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大島弓子「戦争は終わった」70年:児童文学館便り

Oosima_senso


「週刊マーガレット」70年33号~39号連載
大島弓子そろそろ始動といった時期でしょう
シリアスな作品でまっこうから取り組んだ感じ
特有のロマンティックな雰囲気が入り込む余地ない内容です
アメリカ人の母キャリーと外交官岡庭一彦の間に生まれたサチ
戦争中ということもあり、弟のみちはるはよくいじめられる
お手伝いさんの息子健が助けてくれる
そんなある日、父がスパイ容疑で連行され銃殺に
財産は没収され、健の家に住むことになる
近所からは冷たい目で見られ
空襲でも防空壕に入れてもらえない意地悪をされたり
サチが取り残され助けに入った母はサチをかばって爆撃で亡くなる
35号はなく
その間にみちはるが乗った疎開船は飛行機に撃沈されてしまう
健も戦争に取られ、サチは看護師の直子さんと知り合う
病院では父を連行殺害した片目の憲兵に出会う
彼は瀕死の状態で片目ゆえ他人を恨み、戦争で得た権力をかさに横暴を重ねたことを悔いていた
サチに対しては無実の父親を殺したことを認め自分を撃ち殺しても良いと銃を手渡そうとする
とても実行できないと悲しんでいると、元憲兵は絶望していたのだろう自分で引き金を引いて自殺してしまう
敵が攻めてきて直子の父軍医も戦車に撃たれ死亡
サチに看病された腕を失った青年兵は手榴弾を持って戦車に突入して果てた
戦車の生き残りアメリカ兵も若い青年だった
負傷したバーナードは敵対心しか見せなかったが同じ瞳の色を持つサチはあれこれ語りかけようやく心を通じ合えるかと思ったとき
アメリカ兵がサチに襲いかかろうとしていると勘違いした軍兵に射殺される
39号が完結編
自決を薦める負傷兵の言葉に絶望していた直子は薬を飲んでしまう
降伏しようとサチは振り切って壕から出ようとするところを背後から負傷兵に撃たれる
外で見張っていたアメリカ兵たちは中から発砲してきたと勘違いして出てきた人影に向かって射撃しサチは死んでしまう
どこまでも絶望、絶望
あまりに救いのない内容でさすがに選集からはずしたのでしょう
どこかで希望を与える弓子マジックの出る幕が全くない作品も珍しい
それだけ「戦争」が(武器が、軍隊が)どうしようもないものだという証拠なんでしょう

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「週刊マーガレット」70年33号:児童文学館便り

浦野千賀子「アタックNo1」23P インターハイ予選の章
忠津陽子「美人はいかが」15P モデルコンテストの章
大島弓子「戦争は終わった」15P 連載開始
西谷祥子「放課後あつまれ」15P ラブコメディ
志賀公江「スマッシュをきめろ」15P まことの母の死
木内千鶴子「緊急生徒会」15P
わたなべまさこ「ガラスの城」23P ミューズの登場
よこたとくお「マーガレットちゃん」2P
藤原栄子「チビでも選手」20P
丘けい子「悪魔にメスを」15P
お医者さんシリアスもの
医師紫聖奈子は胸の腫瘍が発見される
同僚久保さんの新薬の実験を試す機会だと買って出る
聖奈子を愛する久保さんは思いきれないが彼女の熱意に打たれて試すことに
命ある限り病魔と闘うという聖奈子の決意で本号で終了していて彼女が今後どうなるかは伏せられたままという変わった終わり方をしている、その方が病気を取り上げた作品にとって真実味を与えているのかも知れない
鈴原研一郎「モコってへんかしら」15P ユーモアもの
池田理代子「朝は6時30分」読み切り
800m走に出るため毎朝ランニングを始めた麻生奈々子
ある家の庭先で毎朝出ている男の子がなんだか目障り
次の日はなんと立ちしょんべんをしている所に通りかかる
嫌になって数日止めてまた走った時には「生理だったのか」とぶしつけな発言に頭に来てびんたしてしまう
大学四年生の牧村真吾は女学院までやって来て帰りの奈々子をつかまえ「生理」と言うのが変ではないととうとうと論じたてる
次第に真吾のことが好きになりランニングが楽しみで恋仲になってゆくというストーリー
なんとなくこなれてないんだが、池田さんのきまじめな姿勢がはじめから貫かれていて独特です

ページ数を見ると「アタックNo1」「ガラスの城」人気がわかります
自分としては「マーガレットちゃん」が楽しい
マーガレットちゃんってアメリカ人だったのね、英語をいかして小学生に教えるバイトを始めるが
マーガレットちゃんファンの取り巻き達は自分たちが教えてもらおうと高いレッスン料のためバイトにてんてこまいという内容
絵が粋でステキ、単行本ほしくなる出来です
この頃の「マーガレット」やはりレベル高い作品を並べていて感心します

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森田拳次「マイティコルト」:児童文学館便り

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「少年キング」64年19号でもう一つおもしろい連載が始まる(26号までだが)
ギャグもの「1/2平太」から一転してのシリアスもの、それがギャグもの以上におもしろい
探偵コルトは国宝狙いの国際的強盗を阻止するため警察から協力を依頼される
強盗団を追いかけるがかえって共のけんじ少年をとらえられる
鈴鹿まで追い滝に吊り下げられたけんじを見事に救い出す
この飛び込んで縄を切る場面など一級の連続アクションコマになっていて驚くほど
強盗団も逮捕され一安心しているところで新聞記事には脱走の知らせが載っている
犯人側と関わるうち、これ以上深入りすると自分から死ななければならないことになるという警告を受け不可解なコルト
強盗団にはさらに上に真の首領がいて実は幼い時に別れたコルトの双子の兄弟ハンクだとわかる
コルトの母はアメリカの青年と恋に落ち双子を産んだが、青年の父がマフィアのボスで彼も跡継ぎとなった
母は息子一人を青年の元に残しもう一人を連れ日本にやってきたというわけだった
ハンクはコルトに密輸団の首領になるよう誘う
きっぱり断るとうり二つの顔で銀行を襲い行員を射殺し金を奪う
みんなはコルトが犯人と思い、非難の中、刑務所に入ることに
ハンク達の差し金でコルトは無理矢理脱獄させられハンクと会うことになるが
秘かに警察に連絡を付け一味を取り囲むことができる
ハンクとのかたを付けるため一丁のピストルを先に取った方が撃つというゲームで決着させることになる
隠し持っていた拳銃を使おうとするハンクより一瞬早く銃を取り撃ち抜くコルト
双子の兄を抱え、運命が逆だったら死体になって担がれていたのは自分だったろうというラストが大変厳しいものになっている

うーん短く終わったけれどよくまとまり意外に展開するストーリーが巧み
絵柄も内容に良く合いきびきびした線が上手い
悪人の手口は当時の少年誌にしては悪辣残酷なもので、コルトを脱獄させる偽看守が気づいた刑務所員の口を封じるためのどを切る場面とか、偽コルトが銀行員を散弾銃でぶち抜く場面とかすごい重量感
コルトの方でも海中で戦う際、敵のアクアラングの空気管をナイフで切るがあり、かなりリアルな行動が描かれている
森田さんというと「丸出だめ夫」か「ズーズーC」などギャグものなんだが150ページ足らずの本作も忘れられない

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牧英三郎「戦国忍法帖」:児童文学館便り

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(望月三起也の別名)
TV放映の内容をまんが化したもので第一部作者は久留見幸守
第二部「紅の城」の巻で牧さんになってから動き、人物の陰影など凄みのある作品になった
「最前線」などで見られるよう動く人物・物体をすべて描ききらず動線に託す手法は忍者ものでいっそう映える
12号
主人公一色城太郎は一匹狼の忍者、甲賀忍法帖を手に入れている
それを狙って野火五忍組(火炎法師・竜馬・雷魚・四死・鬼首)と伊賀忍群が暗躍する
忍者にあこがれる少年ホースケは城太郎と関わったため母を殺されてしまい以後、行動をともにする
このコンビが対称生がよく、伊賀忍者の首領黒十兵衛もなかなか味ある人物

家老の息子、剣の使い手暗四郎が悪役として存在感あり
も切られて忍法帖も奪われる
は四死との対決
枯葉地獄という術は一陣の枯葉舞う風が人間に斬りつける不思議な技
実は枯葉模様の服を擬装した下忍が仕掛けていたのを見抜いて四死に迫る
樹下で待ち受ける四死の様子がおかしいことに気づいて木を両断しながら落下する城太郎
案の定木の中で待ち受けていた四死を破ることができる
伊賀忍者の雲の陣左が参戦、身代わりの術を得意とする
四死と火炎法師で両がかりにする
いくら切っても木などで身代わりになるため
傷ついた四死は自分が陣左にしがみついて逃げられないようにして火炎法師の火を要求
逃げられない陣左は四死と焼き殺されてしまう
20号から飛んで24号
もう一人の四死は城太郎と鬼風に追われ橋の両側に二人を待たれる
仕方なく手裏剣が切れている鬼風に挑むが草をほおばりつぶてとして倒す
忍法帖は橋の上にのこる、取りに行くと水中から雷魚のつぶてが恐ろしいので毒を池にまき雷魚を脱出させる戦法に
逃げ出した雷魚を追う途中鬼風は水たまりだと気を許して雷魚の水から飛び出すつぶてにやられる
死に間際忍法帖をくわえた雷魚の口を例のつばきで封じてしまう
忍法七夜縛りに会うと七日間ひっついたものがはがれない
家老の屋敷にたどり着いた雷魚は死んでしまい、口から忍法帖はとれない
屋敷に忍び込み見張りをかたづけながら、じれて屋敷から忍法帖を運び出さそうと狙う城太郎達
27号28号
影の三郎左登場、家老屋敷に忍び込んでは見張りを倒し家老の不安を誘う
相手の影の中に忍び込むことができ影に手裏剣を打っても当人が痛くなるだけという術を使う
家老はここでの警備を信用できず七夜待てずに紅城に忍法帳を運び出させる
かごはおとりで暗四郎と四死が雷魚の首ごと持ち出す
29号は所蔵ないがそこで終了した様子

