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堀江卓「矢車剣之助」57年から「少年」掲載

アース出版10巻完全収録版
1巻目(8月号より12月号)
正義の剣士矢車剣之助、上司は大岡越前、助っ人が魚屋の魚八たち
大名行列に掲げられた金竜の槍をねらって盗賊が襲来、居合わせた剣之助は間違って盗賊と勘違いされる
盗賊団は鬼の顔一味といい、次に襲ったのが近江屋、駆けつけた剣之助は首領の腕に傷を負わせる
抜刀太を賊だと問いつめたが浴びせたはずの刀傷がなく、侮辱したと剣の柄で額をしこたま打たれる
これがトレードマークの額の三日月となり、この後覆面をして「夜の帝王」と名乗って登場するスタイルをとる
2、3巻目(33年7月号まで)
火炎隊の巻:首領はグロンサンという外国人、土塀が動いたり、空飛ぶ人間爆弾
城の下がキャタピラで動く(中で人間が人力で動かしている)戦車を駆動して江戸の町を蹂躙、海でも動くことができる兵器とはずいぶんのもの
この話の副主題が母親(剣之助は母と生き別れしている)
その母しのぶが松葉城百万石の若殿お守り役として登場
すれちがいが度重なり数々の危機を乗り越え3巻目160Pでようやく再会
ところが剣之助の母ということで誘拐され海での対決には城の上にさらされてしまう
敵を破り無事母子に平穏な日常が訪れる
4、5巻目(34年2月号まで)
前話登場の火薬作り名手煙竜兄弟から技術を受け継いで次の悪人一味
人間が中に入って動かす走る石で襲いかかる甲賀五列隊
剣之助を助ける覆面男に甲賀源三郎、甲賀の正統だが黒部鬼軒に追われ復讐に燃える
彼と組んで悪役を滅ぼすことに
6、7巻目(34年11月号まで)
親善使節を襲う火炎頭巾一味から物語が始まる
火炎頭巾はオオカミ仮面、海賊木金金が正体
伊達藩への恨みを晴らすため暗躍している
麻薬を使って男たちを操り黒衣団としてまとめている
娘の千賀はそれを知ってやめさせようとする
剣之助に敗れ、刑を終えて娘の所へ戻ろう改心する
千賀はそれまで彼の元で妹扱い
8、9巻目(36年1月号まで)
空飛ぶ将棋隊を操り、コマを使って一味
金を強奪、娘たちをさらって大量に外国に売りつけようとする
首領が鍋島守
もう一人の不思議な登場人物がネコ面の男
彼こそ本物の鍋島守で部下の典膳が主君を捕らえ顔を焼き当人になりすましていた
城の地下水路からかろうじて逃げ出した守はネコの面をかぶり復讐を誓う
千賀もさらわれ売られようとするのを救出
そのほか、アイヌツキノワ族が登場する「白い森」が数回分
最終巻(36年12月号まで)
「白い森」続き少しに
「くらやみ党」の巻(以前付録を紹介した空飛ぶかごが出てくる話)
越前を襲う黒衣一味、同時に剣之助の家も襲われる
越前屋敷に駆けつける越前はさらわれとかぶと虫がびっしり天井に張り付いていて爆発する
一味はくらやみ党といい品川燈台を爆破して地下に隠された幕府の秘密を暴こうとたくらんでいる
銃をつんできた籠から降りた虫兵衛が用が済んだと籠をたたくと無数の虫になって籠が消え失せる
剣之助は大阪でも燈台が爆破され、関連で江戸へ派遣された女目明かしおこんと共に動く
光の剣士が現れくらやみ党に入るが実は相手の状況をさぐっている幕府の隠密隊
腹側は暗闇にまぎれる黒い色、背側は光をまぶしく反射する白い色の衣を着る
彼らの助けで暗闇でも黒いくらやみ党と戦うすべを手に入れる
くらやみ党の首領は左京といい、元甲州の3人忍者の一人
3人とも八丈島流しになってそこで燈台制作者の生き残り夜霧白斎から秘密を聞き出し、白斎には忍術を教える
白斎は娘おこんの肩に燈台地下迷路の地図をおしろいでかたどったらしい
秘密を求めてほかの二人、天童一角、狼小源太が対立するが
剣之助が向かう頃には同士討ちで左京一味が待ち受けることになる
剣之助の味方になっていた謎の老人が実は白斎でその手下にはアメリカガンマンまで登場するという派手さ
危ういところ覆面Xが現れるがこれがおこん、彼女も撃たれて死んでしまい白斎は改心してくらやみ党に爆弾抱えて体当たりする
最後に幼時マヒを治すワクチン草を求めてシャムまで出向き当地のムーア団と格闘するのを2回ほど掲載して長い連載も終わる

全編、時代劇に復讐譚・母ものという定番を組み込みながら西部劇風に銃連射するアクションがみもの
中でも、城の戦車が大仕掛けとしてとってもユニーク
技は将棋隊、複数組んで車輪となり疾走する姿がおもしろい
最終巻でも、かごが昆虫のかたまりだったなんてからくりまであって飽きさせない
絵柄は終盤(1961年)が幾分枯れた感じになっていますが

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63年「少女」休刊

新年号、190円268P
内容は
今村洋子「チャコちゃんの日記」16P
中村初江「なまちゃん」2P 
牧美也子「姉妹ふたり」7P
しぶやむつみ「ボク、ナルタン」15P インディアン少年ユーモアもの 望月あきら風絵
武田京子「しあわせの花がいっぱい」24P読み切り
これから最終巻3月号まで直ちゃんシリーズで読み切りが3回
付録は「姉妹ふたり」「チャコちゃんの日記」 本誌のまんがページ数は62Pと1/4の少なさ、なんだか店じまいで悲しい

直は小学校5年生、パパママがなくなり兄と二人暮らし
その兄がちかぢか結婚したいというのでその会社の管理人さんの娘を見に会社に訪ねていく
夜になって八千代商事に入ってみると人がいなくなった部屋でそれらしい人が資料をなにかしていてこれは機密文書を盗んでいるのでは?と逃げ帰ってくる
兄も結婚、お嫁さんと一緒に暮らすようになったあの夜のことがどうしても木に掛かる
会社から電話で兄の大事な資料が盗まれたと大騒ぎ、義理姉のせいかと逃げ出した所、後ろ姿を見てあの夜、会社で見られたことを知る姉
兄が探し出してくれる
なんにこともなかってロッカー整理を会社のみんなのため引き受けて仕事が終わった夜にやっていたということが判明 兄の資料も部長が必要で持って出たということで一段落

2月号直ちゃんシリーズは「直ちゃんのボーイフレンド」23P
電車を家財道具のような大きな袋を3つ下げ歩く幼い女の子直
パパママなくなった時3歳、親戚で2年ごとにたらいまわし、明日からの目白は5軒目
ホームでおばあさんの荷物をずらしていたずらする少年達
手塚ひろし 家は裕福だが不良仲間とつきあっている
親戚宅の隣りに住んでいた

お墓参りの交通費と花代に2000円ほしい直はバイトをしたい
ひろしに相談したところ、ひろしがなんとかと考えたのか友達の金時計を売りに行って盗品と知れつかまってしまう
警察に面会に行った直はひろし墓参りに一緒に行こうと約束して幾分明るい未来が

「命あるかぎり」24P
西野直は小学校6年生、14回目の卒業式を迎えて代表として答辞を読むため前へ進み出て倒れてしまう
検査の結果あと3ヶ月の命と判明、看護婦がもらしているのを聞いて事実を直も知ってしまう
医者に問いただして白血病のため真実と知り父母には自分が知ったことを黙っていてと頼んで、あとわずかの命を意義深くつおうとする
ばあやタネや昔けんかしたままの友人恵子を懐かしく思い出し訪ねていこう、古い人形は処分しておこうとけなげな振る舞いが悲しい
14回目卒業とは「少女」が14年目にして休刊することと重なっていてなんだかしんみりする
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武田京子「ナナ」62年

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「少女」4月号より10月号まで
シュークリーム味、メロン香りのまんがと銘打たれている
4年生になったナナ、茨城の家では母が数日前になくなり幼い妹カコは母が死んだ事がわからない
東京の美容院で働いている姉は無理を承知で2人をアパートで一緒に暮らすことにする
仕事で用事が一件増え遅くなると姉が公衆電話から連絡を入れている時、そばで殺人を目撃してしまう
殺されたのは科学者でそれを利用しようとする一味の仕業
報復が怖くなった姉は警察に届けず家に逃げ帰る
殺人犯が自首してきたと報道あって一安心だが、実は身代わりで真犯人は別にいる
ねらいは科学者夫妻を捕まえること、事情をばらしそうになったもう一人の学者が先日始末した男だった
顔を見た姉にも危険が迫っている
犯人は科学者の妻を見つけ連れ去る、現場にいたナナが一緒に拉致される
捕まった先で話すうちに、なんという運命のいたずら、その女の人がナナのほんとうの母だとわかる
これが6月号までの内容、7、8月なく、この間殺人犯事件は解決したのでしょう
10月号では
母が10年も娘たちを放置していた理由を説明する
医師青山に娘たちを預けたが母達はアメリカで人造ルビーを作らされていて監視もつよく日本に帰れなかったということ
両親がいず苦労した美佐ねえさんは母を認めることができず「母に会ってはだめ」と釘をさしていた
妹二人も養うにはお金が足りないので借金も棒引きにしてもらえる福岡支店勤務をのんで有田おばさんにナナを預け、カコを伴って離れていく
そんな時、ナナが実の母のところに泊まって連絡もない
心配した有田おばさんは美佐の所へ電話したので姉は急遽九州より飛行機で駆けつける
戻ったナナに事情を聞き、母の所へ行っていたと知ると「自分を騙した」と怒りだす
10月号(なし)で終わるようだが詳細不明
ナナは母と暮らすことになるんでしょう、美佐の母に対する誤解は解けるが仕事も持っているし独立して暮らす、末のカコちゃんがどうなるかは予想できません

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牧美也子「姉妹ふたり」62年

「少女」5月号より連載
本誌で10P続きは付録へ
由紀は春休みの終わりに次は6年生になる、なんでも一人でやろうとふとんをあげそうじをしてあげくは朝ごはんに遅れて父から叱られる、どうも要領悪い女の子
姉の奈美は聖和付属中学へトップで入学した秀才
6月号
母は玲子夫人を見て当惑している、実は奈美の本当の母親だった
9月号
警察から父が西伊豆で飛び降り自殺と伝えられる
靴が岸壁に残っていたという、それは東西電鉄工事事故の責任を取ってのことだったらしい
11月号
由紀とママ雅子の二人くらしとなる
奈美は実の母の所へ行ってしまう
父は行方不明になって2ヶ月、会社の部長はなかなか会ってくれずいるすまで使う
もうアパートも出なければならない
由紀は新聞配達のアルバイトをする
母は奈美と の豊かな暮らしぶりを見てアパート代もことかく自分と暮らすより由紀もそこで一緒に暮らした方が幸せだと考えるようになり書き置きを残して出てゆく
12月号
姉は勉強もしなくなり、いじわるになっている 由紀のことばかり気遣う母に不満気味
犬を拾ってきたが飼わしてもらえずカコちゃんの所へもっていく帰り、母の実家信州へ行く
雅子も追いかけて由紀を連れ戻す
雅子はまさ子と名を少し変え旅館で住み込みの働き手になっているが夫の死に不信感を持ち(会社を訪れたとき物陰で見た黒マスクの男が気になる)夫を捜しに行く

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62年の「少女」

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1月号の内容は
牧美也子「少女たち」11Pで付録へ、5月号より「姉妹たち」
今村洋子「チャコちゃんの日記」 14Pで付録へ
広丘純「十字架のあと」23P、うちのすみを原作、スリラーもの 3月号まで
前江ふみお「ミス日本ミヨちゃん」7P 山根風
中村初枝「ママちょっと来て!」7P
望月あきら「わたしの名はゆり!」29P 長編連載もの
武田京子「なっちゃん」31P、3月号まで

ここでは望月さんの「ゆり」を拾ってみる
ヒロイン瀬川ゆりは思いやり深い女の子、知り合った幼いペコちゃんが貧しいくらしでけなげに生きているのを見て気になる
手袋をプレゼントしたが、ペコちゃんの母に「うちは貧乏だけど人からもらいものはしたくない」と拒否され港には近づきがたい気がする
ともだちが誘っても足が向かないが、町で焼いもを売って元気に過ごす母子の姿を見てほっとする
事情を良く知っている警官からペコちゃんの母が貧血で倒れたと聞いてかけつける
それから毎日、朝は遅刻しそうになり、授業中は居眠りするゆりの姿がしばしば見られた
先生はしかるが、あまりの生徒たちがかばってくれ、先生もわけを聞くとペコちゃんの母に代わって焼き芋屋の屋台を引いて朝も夕方も売っているという
努力のおかげで母も回復して元気をとりもどす、この内容は各回ストーリーに共通する人情物語
「アタックNo1」という大ヒット作をはさむが、この精神は「ゆうひ丘の総理大臣」に引き継がれていくなあ
3月号では23P、ゆりの母はタクシーの運転手をやっていて男の人にかすり傷を負わせる事故を起こした
学校ではとみちゃんが宿題を男の子たちに写させ、写していないゆりも同じような答えだったから先生から疑われるが女の子たちがかばってくれる
ゆりがとみちゃんをなじったため父親が学校に抗議にやってくる、まん悪いことに母がかすり傷を追わせた相手がとみの父だったりして
10月号で「ゆり」最終回は
学校から夏の海水浴に来てゆりが地元の漁師の子とトラブルを起こす
さざえを取るじゃまをしたと怒る少年(ガキ大将ふう)ともめ、それがもとでけがをしてしまった少年を心配しつきそううちに相手の誤解も解け帰りにはみやげにさざえをもらってというお話

