大島弓子「戦争は終わった」70年:児童文学館便り
「週刊マーガレット」70年33号~39号連載
大島弓子そろそろ始動といった時期でしょう
シリアスな作品でまっこうから取り組んだ感じ
特有のロマンティックな雰囲気が入り込む余地ない内容です
アメリカ人の母キャリーと外交官岡庭一彦の間に生まれたサチ
戦争中ということもあり、弟のみちはるはよくいじめられる
お手伝いさんの息子健が助けてくれる
そんなある日、父がスパイ容疑で連行され銃殺に
財産は没収され、健の家に住むことになる
近所からは冷たい目で見られ
空襲でも防空壕に入れてもらえない意地悪をされたり
サチが取り残され助けに入った母はサチをかばって爆撃で亡くなる
35号はなく
その間にみちはるが乗った疎開船は飛行機に撃沈されてしまう
健も戦争に取られ、サチは看護師の直子さんと知り合う
病院では父を連行殺害した片目の憲兵に出会う
彼は瀕死の状態で片目ゆえ他人を恨み、戦争で得た権力をかさに横暴を重ねたことを悔いていた
サチに対しては無実の父親を殺したことを認め自分を撃ち殺しても良いと銃を手渡そうとする
とても実行できないと悲しんでいると、元憲兵は絶望していたのだろう自分で引き金を引いて自殺してしまう
敵が攻めてきて直子の父軍医も戦車に撃たれ死亡
サチに看病された腕を失った青年兵は手榴弾を持って戦車に突入して果てた
戦車の生き残りアメリカ兵も若い青年だった
負傷したバーナードは敵対心しか見せなかったが同じ瞳の色を持つサチはあれこれ語りかけようやく心を通じ合えるかと思ったとき
アメリカ兵がサチに襲いかかろうとしていると勘違いした軍兵に射殺される
39号が完結編
自決を薦める負傷兵の言葉に絶望していた直子は薬を飲んでしまう
降伏しようとサチは振り切って壕から出ようとするところを背後から負傷兵に撃たれる
外で見張っていたアメリカ兵たちは中から発砲してきたと勘違いして出てきた人影に向かって射撃しサチは死んでしまう
どこまでも絶望、絶望
あまりに救いのない内容でさすがに選集からはずしたのでしょう
どこかで希望を与える弓子マジックの出る幕が全くない作品も珍しい
それだけ「戦争」が(武器が、軍隊が)どうしようもないものだという証拠なんでしょう











