値段の高い単行本も少し破れ気味のを安く購入できたので書影はその表紙で

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ありかわ栄一「車大介」:児童文学館便り

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(園田慶一の別名、久米みのる原作)64年
「少年キング」連載
車大介は柔道選手、原爆で特異体質となったため普通には困難なわざも繰り出せるし体力も尋常ではない
9号
ロシア戦での強力な敵チャレンコフの秘密は極地で冷凍人間となったこと
普段は非常に低温、戦いで体温上昇し蒸気を発する
組んだ相手は力が入らず敗れる、大介の投げもかわされるがもろともに車投げしたわざが効いてはるか場外、隣の池に体落としし勝つ
しかし地面ならさらにチャレンコフが持ち直り投げを打ってきただろうから大介の勝ちではないと教えられる
話は国際戦からかわって、野原で襲われている女性に出会う
その高原ミネ子はちんぴらを空中回転するけりで片づけてしまう
彼女は格闘技の選手なんかではなく、聞いてみるとレインボークラブのバレエ選手だと言う
これをヒントに空中で回転する技をあみだした大介
そこへ現れるのが猛林寺拳法
12号~16号
柔道で山口さんを死なせた大介は謹慎の身分
睦月六段の死も自分に原因があるのかと気がかりな大介は原田さんと和歌山妙本山へ向かう
ちょうど兄の法要中の弟如月四段は大介を目の敵にするが
大山和尚に睦月六段は以前猛林寺拳法の闘士に三年殺しの技をかけられていて大介との試合でのダメージはきっかけにすぎないのではないかとただした
和尚は三年殺しの秘密を教えてくれる、それは内臓にきずを負わせその場はなんともなく終わるが三年ほどたつと少しの負傷をきっかけに死に至らしめるほど体内を破壊する技だと
折しも中国猛林寺の刺客が現れ格闘の末、和尚を殺してしまう
19号
対決のため一緒に台湾へ渡るがゴンちゃんは瀧に落ちてしまう
大介は飛び込んで助けようとするが滝壺では渦巻きが生まれとても近づけない
猛林寺に父を殺され復讐を誓う娘梨花と出会い道連れになる
彼女の話では分身四の字を破るには鮫ケ島の白竜先生に付くしかないだろうとのこと
海に出ると鮫がうようよ、ゴンちゃんの服がそこへ流れ着いていて川から海に流されて鮫に・・と思っていると近づく船の漕ぎ手はゴンちゃんだった、彼は海で白竜先生に助けられたらしい
さっそく師事して教えを受けるが四の字を破るには五分身ができるほどの体力がないといけないと猛烈な訓練が始まる
いよいよ猛林寺に乗り込み門番の四の字対決となる
それは見事に破るが、次は三人衆、四天王と控えている
三人衆の得意技三年殺しは寝技では使えない水無月に化けた敵の言葉にのり、寝技から入り簡単に技を受けてしまう大介
しかし彼の体質は三年殺しをしのぐもので三人衆もあっけなく破り去る
問題の四天王だがその槍のように次々押し寄せる動きも一番手を次ぎの相手に投げ返し、空中ではけりを受け反動で相手をたたきつける技で破ってしまう
敗れても襲いかかろうとする四天王をいさめて現れたのが陰花鬼人(いんかきじん)
老人の姿をしているが猛林寺のリーダーらしく、どんな投げを受けてもネコのように軽く立ってしまう
相手のエネルギーを吸い取り自身の力が増すという恐ろしい対戦相手
大介の力も吸い取られピンチのさなか、彼の胴着が破裂し力がみなぎってくる
大介の潜在力がこの未知の術者と組んだことで引き出され爆発的な能力に高められた
試合の初めに陰花鬼人がつけたろうそくは下半分がダイナマイトになっていて敗れた彼は寺の爆破と運命を共にする
これで物語が終わるみたいだがなんと続いて
日本に戻ってみると住んでいた長屋が取り壊され母達は行くところなしの状態になっている
資金をかせぐため賞金の出る格闘技大会に出場
相手は99戦全勝のヒマラヤ式ボクシングのライジン
投げても舞い戻ってけりを入れるブーメラン蹴りに大介も苦戦するが
大車輪落としから逆一文字と技を続け見事優勝
賞金を長屋再建に当て、大介は東京オリンピックに向け精進するというところで終了
28号というと折しも64年東京オリンピックを前にした七月頃です

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小山春夫「サスケ(真田十勇士)」~「虹の剣士」64年:児童文学館便り

「少年キング」2号(1/10)
伊賀忍者月輪の陣を破り、才蔵・佐助が逃げる
追うのが犬丸の犬群
7号(2/9)~9号
まんじ組と組む真田勢、まんじ組は家康の命を狙い利害が一致
家康を乗せたかごが5組違う街道を進む
戦力を分断されるがそれぞれに当たる真田・まんじ勢
しかしすべてに家康は乗っていず敵の待ち伏せにあう
カラスがネコと対戦している間、まんじ組首領の姫がほねなしのくらげと対戦してとらえられてしまう
「車」三船十段からソ連遠征を許される、相手のチャレンコフが大変な敵
才蔵が地虫を片づけ、佐助がくも丸を片づけ駆けつけるが姫を囮におびき寄せられたカラスは敗れてしまう
姫も人質の用がなくなると殺され、佐助たちがその仇討ちをして終わる

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小山さんの作品は10号から「虹の剣士」(多岐流太郎原作)にタッチ
インドで忍術を学ぶ虹之助、免許も皆伝しようという時、日本で危機が迫ることを察知
彼の仕える豊ノ四郎(豊臣秀頼四男)を担ぎ出して徳川家と対決しようともくろむバテレン勢が宗意軒(そういけん)を筆頭に動き出した
海外からは船で妖術使いルシアンが近づいている
霊鳥カルラを借りて日本に向かう虹之助はルシアンの船に出会い、カルラの吹く炎で撃沈、とらわれていたマリアは独り日本の海岸にたどり着くが徳川勢忍者に捕まってしまう
四郎の元に駆けつけた虹之助はさっそく幕府忍者赤童子と対決
力不足と知った赤童子はわざと切られ毒の血しぶきをまき散らす
四郎を我が手に入れキリシタン勢力を活気づけようと企むルシアンとその手下の宗意軒、阻もうとする伊賀忍者群
虹之助でどちらにも与しないで四郎を救おうと奮戦する
横山光輝風の術合戦を白土三平風エッジの効いた絵柄で描くところが見応えあり
19号
黒童子と対戦、得意とする土遁の術を破る
宗意軒は四郎をさらって毛利家に連れて行き、四郎を押し立てて徳川を打倒するよう説得する
虹之助は宗意軒を討ち、徳川と敵対する気もなく平穏に暮らしたいという四郎側の意向を理解した幕府側半蔵と手を組むことに
最大の敵はルシアンだが、彼の妖術は忍法でかなわずマリアの力が必要となる
20号は所蔵なくそこでルシアンを破り四郎を助けて完結する様子

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「少年キング」64年:児童文学館便り

第5回文学館訪問で64年12号14号16号を読んで堪能
63年夏に創刊されたキングはアクション系の作品が多く、絵柄もリアルタイプ
少し乗り切れなかった陣容も年が明けると興味深くなる
「0戦ハヤト」「月光」という看板作も連載が続いているがそれよりも以下の3者作がおもしろい
小山春夫、牧英三郎(望月三起也の別名)、ありかわ栄一(園田光慶)
訪問第6回目には前後の号を閲覧

15号から21号には山田えいじさん「太陽にほえろ」(後同名の刑事番組があるから紛らわしいが)でコリー犬ハリーの活躍を描いている
少年誌だからヒーローの若宮少年は柔道の選手、ミサイル投げを得意わざとしているが家が貧しく苦労ばかり
ハリーも近所のドラ息子のけしかける土佐犬、五郎に痛めつけられるが仲間の犬に助けられる
おじさんはハリーを手放すように説得するが離れがたい気持ちがおじにも伝わり暮らすことを許してもらえて終了

19号から26号で森田さんシリアス探偵もの「マイティコルト」
22号からはこれまた強烈な絵柄(34号まで)植木金矢「忍者小源太」
30号でいよいよ「サイボーグ009」始まる
この辺りが「少年キング」が最も充実していた時期じゃないだろうか

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64年で一番沢山コピー依頼したのが26号
その「キング」陣容を紹介すると
6/21号、216P、50円
辻なおき「0戦はやと」15P
中沢けいじ「宇宙ジラフ」14P
藤子不二雄「フータくん」16Pギャグもの
桑田次郎「キングロボ」17P巨大アリロボットの巻(桑田さんは影の線を入れない白黒画面なので少しつらい)
植木金也「忍者小源太」15P
吉田竜夫「少年忍者月光」17P
森田拳次「マイティコルト」13P
ありかわ栄一「車大介」14P
牧英三郎「戦国忍法帳」13P

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やまじえびね「愛の時間」06~08年

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フィールヤング連載が3年間で320ページほど、じっくり描いた物語という感じを受ける
大学院生詩織はゲイで恋人を殺されたという影山先輩に関心を持つようになる
非常にクールな雰囲気の影山、そっけないが詩織に悪い印象を抱いているようではない
詩織は影山が散歩する人気が少ない川辺に寄ったためマスクをした男にレイプされてしまう
すぐその後、影山がやってきたので言いようもない詩織
一方、詩織の仲良しの戸部くんが詩織を求めてくる
それを断れず関係をずるずる続けるが、レイプ以来男に触れられるのが恐ろしくて仕方ない
影山だけは気が許せるが、自分のせいで詩織が辛い目に遭ったことを悔やんでいる彼は、レイプ犯を見つけてレイプしてしまう
それが影山なりの報い方なのだろうが、ますます男が恐ろしくなる詩織

それでも影山を慕う弟分ノリくん、その父で、影山をモデルに男の裸体画を描いたりする画家とのやりとりで
影山とはどこかつながってゆける
この物語は、二人の人間は恋に発展しないでも、もっと深いところで関係を結ぶことができるんだと教えている
ゲイでもない、ヘテロセクシャルでもない愛情の結び方
まんがでこんなことが描けるんですか、いやコマで絵を結んだエッセー風物語と言っても良いのかな
やまじさんの絵はほとんど動きない静謐なとらえ方だから

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牧村和美「モーレツ先生」70年:児童文学館便り

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新年第1号より連載開始
絵柄はちばてつやのアシスタントをやっていたような絵
東都学園に赴任してきた新人女性教師浅丘りり子、登校途中に立ちしょん便している生徒をつかまえてズボンをはぐ、残る生徒を追いかけて「まちんしゃい」と九州弁丸出しの元気者
教頭はじめ先生達には迷惑な先生と映るが、校長が味方になってくれ次第にその人柄に惹かれる先生も増えてくる
生徒達には大人気
担任クラスのメガネっ子矢島くん宅に下宿すると黒めがねの男が偵察している
りり子は九州の大企業南海製鉄社長の娘、社長の依頼でじいや源太郎が東京までやってきてあぶはち一家にりり子を連れ戻す手伝いをさせようとしている
一方クラスに出てきていない立山くんを訪問、不良っぽくなっているが勉強と追い立てないりり子の人柄が立山くんにも伝わりじょじょに学校に来るようになる
あぶはち一家と騒動を起こしたことも重なり、結局りり子先生は学園を止め、5号では九竜中学へ転任してゆく
バイクでさっそうと校舎前まで乗り付けるりり子先生の姿が印象的
中学には二人番長がいてりり子がやっつける
さらにその上をしきるのが地元では怖い者無しの女番長
木に逆さづりにされ衣服はがれそうになるピンチをなんと東京から先生を追ってきた立山くんが救ってくれる
番長達も改心して二人番長は、サッカー部と柔道部の主将として部員をしごく姿が見られるようになる
モデル水原美智子が急病になり代わりに水着ショーに出演するというサービス場面を盛り込んで
もらった水着で海水浴に行こうと生徒達を連れて浅丘大作の大別荘に繰り出す
海では先生のフィアンセ、軟弱そうな細井熊五郎が現れる
熊五郎も教師をしているが受け持ちの生徒を押さえきれない様子、近々止めて文具店の仕事に就くともらしている
そんな熊五郎の教える不良グループがやってきてりり子に付いてきた幼いピーターという女の子ををさらっていく
モーターボートで追いかけてとかアクションが入ってと、この騒ぎも一段落、先生はまた九竜中へ戻っていく

やたらスカートめくりや下着シーンが出てきて、「少年ジャンプ」の「ハレンチ学園」がヒットした年だったんだなぁと時代性を感じる
それでも作者が女性と思ったままだったらこの過剰さに違和感があったでしょう