11月号から松本あきら「ルナの森」が8Pで新連載
シマリスのいたずらな弟チコとルナの物語
子どもを救うため果敢に飛び出して狼に食べられた母リス、姉弟は勇気を持って森で暮らす
他にまんがは「チャコちゃんの日記」「姉妹ふたり」とまんがのページ数が激減

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高橋真琴「プチラ」61年

プリンス劇場で東洋バレエ団が「ひん死の白鳥」を演じている
富永葉子は5歳の時、ママ(元バレリーナ)が死ぬ
パパはいそがしくて着てくれないと思っていたら交通事故にあったと連絡が入る
海岸崖に車がぶつかっているが父の遺体も姿もなく行方知れず
そんな折、スイスへバレエ練習に来ないかと誘われシモーヌ先生に付くことに
スイスへの飛行機でニーナというロシア娘と知り合う
彼女もスイスの同じ学校でバレエを学ぶらしいが葉子をさぐっている様子もある

同僚になったリズの山小屋でパパのライターを見つけ不思議はつのるがこの辺りからパパの存在が薄れ
もっぱら各国記念の話に移ってしまう
パリ公演では同僚マドレーヌが話題に
ママが迎えにこないので気にするマドレーヌ
葉子たちはプリマのクレールがママかと思っているが
掃除婦をしながらマドレーヌを見守っていた女性こそがママで、事故でなくなってしまいクレールが世話人となってくれる
スペインでは闘牛士カルロスとの物語
エジプトでは葉子は族長の娘の身代わりとして誘拐される、ただその娘はピラミッドの墓守として多くの人を犠牲にしてきたのでその報いとして自分がいけにえになると葉子を逃がしてくれる
ついでイギリス編、アニ-がイギリスではそっくりな偽者とすり替わっていることに葉子たちが気が付く
それにしても本物のアニ-以上に舞台でも踊るその娘は?
実はアニ-にはケティという双子の妹がいて、双子が不吉という迷信で母が召使の下へ養子に出してしまっていた
心臓病で余命がそうない妹のため、一度は舞台を勤めさせてやりたいと養い親たちが仕組んだこと、誘拐されたアニ-も事実を知らされて妹の舞台に同意していたと知らされる
次はドイツ編というので翌年にも続く

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61年の武田京子

この年は武田京子さんが「少女」に力作を発表してデビューしている
まず4月号より「あの波こえて」を8月まで連載(たけだ京子名)
9月号より「なっちゃん」を連載、翌年に引き継ぐ
「あの波こえて」は4年生のマミはひろしくんと仲がよい
近所で中国服を着る幼いカコちゃんという女の子と知り合う
カコちゃんはパパが香港に出張して一年以上立ち、ママと二人暮し
ママは心配させないため黙っているが、パパは実は行方不明になっている
マミは金髪のせむし男からカコに渡してくれと手紙を託されるが不審な男だからどうしようか迷ってしまう
実は密輸団にかかわり一年間逃げ回って横浜まで戻ってきたパパからの使い
男は密輸団一味だったが彼の味方になって何かと世話してくれる
密輸団の首領が女、カコをさらうのに一緒にいたマミも連れて行ってしまう
香港にいる娘錦花の手術代もあってあせっていたが、錦花がなくなったという知らせを受け、マミ・カコと母娘のようにお菓子を作りあって自首することを決心する

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「なっちゃん」北原なつみことなっちゃん、今度はパパと二人暮らし
フランス留学から帰ってきた料理研究家三原朝子はママにそっくりだという
なつみのパパは会社の金70万円を横領した疑いで警察に拘束される
そのためなつみは親戚春日家に身を寄せる
ここでは娘のかつ子がいじわる、その兄は耳が聞こえないがいい人物
三原先生と知り合ったなつみはレストランに夕食を招待され、門限8時に遅れなければという条件で許してもらう
楽しい食事だが、席をはずしてなかなか戻らないのが心配で見に行くと、先生は娘と楽しそうに話してプレゼントをあげている最中、自分を呼んでおいてと嫉妬心も高まり、飛び出したなつみは門限を越えてしまい、春日宅には戻れないと誰もいない実家に帰るが、兄が迎えにきてくれる
しばらくは会うのもためらっていたなつみだが、朝子先生と話すうちに誤解もとけ仲も戻って、料理学校を建てるという計画を教えてもらう
予定の土地は他人に取られそうで、ここにも一騒動
62年1月号がとんで
雪の中倒れた北原なつみを朝子先生が見つけて親身に介抱する
その姿に娘の弓子はかなり嫉妬する
一方、品川の春日家では釈放された父が戻ってなつみの行方を捜している
先生は家に泊めるとを電話しておくとなつみに言っていたが実は電話していない、連絡を取るとすぐに迎えに来られて少しでも娘と一緒にいたいという願いがかなわないのが不安で
弓子の弟たくちゃんが先生の手紙を持ち出して見せてくれると、そこにはなつみと父と先生が写っていて自分が先生の娘だとわかる
父に実情を聞くと、仕事にうちこむ母についていけず、なつみが2歳の時、離婚したと打ち明けられる
そんな折、テレビ録画で照明器具が落ちてきて先生がけがをしたと聞く
病院に見舞いに行くと、たく・弓子が父親と一緒に病院で親しそうにしている
その家族の絆に先生も入っていることがわかるだけに近づきがたい気持ちになる
彼らがいないすきに朝子の病室に入り、娘であることを確認して記憶に残る「お馬の親子」を歌ってもらい思い出として病室を去って行く
娘であることを諦め彼らの幸せを祈りながら実につらい心情がうかがえる壮烈なラスト

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牧美也子「少女たち」61年

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1月号
伊豆から東京のおじの家に出てきた秋本富士子、父が監督の梅野ルミと親しくなる
ルミの友人の香取恵子さんは富士子にはいじわる、ドッジボールで負けてさらに悔しがる
2月号
話は香取家に変わり、岡村啓三という人物が話題に
そんな折、順子という女性が訪ねてきてそれが恵子の実の母であった
4月号恵子は実母と会うが、5月号今まで養ってくれた母を選ぶ
6月号
大阪からの元気な転校生、浅田和枝は富士子には冷淡
梅野の父がTV映画の主役に富士子を当てたことも和枝に腹立たしい題材、和枝もオーディションに申し込んでいたから
8月号
TVの仕事が入ってきたというのでおじ夫婦はぐんと愛想がよくなる
ところで和枝の父は屋島組の部長らしい
屋島組というと恵子の父が進める建築を横取りしようとたくらむ暴力団関係の企業
9月号
和枝の父は母娘を捨てて逃げて別の女と暮らしている、二人がずいぶん暮らすに苦労しているのに
別冊付録で話が進むようで次に本誌で読めるのが
翌年1月号
屋島組はんにゃの松あにきが和枝の秘密を知った富士子を車に拉致しようとするが、おじも同乗してきたので脅して去っていく
一方、恵子の父が建設中の空見川ダムへ向かう、そこはロケ地にもなっていて富士子たちも関わってくるのだが
3月号
ダム工事を妨害しようとする屋島組はジープに仕掛けし坂道を止まらず下りて行く
大事故になるところ富士子が機転をきかせ、社長・部長の命の恩人となる
所長の妻佐和子さんが傷ついた富士子を介抱してくれている、2年前なくした娘に良く似た富士子が慕わしい様子
4月号
富士子が屋島組一味につかまり、一時間後のダイナマイトによるダム爆破の巻き添えになって閉じ込められた部屋で浸水のため溺れ死ぬ運命に巻き込まれる
旅館吉野家には富士子を捜索する警官も立ち回り和枝の父たちは早く立ち去ろうと準備している
父が富士子の命を奪うことを知った和枝は罪の意識にさいなまれるが一家は車で現場から立ち去る
ここで付録に続いて終了するが危機は回避され大団円を迎えるのたのでしょう

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61年の「少女」

文学館には3、7月号以外は揃っているので借り出して概観
まず1月号目次をあげておくと
1月号 170円10大ふろく
牧美也子「少女たち」8Pが本誌で付録に
今村洋子「チャ子ちゃんの日記」12P
高橋真琴「プチラ」18P
望月あきら「あしたは土よう日」15P
にしなさだお「チータカタッタねえさん」4P、ユーモア
松尾美穂子「ママちょっと来て」
松本あきら「生きている三面人形」17P
うちのすみを「東京ナナ」21P
よりたやすお「ウィンキーだっこちゃん」5P
他、こまどり姉妹題材の実録まんが

主力は高橋さんから牧さんに移り、「少女たち」連載が翌年4月まで
また、4月号よりデビューの武田さんが人気を高めてゆく
高橋さん、絵柄は美しいが内容が徐々にあっさりしてくる
9月号より石森章太郎「ミュータントサブ」が開始
鳳ルミの父生物学者が殺される、サブはその学者が作ったミュータントで養い親も不思議な様子に気味悪がって家を出てしまう
ルミが事件に巻き込まれそれを助けることでサブと知り合うようになる
これは翌年1月号で連載終了(1月号がないので類推だが多分中途切り上げ)、3年後「少年サンデー」で新たに連載される

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巴里夫「つるハ○○ムし」75年

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いったい何のこと?というタイトルだが
タイトルをなぞると人の顔になる

集団就職でまもなく九州から東京に出て行く道子
母は衣類行商の女手一つで道子を育ててくれたが昼から酒を飲むような人柄で少し迷惑ぎみ
近所のおばさんなどと話すうち自分の過去がいろいろ思い出され母に対する偏見が道子の心からしだいに消えてゆく
服を売るためによその子に着せ、自分の娘より格段にきれいに見えるとおべっかを使う母がものすごく嫌だったこと、それも生活のためには仕方がなかったんだろう
下着を売らされたこともあるが、学芸会で道子が役を恥ずかしがらずできるよう慣れるためわざと売らせたのだと知る
道子がダンプに轢かれそうになったのを助けてくれた母だが、そのため壊れた車の修理費を全額出して道子には愚痴を言わず働きづめできたこともはじめて知る、それも道子が負い目を感じないようにすみやかに金の返済をしたということらしい
見送る母には素直な気持ちで別れていく
「つるハ○○ムし」、平凡な絵だが無学な母が娘を楽しませる数少ない手段だったのだ
母の気持ちをかみしめながら素直な気持ちに立ち返って母に別れを告げていく道子だった
他に
「花がこっそり」
家族で自分だけ父と折り合いが悪い冬子
仕事がうまくいかず同僚・上司から馬鹿にされた時、父は初めて冬子のつらさがわかり、また家族が父に失望するなか冬子だけは理解してくれ冬子と折り合える感じになってくるという話
「父の星」
道端に花の種をまく花ゲリラの父を見て恥ずかしくてしかたなく外では「あれはおじさんだ」と言いたくなるノーコ
しかし花が咲いてみんながきれいさをたたえるようになると初めて父の気持ちもわかってくる
「石の戦場」は巴さんの戦中自伝
それぞれ30ページほどの短編

巴里夫「さよなら三角」65年りぼんカラーシリーズ24
貸本中心に多作だった巴さん、雑誌はこの辺りがデビューらしい
美菜(ミーコ)と沢田奈保子(ナーコ)は大の仲良し小学校五年生
今日はナーコの家、明日はミーコの家と交互にお泊まりと決めて楽しくて仕方ないほどの
そんな二人が、ナーコがテストで97点も取って、クラスの優秀な大塚グループと親しく話し出してひびが入りそう
ミーコはステレオを買ってもらい、その話ばかりでナーコには気に入らない
弟(チューチュー)は姉と手を組んで二人の仲直りに一役買う
が、まだ相手に対して疑り深い二人
ミーコのママが病気になり、家事を引き受け学校も2,三日休むというピンチにナーコが手伝いに来てくれ仲も戻るという

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57年の「おもしろブック」

1月号目次は
付録が
手塚治虫「恐怖山脈 ライオンブックス」
武内つなよし「小天狗大助」
小島剛夕「隠密ゆうれい城」
岡友彦「暗黒街征服」
はじめ12大付録
本誌は絵物語・小説が11本
吉田竜夫「プロレス五郎」、桑田次郎「ロケット太郎」のようなアメリカコミック風絵柄のコマ割まんがも絵物語に入っている
まんがは
高野よしてる「黒帯くん」
馬場のぼる「ラッキョウくん」
うしおそうじ「少年忠臣蔵」
夢野梵天「平助天六捕物帖」
和知三平「大空カンちゃん」
山根一二三「ごろっぺ」
新連載が
橋本よしはる「草笛探偵」
野呂新平「おれは猿飛」
古沢日出夫「無双剣四郎」

