堀江卓「矢車剣之助」57年から「少年」掲載
アース出版10巻完全収録版
1巻目(8月号より12月号)
正義の剣士矢車剣之助、上司は大岡越前、助っ人が魚屋の魚八たち
大名行列に掲げられた金竜の槍をねらって盗賊が襲来、居合わせた剣之助は間違って盗賊と勘違いされる
盗賊団は鬼の顔一味といい、次に襲ったのが近江屋、駆けつけた剣之助は首領の腕に傷を負わせる
抜刀太を賊だと問いつめたが浴びせたはずの刀傷がなく、侮辱したと剣の柄で額をしこたま打たれる
これがトレードマークの額の三日月となり、この後覆面をして「夜の帝王」と名乗って登場するスタイルをとる
2、3巻目(33年7月号まで)
火炎隊の巻:首領はグロンサンという外国人、土塀が動いたり、空飛ぶ人間爆弾
城の下がキャタピラで動く(中で人間が人力で動かしている)戦車を駆動して江戸の町を蹂躙、海でも動くことができる兵器とはずいぶんのもの
この話の副主題が母親(剣之助は母と生き別れしている)
その母しのぶが松葉城百万石の若殿お守り役として登場
すれちがいが度重なり数々の危機を乗り越え3巻目160Pでようやく再会
ところが剣之助の母ということで誘拐され海での対決には城の上にさらされてしまう
敵を破り無事母子に平穏な日常が訪れる
4、5巻目(34年2月号まで)
前話登場の火薬作り名手煙竜兄弟から技術を受け継いで次の悪人一味
人間が中に入って動かす走る石で襲いかかる甲賀五列隊
剣之助を助ける覆面男に甲賀源三郎、甲賀の正統だが黒部鬼軒に追われ復讐に燃える
彼と組んで悪役を滅ぼすことに
6、7巻目(34年11月号まで)
親善使節を襲う火炎頭巾一味から物語が始まる
火炎頭巾はオオカミ仮面、海賊木金金が正体
伊達藩への恨みを晴らすため暗躍している
麻薬を使って男たちを操り黒衣団としてまとめている
娘の千賀はそれを知ってやめさせようとする
剣之助に敗れ、刑を終えて娘の所へ戻ろう改心する
千賀はそれまで彼の元で妹扱い
8、9巻目(36年1月号まで)
空飛ぶ将棋隊を操り、コマを使って一味
金を強奪、娘たちをさらって大量に外国に売りつけようとする
首領が鍋島守
もう一人の不思議な登場人物がネコ面の男
彼こそ本物の鍋島守で部下の典膳が主君を捕らえ顔を焼き当人になりすましていた
城の地下水路からかろうじて逃げ出した守はネコの面をかぶり復讐を誓う
千賀もさらわれ売られようとするのを救出
そのほか、アイヌツキノワ族が登場する「白い森」が数回分
最終巻(36年12月号まで)
「白い森」続き少しに
「くらやみ党」の巻(以前付録を紹介した空飛ぶかごが出てくる話)
越前を襲う黒衣一味、同時に剣之助の家も襲われる
越前屋敷に駆けつける越前はさらわれとかぶと虫がびっしり天井に張り付いていて爆発する
一味はくらやみ党といい品川燈台を爆破して地下に隠された幕府の秘密を暴こうとたくらんでいる
銃をつんできた籠から降りた虫兵衛が用が済んだと籠をたたくと無数の虫になって籠が消え失せる
剣之助は大阪でも燈台が爆破され、関連で江戸へ派遣された女目明かしおこんと共に動く
光の剣士が現れくらやみ党に入るが実は相手の状況をさぐっている幕府の隠密隊
腹側は暗闇にまぎれる黒い色、背側は光をまぶしく反射する白い色の衣を着る
彼らの助けで暗闇でも黒いくらやみ党と戦うすべを手に入れる
くらやみ党の首領は左京といい、元甲州の3人忍者の一人
3人とも八丈島流しになってそこで燈台制作者の生き残り夜霧白斎から秘密を聞き出し、白斎には忍術を教える
白斎は娘おこんの肩に燈台地下迷路の地図をおしろいでかたどったらしい
秘密を求めてほかの二人、天童一角、狼小源太が対立するが
剣之助が向かう頃には同士討ちで左京一味が待ち受けることになる
剣之助の味方になっていた謎の老人が実は白斎でその手下にはアメリカガンマンまで登場するという派手さ
危ういところ覆面Xが現れるがこれがおこん、彼女も撃たれて死んでしまい白斎は改心してくらやみ党に爆弾抱えて体当たりする
最後に幼時マヒを治すワクチン草を求めてシャムまで出向き当地のムーア団と格闘するのを2回ほど掲載して長い連載も終わる
全編、時代劇に復讐譚・母ものという定番を組み込みながら西部劇風に銃連射するアクションがみもの
中でも、城の戦車が大仕掛けとしてとってもユニーク
技は将棋隊、複数組んで車輪となり疾走する姿がおもしろい
最終巻でも、かごが昆虫のかたまりだったなんてからくりまであって飽きさせない
絵柄は終盤(1961年)が幾分枯れた感じになっていますが







