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山田えいじ「ペスょおをふれ」の終結

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07年に出た復刻版を読んで中途で終わっているので驚き
当時出た単行本8冊で約半分(講談社)、今回は300ページ、3600ページもある長編のごくわずかしかわからないわけですね
ただ、ネットに見つけた58年4月号付録の粗筋や自分が持っている59年10月号付録から推測すると人気ゆえか毎月付録100ページ余りでもあまり進展せず一つの話題がじっくり描かれているみたい
58年4月号では
ゆりは病気のおじいさんのため新聞の売り子となって働いていたが、意地悪い仲間に乱暴され新聞を売ることが出来なくなりペスも病気にその後、ペスを治してくれたおじさんはサーカス団の団長で騙してサーカスでゆりは綱渡り、ペスは玉乗りとこき使われることに
サーカスでの苦労がながながと描かれる
59年10月号では
父の活躍で密輸団がつかまる(警察に通報して最後はあっさり)
かつてゆりがつかまっているのをせむし男に化けて逃がしてくれ密輸団の隠れ家を記したこけしを渡した田沢さんも工場長のもとで働けるようになり、いよいよ父が北海道へ向かう
ゆりは新しい家で養子となり幸せに暮らしている
ペスも元気にしている姿を見て、父は名乗り出れないで屋敷から去ろうとする、ここで10月号は終了
11月号で父娘再会してめでたく完結するのでしょう

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70年の「少年チャンピオン」:児童文学館便り

1号布陣はこんなもの
さいとうたかを「刺客」ゲスト読み切り32P
永井豪「あばしり一家」17P
荘司としお「夕やけ番長」24P
ジョージ秋山「ざんこくベイビー」15P
新関いさを「リングの花」23P、番長もの
藤子不二雄「狂人軍」15P、小池さん風人物ユーモア作
貝塚しげき「赤い牙」22Pプロレスもの
手塚治虫「ザ・クレーター」33P
森村正「おれのマウンド」22P、川崎のぼる風絵柄
牧村和美「もーれつ先生」25P
本号には執筆陣のスナップが載っていてこれにより牧村さんが男性だったと初めて知る
「チャンピオン」その他では
18号から
板井れんたろう「グンバツ野郎」新連載、ブルーギャグと銘打たれている
青山大助は暇をもてあまし気味の大学生
ユリをお茶に誘うがいつも見ているユリにはあまり魅力を感じないとあっさりアパートに戻っていく
友人達が来ていてわいわいやっているが、ドライブするのに車を貸してもらう
友達が外へ出てみると大助はもう誰か女の子を横に乗せて走り去っていく
ホテルでも行こうという言葉にユキは早急ではと思うがオッケーする
ホテルといっても大きなシティホテル、大助がめざすのは室内プール
すっかり勘違いしていたユキはあきれて出てしまうという変な出だし
板井さん描く女性はなかなか魅力的で「ポテト大将」とは違ったよさを見せている
19号は車で誘った女性、断られたが定期券を落としていたので勤めのデパートまで押しかけて
帰りを待ってドライブに誘い、友人がボーイバイトに入っているホテルレストランで食事に誘い
もう少しというところ、時刻も遅くなり「トイレ」と逃げられてしまう
けっこうもてるが押しがあと一つというのは大助の鬱的性格ゆえか
ストーリーも中途半端で20号は所蔵なく21号から掲載なし
あっけなく打ち切りになったんだろうか? ちょっとあまりな短さ

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「デラックスマーガレット」67年秋号140円:児童文学館便り

Deluma66aki


文学館所蔵は創刊2号から
西谷祥子のスタイル画数ページに始まり
写真をコマで連ねた写真漫画「花よいつの日か」24P
まんがは少なく
西谷さん「パリジェンヌ」21Pが青春コメディ
峰岸ひろみ「炎のフィエスタ」45P
武田京子「しあわせさん」30P
「パリジェンヌ」は
パリでの服飾界の奇々怪々さにモデルのラブコメを混ぜ合わせた内容
アメリカからパリモードを取材に来た記者ハンサムとぼけ役二人組
人気デザイナー、ジマンシーのモデルモニカがライバルのガネル氏と会っている場面を目撃
ジマンシーのデザインを盗むよう頼まれている様子
一方でジマンシーはハンガリーからのぽっと出娘アニータを恋人にすると騙しガネルモデルに潜り込ませスタイル画を盗ませようと企んでいる
二人組は女装してガネルの所に入り込んで複雑な真相を次第に探り当てていく
モニカにはガネルにはプリシラという恋人がいるとスクープ写真を見せ
アニータにはジマンシーには妻がいると暴露
憤慨した二人はデザイナー達にぎゃふんといわせて、アメリカ記者と2組カップルがゴールインという結末
ハイティーン向けに創刊された「デラマ」では西谷さん辛口作品(「不良少女」なんかそうみたいだが未見)に転向したかと思っていたがこれではこの頃の飛鳥さんとほぼ同じラブコメに仕上がっている、飛鳥さんの方が絵柄内容ともそっくり影響受けたんでしょうね
「炎の」では良家のお嬢さんジョージア、許嫁もいるのだがベネズエラの野性的な貴族に惚れ込み駆け落ちして捨てられるという現実的な内容
「しあわせさん」も良家のお嬢さん(こちらは日本)が貧しい家の男の子とのつきあいを禁じられたゆえによけいに二人が接近、最後は理解が得られないことに絶望して心中するという悲しい内容
全体としてみると、やはり現実を突きつけようとする雑誌の狙いが出ていますね

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「りぼんコミックス」68年5月号:児童文学館便り

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「読み切りロマンチック」と銘打たれている付録サイズのB6版
松尾美保子「ロミオとジュリエット」が120Pで続く
赤塚不二夫、高井研一郎合作「ジャマ子」6P
樹村みのり「トミィ」24P
末永あや子「トラか王女か」32P、ローマ時代ギリシアでのトラの餌食にするというシリアスもの
田中美智子「わたしは忘れない」32P 学園もの
あすなひろし「リリオム」(モリナール原作)98P
回転木馬の呼び子として女を誘惑するリリオム
ユリアを好きになり結婚するが奔放な性格のため生活は破綻という悲しい物語

りぼんコミックスはすぐタイトルを「ジュニアコミックス」と変え
同年11月号ではあすなひろし「赤と黒」67P、わたなべまさこ「キュリー夫人」と文芸路線を基本とした

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のがみけい「雲よ風」:児童文学館便り

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「りぼん」71年6月号~72年2月号連載、全8回360Pほどの内容
前に初回をレビューしたので2回目以後の続き
7月号
奥平貞能が武田を裏切ったことで人質に来ていた千丸は処刑されることになった
千丸を慕う松姫は救いたいともえぎの助けも得て牢に入ることができたが千丸は逃げることは不可能だし出来てもかえって本家の恥となると死を覚悟する
千丸は処刑され松姫は以後失意の中で生きることになる
玉姫は自分の薬を猫が飲んで死んだことでお付きのききょうを疑うようになる
醜い自分と同じように蔑まれて生きてきたききょうに深い同情と信頼を寄せていたので気づかなかったがききょうの薦める薬を飲んで以来自分の性格が変わってきたと思い返したのは既に遅く、ききょうは勝頼に取り入って玉姫を離れに閉じこめてしまう
8月号
織田勢との合戦に勝利してゆとりが出来た頃を見て、信盛は武者修行と称して織田を偵察する旅にもえぎを連れて出る
織田の国での馬くらべで荒馬を乗りこなし御前に呼ばれ信長と対面
しっかりした受け答えに信長は感心するが、信盛も正体を見透かされていると感じ人物の大きさを知る
もえぎはゲンに見つけられ連れ去られる
その小屋をききょうが放った忍者達が取り囲み火が放たれる
9月号
一人国に戻った信盛は勝頼命令で本願寺教主の養女綾姫を妻に迎える
もえぎのことが忘れられないがよくにた少女と出会う
もえぎは火事で命は取り留めたものの記憶をなくしてさまよい元の国へ戻ってきた
これを知ったききょうを玉姫と同じ岩牢に閉じこめてしまう
ゲンも顔を焼かれながら生きていて武田家の諸事情をのみこみききょうに脅しをかける
10月号
もえぎの所に連れて行き油断した所を背後からさされ息絶えるゲン
ききょうは邪魔者の玉姫・もえぎを水攻めで殺してしまおうとする
水が溢れ溺れそうになる時、前に脱出するため岩のすきまをけずっていたのが幸いし水圧で押され穴があき洞穴を伝って外に出ることが出来る、またこの衝撃でもえぎは記憶を取り戻す
11月
有名な長篠の戦いが描かれた号
馬の侵入を防ぐ木柵に阻まれ鉄砲の三段攻めにあい織田軍に大敗した武田軍
12月
勝頼をいさめる家臣弾正を操ろうとして正体がばれるききょう
本物の綾姫を殺して、自分に似た村娘を綾姫に仕立てていたこともその口から知れる
ききょうは綾姫を殺し、自分の身代わりに谷から身投げさせ正体をくらませる
1月号
しばらくして弾正がなくなった時に首にかみ跡があり、蛇を操るききょうの影が忍び寄る
拾ってきた子供達のうち幾馬は信盛の腹心にもなりそうな戦士に成長する
実は彼もききょうの指令を受けていた、そんな中、織田勢の軍勢が近づく
2月号
武田勢が織田軍に次々と城を空け渡してゆく中、高遠城に立て籠もって最後の一戦を交えようとする信盛たち
指令で隙を見て信盛に斬りかかる幾馬だが、ききょうの吹き矢を防いで信盛を助ける
ききょうは引き連れてきた忍者たちを指図しているが大将の命令でその忍者達に討たれいよいよクライマックスへ
敵軍は城内に攻め込んでくる
落城の中、もえぎは二人の今までを思いながら笛を吹く
信盛はもえぎの首をはねてから自刃する
すべてが終わった後、僧になった松姫が戦の最後を回想して物語りが終わる

大河ドラマにあるような内容なんだが「もえぎ・信盛」の数々のシーンはコマ絵だけによけい印象深く心に留まり余韻を残す

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巴里夫「ねえねえちゃん」70年:児童文学館便り

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70年「りぼん」掲載の32Pくらいシリーズを上下各5話ずつ
これも明るく元気な女の子の物語
「青い目の日本人」
トラックに縛られて荷物ごと載せられてきた金髪の女の子
それは下駄職人九平じいさんの所でやっかいになる孤児施設からの高野マキ
大人にもくってかかる扱いにくい子供らしく、到着するなり騒動を巻き起こすがそんなマキをじいさんは叱りもせず見つめている
「やられたらやりかえせ」
隣の美智子は気が弱く、ストールをしていけという母に格好悪いと断れないで困っている
マキは「嫌なら嫌と言えばいい」と美智子を連れ去っていく
日本舞踊が習うのが嫌で困っている時には、家に入らずストライキをすればいいとのマキアドバイスで美智子の母も折れることになる
クラスのいじめっ子がうさぎを逃がした罪をマキに着せようとして事件は犯人追及のクラス会に発展するが、見ていた男の子が証言して潔白がわかる
収まらないのはねえねえちゃん、相手の女の子につかみかかり殴ってしまう
そのきっぷよさもしだいに理解されクラスでも人気者となり、いじめっ子とも仲良くなる
マキは姉貴肌で思いやりもあるので「ねえねえちゃん」と親しまれるようになる
「この子の母はだあれ」では捨て子を育てるねえねえちゃん、実の両親が現れ別れるのがつらいというもの
「キスってなあに」が秀逸
5年生で無理やりキスさせられそうになっている男女を助けたことがきっかけでキスが話題になり、そんなのはどうってことないというねえねえちゃん
クラスでもキスはどうかという話が盛り上がり、家庭で聞かれて困る親も続出
それでも大人の愛情表現だという説明に子どもたちも納得する様子
ただ小学生がキスするのは別のことで
ねえねえちゃんがなりゆきで同級生の市川くんとキスすることになって学校でも大問題
うるさ型の女先生が全校朝礼で取り上げ「小学生のくせにいやらしい」と非難するとどうしてキスがいやらしいのかという疑問の声が多くの生徒から上がる
ねえねえちゃんのキスはさわやかな感じだと共感する意見もあって他の先生方もことのなりゆきを見ながら親愛表現キスに寛容な感じ
「小学生だからだめ」には説得性が全くないのに意外な感じがするものの、当然と言えば当然、こういうのはみんなが慣れているかだけの問題なんだなぁ
「泣くもんか」はかつて孤児院で混血同士仲よかったサムが刑事に追われるのを一時は助けるが、サムも結局自首するというもの