注目は橋本さん「草笛探偵」、絵柄はあくが強い感じ
猫山邸の娘こゆきがさらわれるところに出くわした草笛
草笛を吹くとアイデアが浮かぶという少年探偵
かつて夕霧博士が開発した「悪魔のよだれ」(人間の心をおかしくする薬)を横取りしようとした助手の猫山郷三が薬共こゆきを奪っていったというのが事実
今回は博士がこゆきを助けようとしていたのを草笛が見て事件に関わっていく
猫山は本拠地に乗り込んでゆきよだれで対抗するが草笛探偵には薬が効かず爆弾をセットして屋敷ごとぶっとばす計略を
Kusabue

古沢さん「鉄腕太郎」は56年からの連載
アトラス弾(原子爆弾より威力ある爆弾)を持ち世界征服を企てるヒトラー一味
博士を取り込み円盤も作らせるが、太郎が救出、敵側の円盤の弱点も教えられ3機を打ち落とし野望をくじく
日本に戻った太郎は悪漢に襲われた万里を助けたことでその兄伊波俊介の元へ
兄は金塊を積んで沈んだ船の秘密を知っていたので、人を疑って太郎とも対決する
元々病身の兄は対決で命を落とすが、太郎のわざのするどさと人柄を見込んで金塊の在処を記した手帳をたくす
兄は沖縄独立のためその金を役立てたいと考えている
金塊を狙うのは前の悪漢、坂崎、ガマ一派だけでなく海外のサルベージ会社も加わり騒動が
沈没船操作のため沖縄へ向かう太郎・万里の乗る列車に見なれない外国人が乗り込んでいて太郎の手帳をピストルでおどし奪い、列車の屋根からヘリで逃げていく
太郎は手帳の肝心な所を切り取っていてその在処に潜ってみると難破船は見つかるがすでに金塊は持ち去られて後らしい
坂崎一派の船とセルベージ船が互いに攻撃しあい互いに沈む
万里に金塊はすでに運び出していてこれで費用に使えると事実を語る太郎でラスト
57年には1月より「無双剣四郎」を連載
通りがかりに村娘を助けたことで剣士剣四郎はスッパ党と対決、敵15人を退治さいたことで自信をつけ諸国を武者修行し無双の実力を誇るまでに
石地蔵までまっぷたつにするほどの剣の強靱さではかなうものもいず自信過剰に
さらば父上と形見の父の血がしみた守り袋を谷底に投げ捨てる
父は弱かったので敗れたのだと自分の力を過信していると谷底から守りを拾ったと初老の男が現れる
その老人を剣四郎はどうしても切ることができない
宮本武蔵で一喝されうぬぼれも消えるところで終了、3月号で早くも済む
翌年4月号から「青空源太」を連載した下山長平さんは古沢さんの絵柄を継ぐ感じ

10月号陣容は
「白星くん」「ロケット太郎」「黒帯くん」「おれは猿飛」「プロレス五郎」「ポストくん」などの中に
手塚治虫「地球大戦」が始まる
11月号より「大カバ連隊」が始まるが新関さんはアイデアだけで今井義彦さんが絵を担当、絵柄は「カバ大王さま」とそっくり同じ
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桑田次郎「宇宙怪人」
56年8月で青い大陸は流星群に衝突する
湯山博士が小型ロケットを操縦して脱出できるが
悪人達は首領が一人で逃げ出そうとするのに怒り、投げだしているすきに取り逃がす
桑田さんは12月号よりアメコミ風絵柄の「ロケット太郎」連載
5万年前太平洋に沈んだ大陸からロケットで逃げ延びた生き残りの子孫、超人的な能力を持つ
ロケット太郎と呼ばれ日本で活躍するスーパーマンみたいなもの
12~1月はロボットR13号との対決
2月~3月は「黒い惑星の巻」
プロレス絵物語を連載していた吉田竜夫さんも57年には「世界少年隊」でアフリカ奥地にあるレムリア国の世界征服団に対抗する少年たちをアメコミ風絵柄で描く
これも主人公は日本少年フジ鉄也、世界の少年たちと力を合わせ悪に立ち向かう物語

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山根一二三「ごろっぺ」60年

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89年出版のペップおもしろまんがシリーズより
丸鼻、ぎょろ目、太めの少年とくるとほんわかのんびりの人柄と思うが、ごろっぺは行動すばやく、食べ物持っている人の側を通ると食べ物をくすねるというけっこうずるい人物(「とっぽい」やつと称される)
なんとなく仲間のたぬき小僧もすぐに食べ物を盗む
ごろっぺは素早さを買われて隠密としてたつまき藩のために働くことに(藩では病気の殿の跡継ぎとして双子の月丸・星丸派に別れて争いが始まっている)
上屋敷を探って事態を知らせ、足柄山へ殿に密書を届ける役目を仰せつかる
敵の追っ手をかわしながらの旅路が描かれる
ごろっぺのだじゃれが評判を呼んだというが今となっては古典的なしゃれ
ほんわか絵柄で騙し合いの内容にはちょっとずれを感じた

「おもしろブック」56年7月号連載第1回目を見る機会があったが、そこでのごろっぺは先月まで連載の「大力団ヱ門」の主人公と同じくもう少し背が高い、ストーリーものの人物像
まあ、初回からどうしようもないいたずらものという性格は同じ

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うしおそうじ「流星剣士」

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56年1月号より付録から連載開始、9月で完結
大羽十万石千年城(別名黒ワシ城)の殿様は山に狩りに出て一行ごと行方不明になる
山間の異空間の村に迷い込んで、さえぎる谷には渡る橋もなく出ることができない
長老を殺せば術も解けるのではと計画、村に火をつけて逃げ出すと村の守り流星剣士が現れる
流星剣士は星の子どもで、この村も星の世界の住人が住む異界であった
代わってお城では現在時間で10年経ち赤ん坊だった男の子も若殿に成長して弓の名手となっている
矢で落としたタカが父殿が連絡に放った文を持っていて、文が示す谷へ向かい行方不明だった大学守を見つけ、そばには息絶えようとする父殿が
親の敵と若殿が弓を引くと、流星剣士も村の仇と弓を引き、負け知らずの両者の弓が互角、剣を交えようとした時
父殿は一騎打ちを止め、死に際に絶え絶え説明する事情を聞いて二人は和解する
そこで城に戻ろうとすると天守閣が燃えている
隣り国の浅木公に攻められ城が乗っ取られて、母も捉えられてしまった
臣下の根木も裏切り、騙されて浅木公の前ではりつけになるところ、流星剣士がかけつける
流星の弱点、目が弱いと聞いていた兵士たちは弓で射るが瞬時でふせいで城も無事若殿の元に戻って物語が終了する
冒険ものの筋が興味深い、活劇はやや少なめなのが不満

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野呂新平「どんぐりばんざい」56年

「おもしろブック」7月号より連載が始まる
どんぐり学校は青木先生が奉仕的に開いている学校
身よりないこどもたちが世話になっているが資金が不足し
金貸しの権三からしきりの催促、返せないと馬を取り上げると言われる
金を作るため六郎太たちはどんぐり一座を立ち上げ芝居をしてまわる
8月は付録のため内容がわからないがいつの間にかアクションものになっている
9月号では
悪人般若と対決する六郎太たち
怪大仏が現れみんなが握りつぶされようとする時
般若が奥にひきこむと大仏の力がゆるむ
大仏を動かしていたのはかつて「どんぐり学校」で学んだ上級生一郎
当時は青木先生の考えに反発、反対を押し切り飛び出し、悪人一味となったらしい
飛び出す時、ずぼんのベルトで先生をたたいたのが原因で目が見えなくなったと聞き、反省しみんなを解放する
大仏を制して般若を倒すことができ元の学校に戻るが
やはり資金不足のため、ガマは相撲取りに、六郎太は新聞記者になることに
10月
青木先生の実家に泊めてもらい入社試験を受けた六郎太
大力が認められ早速取材の手伝いに
モサさんと銀行ギャング事件にかけつけてると相手は上京した時、駅でおのぼりさんだと六郎太に因縁をつけてきた二人組だった
その力でギャングをねじふせ大手柄
11月
モサ記者が行方不明になり怪しい宗教団体コロリン教を調べに出かける六郎太
泊まりのつたや旅館の娘が自分にそっくり
コロリン教の手下がつめかけた時は娘に化けて旅館から出る
12月
本寺にしのびこみつかまっているモサ記者を助ける
また旅館の母親がかつて息子が行方不明になった時からコロリン教を信じて寺に詣でていたが
教団側でこどもをさらっていたとわかり、それが六郎太だとも判明
旅館の娘は自分の妹だったと大ハピイエンド
どんぐり学校にもどってお祝いのケーキ、青木先生も目が見えるようになって物語も大団円
1月より野呂さんは時代劇「おれは猿飛」に、三等身の人物でかなりユーモア主体の内容になっている

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「おもしろブック」

創刊の頃:49年
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図版はネットから創刊号表紙
文学館には創刊2号がありうすうすの冊子
中心となる作品は、当然ながら山川惣治の「少年王者」
同じく絵物語、田中良「こじき王子(マーク・トェイン作)」
まんがらしいのは塩田英二郎の四色まんが「コックリくん」8P
小さなピノキオ風(鼻は丸鼻)のコックリくん
サキソフォンの中に入って出てこれない
タッチンくん、エッチンさん、友達のユリーさんが心配して探しているがという素朴な物語
他は4コマとかでストーリーまんがなんてこれ一作なんですね


56年の「おもしろブック」
創刊頃はまんがも少なかったぺらぺらの冊子が56年になると大分に様変わり
1月号の概要は
付録が益子かつみ「白星くん」、杉浦茂「少年西遊記」、古沢「鉄腕太郎」、うしおそうじ「流星剣士」(新連載)
本誌ではまだ絵物語が主で、「少年王者」「変化左近(岡友彦)」を筆頭に12作と8作のまんがをしのいでいる、吉田竜夫さんが「プロレス王者」という絵物語を描いているのも初めて知った
まんが8作が
わちさんぺい「大空カンちゃん」4P
山根一二三「大力団エ門」7P、5月号までで「ごろっぺ」に引き継ぎ
高野よしてる「黒帯くん」7P、河原で中学生どうしの決闘というおおゴマから始まる
夢野梵天「白狐頭巾」6P
手塚治虫「風之進がんばる」5P
武内よしつな「探偵探四郎」4P、4月号より「小天狗大助」に引き継ぎ
木村一郎「黒潮くん」4P
東村登「白馬天狗」5P
まんがはページ数少ないが執筆陣は充実している
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4月号より山田常夫「手刀三平」
7月号より桑田次郎「宇宙怪人」、この時の絵は物語絵風のとまんが風とがまじっている
吸血ベタラに挑む佐々木探偵、進少年、チコというコンビは「8マン」にも見られるパターン

古沢「鉄腕太郎」は科学者を誘拐し世界の覇権を狙うヒトラーと対決
円盤も飛び出すが弱点のアンテナをねらい退治する
一転日本に戻った太郎は悪人に囲まれた娘を助けたことがきっかけでその兄の柔術家と対戦することに
8月号より手塚「ライオンブックス」が画期的な付録として始まる
野呂新平さん「どんぐりばんざい」もこの号から
他桜井はじめさんの「金剛太郎」も

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牧美也子・松本あきら「ばら色の天使」64年

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「週刊マーガレット」15・16合併号読み切り
この年、マーガレットに何作か合作しています
以前、「少女ブック」でもしていたがそれよりこなれていておもしろい
この作はギリシア時代
石彫りパロスは海岸に異民族の船が幾艘も流れ着いたのを見る
中にあまりに美しい女性ロータに魅せられる
国の大臣アモンが追い払うために遣わされるが
異民族たちが害がなく鉄を持っていることを知り
代表メルデスを王の所に案内する
多額の税金を払うことで国内に住むことを了承し
アモンはその間、鉄の作り方を教わり力をつけていく

ある時ほうき星が国を通り過ぎ
国の伝承ではこの不吉を払うためには生け贄が必要とのこと
メルデスの妹ロータをつかまえて準備をする
ほうき星の伝承が間違いであることを証明するためメルデス達の祖国の大学者ヘプトンを連れてくる必要がある
そんなすぐにと言うメルデスにパロスはロータを救うためでもあり命がけで約束する
確かにヘプトンを連れてくることに成功するがパロスは海に落ちて行方知れず
メルデス達はほうき星が示す豊かな緑の谷に向かって国を後にする
直後国に火山の大噴火が見舞い火山灰に埋もれてしまう
海から戻ったパロスは文書でほうき星が示す方角にロータ達が去ったことを知り残された宝石でロータの像を刻んで次のほうき星が通るのを何十年も待つ
老人になった頃、次のほうき星がパロスの頭上を通過、彼は導かれる方向へ歩んでいくところでラスト
牧さん描くロータ像、見事に美しい

