津陽子「お金ためます」70年(2巻目)

国際児童文学館に本タイトル1巻目無いが前の内容は2巻目だけでも概要は知れる
絵柄は少ししか時期の違わない「美人はいかが」と比べると完成前といった感じ
ニューヨークマリア学園に通うアニー・モーガンはそのかわいらしい容貌にもかかわらず無類のけち
このがめつさは父親譲り、20歳まえに1万ドルためないと遺産を譲らないと宣言されたためいっそうけちに拍車がかかっているわけ
そんなアニーにも気になる二人のハンサムボーイ
一人はマイアミで知り合ったラフティ、金持ち娘をハントしようと狙っているやつ(髪白)
もう一人は乗馬クラブで知り合ったロベルト(髪黒)
アニーが部屋代を浮かすため同居人を募ったところ、彼女に負けないくらいけちなミリセント・ゴールドがやってくる
こちら、少しふっくらめの元気娘
しかし彼女は最後には金より好きだった幼なじみを選ぶ
アニーの方も、ララフティが1000万ドルの資産家娘リアをふって愛を告げるという結末に

|

山本まさはる「大好き!!中村君」69年

Yamamoto_daisuki


光伸書房日の丸シリーズの一冊、「中村くん」シリーズはいろいろ出ているようだが、これが文学館所蔵のもの
中学の名選手四番サード中村君はちょっととぼけたところがあるが好青年
困っているおじいさんを助けてあげると、それが本日試合相手ライバル中学の石森投手の祖父だった
中村君がひそかに慕う吉永さんの声援もあって、この試合は中村君のヒットでけり
おっちょこちょいで好人物だがぴりっと決めるところは決める主人公たる資格を見せる
動物園で間近に撮影しようと白クマの檻に入った子供を助けるエピソードをはさんで
中村君に「大好き!中村君」というラブレターが届けられる
差し出し住所から見ておそらくクラスの誰々さんと三人に見当付けた中村君は
次々にカマをかけ試してみるが三人とも手紙に全く動じず、あれっと思っていたところで
あの助けた子供が感謝で書いた手紙を勘違いしたんだと判明
暖かみある絵柄で、女の子の顔つきも素朴にかわいくよい水準

|

« September 2008 | Main | November 2008 »