「男の子の本心は」おんな博士と呼ばれる岡山くん、エッチなことばかりすると憤慨する女子だが実は憧れの裏返し、女子の服を着せられ萎縮してしまう、ねえねえちゃんが好きというのもおもしろい
「公害ノックアウト」排気ガスで病気になったおばあちゃんを見かねてトラックが通らないようデモする子ども達に最後は大人も協賛してくれる
「ふたりきりのデイト」市川くんうそでとデイト
「さいごの番長」クラスの女子は2派に別れていて一緒に遊ぼうとしない、ねえねえちゃんも自分の派を作って誘っていくうち、人柄からかクラスの大半を取り込む形になって女子ボスなんて意味がない、みんな楽しくやとうと派を解散宣言する
「塗り下駄駒下駄日和下駄」
九平さんの作る下駄も時勢柄だんだん売れなくなり、得意先が製造を止めたことでやけを起こして作った下駄をただでまき散らそうとする
マキが下駄の良さを言ってくれ次第に心も和むところで新しい注文も舞い込み、マキも手伝い大量の品を仕上げる
マキの大ゴマアップが来て物語はラストを迎える

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やまじえびね「LOVE MY LIFE」00年

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フィールヤングに2000年7月から一年連載の単行本
泉谷いちこ、大学1年、ママは7年前なくなり翻訳家で大学助教授の父と二人暮らし
最近、恋人ができてそれが城島エリーという女の子
父に打ち明けると意外な返答、ママもレズビアンで父はゲイ
家族がほしいというママの言葉で結婚したというんだ
でもママには千波さんという女の、パパにも今でも男の恋人がいるという
いちこはゲイの同級生たけちゃんの苦労を見かねて擬装恋人になったり
バイト先に来るスキンヘッドの女性にときめいたり
どちらの話を聞いてもかすかに動揺、嫉妬するエリーが素敵
エリーが司法試験の勉強で半年は会えないと告げてからいちこは苦しい日々を過ごす「ミスユー」
過酷な弁護士志望は試験は一度ですべてパスしてきたという父や兄に対するエリーの対抗心から起こっているようでなんだか息苦しい、いちこへの思いもその延長かも知れない
それだけに意外な方向へ発展するラストがおもしろい
何か手に入れられなければ安定できないというのは悲しいけれど・・・

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巴里夫「○×カレンダー」74年:児童文学館便り

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巴さんは体をくねるような少し変態ポーズでユーモア作を描く人くらいにしか見ていず、「疎開っ子数え唄」なんて作が傾向と違うんで不思議に思っていたが、「○×」読んで作品に貫かれている人間味を知り、こちらこそ巴さんの本質と知る
小学六年生高木節子は秀英学院受験を4ヶ月後に控えて、まだ親友の中森理絵と浮かれた気分
そんな節子を団地の上から母親がにらみつけている
小言に父が飼うカナリアもおびえるほどだが、父もそこそこにしてカナリヤの世話に行くと母の小言が父に向かう
「娘よりカナリヤがかわいいんですか」という言葉にさすがにいきり立つ父、今度は節子が二人の間に入ってなだめに、とやはり受験で一家はぴりぴりしている
学校では国語漢字テストの出来が○×表で教室に張り出される
毎回最低の理絵は張り出さないでほしいと言うが担任はやる気を出すためで保護者も賛成していると受け付けない
節子は80点を越え喜んでいると、いつも高得点の川田さんがカンニングではと皮肉ってくる
川田さんは秀英学院の先生に直接家庭教師をしてもらっていると聞いて、うちでもできないのかと必死の節子母
川田さんを見返してやりたいという言葉に娘のためじゃなく自分のみえじゃないかと父に批判される
それでも受験はかわりない、川田さんに負けるなとはっぱをかけられ節子も理絵と距離を置いて勉強に精を出す
節子が落ちると団地にいられないと合格を願う母を見てさらにプレッシャーが重なり吐くようになった節子
懇談会では、理絵の父は娘の○×点低さに恥じ入り早々に引き揚げる
節子の父は答えられずまたもや吐きそうになった娘を見かね、担任にもう一度答える機会を与えてやってと頼み込みなんとか節子も解答する
受験は不合格となるが秀英から50万円出せば追加合格にすると連絡が入る
裏口入学のようなことはしたくないという節子の気持ちを父母とも理解し
団地の出入りが恥ずかしいという母も父のが励ましで毅然と振る舞えて、家族にも春が訪れそう
卒業式の日、○×表を破り捨てようとする理絵・節子を制止する担任
クラスのみんなも今度は破るのに大賛成で久しぶりにクラスの気持ちが一つになった
それを横目に川田さんは受験には合格したもののこの一年誰も友達ができなかった悲しさを思っている
ともかく受験は大変とよくわかる、絵が素朴なだけに内容がよけいリアル
学校体勢を告発する気持ちを子供の立場に立って代弁したまんがは当時も今もそう多くないのでは

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下元克巳「快男児ゴリ一平」:児童文学館便り

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68年少年マガジン3/17・3/24号全編後編併せて50P
この頃のマガジンは「天才バカボン」が始まっていて、「あしたのジョー」は少年院送りになるところ
さて下元さんのは2回読み切りで掲載されたもの、テンポよくまとまっているのでとても50Pとは思えない充実度ある快心作

鳳中学、柔道部を手始めに、凶暴女3人組、護寺騾凄美・毛須良エミ・賀芽羅ユミが運動部荒らしを始める
男子部の危機とかけつけた番長ゴリ一平はすさまじい格闘の末、3人とも退治してしまう
そんな一平も美人の泉さんの前ではあがってしまう
乱暴する一平をこらしめてくれという3人組の頼みで、長刀を持って出てくる泉さん
一平はてもなく押さえられ、こけたところを長刀の柄でくすぐられると猫のようになだめられてしまう体たらく
そんな鳳中にとびきりのハンサム三田輝彦が転入してくる
テニスを泉さんと上手に打ち合う姿は絵になっているし、一平も手をこまねいて見ているしかない
二人が一緒に帰る所に、桃山中の番長グループどらねこ一家が襲ってくる
手下二人に三田はわけもなくまかされ、番長は泉さんに迫るがそこに現れた一平どらねこ一家をあっという間に退治する
三田がケガないか歩み寄った泉さん、一平に気づいて頼りになる男気に感謝して近づいたその時、
力強さにあこがれる本性を現した三田くんがなよなよしたおかまっぽい姿で一平を追い回すオチ

これが好評だったので同年6月23日号(28号)から3号連続(50P弱)で連載があったのですが、続きというのでもなく、本作をなぞりながら違う展開に持って行ったという中途半端さが弱い

女傑三人組を相手に暴れ回り、押さえに泉さんが出てきて軽くいなされるのが一回目
生徒会会長大槙伸司が泉さんのお似合いと横目で見て、自分では不似合いと落ち込む一平
泉さんが寄ってきて「元気ないね」と言ってくれるがから元気を見せてどら猫相手に動き回る
逃げるどら猫をやっとのことで捕まえ辺りを見ると泉さんはまた会長の方へ
三回目は落ち込む一平を元気づけようと子分達が動物園に連れ出す
象にえさをやったりして幾分気が和んでくる一平
ゴリラの島ではオスゴリラに死なれて意欲喪失の花子
一平を見てとたんに元気を取り戻し、木を倒して島から外に出る橋にして一平をつかまえに
危害を加えるのではとの動物園係の心配をよそに一平をだんなと見立てて果物をふるまおうとする花子
なんと一平はゴリラと思われているというオチで終わる

この後また掲載あったのかもわからないが未確認

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飛鳥幸子「フレデリカの朝」

「ぽるぷ平和漫画シリーズ」より
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1943年、ロンドン
警官に追いつめられ逃げるスパイ、肩を撃たれ民家に逃げ込む
ハイスクールで人気者のアーサー、フレデリカは声をかけてもらえず辛い気持ちでいる
病気の弟と二人暮らしの家に戻ってみるとスパイが逃げ込んで弟をたてにとっている
二人暮らしだから大丈夫か気遣ってせっかくアーサーが見舞いに来てくれても追い返さねばならない

そっけなくされたことでかえってアーサーはフレデリカに興味を持つようになる
昨日追い返した理由を聞いても、答えられず仕方なく「顔を合わせたくないから」と答えてしまう
アーサーに嫌われたと悲観するフレデリカ(アーサーは嫌うどころかさらにフレデリカに惹かれるんだが)は元凶のスパイを何とかしようとソファでいねむりしている所に近づくと寝言でしきりに母を案じているその姿にスパイに同情心が起こってくる
朝5時に迎えのヘリが来て、それが脱出できるラストチャンスらしい
前夜、弟の容態が急変して思いつく医院に電話をしてもすべてつながらない
戦時ゆえ負傷兵などの医務にまわっているから
見かねたスパイは陸軍病院に乗り付け医師を連れてきてくれる
これでヘリには間に合わないと、持参の毒薬を飲もうとする
フレデリカは死なないでくれと頼み、では一度逃げ延びてみようと街路に出ていったところであのアーサーに見つかりピストルで撃ち殺されてしまう
上機嫌のアーサーを前に、悲しそうなフレデリカの気持ちを描いて物語が終了する

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「チョウチョウ交響曲」:児童文学館便り

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「まんが少年」52年9月号は挿入的エピソード
アリ助と旅するおチョウだがおなかが空いてしかたない
子犬を拾い、そのひもを引っ張っているつもりがかごのひも、畑の収穫を農家まで持って行った形になってお礼にスイカをもらう
続いて追いかけられているスイカ泥棒をつかまえ、スイカのお礼
川に流れるお釜、まないたを拾ってお礼にスイカと三昧のコント
12月は前に読んだ分
28年2月
将軍家の財宝を埋めた場所が彫り込まれたあげ羽の琴
玉虫右ェ門が作ったものだが将軍家に保管されたものが偽物とわかり玉虫家は断絶
右ェ門がなくなった後、弟子のクモベエが企みすりかえたものらしい
本物も持ち出した深夜、ぶつかった一行の持つ琴と間違えすりかわってしまい以来10年行方がわからない
蜂頭巾はがチョウ子に語る真相がこういうことであった
その夜、チョウ子は夢で日本一の舞踏家になって舞台に立つと親の仇が討てると知る
3月号はアブ江の父に踊りを習いたいと申し出る

残念ながら「漫画少年」はそう揃っていないためこの後の経緯が見えない
冒頭から踊りの名手となりおチョウが胡蝶名で江戸の大舞台に立つというラストまで琴の秘密も明らかになり父の汚名も晴らしたのでしょう
復刻が望まれる一作だが、毎号の豪華な見開き表紙は再現されないんでしょうね