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武田京子「やがて青空」64年

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「週刊マーガレット」連載
孤児院で育てられたさくらはそだての親ともいうママ先生に後押しされお嬢様学院、聖マリー学園に入学する
親しくなった3人は夕子・たかしの妹兄、さくらにはいじわるなルミ子
3日の連休にルミ子は妹兄を誘ってさくらをのけ者にしようとするが、二人はルミ子の申し出を体よく断り夕子を家に招く
訪れてみるとそのりっぱさに気後れするさくらだが夕子の母は義理の母で全くの幸せではない様子
孤児院を訪問しようというたかしの提案に不安な夕子
訪問にはクラスの何人かが加わってその中にルミ子がいるのも心配
施設では子どもたちをうまく相手するさくらの手際よさにみんな感心するが、ルミ子はどうも疑っているようで
あれこれ調べているうち、孤児院(青葉ホーム)からさくらにかかった緊急連絡を偶然受けてさくらの出自を知ってしまう
電話はママ先生の危篤を告げるもので夕子の所に遊びに行っていて死に際に間に合わなかった
施設仲間の正子はそれをひどく責める
気落ちするところにルミ子はさくらが孤児院出だとばらすが夕子たちは気にしない
それでもさくらは夕子たちを騙していたと気になって仕方ない
アメリカの叔父さん夫婦が日本に来ていてさくらに会いたいというのだが着ていく服がない
夕子たちの所に荷物を置いてきてしまっているから
それを知って夕子は郵送してくれる、「あなたが孤児だったことは全く気にしない、かえってあなたが傷ついてこちらに近づけないのではないかと心配している」という温かい手紙が添えられていて心が落ち着く
叔父夫婦に会いに横浜フジホテルに行くとルミ子に似た少女が花を配る係をしている
落ち着かずロビーに出てその少女と母が話している所に出くわしルミ子だとわかる
横浜のホテルの娘とうそをついていた彼女も実は貧しい娘で父はホテルのピアノ弾き、さくらを低く見ることで自分を保っていたらしい
母にはさくらのことはあれこれ話していてやはり気になっている存在だった
さて叔父たちはママを認めてこなかった非をわび、息子の面影あるさくらにアメリカに一緒に来ないかと誘う
さくらも乗り気になり、お別れのパーティが夕子宅で開かれる
ルミ子には手紙で「あなたから自分の事実を言うまでわたしから言うことはない」と連絡して会いたいと伝える
ルミ子はパーティには来ず、家出してしまった
思い当たる場所、ルミ子のあこがれ、葉山で過ごすのが夢という港に向かって見つけだす
アメリカ行きの飛行機を見送りにこっそり訪れるルミ子の姿を認めて心穏やかに去っていくさくらだった
みんなの上にやがて青空が訪れることを祈りながら
「やがて青空」は21号で終了し26号より「天使のしらべ」が連載
休職中のバイオリン弾きの父と暮らす朝倉夏子(8月生まれ)
焼き鳥屋の二階に下宿しているが家賃も滞りがち
ママとのことは夏子が15歳になったら教えてくれると言う・・こんな出だし

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山田ミネコ「6月の丘」30P

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別冊マーガレット71年6月号収録
じゃあ、その「6月の丘」です
単行本が高くて買いそびれ、元雑誌で拾ってみました
忠津陽子のギャグ色強い「華麗なる対決」に始まって著名な作家陣が飾る数々の作品の最後に掲載された山田さんの初期作品
絵柄の装飾性やエキゾチックな容貌など一目で新鋭さを感じさせる
クラス対抗の校内演劇を控えた6月
丘は6組が練習する秘密の場所
そこに友人と連れだって通りかかった原友子は演劇を仕切るかおると出会う
大人風のかおるは規律を守らず学校も手をやく人物だが演劇には力を入れている
友子たちもコーラス要員が不足しているので加わらないかと誘われるが
友人には「友子は音痴だから」とからかわれる
家に戻った友子、学者を生み出す家系で祖父代々優秀、友子も祖父からこれから「荘子」をさらうほど勉強一本
しかしなんとなくかおるの魅力に引かれている
演劇会を3日後に控えた頃、劇の配役クロちゃんがケガをして代役が必要
すぐにセリフを覚えらそうな者はそうそうなく、友子が誘われるが
机には「6月の丘」の台本が置いてある
かおるに断りを入れても、執拗に台本を見せるのでそれとなく読んでみると
今井かおる作となるシナリオはひとりぼっちの丘の上に住む妖精の物語
友達を望む妖精は村娘に望みをかなえるかわりにあなたの真心をほしいと言う
村の若者を恋している娘は真心は若者に捧げてしまっていると断り、悲しんだ妖精はあじさいの花になってしまうというストーリー

風紀委員がかおるのロッカーから芸能雑誌やレコードやら違反物を見つけるがかえって開き直る
それを見てあなたのためこのクラスは評判を落とすのだと友子は怒り出す
風紀委員が忘れていったビートルズのLPを持ち帰って家で聞き意外なよさに驚いている友子
まわりでは家族が勉強以外のことに友子が初めて関心を持ったと喜び騒ぎ出す
友子はかおるの家を訪問することに
行ってみるとずいぶん大きなお屋敷、でも母はなくなり父は海外航路の船員らしく不在を悲しむ手紙には涙の後もあり彼女の心が少しわかったような気がする
どたばたの自分の家と比べてなんと寂しい家、台本の妖精もかおる自身のことだと思えてくる
こんな風に淡い同性愛的雰囲気を匂わせて物語は終了する

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出張帰りの散財:「ガラスの靴」

御堂筋線の仕事だったから帰りは地下鉄心斎橋で降り、難波までの途中に「まんだらけ」寄る
週刊誌が結構出ています、「少年チャンピオン」なども創刊当時のものも
「少年サンデー」など1964年なんかもあるが、3000円から2000円弱の値段で細かく調べる余裕なくビンテージ単行本の棚を眺めてゆく
「六月の丘」まだ残っているが読んだからいいか
少年ものはあまり古い出物はない
福田三郎さんの単行本なんて出ていたんだ、珍しいが月刊誌でも熱心に追う作家さんでないから6冊ほどひとまとめ一万円強は無理
横山光輝「紅ばら黒ばら」3冊セット6300円、「四枚の女王」1冊3600円、アップルボックス復刻で出てたんだ、見るの初めて
それと飛鳥幸子「ガラスの靴」3巻セット、背表紙やけで古めだから5250円
結末まで雑誌で一応読んだけど全部は知らない横山作、大家だからまた復刻出るかも知れない
全部読んだけれど内容がすばらしい飛鳥作、こちらの方が復刻出る可能性低い
迷った末、「ガラスの靴」を購入
古めでこの値段だからレジでもかまいませんかと確認され、「欠落はありません」とビニールカバー裂いて中身の点検してくれる念の入りよう、やはりふつうの感覚では破格の買い物なんだ、寄らなければ求めなかったかもしれない作品で幾分気が引ける
ただ飛鳥ファン、「白いリーヌ」「フレデリカの朝」の名前にあこがれてようやく読めた内容に少し不満足
それほど期待せず読んだ「ガラスの靴」が気に入って、飛鳥さんの代表作はムード満点の「怪盗こうもり男爵」なんだろうがそれに劣らぬ傑作と思うようになったから繰り返し読むのもいいか

他は巴特集の「まんだらけZenbu15号」(中古)を一冊購入にとどめる
巴さんの単行本は文学館で15冊ほど読めるので買うのは一番気に入った作くらいにしよう
Zenbu15


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寺田ヒロオ「パパニイ」64年

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「週刊マーガレット」13号~26号
家は両親、3人姉妹、長男の6人家族
父は三豆商事社員でこのたびブラジリア支店開店のため1年間海外出張することになった
留守をまかされたのが小学生の太、みんなからパパかわりのお兄さんと「パパニイ」呼称をもらう
14号では父の乗るブラジル行き旅客機が事故にあう
1516号、知らせを聞いて新聞記者が宅に押し寄せてくる
パパニイは憤ってどなりつけ帰らせるが、その時水をぶちまけぬらしてしまった記者が桂さん
桂も父がパイロットで飛行機事故でなくしている
これが縁で桂の真摯な対応が次第に一家に理解され、長女のとつきあいができてゆく
パパニイは一年間父は生きているものと信じようとみんなに宣言
学校に行くのが気まずい妹桃っぺを連れ学校に、べそをかかないと約束してみんなの前でなんとか平気を装う、それを見た桃っぺもならおうとカラ元気を出すがつらさはクラスのみんなにもよくわかる
最後は泣き出してしまう
菊江が盲腸で入院した時
桂の上司、源部長がまた真摯な人物
部下の活躍をなにより信じていて、個人的に急務があったら、付近の事件を取材に行くよう命じる人情派
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パパニイは好きな野球を止めアルバイトをし菊江が詩集を出したいという希望をかなえようとする

24号では とのエピソード
急に代理でデイトにこれないという桂とけんかしてしまう
本当は好きなのに
パパニイは訪ねてきた桂に対して「仕事を取るのか、姉が大事なのか」問いつめる
「どちらも大事、時に寄る」と答えに「つきあいを止めろ」と剣幕
聞いていた が飛び出して仲直りが急進展
26号では 結婚式、菊江の詩集も出て 父がいなくてもなんとか一家が支えやっていくという姿が見えて終了する

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64年の「週刊マーガレット」

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これは寺田作「パパニイ」を見るのに13号から26号と借りだしたもの

まず13号内容が
わたなべまさこ「従妹マリア」17P、11号から連載
今村洋子「ハッスルゆうちゃん」15P、64年から連載
野呂新平「いたずら王子」6P
寺田ヒロオ「パパニイ」12P、この号より連載
武田京子「やがて青空」16P、8号より連載
望月あきら「まゆみの命」15P、11号より連載
石森章太郎「おかしなおかしなあの子」
よこたとくお「マーガレットちゃん」2P

12号で水野さん「セシリア」が終了した分を「パパニイ」が埋めたのでしょうか
わたなべ作は、舞台がフランス、母がなくなり父が生きていることを教えられたマリア、モンテカルロで知り合ったウィンザー城の持ち主ジェラルドが父だと判明
しかし城には秘密があり、死んだはずの娘エザベルの影が・・・
エザベルは異常な性格で5歳の時、小鳥を殺して、昨年9歳になったが、召使がなくなるという事件が起こる、それはどうもエザベルの仕業らしく、本人から確かめた父は娘の悪魔的な性格が恐ろしくなってヨットに細工して母もろとも帰らぬようにしてしまったという
お嬢様だけど恐ろしい事態が待ち受けているという「ガラスの城」風ミステリー

水野さんは18号より西部舞台のユーモア作「こんにちは先生(ハロー、ドク)」を開始
「ハニーハニーのすてきな冒険」風のどたばた込み 
望月さん「まゆみの命」(実話再現)がなかなか迫真
入院して脳手術待ちのまゆみ
同じ病院で松葉杖の博少年と知り合うが、彼は松葉杖をついていることをひがんでいじけてリハビリも受けようとしない
まゆみが手術をしないとわずかの命で、その手術も1割の成功率しかないことを知り、勇気に励まされる
1516合併号では病気が治って海や山に二人で遊ぶ様子を想像しながら手術室へ臨むまゆみが描かれて
後は博たちが待ち受ける
脳手術は成功するが体力が弱っていたまゆみは耐えられずなくなってしまう
白布で顔を覆ったまゆみが運ばれてくる場面は死をまざまざと表現していてまんがながら茫然とさせられる
21号から「海がよんでいる」という作を

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国際児童文学館の「少年画報」

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あれほど雑誌を揃えている文学館だが「少年画報」所蔵は極端に少ない
まとまった冊数があるのが65年からなんだから、黄金期は見れないわけ
まず一番古い所蔵が58年10月号
内容は
武内つなよし「赤銅鈴之助」8P
棚下照雄「鉄人指令Z」8P、あの棚下さんですがこの当時はまるで「鉄人28号」といった内容絵柄
桑田次郎「まぼろし探偵」8P
わちさんぺい「チンコロくん」15P ワンワン国へ山ザル国のプロ野球団が訪問
福田次郎「さるとび佐助」8P
笹川ひろし「探偵学校」8P
吉中一郎「少年マイティ」8P
有川旭一「風車鯉太郎」8P 赤銅風
旭不二雄「ロケット天狗」8P 絵物語風
小林一夫「日の出大助」8P 馬賊もの 堀江風
オオトモヨシヤス「スピード探偵 桃太郎」8P
どれも短く付録に続くといった感じ
付録は
ビリーパック/まぼろし探偵/天馬天平/イナズマ君
スーパー太平記/金星金太/チョンマゲ三銃士 の7作
付録の方が充実しています

冊数が揃った65年は6月号より12月号まで7冊
その6月号内容は
赤塚不二夫「しびれのスカタン」24P 長谷邦夫絵
手塚治虫「マグマ大使」21P
荘司としお「忍者投手X」19P
石森章太郎「怪盗ベーゴマ」33P読み切り
辻なおき「戦国さる」21P 秀吉出世物語
泉ゆきお「赤ん坊帝国」19P
森田拳治「どろん子」34P
望月三起也「荒鷲少年隊」23P 敵を圧倒するため猛訓練し出陣する少年0戦乗り達、電子コミックで読めるようです
山根青鬼「でこちん」20P でこが大きいでこちんの引き起こすユーモア劇
藤子不二雄「怪物くん」25P 狼男、ドラキュラを従える怪物王子のユーモア騒動、かなりおもしろい
関谷ひさし「バンザイ探偵長」16P
井上英郎「サンダー7」22P 鉄人風巨大ロボットSF
こちらはほとんど付録別冊がなく本誌で読んでしまう形式

高野よしてる本作の焼き直し「赤ん坊帝国」、元作と同じく頭脳が大人以上の赤ん坊達が大人にまかせてはおけないと活躍するSFアクションもの
6月号はミラー博士の墓で起こる不思議な事件
実は博士の作った透明のロボットが復讐を企てていた
8月、10月と赤ん坊たちがプロ野球団と野球で闘って見事勝利を収める

10月後半は地球を襲う巨大隕石
赤い火の玉となって日本のとある島で燃え続けている
東京に現れたのが炎の髪をした女性宇宙人
地球の酸素を奪うため白鳥座21番星から飛来したという
博士がその星は3年前消滅したと告げても信じず戦いに
炎に手を焼くが消化器で簡単に退治してしまえ、大仏さん(赤ん坊達の巨大兵器)を使って島の宇宙船を退治に行く

森田さん「どろん子」は江戸時代寺子屋を舞台に町人の子供達の町人組と、武士の息子達の旗本組の対立を描くユーモア作
10月号が最終回、山へ遠足に行くが旗本組はカゴやゴンドラを使い楽々ゆくが、どろん子たち町人組はせめて使うリフトも一つにみんなしがみついてという貧しさ
熊に化けておどしてやろうという旗本組だが、本物の熊が出てきておどしと思って追いかけられ必死で山を転げ落ちて行くという打ち切りみたいに終了してしまう
11月号からは転校してきた少年マジシャン「マジック九」が連載


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関谷さんの佳作「バンザイ探偵長」も11月で終了(書影は復刊単行本から)
車製菓社長車大助は始めたアルバイト探偵、ジャガーをはでに飛ばすいかした青年
じいやの孫、六太が助手、押しかけ学生白神大作がとぼけた助手
今回は金木氏の金庫を狙う怪盗「青い星」の巻
探偵長になりすました青い星はまんまと金を奪っていくが
追いかけた先に見つけた屋敷から少女が探偵長を狙っている
兄がそれを止め、老人に化けて探偵長をごまかすが
盗まれたのを警察に届けない金木氏に疑問を持った探偵長は
青い星こそ、かつて海外で部下の金木に殺された社長の子供達だとわかる
兄妹は日本国籍もなく金木の罪をあばくこともできず怪盗という形で報いようと企んだ
事実を知った探偵長は二人を追いつめず、金木氏がうっかり真実をもらすようにしむける
クールな終わり方、もう少しはでにアクションついてもいいなあというのが実感

11月号より桑田次郎「スペードJ」開始
でも58年頃の勢いは終わっていてやはり手塚作やその系譜、藤子、石森さんらが主流

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58年の「りぼん」

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4月号5大ふろく
1くじゃく笛のなぞ/かすりちゃん/おかあさん
2やんちゃカバ姫さま/ルリ子/シャボン玉天使
3鉛筆削り 4ブックカバー 5バレエ絵はがきしおり
木下よしひさ「天使の白鳥」9P 新連載、入江風絵柄
益子かつみ「りぼん城ものがたり」8P
うちのすみお「あらしとりぼん」8P
野呂新平「まるみちゃん」8P、江戸舞台ユーモア作
上田とし子「ぼんこちゃん」7P
鈴木光明「もも子探偵長」黒手袋
横山光輝「紅ばら黒ばら」17P
ふじやまのぼる「富士にさく花」15P 読み切り
つのだじろう「悦ちゃん」13P、TV原作もの、ユーモア作
入江しげる「めぐみちゃん」5P

「もも子」「紅ばら」が58年からの新連載
7月で「かすりちゃん」終了、8月号よりつのだ「ルミちゃん教室」が始まる
絵柄が新鮮だったが、すぐに影付けてあつみのある絵が少しあつぼったったく感じるようになる
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8月号には赤塚不二雄「ひまわりと少女」が読み切り
東京からやってきたユリ子と母親
ユリ子は学校で章太をがき大将とするグループにいじめれる
ヨシノさんが親しくしてくれるが、彼女もいじめられ少し距離を置く
ヨシノさんはいじめgた原因か急死してしまい
彼女がよく歌を歌っていた場所に咲いたヒマワリを彼女の面影として悲しく偲んでいる
そこに現れたお姉さんをヒマワリの妖精だと思いこむんで親しくするが
章太たちがヒマワリを切ってしまう
急いで駆けつけるが
ヒマワリはなくなったが、お姉さんはなんともない
ユリ子の思い違いで
彼女も東京に戻ってゆくことに
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横山光輝「紅ばら黒ばら」58年
伯爵コンチッキ・ショウは金遣い荒くあり金が底をついてしまう
心配する娘紅ばらを偶然会った男黒ばらが金をくれるというので嫁がせることにする
天界でこれを見ていた神様はオービロンをすくいに差し向ける
オービロンは地上のヘルメスに乗り移り姫の危急を救っていくこと
八月号では悪魔が化けたアンジェローが十字架を掲げる王に攻められ逃げ出す
残った紅ばらは悪魔の一味と思われ処刑されようとする
紅ばらを知るヘルメスもこの時、オービロンが抜けていたので記憶がなく姫に有利な証言ができない
神が指示してヘルメスは雨の中、姫を救いに
ワルプルギスの小屋に着くが、待ちかまえていた悪魔は姫に毒りんごを食べさせる
姫は白鳥になる
ヘルメスは悪魔退治をして
12月号
捕らえられが国王に神の雷で潔白を証明する
戻った姫と結婚して物語はめでたく終了する
翌1月よりいよいよ「あてんば天使」連載、これが大ヒット数年続く

9月号より益子かつみ「にじのかなたへ」
ママとパパがアメリカで行方不明となった美島なぎさ
姉はスチュワーデスになってアメリカで探し出そうとする
両親を見つけた姉が戻ってくる知らせが届き17日後
その飛行機は事故にあってしまう
悲嘆のあまりなぎさは列車に飛び込んで死のうとするが
会社の使い込みがばれると困る岩三おじ達はなぎさを伊豆大島の親戚に送り出してしまう
姉のみどりは生きていてなぎさの消息を追っている
大島ではなぎさを養子にして遺産を譲り受けようとする

鈴木光明「もも子探偵長」は
7月号から「海の墓場」の巻
三十里浜の姉弟が海坊主に父をさらわれたという怪事件で谷川もも子を訪ねてくる
昔、国中の宝を差し出させた殿さまが海坊主の宝も奪い取る
怒った海坊主は琴姫の顔を変え、殿側は騙して斬り殺す
のろいで波にみんなが飲み込まれ、今でも海中で琴の音がするという
そののろいが今度も災いしているのではというので三十里浜に出かけていき
ことの真相を解明する
沈没船に潜ると海の中でピアノがなる
実は魚がならしていたもの
いそぎんちゃくが人の手のように動く不気味さ実は作りもの
あけみの父が船室につながれている
カニ吉おじさんが船の宝を1人じめしようと海坊主伝説を利用して人を遠ざけていた
見つけた父を監禁、海坊主に化けてあけみたちを脅していた
8月から「三角屋敷のすみ子」
赤毛赤目の女の子マヤ子を見て病気になる
マヤ子はこうもりを吹きかけるが地面に落ちると赤い水になるという、どれもミステリー仕立てで話しが構成される

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益子かつみ「りぼん城ものがたり」56年「りぼん」連載

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付録ではかなりのページ数を取ったかもしれないが本誌掲載時は毎号8P程度
1月号
小国りぼん城の王女はサフランとアマンジャクふたご姉妹
アマンジャクは曲がった心で姉を越えて位を継ぎたい野心を持つ
悪の神にそそのかされたドクダミ公はサフランを奴隷買いに売りつけるが、姫は逃げ出して城へ戻ってくる
2月号には掲載なく、3月号は別冊付録
4月号
奴隷買いのペンペンがサフラン王女に顔が変になる薬を飲ませようとするがドクダミ公息子チェリー(白星くんの顔、まる鼻だが最後の方ではとんがりになる)が助けに来る
5月号
薬はなんとか阻止できたが
6月号
チェリーは牢屋に入れられる
アマンジャクが間違って薬を飲み丸鼻のおかしな顔になってしまう
サフランの良い心を悪の神が吸い取り、悪人になって町へ出てしまったサフランは盗賊くろゆり団の首領になる
7月号
チェリーはサフランによくなる薬を飲ませようと努力するが拒む
勇士募集に応じてサフランは紅の騎士として活躍
勝ち残り王の前で鎧面を取るとくろゆり首領とばれて逮捕される
8月号
捕まってようやくチェリーはサフランに薬を飲ませることができるが皮肉なことに死刑を宣告される
隙を見てチェリーは姫を牢から連れだし行き着いたのは悪の神が待つ森の小屋
9月号
チェリーは襲ってくる大蜘蛛を退治して姫を救う
跡継ぎを決める会議が開かれるので城に戻りなんとか間に合い、経緯が説明されるとサフランが跡継ぎとして認められる
アマンジャクはドクダミ公を責める
毒を塗ったパーティ手袋を用意
10月号
式ではシャンデリアをサフランの上に落としたり妨害が入り
さらにカマキリ族と組んで城を奪い取る
チェリーも傷を負ったため追いつめられ天馬に乗り王、サフランの3人は逃げ出す
11月号
ドクダミ公が追いかけてきてサフランは天馬に乗れず逃げ遅れる
隣国の城が場面になり
フルーツ城では王が幼い時行方不明になったアップル王子の話をしている
チェリーこそその王子でドクダミ公が拾って育てていた
フルーツ城で幼い頃の面影そのままのチェリーを息子と認め父と再会できた
12月号なく
翌年は4月号より
サフランは父王を殺されたと勘違いして「パパのかたき」と挑みかかるのでなんとかいなすチェリー王子
サフランライオン大王の所へ天馬の秘密を届けに行くことになる
5、6月は本がなく7月が別冊付録
8月号ではアマンジャクは素直な心になっている
ドクダミ大公は魔法使いを使ってアマンジャクを猫に変えてしまう
サフランとチェリーは一時城を逃げ出すことになる
ライオン大王が到着してドクダミはしきりに城の支配を認めるように願う
宴会の場に踊り子に化けて進入したサフラン・チェリーはみごとドクダミを退治して平和を取り戻すというラスト

次回からは現代物「にじのかなたに」が予告されている

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国際児童文学館便り

休みは文学館に足を運ぶのが恒常化していて
ふつうにまんが本買って読むことが絶えアップは文学館経由ばかりで
日々の記事をあえて「文学館便り」とすることもなくなっています

なのでこのタイトルは今週の文学館記録というわけ
8日の日曜に出かけ
11日の休日に出かけ
14日の土曜も
少し用事が楽になった2月は週一回訪問したいと思っていたのが
図書整理のため2月後半まるまる休館になると知りこういう次第
このところ午前に少女雑誌一年分ほど借りて、午後に少年誌一年分、時間が余れば前後の雑誌などと閲覧しているので
パターンに疲れ、中の祭日は午前は続きの「ひとみ」を借りて、午後は単行本よりどりと少しゆるめに
3時からの「館内ツアー」に参加して書庫を見せてもらったり
書庫は4層、一階に明治・大正の貴重書が特別室に、続いて昭和初期から1950年頃
2階がまんが雑誌・まんが単行本
3階が絵本・児童書・紙芝居
4階が雑誌・外国本
だったと思います
説明に聞き入りあっという間の1時間でしたね

奈良からだと交通費が往復2000円はかかるので一度行くと少しでも長めにと開館から4時すぎまでいる(5時閉館、4時すぎるとあせる気分、読んでいても楽しくないので早めに切り上げる)

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57年の「りぼん」

益子さん作を追って57年の「りぼん」(文学館所蔵の12467891011月8冊)を概観
5月号をたまたま所有しているのでその目次を拾うと
「りぼん」57年5月号内容
付録は野呂新平「まるみちゃん」
益子かつみ「りぼん城ものがたり」8P
水谷たけ子「おとぎ姫」8P
上田とし子「ぼんこちゃん」8P
金倉章介「あんみつひめ」5P
宮坂栄一「かすりちゃん」5P 
みなみよしろう「りぼんのうさちゃん」6P 
カゴ直利「ぶらんこちゃん」6P 
入江しげる「めぐみちゃん」5P 
きようらちずこ「まるこちゃん」2P 
夢野梵天「やんちゃかば姫」5P(4月より)

「ぶらんこちゃん」
動きのよい絵でかなり新鮮
どんな動物とも仲良しになるサーカスの人気者、ぶらんこちゃん
おじいさんの形見の飾りダイヤを首にかけているがそれを悪者が狙ってきて大変
資金不足のサーカスのためダイヤを売ろうとか、なにかと苦労がたえない
綱渡りなど身のこなし抜群さがうけているがダイヤを悪者に狙われ迷惑がかかるとサーカスを飛び出す
くずやのおにひげ閣下に拾われ暮らすある時、撮影中の悪者を現実と勘違いして止めに入ってしまう
その鮮やかさに、後になってひげ山監督がぶらんこちゃんを役者に誘うことになるんだが
ぶらんこちゃんは悪者にさらわれ建設中ビルの鉄骨の上を綱渡り
8月号までこんな内容、9月号に続くとあるがどうも付録で終了したらしく結末は見えず
Kago_buranko