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ぽるぷ平和漫画シリーズ

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飛鳥さん作を探っている時、「フレデリカの朝」が平和漫画シリーズに収録されていると知る
近くの市立西部図書館には(児童文学館にも)ないが、県立図書館にあることが検索でわかり年末に市立図書館経由申し込んでいた分が到着
3.巴里夫「疎開っ子数え唄」
10.木内千鶴子、水野英子「嵐吹きすさぶとも」
14.樹村みのり、飛鳥幸子「夜はまだ明けない」
22.永島慎二他「大空のかなたに」
25.水木しげる「総員玉砕せよ」
の5冊
水野さんのは小品、木内さんは対馬丸事件を描くにはもう少しリアルな絵柄がよかったかな
永島さんのは予科練を描くが平和主張は少なめ
樹村さん「解放の最初の日」Kimura_kaihouno

COMに掲載した作品だから、おなじ70年でも「りぼん」掲載の「海へ」(ベトナムもの)に比べコマ構成、描き込みはるかに力が入っている
ナチスに協力したユダヤ人収容者にとって解放の日はどんな意味を持つのか、鋭い視点で描かれている
飛鳥さんのは戦争時に敵兵への恋愛が入り幾分不自然か

巴さんと水木さん対照的な作風だがそれぞれ興味深かった
3巻は「疎開っ子数え唄」に始まり「赤いリュックサック」「石の戦場」「愛と炎」
タイトル作は長野県へ学童疎開した小学生、美保子の物語
空襲を逃れたものの、お寺に住まい日々竹槍訓練、食べ物も不足しがち、母妹が東京空襲でなくなったと知って心の支えもなくなり精神に異常をきたしてしまう
「赤いリュックサック」は満州から逃げ延びきれず差し違えようとした母と娘、娘だけがなくなり、男達が止めに入ったことや病気になって母だけが生き延び地蔵に娘のリュックをかけて供養している
「石の戦場」は巴さんの自伝的戦中話、敵の爆撃より味方の高射砲破片が落ちてくる方が怖いという
「愛と炎」は東京空襲で自分を守って死んでいった男の子の骨が26年ぶりに発見されあの時を回想する女教師
25巻は戦争と描く水木さんのいつもの絵柄
ほのぼのした人物と異様にリアルな背景が重なるが
主人公丸山のラストが壮絶
ふつうこういうタイプの人物は最後乗り切るという展開になるが、戦争はそうはならない
玉砕命令が出ると、生きていること自体が罪となる
ラバウルではバイエン支部は玉砕したと伝えてしまった後だからなおさらのこと
結びはこうである
「悪夢のような一夜があける
丸山は 弾丸で穴の空いたほほに ハエが
卵を生みつけたので ハッと気がついた」
ここでは人物も異様にリアルに描かれる
立ち上がった丸山は横腹に弾丸を受け血まみれになり倒れるだけ
「みんなこんな気持ちで死んで行ったんだなあ」Mizuki_gyokusai


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あべりつこ「しょっぱい涙の物語」73年少女フレンド:児童文学館便り

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中学2年B組では委員長に長田慎、副委員長に三枝素子が選ばれる
ハンサムな慎と比べて、めがねでにきびの素子はどうも不釣り合いだがひそかに憧れる長田くんと一緒にいられる機会が多くなると心の中では大喜び
素子の一つ下の妹は同じ姉妹?と思うほど美人で素子はいつも「麗子ちゃんのおねーさん」と呼ばれるほど影が薄くなる
1学期末テストの頃、おばーちゃんが倒れる
2学期は委員に選ばれることもないだろうから慎ともこれまでかと思っていると、慎くんから麗子に告白してOKの返事をもらったとのこと
麗子ちゃんのおねーさんだから言っておこうと思ったという、なんて無神経な慎くん
麗子はこれからデートに行くとか、なんて重い夏休み
暇になった素子は寝ているおばーちゃんの背中を揉んであげる
長い夏休みの間、いったい自分になんの値打ちがあるんだろうと辛い気持ちが勝る素子なんだが
危篤になったおばーちゃんが一度元気そうに起き出して「揉んでくれてありがとう、素子はいい子だよ」と言って
死んでいく
なにかを素子の心に残して
わたしがいい子と呼ばれることもあるのか
休みがあければ慎くんに言えるだろうか、練習してみよう「妹をよろしく」と

夢をもらおうと少女マンガを読む読者はこのストーリーに満足できるのかな
ふつうのマンガならメガネを取ればけっこう美人、性格のよさも加わり素子と慎くんの距離は近づいていくとかなるんでしょうが
こんな控えめな結末で我慢しなければならないの私たちは?って怒り出す人も出てきそう
ああ、あまりにリアルタイプな、現実はこういう展開の方が多いですよね

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諸星大二郎「私家版魚類図譜」07年

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これはおもしろい!
諸星さんはごく初期のぞいて「栞と紙魚子」のようなユーモア混じりの作が好きなんだが
本作品集では魚が人間に擬態や子育て方法を教えているといった「魚の学校」が傑作
「鮫人」だけ中国宋時代と異質
機械の魚が群れる近未来という「魚が来た!」や魚人になる夢想的な「魚の夢を見る男」はけっこうシュール
特に気に入ったのが冒頭「深海人魚姫」とその続編、ラストを飾る「深海に還る」
深海で細々生息する人魚達
人魚の世界は夢の国としか描かれたことがないが、ここでは他の魚と変わらない、鯨や大イカから見れば弱小な存在として暮らしているのがリアル
娘まりんは海底探査艇と遭遇、中に入っている男を人魚が閉じこめられていると思うような世間?知らずだが、その男や見知らぬものに憧れ、かつて母がそうであったように海の上をめざす
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彼女のペットのプクがとっても可愛い、一緒についていくが海上に出たときはその姿がないんだけど、プクはどうなったんだろう?
海を出たとたん人間の姿になるというのは変なんだけど
探査艇の中に見た青年は海洋学者、まりんが以前見た人魚だと信じられず、人魚姫を捜して世界の海を訪れるが
いつしか日本に、まりんの元に戻りまた二人で海に出て行こうとする
ラストはこれまた変化球だけど
小さい存在(人魚姫)が大きな世界に持った憧れをコマを追いながら感じてはいじらしい気持ちになる、切ない物語

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あべりつこ「ほほえんだ夏」62P:児童文学館便り

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「ぶーけデラックス」
日向高校の新入生桂木徹は童顔でバンビくんとあだ名されるはつらつとした男の子
クラスの控えめな女の子小川恵に告白されたが、正直にそう好きじゃないと断る
ある日、犬の散歩中に救急車で運ばれる恵を見かける、彼女は入院するらしい
その恵が夏休み前のある日、登校してきて一緒に帰ってほしいと徹に頼み事
かなりやせた恵を前に気のいい徹は承知して、公園でボートに乗るなどなんとなく恋人どうしみたいに過ごす
しかし恵は病院を抜け出して登校してきたらしく、翌日からは欠席
それから時折、無言電話が徹にかかってくることが
恵のおとなしさを思いだし、ひょっとしてと病院に駆けつけてみると、折もおり徹の所に電話をかけているのを見つける
げっそりやせた恵、病気が普通のものでないことを悟る
彼女と話そうとすると母親が入ってきてきつい態度で寄せ付けない
夫との結婚生活に失敗した母は男を信用できない性格になっている
恵のことが心配で少しでも勇気づけになればと、徹は病院の樋を伝って二階の病室に入り込み
しばらく恵を見守って時を過ごす、母も恵から好きな子を遠ざけていたのが誤りだったとわかるが
夏を越せずに恵はなくなる
ラストで飛んでいるあげは蝶を見ながら言う徹のセリフがしみじみしている
ディズニー映画でバンビにあげは蝶がとまるシーンがあったが
はかない命の恵が徹の所に飛んできて夏の思い出を残してくれたようだと

ぶーけ掲載あべ作は4つ、はじめの「さよならスモーキング」はいい出来
後の2作が少し地味めなので、2年空いた最終作はそれほど期待したわけでなく
オークションもストップして未収録あべ作も手つかずのままだったわけですが
国際児童文学館に「ぶーけデラックス」まで所蔵があるとわかり借りだして読んでみる
これもじーんと来る作品ですね、とってもこれが最後と考えられないレベルであべさんは筆を折ったのか

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「少女フレンド」66年11号:児童文学館便り

続いて「フレンド」関連で少し
11号ではあすなひろしさんが読み切り24Pで「さようなら王子さま」を掲載
マリーというシンデレラを夢見る女の子
アンクレールという風船を拾ってくれた青年がまるで彼女が夢見る王子さま
そんなマリーを幼なじみのポールは心配でなにやかやちょっかいを出してくるがマリーはポールを男として意識していない
クレールにパーティに呼ばれて、自分はアルヘン国の本当の王子だと明かされる
自由なマリーに憧れたが、マリーを窮屈な生活に縛り付けたくはない、君にはポールという恋人もいるしという王子さま物語
絵柄は「COM」に掲載した緻密なものでなく水野英子譲りのわりとふつうの少女マンガ体
この号から「さすらいの王女」が始まりますが青池さんの「キャロル」に続く連載ものかと思い違いしたくらい里中満智子さんと絵柄が似ているのですね(里中さんは73年には大人風の絵柄になってます)
また、森田拳次さんが「佐藤和子さん」という変わったタイトルの小学生ものを連載開始
4年4組の人気もの佐藤さんは元気で才気もあり運動もできる
16回お見合いに失敗しているダンプ先生(ダンプカーみたいにいろいろ落としていく)が級友加藤春子の姉さんと見合いするのがユーモアもって描かれている

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村上もとか「岳人列伝」全2巻

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80年の時点でこんなリアルな絵を描いていたんですね、それも少年誌(少年ビックコミック)に
「おーい!剣道」を「少年サンデー」掲載していた非常に充実期
8編からなるが
シェルパ以外では南西壁をめざしたロニー
山に残る息子の遺体を取り戻そうとするユンゲン親子
飛行士から登山家になりヒマラヤを制そうとしたウィルバー
K2を目ざし「やりすぎてみたい」と限界に挑む米独混成隊
と海外の登山家はみんなインドネパールで命を落とすのは厳しすぎるなぁ

シャモニに挑む阿南・吉岡コンビは危機を切り抜けるが、その両親がそこで命を落とした峰だ
穂高に練習に出た新米登山家は に助けられるが彼女が帰らぬ人となる
かえって
ヒマラヤシェルパのアン・ブルパが独り立ちする2巻目2編
少年カンバがブルパをめざして独り立ちする1巻目2編が興味深い

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青池保子「おおキャロル」66年:児童文学館便り

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青池さんの初期連載は「少女フレンド」66年2/15号から4回
2/15号は
細川智栄子「東京シンデレラ」
ちばてつや「アリンコの歌」
益子かつみ「かっぱのパー子」一回目13P
武田京子「走れフレンド」フレンドという子犬の物語
こだま歌夫「アイアムデコ」15P
赤塚不二夫「ジャジャ子ちゃん」2P
細野みち子「おはようエルザ」
青池保子「おおキャロル」
笛野八郎「死の歌」24P読み切り
山根赤鬼「あかおにちゃん」10P
楳図かずお「紅グモ」
という陣容で、一作15Pが標準

「おおキャロル」の概要は次のようなもの
ハイスクールのキャロル・リンレイ
友達はみんなバイトの話題だが一人ついていけない
キャロルにバイトが出来たら10セント賭けるわの言葉に奮起して
父親に掛け合うが、デルタ商事の社長なんだからなかなか許してくれない
娘が心配で秘書の弟ゴードンに命じてキャロルのバイトぶりを見張らせることにする
キャロルがなんとか採用されたデパートのバイトでは、包装紙を破ったり
バーゲン会場の係となると押されて窓から落ちてしまう
驚いたゴードン、駆け下りて下でキャッチ
2回目はあまりいつもキャロルのまわりをうろつく客も変なので、女装して店員に紛れ込むゴードン
簡単にばれて父のさしがねに立腹のキャロル
デパートで不良たちに目をつけられていて
3人組の一人に親分がとてもキャロルのことを気に入ったんだと無理やり連れて行かれる
異変に気づいたゴードンが駆けつけて3人組ととっくみあい、キャロルを救出する
ラストはデパートの依頼でショーのモデルになったキャロル
友人・家族が見学にくる中、うまく役をこなして
でもこんな騒動がたった10セントの賭けのためと知った両親達はあきれ顔

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木村光久「二人のねがい」:児童文学館便り

58年7月~59年7月「少女ブック」連載
「少女」でも56年「不良少女はるみ」という少し辛口内容、端麗な絵柄を描いていた木村さん
高橋さんの影響もあってかスタイル画を取り入れ、本作ではスタンプ画形式で美しい立ち姿を描いている
8月号あたりは図に見るように祇園祭を背景にした華麗さが随所に見られるがしだいにストーリーを消化するのが大変なのか4段12コマに制約され窮屈に見える
次の連載「まつばちゃん」は内容も地味で持ち味がいかせていない
Kimura_futarino

京都祇園の舞妓修行をしている小菊と東京でバレリーナを目指すちどりは文通で知り合い、踊り仲間として互いに励まし合っている二人
小菊には5年前両親をなくし、世話になっている叔母さんが意地が悪く小菊を使って一儲けしたいと考えるような人物
一方、ちどりの家は父と離婚していて病気の兄を育てるのに洋裁店に勤める母はかなり苦労している
そんな時、火事が起こり焼け出されたちどりはバレエの先生宅に仮に住まわせてもらう(母は気にして黙って働くためいなくなってしまう)
かずお兄は北海道で元気には働いているらしい、父青山はブラジルに行く前にかつての仲間の娘梅田ちづるを探し出せばかなりの金を出すと言っている
野田さんがちづるを探してくれるらしいがどうも不審な人物、黒めがねの男かも知れないと疑うちどり
近所のとしひこ少年はなにかと助けてくれるがその父が入院していてままならない状況

北海道からちづる(実は京都の小菊のことだとだんだんわかってくる)を探しに来た悪そうな若者3人組の中に手下として使われるちどりの兄の姿があった
3人は井筒屋の小菊を訪ねて京都まで行く

4月号と5月号がなくて話も飛ぶが
6月号ではちどりと小菊がホテルプリンスに同室している
父青山が駆け込んできて野田たち悪人一味はピストルを発射、ホテルの者が駆けつけ逃げ出す
7月号(で終了)
悪者達は東京から出てきたちどりの母と兄かずおを連れ去るが警察が見つけ保護してくれる
小菊たちの目の前で青山が警察に連行されたが無実とわかり釈放される
小菊とちどりは再会しあっさりとめでたく終了

木村さんと言うと絵物語も描いていてその場合はリアル絵柄
「不良少女はるみ」の表紙絵にもそんな面影がある
Kimura_harumi


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「カスタムコミック」80年新年号

Kasutamu1980


執筆陣が気になり、まんだらけで購入した雑誌
日本文芸社からビッグ作家陣による読切オリジナル劇画誌と銘打たれている
川崎のぼる「100分の1の陽だまり」100P
牧美也子「浅の川雪五彩」40P
政岡としや「喫茶人」50P
個性派の競作として
諸星大二郎「砂漠の真Lン中に」
つげ忠男「釣り師熱唱」
永島慎二「人生激情」
三大新連載として
平田弘史「大垣藩治水魂」
みやはら啓一「いっちょん」
はるき悦巳「日の出食堂の青春」

川崎さんが「巨人の星」絵柄で青年向け人情物を描くというのがおもしろい
平田さんのはいつものごっつい絵柄で尋常ならざる武士の生き様を描く
永島さんは「ガロ」での作品、筋があいまいで乗れなかったがここでは流れが見えそう
諸星さんはミステリアスな素材をコミカルに仕上げていて楽しい
一番の注目作は牧さん
加賀友禅染めに弟子入りして10年の舞、妻をなくした師匠と関係を持つようになったが
彼女を慕う弟弟子の夏生にも引かれるところがある
夏生の思いをかみしめながら冬の川に染め布をさらすラストがいいコマ
「源氏物語」の頃の劇画調になって枯れた絵柄で、もう少し艶やかさがあれば・・

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59年の「少女ブック」:児童文学館便り

2月号の概要をあげるとこんな内容
別冊ふろくが木村光久「二人のねがい」とわたなべまさこ「みどりの真珠」
(3月号では「みどりの真珠」と「ママのひとみ」が付録)
わたなべさんは2本連載という売れっ子ぶり、「みどり」の方は毎月別冊付録ばかりで本誌に出ない
わたなべまさこ「山びこ少女」
石井きよみ「ママのひとみ」
真田照男「ひとりぼっち」
野呂新平「チコちゃん」
つのだじろう「おはようこんにちは」
横山光輝「東京の青い空」
益子かつみ「クリクリ小町」7P、58年9月号からマンガミュージックと銘打って連載開始、この時も7P
保谷よしぞう「くるみ探偵長」18P

最近注目している野呂さんのものは9Pと小品
一話完結のユーモア作
父が海外航路の船長、チコちゃんは母と二人暮らし
親友のスガちゃんは少しこぶとりの気のいい女の子
その兄さんが朝から納豆売りのアルバイトをしている
出会ったチコちゃんには妹に内緒にしてくれと頼む
それもそのはず、妹通う聖白バラ女学院では担任の三田先生が冬山スキーに行く生徒に手を挙げさせている
スガは苦しい家計を考えると手を挙げられない
兄は妹を行かせてやるため費用2000円を捻出しようとバイトを始めたのだった
その納豆が盗まれどろぼうを追って学院まで来たがスキー募集の場面に出くわして手元には1000円しかない
それを聞いていたどろぼうはかえって1000円貸してくれるという妙な展開に
冬山では随行の慌て者女校長、スキーは初めてで熊に押されて上から雪だるまになって下ってくるという案配

8月号では哀しい挿話も15P
校長は戦争中、マレー戦線にいて両親とはぐれた少女を娘がわりに育てていたことがあった
クワラというその少女とも敗戦で別れなければならなかった
クワラはその後、父ジャカルノと巡り会い(今では閣下となった身分)成長する
しかし今では病身のクワラ、かつての母に一目会いたいと日本に船で来るが東京湾で意識が途絶える
校長が駆けつけた時かすかに意識を取り戻し再会を喜ぶのもつかの間、帰らぬ人となり海葬に伏されることに
9月号は高知編、スガのいとこが急に目が見えなくなり大騒動になるが手術が成功して回復

つのだ作は朝子ちゃんが元気者、友達ヒロ子は少しこぶとりのメガネッ子
アイススケートに行く先の騒動を7Pでコンパクトにまとめた家庭ユーモア作
初期のつのだ絵柄は線がいきいきして女性像に躍動感がある

「クリクリ小町」は西郷さんの頼みで京都に密書を届ける小町
なかなかハンサムな千代之助とけんかして同行をいやがり、別の道連れを探す巻
江戸からは密書を狙うあ柿ねえさんが付いてきて、4月号では京都まで行き着き桂小五郎に密書を託して物語りも終了
あまりクリクリの活躍がなかったのが残念
益子さんは5月号より「若草日記」を連載

ちばさんの「オデット城の虹」をついだ保谷さん、次第に絵もこなれ「くるみ」が一番良いデキかな
母と二人暮らしのくるみは女探偵を自負
みどりさんの母が再婚するがその相手がどうも不審な人物
結婚にこぎつけると正体を現した怪人、遺産の黒い真珠を狙って母に近づいていた
みどりは真珠を守って死ぬ覚悟、入水するところをくるみが助ける
くるみも怪人に襲われるが犬のムクが助けてくれる
みどりの母は怪人に監禁されている
家ごと焼け始める
みどりは狂乱する、使えるじいやが実は怪人で、4月号は別冊か本誌に載っていなくて5月号がなくそこで終了した感じ
6月号からはやはり少女探偵もの「おじょうさん」へタッチ

Syoujyobook5908

7月号「山びこ少女」終了、続いて9月号より「白馬の少女」
8月号では「みどりの真珠」はつなぎのため付録と本誌で同時掲載さらに続いていく
9月号付録「東京の青い空」「みどりの真珠」
10月号付録「みどりの真珠」「チコちゃん」
11月号付録「みどりの真珠」「虹のある町(入江)」
11月号より石森章太郎「ガラスの目」連載
蝋人形館で行方がわからなくなった姉を捜しに、姉の友人光一と出かけた妹ユミ
蝋人形館で雪男に抱えられている姉を発見
館を見ていると、蝋人形が歩き出して恐れているところ館長になぐられたという
館長の老人は自分ではないといい、切符売りの娘もそんなことを父はしないと言う
動く蝋人形の秘密とは?

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「まんが図書館」とは呼べない国際児童文学館

第9回訪問
年末まんだらけで求めた「カスタムコミック」、今になって永島慎二「人情激情」の続きが気になって
年始初詣もすんだ余韻も抜けやらぬうちに再度来館するのはそれもあって
国際児童文学館がやはり「まんが図書館」と呼べない理由は「ビッグコミック」様の青年・大人まんがを所蔵していないから
だから「カスタムコミック」もないと思っていたんだが検索したら、あっ!あるんでですね
予定は
「カスタム」続きを概観した後
前の続きで57年にかけての「おもしろブック」(野呂「どんぐりばんざい」目当て)
次いで61年の「少女」を概観
時間があったので「少女3人」を再確認する

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横山光輝「東京の青い空」58年:児童文学館便り

「少女ブック」58年8月号より連載開始
まずこの号を少し紹介してから
130円242Pで5大ふろく(しあわせの鐘(わたなべまさこ)/オデット城の虹(ちば)/ルネ先生のびんせん/おしゃれバッグ/ネックレス)
わたなべまさこ「山びこ少女」11P
上田とし子「ぼくちゃん」5P
野呂新平「チコちゃん」8P
楳図かずお「母よぶ涙」10P
入江しげる「すみれさん」5P
赤塚不二夫「マコちゃん」5P
横山光輝「東京の青い空」24P

8月号より連載開始の「東京の青い空」
一回目から25P、読者を魅了するテンポよい始まり
帝国第一ホテルに宿泊する少女折原さつき、牧バレエ学校へ向かう
そこにはバレエはうまいが貧しい山科幸子や金のあることをはなにかけ幸子をいじめる金倉美智子などがいる
さつきは住まいを探していて幸子の家に下宿することにする
その部屋はほんとうにひどくぼろで母親は病気を患っているらしい
聞くと見せる金もないためというので、医者費用を貸して幸子がいない間に部屋もきれいにさせる
おまけにバレエが出来るよう一部屋を改造
いじわるな智恵子が二人を家に招待するので、魂胆を見抜いたさつきはきれいな服を幸子にプレゼント