「めぐみちゃん」と「かすりちゃん」はけっこう似た絵
5月号「めぐみちゃん」はゴン君と連れだって撮影所見学に出かけひと騒動
「かすりちゃん」はかすりを着た少女、珍しく田舎が舞台の現代物
1月号から3月号終了は馬場のぼる「はなぼう」
子豚のはなぼうは相棒青い鳥が幸せをもたらす鳥だと信じている
青い鳥の方では偶然が重なって幸せを呼ぶので自分の力ではないと思っている
ほのぼのした動物物語

8月号から横山光輝「二つの顔の天使」8P
ヒロイン少女みゆきは夜道で会った男に箱を預けられる
翌日その男が殺されているため、父も警察に届けようとするが、その時電話がかかってきて箱のことを届けたら命はないと脅しが入る
すぐさま二人の悪人が飛び込んできてナイフで脅し箱を奪い取る、それを追ってかピストルを持った男が侵入してきて男達を
男の説明では箱の中の玉は「天使の玉」か「悪魔の玉」かセットの片方という
どちらの玉も三つ願い事をかなえてくれるが、天使の方は幸せを悪魔の方は不幸を呼ぶらしい
男達が取っていった箱は息子の工作箱で、本物に十万円手にする願いをかけてみる
翌日、父が車にはねられ治療代として十万円が届けられる、これはどうも悪魔の玉

兄弟がどうしようかと箱を持ち出すと悪人にでくわし、川に落としてしまう
拾った浮浪者は玉に女が写り気味悪がって捨てる
白服の男がふせいでいる間に兄弟に玉を持ってここへはこべと言われ、そのバーナード商会を訪ねていくと、そこにはターバンを巻いた外国の男がいてもう一つの玉を持っている ここまでが57年内容
文学館所蔵58年「りぼん」は4月号からでそこまでに終了している様子
オフィシャルサイトによると全64頁
Yokoyama_futatuno


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森安なおやとは

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トキワ荘の住人で「新漫画党」のメンバーなのに存在を先日初めて知った
wikipediaを見て貸本向け書き下ろし単行本以外は雑誌では付録が2、3というのに驚き
60年からはまんがから離れ「COM」に競作企画「トキワ荘物語」を描いたのがなんと10年ぶり
作品を知らないはずですね
なくなる99年頃、故郷岡山舞台の「烏城物語」が出版されたぐらいという
ネットで検索しても「烏城」しか出物はない様子、それも稀少だから15000円の値段でした
番組で貸本時代の代表作と紹介されていた「赤い自転車」の図像くらい載せてみましょう
録画をDVDに移し、パソコンで静止画を切り出し
フォトショップで角度調整(10度修正)、映像をシャープ化して、部分切り取り新規保存したファイル
表紙についでの見開きページは映像では見えていても画像にすると活字なんかぼやけて読めませんが
Moriyasu_akai2

比較的読みやすいのが「COM」の競作だけど、コミカル仕立てで元来の作風は仰げず
国際児童文学館には寺田編集「漫画少年史」があり「少年クラブ」掲載の短編でなんとか往時をしのべそう

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BS特別番組「手塚治虫のすべて」による森安

8日日曜4時間半にわたる番組を録画して視聴
月曜からのは各作品感想みたいで見なかったけれど
日曜版は昭和60年頃のNHK番組4本を再放映しているだけでもっと全生涯像がほしかったな
執筆個室が公開されているのがおもしろく、60年頃でしょう「アイデアはいくらでも出るが絵がだめになった」と語るのには得心いく
倒れた64年、「仕事をストップせよ」という家族を歓迎せず、編集者は病室に迎え入れたという話には複雑な思い
4本の番組どれも初めて見たが、「わが青春のトキワ荘」が一番おもしろかった
赤塚さんの猫とか(菊千代だったか)
寺田さんの晩年の顔とか
水野さんが食事の時間もなく徹夜続けて執筆してる姿とか
もっとも驚いたのが森安さん
古いまんが雑誌を読んでいる最中なのに全く知らなかった
画面にちらっと映った代表作がひどく魅力的

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高橋真琴「エーデルワイス」62年

61年から62年の「少女ブック」は
わたなべさんの「白馬の少女」が前年の9月に始まって62年の8月まで巻頭を飾る
「少女クラブ」(講談社)を拠点としていた水野さんが「ブック(集英社)」にも連載を始める
9~12月「赤いけし」62年1~3月「ファニ」9~12月「星の夜のセレナーデ」、63年にも連載し休刊後は「週刊マーガレット」に有名作を発表していく
62年1月増刊には高橋真琴さんが読み切り「エーデルワイス」を掲載
横山光輝が62年1月号から「とびだしたマリ」(5月で終了、続いて「さよならママ」)
同じく鈴原研一郎「黒いオデット」が新連載
寺田ヒロオ「にらめっこ」が4月より始まり63年2月まで が主なところ

さてその「エーデルワイス」
「少女ブック」正月増刊号、読み切り16P
孤児クララはポールの家で拾われ粗末な小屋をあてがわれ羊飼いをしている
今日はポールの誕生日、家では近所の娘達を招待してパーティが開かれていてにぎやか、それを悲しそうに見ているクララ、そこにポールの父が羊が足りないと文句を言う、確かに一匹いないので霧の中を丘まで探しに行く
崖下に見つけたクララは、心配して来てくれたポールにせめてもの祝いにと咲いているエーデルワイスを摘もうと霧のため目測を誤って落ちてしまう
氷に包まれる川から上がることは不可能
それでもポールはゆっくりと氷が溶けてクララが川に流れてくるまで50年も辛抱強く待った
もう白髪の老人となったポールの前を16歳の若い娘姿のままで流れてくるクララ
本当に悲恋の物語
語りが多く絵がそれをつないでいく絵解き風
Takahasi_edel


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野呂新平「怪盗白バラ」63年

「少女ブック」63年1月連載開始
あやしげな3人組が福島県浄土平の潮(うしお)黒天のかくし館を探すところから物語はスタートする
元水夫長のボースンと手下はやぶさ、あなぐま
10年前、船の一味が船客の村上男爵が持つインカの宝在処を記した櫛を狙って男爵を殺したのだが船長黒天が独り占めにしたと逃げた船長を探しに探していた
黒天は妻と赤ん坊を逃がして迎えうつが一味に撃たれてしまう、「財宝はなかった」と言うと3人組は櫛を求めて妻達の乗った馬車を追う
入れ代わり屋敷に向かっていたのが、男爵の息子(10年前海に飛び込みアンデス王者コンドルの船に拾われに育てられた)で今は「白バラ」と呼ばれる義賊になっている
馬車に追いついた一味は赤ん坊は足手まといと捨てて妻を連れ去る
事情を知って追いかけてきた白バラ、赤ん坊を取り上げ育てるようになり10年、赤ん坊はすみれと呼ばれる美しい娘になった
日本にボースン達が久しぶりに入港した情報を受け、手下のスリのツタと三吉を港に張り込ませている
3月号
女スリがボースンの持つ櫛をする、気付いた一味に追いかけられて電話ボックスへ逃げ込む
白バラが現れて救い出し、櫛はすみれに戻す
白バラに追われたボースンは通りを走る馬車に飛び乗り運転手を落とし乗っ取るがそれが黒天を乗せた囚人列車
馬車にひかれそうになって転倒したすみれは記憶を失う
4月
馬車を乗っ取ったボースンは黒天に足をつかまれ馬を操れず馬車ごと崖から海へ落ちてしまう
すみれはさまよううちに悪い連中に拾われ働かされるがある時逃げ出す
5月
悪人にだまされたてきたのですみれは人が信用できなくなる
白バラが見つけてくれるが彼のことも記憶になく悪人と勘違いで逃げだし、線路に出て伝って歩き出す
橋まで逃げたところで汽車が近づいてくる、よけるため足を踏み外し橋桁の下にぶらさがったショックですみれは記憶を取り戻す

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野呂新平「星の子」61~62年

61年の「少女ブック」では最も注目される連載
61年8月号で長期連載の「チコちゃん」もバイオリン才能を認められフランス留学することになり先生からバイオリンをはなむけにいただいて終了する
9月号より始まる「星の子」は当時としてはなかなか凝ったストーリー、絵柄も優れている
野呂さんの諸作でも一番魅力的なのがファンタジックでSF味も持ったこの作品ではないだろうか
新連載9月号は付録で本誌では読めず10月号2回目から粗筋を拾っていくと
10月号
紅島の駐在所では万作がやってくるかもしれないと警戒し嵐が近づく浜を見に行くと怪しい人物が
声をかけると拳銃を放ち警官は倒れる
Noro_hosi

一方すぎおばさんの家では浜辺で見つけた不思議な少女(キララ)と娘つねが話している
8時から9時の赤い星が輝く間、予知能力を持つことができ、万作が来ることを知らせる
11月号
警官を殺したと思いこんだ万作は崖の木に首をつって自殺しようとするが
そこに予知の一行が駆けつけ事なきを得ることになるのだろう
12月号は別冊付録で不明、1月増刊では野呂さんは「チョコレートがこわい」というユーモア作を載せている

62年文学館所蔵は少し飛んで5月号
紅島からさらわれたクララは港のおじいさんにやっかいなる
おじいさんは息子正一の命を奪った人食い鮫に復讐する機会を待っていて、クララの予知で鮫が港に近づいていることを知り、単独小舟で挑む
初めは鮫などいるはずもないと馬鹿にしていた網元も勇敢に挑む姿を見て、自らも海に飛び込んで加勢して鮫をしとめる
6月号
道を歩いているキララは犬を拾おうと飛び出して、よけた車が浜につっこむことに
乗っている大学生は妹カンナの危篤に駆けつけようと急いでいた
クララはカンナに迫る死に神を予知、死に神を追い返してやる
大学生は妹が死んだと思ったがクララが大丈夫と言うのでもう一度妹の寝室をのぞくと確かに生き返っている
カンナはキララが死に神を追い返してくれたと証言したので兄はじめみんな大感謝
7月号
この話が噂になって浜にいずらくなったキララは家を出ていく
暑いさなか、水がほしいと水売りに頼むが金をもたないためあしらわれる
そこに現れた怪人、水売りを殺したのを見られたとクララをねらってくる
女性タイムズの記者カッコーはキララを取材しようとスクーターで浜に向っている途中に倒れている女性を発見
キララのスクープも大事だが人の命が大切だと助けて病院に連れてゆく、その行き倒れがキララだったわけだが
8月号
縁あってタイムズ新聞社に勤めることになるキララだが
カンナの兄が国道で植物人間に会ったと知らせが入りかけつけると、あの水売り殺しの怪人
兄がひからびた男を車に拾ってやったところ雨を含んで甦ってきたので間違いないと言う
そこに怪人が現れキララたちは港に逃げ込む
9月号
ここでの逃走アクションがなかなか見物、構図も巧みで、その絵を一枚コピー掲載
キララを船に追いつめるが塩水を飲んで乾ききり真水を求めて逃げ出したところ、ますらお新聞記者に写真を撮られるNoro_hosino

新聞社ごと破壊しようと迫る植物人間
10月号
植物人間エンガチョは下水道をたどりますらお新聞社地下に到着
11月号
みみず大の回虫を水道管にはなすと鯨大の怪獣になり大暴れ
キララはとうとうエンガチョにつかまってしまうが
12月号はなく新年から「怪盗白バラ」が始まるのでキララはエンガチョを退治して星に戻っていったのでしょう

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横山光輝「四枚の女王」60年

「少女ブック」1月号~7月号連載
毎回の連載が本誌20頁ほどなので150頁くらいの全容
新聞記者を兄に持つ杉村真奈美は夜、裏が無地のカード(トランプのクィーント)を一枚拾ってくる
兄博は酒場で白髪の男(「鉄人」のフランケン博士風)からカードは願い事をかなえてくれる
ただし、一枚だけだとその後不幸が、四枚揃っていると幸せになれると言い残す
事件で殺された男がまさしくその一枚を持っていたことで興味をそそられる
カードを拾ってから猫のタマは何か変だし、真奈美は枕元に女の姿を見る
博には見えないのだが、不思議な力を試そうと「100万円出せ」と望み事を言う
翌日、50万円拾いお礼にもらった一割も元手に二人で競馬場へ
どんどんすって笑い飛ばしそうになるが最後に大穴を当てて本当に100万円を手にする
不安な妹の心配が当たり、景気よくなった兄は酒場で飲んだ帰り道転倒して凍えてしまう
危ない所助けてくれたのが密輸団の村雨竜作
博は記憶喪失になっていて、村雨が持ちかけ仕事を手伝うことになる
密輸の帰り狙うギャング団と応戦、死んだ相手一人がカードを持っていた
博は逃げ出した時のショックで記憶を取り戻し、警察に訴えて一味を逮捕
逃げた村雨は復讐に訪れ真奈美を襲う
警官に囲まれたが真奈美を人質にして逃げ空き家に逃げ込むと
あの白髪の男がいて二人に死相が現れているという
彼も無地のカードを一枚持っていて真奈美と言い合う
カードの秘密を聞いた村雨は取り上げるが、一緒に来たタマが飛びかかり窓からカードは落ちる
追ってきた博が併せたカードが4枚揃う
白髪の男はこれで自分が生き返るすべが途絶えたと絶句
地の神に1000人の命を捧げると約束していたらしい
揃わないカードに望みを託して死んでいった人間は数知れず
博が揃えたことで男の命運も尽きたことになる
急に雷が鳴り、落雷で屋敷は倒壊する
村雨はがれきの下敷きになり男の死体の変わりには白骨が一体出てくる