9月号 さつきをつける黒服の秋原黒助一味、からまれたところを「片目の虎」という兄さんに助けられる
図版は深夜さつきが踊る姿を幸子がかいま見る場面
何の苦労もなさそうなさつきが泣きながら踊っている、深い事情がうかがえる前半の白眉
Yokoyama_tokyo
11月号 一味は間違って幸子を車ではねた、牧バレエ団が白鳥の湖を演じるがさつきが代役でつとめる
母冨美子が一味から逃れるため女中になろうとして美智子の家にやとわれる
美智子は知ってさつきの前で冨美子に辛く当たる
12月号
さつきの生い立ちが回想される
タイにいたさつきは父兄が戦後、海辺に堰を作り水田を開拓した
そんな仕事に愛想がつきた母は、水害で水田がやられたとき日本へ戻ってしまう
その後、宝石を掘り当て財産家に、さつきだけバレエという夢を叶えるため多額の金を持って日本へ戻ってきた
母を許せない気持ちが強かったが黒助に利用される気弱になった母を見ては慕う気持ちがふくらんでくる
1月号
黒原たちから逃げるため女中になって暮らしていた冨美子だがつらさで止めてしまう
黒原たちは金づるを逃がしてはときっと娘のバレエ公演は見に行くだろうと劇場で拉致しさる
2月号
空き地で野球を楽しむ孤児達のため、さつきは野球のグローブユニフォームをプレゼント
空き地を使用を禁止されると500万円で土地を買い取るまでする
3月号
監禁先から逃げようとして公園まで行くが虎さんやさつきがそこまで来ているのにピストルを突きつけられ連れ戻される母
けっこうすれ違い劇が続く
4月号は付録になり5月号なく
6月号
さつきの父武雄が兄と日本にやってくる
さつきも黒助たちに捕まるが、弟分三五郎はさつきに責められ気もとがめ改心して逃がしてくれる
兄貴黒助ととっくみあいになって黒助はかえって自分の腰をピストルで撃って傷つく
7月号
さつきは母と日本に残ると決心するが、母は自分が身を引いた方がよりとひそかに去っていく
汽車に乗って東京から離れようとするが黒助に見つかり列車から飛び降りることに
8月号
列車から飛び降り怪我を負ったところを付近の人に見つかり病院に運ばれさつきたちも知ることに
ただ意識昏睡の母は電気ショックでも気づかず面々が心配する中あきらめかけたころようやく意識を取り戻す
9月号は付録
10月号
ダイヤを届ける仕事を託された母は黒助に強奪される波瀾があるが虎さんが追って戻してくれる
虎さんへのお礼に空き地の権利書を渡す
11月号
バレエ公演が迫り、コッペリアの主役にさつきが選ばれたがおもしろくない美智子
父が金で記者を買収して、公演の記事を酷評するようにしむける
12月号
公演は大成功、9回のアンコールにさすがに新聞も悪評を載せられず、金を返しに来る
さつきは父からなんでもお祝いをやろうと言われ「ママを許して」と頼む
兄も大賛成でさつきも含めタイに戻ることになり完結

後半もたつきかげんながら「おてんば天使」よりはらはらしながら読めました、横山さん少女向けまんがとして一番おすすめか

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もりたじゅん「キャー!先生」前後二巻70年

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「りぼん」連載
中学へ新任でやってきた野坂麻子先生
元気者でスカートまくれてしまうばかりに動きまくるので「花柄パンティ」と男子からはあだ名される、そんな先生は全くしまりないギャグ顔
その一面、恋人鷹との別れをまだ気に病む深刻な顔つきは異様にリアルに描かれる
普通なら合うはずのない絵柄が強引に同居し、先生の体が肉感的なのももりたさんの特徴
生徒たちの悩みに単刀直入に切り込んでいく勢いのよさは周りの先生達にとってひやひやものだが、生徒達には親しまれる要素
学校が立ちのきになる計画が出てきて、その建築調査にやってきた会社の主任が先生の元恋人「鷹」
なんとなく二人が気心しれているのを察した生徒達は麻子先生に不信感を抱くのだが鷹と仕方なく別れなければならないよほどの悲しみがあるのだと次第にわかっていく
鷹に会社のお嬢さんが心を寄せていて麻子と引き離そうと考えている
結局、鷹は彼女を取らず仕事先を飛ばされてカンボジアに行くことになったと知り、麻子は彼を追いかけていって押さえきれない自分の気持ちを打ち明ける
麻子は原爆症で母を亡くしていて貧血気味の自分も長く生きられないのではないかと恐れ鷹から身を引いていたのだが
貧血は白血病とは無関係とわかり二人は結ばれる、将来症状が出ない保証もない不安は残しながら
泣き笑いのドラマはたいてい嘘っぽく見えるものだが、もりたさんの絵柄が極端を含むためかえって自然に見える
「おもしろうてやがて悲しき」という心境をまんがで味合わせることのできる数少ない作家さん

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ちばてつや~ほたによしぞう「オデット城の虹」:児童文学館便り

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「少女ブック」58年7月号が2回目
山犬の群れを女海賊パールがひきうけてくれる間、姫は鳥のルルに導かれて逃げる
追ってきたジョンを退治してくれるひげづらの男
森の隠れ家に案内されると、ひげを取った若い男となりそれが目的のロビン王子だった
8月号は別冊になりなく
9月号となるとちばさんが作画から降り、ほたによしぞうさんに変わって絵柄の美しさが減少し残念(ほたにさんは翌年の連載では絵柄がもっとスマートになっているが、ここではぎこちないさが残る)
さて、姫は父が殺されてしまいブラック男爵の部下たちにロビン王子もつかまる
パール船長が助けるが塔の上に追いつめられつかまってしまう
城下の海では小舟でロビン、姫が脱出、嵐を乗り越えたところ救ってくれた船が海賊船

10月号は所蔵なく11月号オデット城は付録か本誌になく
12月号最終回、女王の馬車とぶつかりマーガレット姫は介抱され事実を訴える
しばり首になるところのパールをロビンが助け、ジョンとブラック男爵を討つ
宮殿ではダン公爵が謀反を起こすがロビン達の活躍で鎮圧、元のオデット城に戻りとめでたく終了

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高橋真琴「プリンセスアン」60年:児童文学館便り

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脳腫瘍のため後半年の命と診断された王女アンは手術で治せる神山博士を頼みに日本へやってくる
死ぬかも知れないなら普通の女の子として生活をしてみたいアンは下町に逃げ出して美沙と知り合う
追っ手に見つかりさらに逃げ、尼僧の世話で教会に匿われる
国元では、跡継ぎが定まらない状況を利用して国を乗っ取ろうとする一派が暗躍しだしたこともありアンの行方を気遣う王はリキをアン捜索・警護に派遣する
教会まで行き着くが反対派にアンの所在が知れるのを恐れたリキは秘密を明かせないでいる
そうしているうちにアンは教会から抜け出し、町で知り合った混血の少年がいるサーカスで働くことに
しかしそこも火事で焼け出され警察に保護される
美沙の姉は新聞記者で警察にも出入りする身分、ちょうどアンを見かけ保証人になってくれる
神山博士が殺害される事件があり、国が悪人達の手に落ちる心配があるのでアンは国に戻ることにした
アンを乗せた旅客機は黒い飛行機に撃墜され日本山中に墜落
美沙達が捜索したがアンの行方はわからずじまい
折しも保養地のホテルでボーイをしていたジョージがアンの持つ宝石を山の女の子が持っていることに気づいて木こり小屋にいるアンを見つける
ところが小屋のおやじは相応の報奨金がないとアンを渡せないと言い張るため警察に知らせる
駆けつけた大使館員たちは実は悪人一味、山中で車から飛び降りジョージは美沙の姉と連絡、リキに話しがつながり金も出してもらい無事保護されたアンは帰国する
国王がなくなったため位をつぐアンだが気持ちは暗い
日本での出来事を懐かしむアンは親善旅行として訪れるが公式には日本は初めてだと言わざるをえないのが悲しい
バレエ公演観劇の後、美沙達を招いてようやく再会の喜びを分かち合う
さらに本国へ留学生として美沙やジョージを招きたいと告げ、世話になった孤児院にも多額の寄付をして気持ちも満たされるのだった

挿絵的な絵柄だから、悪人とやり合うアクション風の内容よりバレエものなど華麗なシーンが出てくる物語が合う
59年頃よりスタイル画形式が減っている、高橋さん本人が減るくらいだから他の作家さんではスタイル画がかなり少なくなっている

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牧美也子「可奈ちゃん」60年:児童文学館便り

実の母と育ての母、どちらを取るかで悩む少女の物語
父をなくした五十嵐可奈は育ての母と別れて、実の母に引き取られる
母は紡績工場の社長に新たに嫁いだため東京を去って福島に転校する
クラスでは影響力ある原田さん、可奈を嫌っている
というのも父が経営する紡績会社が可奈の父の会社に負けたから
クラスでは若い野村先生が味方になってくれるが、新しい父にもなじめない可奈は辛い日々を過ごす
この後、付録で話しが進むため経過がわからないが
可奈は東京に戻って実の母朝江と再会する
おしゃれ店ユミでデザイナーとして働く朝江
可奈は朝江と暮らしたいが、可奈を忘れようと朝江はお見合いした馬場さんと結婚しようと決意する
それでも可奈のことが気になって未練が残る様子だった
一方、技術者だった父は形見の手鏡の中に新型TVの設計図を残していた
それを狙う一味のボスが可奈も親しくしている正彦の相川父親
相川に追いつめられた時、助けに入ったのは東京に移ってきていた野村先生
相川のピストルから野村先生を守った可奈は肩に銃弾を受け川に転落する
野村先生は足にかすり傷を負っただけですみ、可奈も救われて重傷ではなかった
朝江と再会した可奈は育ての母の元に戻っていく

ざっとこういう筋で、この前の「少女三人」にしても牧さんは典型的な母物をしっかりと見せる作家さんだったんですね

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60年の「少女」:児童文学館便り

60年は3月号から12月号まで揃い
その3月号布陣は
高橋真琴「プリンセスアン」が筆頭13P、Vol2No4とあるので先年12月に始まり4回目ということか、12月で終了
いで粒一「ママちょっと来て」8P、TVシリーズに題材をとっているのか、9、10月は吉田ゆかたが11、12月は松尾美保子が作画担当している
牧美也子「可奈ちゃん」7Pで付録に続く、いわゆる母もの、10月で終了し11月より「少女たち」連載
赤松セツ子「こだま姫」11Pで付録へ続く、連載は7月号まで、同じく7月号より石井きよみ「少年テムジン」が連載(モンゴル冒険もの)
うちのすみを「三つの耳」16P、毎号少し長めで読み切りスリラーを掲載、6月号から半年「はだしの天使」連載、12月号から「東京ナナ」連載に
小山葉子「5つの銅貨」13P、同名映画のまんが化、上1/3が写真を載せている、この形式は6月号に「かあちゃんは私の太陽」があるのみ
今村洋子「チャコちゃんの日記」11P、毎月違う読者の原案をまんがにしている
大竹昌夫「すずめっ子なつ子」13P、横山風絵柄、すずめっ子とは親のいない子供という意味だとある
にしなさだお「となりのとまちゃん」5P、ユーモア短編だが息が長く次年度も連載が続く
曾根ちとせ「かわいい花の物語」15P、毎回人気者を素材にした読み切り物語、今号はザ・ピーナッツ由来の話
他に60年では松尾美保子さん「さよならAdiu」が5~8月連載、続いて望月あきらさん「おねえちゃん、ママにあえたの」が9、10、「あしたは土曜日」が11、12月号に
望月さんは「好き好きビッキ先生」絵柄をもう少しおとなしく下手にした感じ
松尾さんはデザイン的なしゃれた絵柄、潜水艇を作って行方不明の父、母は残った借金返済のためバー勤めして人柄も変わったようになり、娘マキは父を慕いながら港で花売りをしている
父を捜して港を巡っている二郎という密航少年と親しくなるが、マキの交通事故をきっかけに仲良い親子に戻った二人を置いて去っていくという途中終了のような内容で4回を閉じる
また9月号に読み切りで伊東章夫「ゴンちゃん」(大村コンをモデルのユーモア作)
9、10月号2回ものだが益子かつみ「黒バラ少女」
というところ

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森田拳治「ズーズーC」64年

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89年出版のペップおもしろまんがシリーズ
「誕生」の巻では博士に作られたロボット、ズーズーC、社会の勉強にと町に出て、偽札団一味に工員として働かされる
新聞で偽札団のことを知って警察に通報、止めようとしてもさすがにロボット、悪人達が銃で脅しても全く効かず逆に逃げ出すはめに
逃げようとする親分の乗るヘリを少しずつこわしていき、最後にはプロペラだけで浮いている親分、ついに地面に落ちて逮捕されてしまう
こんなギャグも4編くらいの日常編の後には、そんご空、アルカポネ、五右衛門など既成話を借りるようになると威力も半減して残念

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藤子不二雄「光公子」:児童文学館便り

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56年「少女」6月~9月
既に前半は借りてブログにもアップしているのですが後半を追うとこういう内容
赤桐弾正から城を追われたるり姫と勝四郎
裏切った家臣犬丸が家宝のろうそくを弾正の元に届けるが
つけたろうそくから現れた光公子は悪人には味方しないと雲に乗ってるり姫を捜しに行く
弾正は姫たちをしとめるため刺客みみずく法師を送り出す
山では食べ物をさがしている二人の前に山の少女があらわれる
二人は天狗岳から抜ける道を尋ねて教えてもらうが通れる道ではないと止められる
道を行くと山賊が出て姫はとらわれてしまう
虎の餌食になるところ首領の娘だったあの少女ひな子が現れ事情を言って命だけは助かる
砦に閉じこめれた姫は夢で兄に再会する
その夜、外に金色の鹿が出てきて姫を乗せて去っていく
実はこれはみみずく法師のわな、光も駆けつけるが法師の降らせる雨は光の弱点
近づけないでいる所、姫に落雷が
すきをついて投げた刀で法師を倒すことができる
姫と見たのは身代わりになったひな子
駆けつけた首領は娘の最後の頼みを聞き入れるり姫に味方することに
山ではぐれた勝四郎もかけつけ一行が山を下り城攻めに向かうところで完結
兄弓月星之進は出てこずに終わるがページ数の関係で割愛したのでしょう
毎回6Pで全編24Pを4ヶ月かけて作り上げたわけです
10年後では週刊誌の一回分でもこれくらいいきそうで時代の差は大きい
この編で最後に登場するみみずく法師は藤子さんがよく使うようになる仮面的キャラクターの先駆けと見てよいでしょうね

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吾妻ひでお「みだれモコ」76年

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少年チャンピオン」に長期連載された「ふたりと5人」が完結した76年後半の2ヶ月間8回掲載された作品、翌年からは「チョッキン」がまた連載
中学生モコはすぐ担任を誘惑しようとするセクシーかつ淫乱娘
テストに疲れて紙飛行機にした試験用紙が大きくなってモコを乗せて飛ぶとか
モコがネコの恋人を連れてくるが、気の弱い悪魔の子を相手にする方が気に入ってそっちに乗り換えたりとか
最後は家が宇宙を遊泳しているなんてかなりシュールな内容だが少年誌の制約でモコの色気がいかされず物足りないできに終わっている
この単行本に収録されている初期チャンピオン掲載70年「荒野の喫茶店」(2回)がかなり興味深い
絵柄は標準吾妻と違い、もっとシャープ、砂漠でぽつんと立つ喫茶店の持ち主A子
セクシーさを売り物に売り上げをのばそうとがんばっている
客は銀行強盗とか追ってきた刑事とか、互いに殺し合ってA子にかなり金が残り、砂漠には「知らない人」の墓が増えていくという物語
71年「しかばねに愛を」、うってかわって登場人物はまるっこい絵柄、あの片目ネコも登場していてそろそろ吾妻絵に近づいている

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藤子不二雄「白さぎ城物語」12P:児童文学館便り

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「少女」56年3月号
山と霧に包まれた白さぎ城
この城の守り神は夕姫と呼ばれる白さぎ
さぎを狙う黒さぎという覆面武士が現れて事態は一挙大団円までまっしぐら
城の若さまは幼いときワシにさらわれたまま行方知れず
案ずる妹の玉姫だが、その兄田村丸が戸隠一刀流の免許皆伝となって戻ってくる(しかし彼が近づくと夕姫が騒ぎたてる)
玉姫付きかえでの父が元家老なのでそこにしばらく夕姫を預けようと城から運び出すと急に現れた賊たち
鶴千代という若武者が助けに入り取り押さえてみると、賊の首領は家老のげんばだった
かえで宅にげんばを預け城に向かうと後ろから黒さぎに襲われげんばも連れ去られたという一報が入る
ともかく城に戻ってと、かえでに連れられ鶴千代は玉姫と対面する
兄の田村丸と会った鶴千代が一瞬剣に手をかけ異様な様子になるのを不審がる玉姫だが
黒さぎのことを考え、夕姫は空に逃がすことに
夕姫が飛んでゆく先に白さぎの先祖が埋めた財宝の在処があるらしくそこに家老げんば一派が駆けつける
姫たち一行も夕姫を追ってやってくる
神木を切るのにためらっている家臣たちを叱りつけるため鉄砲を撃つと折からの雪、なだれに押しつぶされてしまう
かわりに現れたのが黒さぎ、相手をするのが鶴千代
果たし合に鶴千代が勝ち、黒さぎの正体は田村丸と知れる
鶴千代が江戸で修行中、ひみつを知って証拠の品を奪い兄になりすまして白さぎ城に現れたという次第が明かされて完結
12Pとは思えない充実した内容、絵柄も「海の王子」そのままで既に60年にならないうちに完成していました

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ちばてつや「ハチのす大将」63年

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年末購入の作品もまとめておきます
「少年マガジン」に61年より2年間続いた「ちかいの魔球」終了後の続き作品、半年の短命で終わり「紫電改のタカ」に替わるので印象少ない
国立医科大学に勤める嵐大介、その父は貧しい人を助け町医者を30年続けている
そんな父がコレラ発生を察知し自身を犠牲にして町を焼き大流行を止める
町の復興のため多額の金が必要となり大介は賞金500万円目当てにバイクレースに出場し、賞金稼ぎのあくどい「死神」と競うことに
崖から転落した「死神」を見捨ててはおけず助ける
恩に着た彼は近道を教え大介は賞金を手に入れるが、白血病に冒されていた「死神」は今回の負傷があだとなり亡くなる
話を盛り上げるためレースを持ち出したけれど主題からそれていくのをまとまることが難しくなったのでしょうか
町の立ちのきを迫る区長ともめるが、区長の息子を手術で救うことで町もそのままで大介はドイツへの留学資金を得ることができたという具合にけりを最速で付けてしまいます

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藤子不二雄「母の呼ぶ声」:児童文学館便り

Fujiko_hahano

「少女」55年11月号読み切りの5P短編
みづえは母が亡くなり、おじさん夫婦と住んでいる
母の残した山を譲れと開発屋の黒原社長が脅すように迫ってくるがおじさんは断り続ける、山に植えた樹木はみづえにとって母の形見とも映るから
黒原の圧力は日増しにひどくなりおじさんは役場をやめさせられそう
それを聞いたみづえは折れようと思う
黒原の依頼で山の調査に来ていた東京の青年青木持郎がみづえに山にウラニウムがありこれを売れば億万にもなると教えてくれる
黒原は青木の裏切りを責め、二人ごと坑道に閉じこめてしまう
警官やおじさんが山に探しに来てもみづえの行方はわからず、万事窮したところで
坑道に残っていたダイナマイトを使って出てきた青木たち、黒原一味はつかまり山に平和が戻るというラスト

「黄金のすずらん」は所蔵なく読めず、翌年6月より連載もの「光公子」は全容がわかる
また少し前には「白さぎ城物語」がまとまった量の読み切りとして載る

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「fellows」冬の号

Fellows2009


年2回刊行の「fellows」、お姫様特集とあるのと表紙の豪華さで年始の友と求めましたが
どれも名前初めての比較的新人さんが描き、絵柄は良いもののストーリーがもう一つ乗りきれないなぁ
新連載入江亜季「乱と灰色の世界」があの靴を履くと急に大人になる少女乱という設定で出だしから快調
ついで森薫さん「乙嫁語り」が木彫を丹念に描いて美しい
他は佐野絵里子さん「為朝二十八騎」が平安末期の武士風俗を存分に描いて素晴らしい、内容に大きな展開ないものの日常描いてもらうだけでも楽しい
食事場面は「慕帰絵詞」を参考にしてるんでしょう、細かくこころにくい

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「少女」55年11月号

少女まんがの藤子不二雄を一巡りするため、まず「少女」掲載号を紹介、2大ふろくがついて110円P236
手塚治虫「そよ風さん」7P
藤子不二雄「母の呼ぶ声」7P
横山光輝「白ゆり行進曲」8P(9月より連載開始)
水谷武子「ウララちゃん」4P
小野寺秋風「お祭りマンボ」8P
東浦美津夫「カナリヤさん」4P
真下治「チーコちゃん」2Pユーモア作
うしおそうじ「怪傑ふりそで頭巾」8回目

なかなかの豪華執筆陣、戦後すぐから活躍している小野寺さんをコメントすると
「お祭りマンボ」は秋祭り題材のユーモア、マンボは当時はやった踊りというので付けたんでしょう
ちょうちん屋に寄付金を集めてきた三平・平太が立ち寄り話し込み
立ち去ると財布を忘れている、もらってしまおうとと店のおやじは赤ちょうちんの中に隠す
これを見ていたよくの深兵衛、買い取ろうとするが、すでに少し前、ちょうちん屋の妻が見つけて白ちょうちんに移していた
白ちょうちんは駿河屋の丁稚が持って行くが出てきた財布を紙くずと思って捨ててしまう一騒動のユーモア作

うしおさんはここでも連載していたんだ、ヒロインキヌが面長で魅力にかけるのがやや惜しいけれど興味深い
結城屋キヌは江戸へ養女に出ているが、ふりそで頭巾に助けられ京都に戻ってみると実家が丸焼けになっている
ゆかりの寺を訪ねて両親が位牌と変わり果てたことを確認する
キヌはこの後、頭巾に古浜ちりめん斎の所へ連れられるが、かたきを討つのに武術の訓練をするようにという心遣いとわかり感謝して抱きついてはっとするキヌ(どうもふりそで頭巾は女性らしい)という展開

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2008年まんが愛好作

新作
菅原雅雪「暁星記」
さそうあきら「マエストロ」
関谷ひさし「侍っ子」
三山のぼる「レクイエム」
小玉ユキ「BeatifulSunset」

旧作
美内すずえ「ガラスの仮面」
山田芳裕「デカスロン」
あべりつこ「ひとりぼっちのゴールイン」
柳沢みきお「翔んだカップル」
高橋真琴「あらしをこえて」
三山のぼる「ピカイチ」
柴田ヨクサル「エアマスター」
大和和紀「あさきゆめみし」
村上もとか「エーイ剣道」
浦沢直樹「20世紀少年」
新井英樹「宮本から君へ」
細野みち子「おはようエルザ」
曽田正人「シャカリキ」
星里もちる「りびんぐゲーム」
茶木ひろみ「銀色の鬼」
高浜寛「凪渡り」
横山光輝「おてんば天使」
井出ちかえ「ボダからの脱出」

復刻
牧美也子「マキの口笛」
山田えいじ「ペスよおをふれ」
花野原芳明「少年漫画傑作集」

新発見は菅原、柴田、花野さん
美内さんは今に至って真価がわかった
「このまんがが凄い」とは新作もほとんど重ならなくなっていて
意欲が減退してきたらしく、まんが読みも児童文学館閉館とともに縮小しそう

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