視点が少女からずれていて、少年誌に載ってもおかしくない内容だが
これって58年「りぼん」連載の「二つの顔の天使」と少し似たスリラー作ですね

続いての「由美と三太」は村で母をなくした花村姉弟、東京の叔父大倉豊三に引き取られるが
妻秋子と娘重子がいじわる
この家の出入りの少年健介は好人物でなにかとかばってくれるが
部屋は物置に移されといじわるが続く
ある日、重子がクツをみがけと命令して磨き方が悪いと言う言葉に頭に来た三太は家出して
住まわせてもらっている所が暴力団と関連があり
三太を迎えに来た健介が大会社の息子だと知った彼らは不良グループと付き合いしてると脅して金を父親からゆすり取ろうと考えるという内容で61年に

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益子かつみ「若草日記」59年

Masuko_wakal


「少女ブック」59年6月号から連載開始
この6月号ではかつてない大柄、リアルタイプの人物でわざと絵柄を変えたのか?
7月号からいつもの小柄絵に戻っている
まさか初回から代筆ということはないでしょう、ともかくいつもの絵柄が好きなのでこれでOK
ストーリーは「歌のおかあさん」として慕われる若草みどりのリサイタルから始まる
娘が控えめな道子姉と活発な亜沙世(アチャ)妹の二人、父はいない
人気者の母を持ち順調な暮らしに忍び寄る不審な男達
母は弱みでもあるのか、男達に従う様子
7月号
母が娘にも黙って行く先は豪邸、待ったいたのが黒めがねの悪人風、これが親分と呼ばれる義理の父大山岩三
12年前、この父が夫谷男と無理に別れさせたという経緯があった
その谷男が娘に会いたいと強く願うので、二人娘のどちらかをやりたいという義理父
8月号
谷男はついに日本に戻ってきて父のもとに
亜沙世と知り合うが父とは告げず「のっぽのおじさん」と称している
9月号
みどりのマネージャーは岩三の手の者で、義理父は難題を呑ませるため収支をごまかして家をとりあげようとする
たくらみを知った谷男は「のっぽのおじさん」として救いの手を差し出す
10月号
父が外国へ去ってしまった理由が父岩三の麻薬密売罪身代わりとなり海外逃亡したためだとわかる
12月号
北海道公演に出かけるみどり一行
列車の中まで追いかけてくる岩三手下(政吉たち)を止めようとしたバイオリン弾きが手をいためる
1月号
バイオリンの臨時雇いとして応募してきた父、政吉たちにかぎつけられ東京に連れて行かれる
当日の列車はもうないことを知ったアチャはホテルを探し出す
2月号
アチャが勇気をふるって手下たちに食い下がり、間違って発砲したのを聞きつけられ逃げ出す一味
パパはみどりの伴奏をつとめることができ大評判
新聞記者が集まってきたが、政吉たちもかぎつけパパが黒幕岩三の息子だとばらすと言われ迷惑がかかると去っていく
3月号
東京に戻る父にアチャがついていくことに
資金もなく、アパート代も滞る生活で島倉千代子の楽団に入ったとアチャには嘘を付く
嘘を知り、父が大金を持って戻ったので盗みではと心配する
4月号
金が入った鞄を拾ったと知って安心するアチャだが、一部はアパート代に使ったと困り果てる父
アチャは美空ひばりの名刺を鞄の中に見つけともかく返しに行くという
リハーサルに詰まるひばりたちの部屋に入ってつい口ずさむとうまく決まっている節回しに大感謝のひばり
アチャの才能を認め、鞄の金額は気にかけない
アパートでは生活に困りこのままではアチャにすまないとわざと辛く当たって母の所へ戻そうとする父
7月号に飛んで
パパは楽団ホワイトスターを持って地方巡業に出ている(仙台)
居場所を聞き出そうとする岩三たち
9月号
一味がかぎつけそうなので父の所へ行こうとアチャたちは友人の弘に頼むが何か事情があって断られる
仙台のステージに駆けつけると、母も楽団で歌っている
10月号
楽屋に詰め寄る一味だが、父は弘が化けていて既に警察にも手配が行っていた
実の祖父が影から現れ、岩三は元部下の鉄川強太郎で岩三が南方で儲けたをくすねて本人になりすましていた
ようやく日本に戻った祖父は弘たちの協力を得て事態を収拾することができた

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60年の「少女ブック」

1月号の内容は232P、160円でふろくが
フラワーケース/お人形かべかけ/エンゼルさいふ/おたよりカード/ペットゲーム/「みどりの真珠」
本誌が
わたなべまさこ「白馬の少女」10P
野呂新平「チコちゃん」8P
入江しげる「虹のある町」7P
横山光輝「四枚の女王」新連載22P
くぼたまさみ「コトちゃん」2P
益子かつみ「若草日記」11P
石森章太郎「ガラスの目3」7P

チコちゃんはいつも通りの生活のペイソスにユーモア交じりの内容
チコの兄太郎は警官をしているが、今度結婚することになりお嫁さんをチコ、スガたちが迎え列車で戻ってくる
三田先生は太郎の先輩として厨房まで手伝ってくれる、母は実の母ではないがここまで育った太郎を見て感極まる
注目の横山新連載は置いて
入江さん作「虹のある町」は
父をなくした白石すみ子は母と巡り会うが母は大阪に行ってしまう
女優の星空ひかりと知り合い、こんな人が姉だったらと思っている
遊びに行ったスキー場では銀子がいじめ役で松明持って追いかけてくる
ころんで大事故になるところすみ子が助けてくれ二人は仲がよくなり
スキー場で助けてくれたのが星空さん、持っていた写真の母が同じ人物で実際の姉妹とわかり
涙の対面から大阪でようやく母とくらすことができる

石森作は2月号本誌になく付録で終了したらしく3月号以降全く見ない

2月号からは西奈貴美子「母のひみつ」が新連載、7月まで続いて8月からは「エリの赤い靴」
西奈さん絵柄は人物がこの頃にしては大きく、描き込みもあっさりめ、ちばてつや風のもの
7月よりつのだじろう「こまどり姫」8P新連載
横山作も7月で終わり「由美と三太」が連載開始
注目の益子さん「若草物語」は10月号で終了

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うしおそうじ「おせんち小町」56年

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数年前に中村書店から単行本が出ているらしく雑誌連載はその焼き直しか?
1月号で始まり8月号まで役者誘拐の探偵風推理もの(「朱房の」といい推理ものがうしおさんの好みらしい)
9月号が怪談話、10月号も挿話、11月お休みで12月小話で早くも終了
正月、観音へ歌舞伎名優中村銀之助を見に行った小町一行、丁稚のシャク助(すこしとぼけた役柄)とカン太郎(カンのいい二枚目)、妹ミリ坊と女中のモンメ
まらった手ぬぐいが銀之助に関わる暗号になっていて、おしるこ屋の二階でじっくりしらべて解明、銀之助が誘拐されたことを知る
たまたま隣の旅館二階から助けてという合図が出ているのを見て旅館に部屋を借りる
モンメが女中に化け一味の親分を風呂に誘ううち助けだそうという算段だが、手下の猪之吉に見つかりシャク助、モンメ以外が捕まってしまう
機転をきかしたモンメはトイレに立つ小町の伝言を奉行所に伝え、捕まっている者に食べさすのだろうとにぎりめしに七つ道具を入れ、悪人用には眠り薬入り酒を出す
寝ている隙にいつでも逃げられるようにと小町たちは縄をゆるめて、本物銀之助は偽役者とすり替わる
屋形船で催される全国盗品コンクールで親分たちを一網打尽の手柄となる
9月号の怪談話がなかなかおもしろい
だんなさんが怖い話をするというので聞き入るみんな、怖がった度合いをめいめい出した悲鳴?の吹き出しからの重さを量ってどれぐらい怖がったか比べるという旦那さん
小町が怖がらないのは?とみんな不思議がるが耳にせんをしていたというオチ
10月号は花嫁ごっこをして小町が花嫁衣装を着るという見せ場を作って
12月号
来客スン子にすしを取るのにシャク助は、寿司屋に頼みにやると文句、品定め多くまとまらないと手厳しい小町
届けられた寿司は数がえらく少ない、盗み食いしたものを当てるため、ニッキだとだましてリトマス試験紙をくわえさせ酢を食べ色が変わるものを見つけると意外なことに優等生のはずのカン太郎とわかったところで物語は終了

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56年の「少女クラブ」

1月号なく2月号の陣容は
付録は二つに本誌が
手塚治虫「つるの泉」7P、これは5月号から「火の鳥」に
大友朗「おてんき姫君」半裁の6P、12月号で終了
桂たろ「ひばりちゃん」4P、写真入り物語は4月号まで
東浦美津夫「キノコちゃん」7P、手塚風絵柄、翌年も続く
山内竜臣「みどりの舞扇」8P、益子風絵柄
うしおそうじ「おせんち小町」5P、12月号まで
小野寺秋風「名探偵メイ子ちゃん」5P謝花風、6月号まで
木山シゲル「くらやみ姫」5P、益子風、翌年1月号まで
山根赤鬼「めだかちゃん」2Pが3月号より始まり翌年も
8月号より寺尾ともふみ「アパートちゃん」を連載
その他、むれあきこさんが2Pくらいでユーモア短編を数回
6月号よりみずのひでこ(水野英子)さんが2P短編「ルミちゃん」を3回、12月号には「三ちゃん物語」掲載、いずれも素朴な絵柄
8月号でポー原作「黒猫」を漫画化した石森さんが9月号より8Pずつ「ゆうれい少女」を
まだ絵物語が多く、まんが8種に対して同じ数だけ掲載されている
また、益子風と書いたがどうも高野風絵柄をおやじはもっと下卑た感じに、女性はもっと艶やかにした当時としては一つの流行のスタイルだったみたいでけっこう気に入っている
そんな中で夏の増刊でポー原作「沼のほとりの家」という恐怖ものを描いた横山さんの絵は洗練していて目をひく
描き込み少ないのと人物が大柄なのとがスマートな雰囲気を強めている(同時期の手塚さんの旧版「火の鳥」と比べるとよくわかる)
この号には永島慎二さん夢の中を父を探しに旅する「虹の中の少女」も載るがほのぼのした絵柄

「キノコちゃん」内容を拾っておくと
キノコは母を12年前の空襲でなくし紀州で育てられていた
楠の女神が使いのうさぎを付けてくれ東京に出てきて父を訪ねる
三千草大二郎は豪邸に住み新しい妻を迎えている
娘のいばらは随分意地悪、義母も大二郎の前では貞淑だが、なにかとキノコにつらくあたり追い出そうという魂胆
家を飛び出したキノコはサーカスに入れられ危険な綱渡りをさせられる中、サーカスの少年ケンジに助けられる
宝石がらみで悪人に狙われることになったキノコは大阪まで逃げてきてくろねこ商会という密輸団につかまり川に流した手紙で救出されるというところまで

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勝又進「田舎芝居」79年

Katumata_inakasibai


「カスタムコミック」No3に掲載
No1には「子消し」をNo2には「火盗斬風録」を掲載
「子消し」は作品集「赤い雪」にも採録されているが、「火盗斬風録」と「田舎芝居」は「赤い雪」の自筆年譜にも記載がなく今回永島作を読むため「カスタムコミック」をまとめて読んで初めて知ったもの
「田舎芝居」はよくまとまった話で再録されてもよかったんだけど

田舎芝居では知られた一座、父親も次男長次郎も美男の役者で人気者
三男がさらに美形だが、気弱で芝居には出ない
村の長者の娘はその美しさのため狐に見初められ結婚もできない
この三男坊長三郎を娘の婿にと話が進んで、婚儀の夜
嫉妬した狐神が現れ、「おまえの顔を取るか、命を取るか」と迫ってくるので長三郎は「顔を」と答える
ラストで命だけは取りとめた長三郎が顔を取られてどんな風になったかというのがおもしろい
長者方は悲運をわび、一座は寂しくこの地を後にする

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沼田清「みそそぎ川」80年

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「カスタムコミック」No7には沼田さんの作品が読み切り29Pで掲載されている
貸本時代しか知らなかったのでこんな所に描いていたんだという感じ
絵柄は大人コミック向けのものになっているが、人物のきりっとした所など面影アリ
話は京都の小旅館つぐみが舞台の人情話
女将が一人で切り盛りするような小さな旅館へ旅人が宿泊を申し出るが「一見さんは」と断られ河原に出て、今は新聞記者をやっているかつての親友に出会い、つぐみみ取材で泊まっていると再び訪れ、加茂川の別名「みそそぎ川(清めの川)」の話を聞きながら雰囲気を出しておいて(こちらは単におまけの役)
旅館の娘恵がお香研究している友達にお香店の季乃堂を紹介する話に変わる
季乃堂の息子茂は恵の恋人、まだ母に紹介できないでいるが二人の間には赤ちゃんができたかもしれない
茂が見せてくれるた父が海棠を彫り込んだという伽羅の逸品は半分だけしかない
それからしばらくして、母が大事にしまってある伽羅を見つける
それは季乃堂で見たあの品の実に片割れで、昔芸子をしていた母の恋人、自分の父が季乃堂のおじさんだと知り深い混乱に陥る
兄弟同士で生まれる子供、その恐れで恵は加茂川に身をそそぎ、おなかの子を始末してしまおうとする
伽羅が出されているのに気づいた母は茂の父が「茂は先妻の連れ子で血のつながりがないんだ」と話していたのを思い出す
皮肉にもそこへみそいだ娘が水に濡れた姿のまま現れる

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永島慎二「人生激情」79年

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「カスタムコミック」No2より連載
第1回目は「堕落した猫」という絵と文交互のエッセイ風22P
作者自身がまんが家として登場し語り出す
アトリエに猫が自由に出入りできるようにして、太郎と名付けた猫を気ままに暮らさせどこまで堕落(ふしだら)した猫になるか?という実験を試みる
自分の分身を見る思いか?
最後は夢に銀色の猫が現れ、猫とつきあい堕落するのは人間の方だと言われるというラスト
作者の聞き役としてフーテンでも登場の作家夜来狂一が登場している

第2回「芸術荘主人」
やくざとのけんかに加勢してくれたことが縁で作家夜来狂一から知り合いの下宿を紹介されてきた詩人風吹わたる
妻と子に別れて家を出て数年、いまだ家から援助してもらい今度も50万円を預かり芸術荘に
井戸野茶子という恰幅良いマダムがパトロン様子
夫は無職?夜太、父は敗戦以来ぼけた軍人
息子が小学生の朝夫と昼吉(ひる)
家の一階を普通のサラリーマンに貸し
二階は劇画家おにぎりおむすびとそのアシスタント緑屋丸井
シンガーソングライターの門大外達に貸している
わたるが赴くと月4万円で二階に良い一部屋をあてがってくれる
わたるはおむすびのアシスタントを引き受けることに
そのまんがが雑誌に掲載されたので感想を求められ「載っている中で一番つまらない」と率直に述べたため、ちょっと波紋が起こりそうになる折、雑誌社から「おむすびの連載は人気が出ず10回で打ち切る」と連絡が入る

第3回「聖処女有日」
門大外を訪ねて北海道から18歳の井塚有日(いつかあるひ)が芸術荘に
ライブハウスで外を見て、人生で見た一番かわいそうな人と思い、かねてからの望みとしてそういう人に処女を捧げようとしたが、外が「処女と後家には関係を持つな」というおばあさんの遺言を守り逃げ出してしまうという過去があった
有日はそれ以来、外を探して大阪と東京では一回ずつ男と寝たがやはり外を求めているという
自分でも「13歳の知能しかない智恵遅れ」と称している不思議な娘さん

第4回「狂おしい春」
有日が芸術荘の住人になって4ヶ月
淋しい人がいたら寝てあげる有日に、小学校3年生の昼吉(頭のハゲをからかわれ一年から学校には行っていない)は誰とでも寝ると嫉妬を含んだいかりをぶつける
有日は「じゃあ今夜部屋においで」と誘う
茶子もわたると一夜を共にする(妻とはセックスできなかったわたるもなぜか元気になって)
おにぎりの新連載が決まり、外もLP出せることになり夜は宴会が盛大に
有日の部屋に昼吉が来たが、外がやってきたので「外だけは特別なの」と追い出され悔しい昼吉
有日はようやく外と結ばれるがかなり乗り気になっている外に今となっては結婚は無理だという有日

第5回「夕立ち」
夜来狂一が芸術荘に逃げ込んできていきさつを茶子に説明している
彼のアパートに同時に二人の娘が押しかけてきた
二人ともふとしたことで関係を持った女性だがその場限りのことと彼は思っていたのが
学生山崎月子は結婚してくれないなら自殺すると言い
グラフィックデザイナー日々野陽子は結婚してくれないならあなたを殺すと言う
そこへ娘二人もやってきて困った狂一に茶子はすべてを解決する方法があると言う

第6回「濁閑秘話」
みんなの混乱を解決する方法
狂一が作者の所にやってきて芸術荘で起こったこの半年のことを説明している
なんと、茶子は一階のサラリーマンを追い出し、全体を芸術荘として、有日の名前で新作のまんがを連載することに
わたる達がストーリーを考え、おにぎり達が作画、娘達がアシスタントになって作り出したまんがはヒット
儲けた金がみんなの生活資金となり、夜は茶子を入れて女が四人、男がわたる、おにぎり、緑屋、門大(あれ夫は入ってないの?)というメンバーでフリーにセックスしてもよいというルールでやっていると言う
驚く永島先生だが、それは「フーテン」などで彼自身が夢想したユートピアの一つなんだろう
その後の芸術荘がどうなったかは描かれることなくこれは「秘話」として6話で連載を閉じることとなる

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牧美也子「少女3人」59年:児童文学館便り

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牧さんの連載初作品(西谷康二原作)、大人気をよんだようで当時の人気漫画10位に入っている
高橋さんの作品がしゃれすぎていたのか、牧さんのものが身近に感じられたのでしょうね
純子、令子、ゆりという3人の少女が三人三様に波乱を乗り越えてゆくストーリー
純子は比較的安定、ゆりは貧困からスターに、令子は儚く死んでしまうのだが
連載は58年8月号から、9Pで付録へ続くという形式
付録の方はないので本誌から拾える概要を綴ってみるとざっとこんな内容と見える
8月号
純子は東京で父と二人暮らし、母の墓参りに音羽光文寺に行って母そっくりの女性と出会う
広子おばさんから見合いを勧められるパパ
運命か、その人がパパの再婚相手となる
9月号
もう一人のヒロインゆりは花売りをする貧しい娘、盗みの見張りなどさせられたこともあるが
花を買ったお客さんに歌を聴かせていたのが認められ歌手として売り出すことになる
まだゆりと純子・令子は別々の世界で交わらない
さて、純子の義母となったのが津田幸子、新しい母と家族3人で温泉旅行に行く
裏山の招福地蔵の前に純子、令子という石を置いて祈る母の姿があったが?
令子とはゆりのおさななじみなんだが母幸子が別れたこどもだった
令子は捨てられたと思い母を憎んでいる
11月号
令子は銀行ギャングにかかわり、兄貴とサブとに眠らされ海に沈められる
助けられるが体が弱って病院ずまいになる
ゆりは歌手として人気が出るが彼女が望んだ幸せはこんなものではなく家族と暮らすことだったと思い知る
12月号
令子は睡眠薬自殺をはかる、母幸子と再会して和解する
2月号
母を独り占めしたいと思うようになる令子
優しい純子は令子のわがままを許してくれる
父の仕事先が紀州になり今度は家族一緒について行きたいという母
嫌だとわがままを言う令子を初めて母がぶつ
一方、ゆりは誤解からファンに硫酸をかけられることに
そのトミエはゆりから援助してもらいかえって仲良くなる
4月号
公演で紀州にやってきたゆりはトミエの家を訪れ隣で歌う子守歌が聞いたことがあるものでとても懐かしく家をのぞき込むと
そこのまさ子おばさんは姉にそっくりなゆりを姪だと直感する
ゆりは母の子どもの頃の写真を持ち、その裏に書かれた文字が姉の字と同じで間違いなく姉のこどもと証明される
おばの口から母菊代は夫(ゆりの父)が死んだと思い違いして後追い身投げをしたこと、実はその父が生きていることを教えられる
それは地元のボス大月だった
純子たちは父の仕事炭坑工事で紀州に転居したが地元のボス大月のいやがらせにあっていた
5月号
父を呼びに行き純子・令子はトンネル事故にあう、純子は足に大けがをする
7月号
大月の指令で夕方にはトンネルが爆破される
見張りをだまして抜け出したゆりは自転車でトンネルにむかう、途中令子に合い一緒に行き、ダイナマイトを用意する二人組(それはあの銀行強盗の兄貴とサブだったんだが)に捉えられる
ダイナマイトがあやまって爆発、みんなを閉じこめることになる
兄貴は死んで11人が生き埋めになる、水が迫ってきて危ういところだが救出される
9月
ゆりのさよなら公演(東京)、これが終わると並木姓から大月に変わり引退することに
純子も見守り、公演後、事故で体を悪くした令子の見舞いに飛行機、列車を乗り継いで紀州へかけつける
病院では母が寝ずの番をしていたが明け方寝入ってしまう
命の最後を自覚した令子は二度目の母になじめず東北から東京に出てゆりと出会い、幸せのマリア像を彼女から盗んだことから始まり今までのことを回想しながら自分は幸せだっととかみしめながら夜明け頃息絶える
ゆり・純子が駆けつけたときはすでに事切れていてしまうというラストが悲しい
母に生まれる妹を令子と思い生きていこうとする少女たち
黒わしトンネルも尊い犠牲のもとに貫通したことをめいめいが心に刻みながら物語は閉じられる

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「リタ!誰を待つ」84年:児童文学館便り

「週刊少女フレンド」76年9月5日号掲載
冒頭から、母親がリタを絞め殺そうとする
こうするほかないという母の言葉が意味深い
しかし木の枝が母に突き刺さりリタは生き残る
おばの家に引き取られることになったリタだが、ここでも悲劇が
リタを見てほえまくる飼い犬ワイマールは原因不明で死んでしまう
リタ達にふざけて自転車で突っ込もうとした隣のデビット坊やが車に轢かれて亡くなる
リタを不快な気分にさせるものはみんな死ぬという呪われた能力を彼女は持っていたのだ

気分を変えようといとこのジェシカが誘ってくれたロックコンサートでも
ギタリストのリッキーが感電死してしまう
異様な雰囲気になった会場、観衆が騒いで崩れた壁が辺りジェシカが死んでしまう
会場は騒然となりあちこちで騒動が起こり死人も続出する始末に警察が出動
会場を取り囲み、出た来たリタは不審人物とされ撃たれるというラスト
ノイローゼ気味の物語内容は杉本さん特有、その後ミステリー方面に進んだというのもうなずける

以前年代不明とした「哀しみのエチュード」は描き下ろしらしい

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鳥図明児「水蓮運河」:児童文学館便り

序章はいにしえの挿話
湖辺王国の王子パウルは人質として水蓮王国に送られている
水蓮国王はパウルを愛したが、湖辺が南大国と同盟を結ぶに及んでパウルを切らねばならなかった
美しい睡蓮だけが代々残って王宮の庭に花を咲かせ続けた
時代は下ってイギリス植民地となった水蓮国、今では湖辺国の人間に支配されている
ボーイの東河(トーガ)は水蓮人
かつては母と倉庫で暮らしていたが今では一人の様子
人とうまく折り合えず、この仕事もくびになり
町で風変わりな医師デビットと知り合う、彼には湖辺人の臭いがなかったから
東河は人の感情を読む能力を持っていてデビットはパウル長官の命令で東河を探していた
東河はなりはボーイのようだが実は女性
成長したらきれいに?という型どおりの筋道は通らず相変わらず神経質なまま
不思議な踊り手、感情を持つ改造人間ラジクマールに心を許す
ラジの方も東河を守ることを自分の使命と心がけるようになる
水蓮過激派の襲撃に巻き込まれ東河は左手指を二本切断しなけらばならなくなりますます目立つことに
実業家の馬南も東河を狙っていて手下のゴドーを使ってさらってきて自宅の石の室に閉じこめる
つてで入り込んだラジがその入り口を守っている
過激派の襲撃は一度は失敗するが二度目が間近に迫っていて
東河にどういう運命が待ちかまえているのか
これが三巻目まで3/4のあら筋だが、政治、運命に振り回される人物たちが描かれる
鳥図さんの傾向として主人公は自分の意思をあらわにはしない
その美を見せることもなくはかない神秘性を漂わすばかりで終始する
政治劇が複雑怪奇にまとわりつく分、自由な「虹神殿」がおすすめか

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大島弓子「タンポポ」76年:児童文学館便り

単行本未収録作品はかなりの数にのぼる中、「戦争は」とこれをまず選んだのは「少女まんがの世界」で書影を見たから印象深い作品なんだろうという当たりで

76年「プリンセス」5月号は山岸凉子「シュリンクバーン」、木原敏江「アモール」と弓子史作が表紙に大書き
他目立った掲載作は「悪魔の花嫁」「おしゃべりラブ」「わんぱく天使(赤塚不二夫)」か
さて「タンポポ」
高校生フーは転入してきた大倉聖が気になる
野原でたんぽぽの綿毛を耳に入れると気が触れるという町の言い伝えを教えてあげるが、聖さんは何度も野原で横になったといい、綿毛の洗礼か分裂症気味の発言が多くなる
クラスでハムレット劇をやることになり聖が主役、オフィリアにはフーが抜擢される
接吻の場面を練習しなければという聖に風紀委員の神(じん、フーを好いている)が猛反対
フーは練習ならかわまないと明日に予定して帰っていく
町では聖の兄が女性とデートしているのを見かける
兄は彼女と海外に行ってしまうらしい
聖が舞鶴茉莉子と婚約して舞鶴家はたんぽぽの野原を譲り聖家はホテルを建てるという噂を聞く
帰り道ちらっと見かけた茉莉子は暗い表情をしていた
いろんな事情で頭が混乱しながらも胸騒ぎでフーは学校の方へ戻っていく
銃声がして茉莉子と聖が重なった死んでいるではないか
茉莉子は愛していた聖の兄が去っていくのを哀しみ
聖はたんぽぽの原がなくなるのを哀しみ

うーん雰囲気過多で受け入れにくい展開
これは未収録でよかったのかも

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