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2016年10月29日 (土)

手塚治虫「エンゼルの丘」60年

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「少女クラブ」連載400Pに及ぶ長編、全集MT75、76で読む

南の孤島エンゼル島のタブーは丘の上に登ること
王女でも犯せば処刑となるそれをルーナ姫が破ってしゃこ貝に閉じこめられ流される
偶然通りかかった汽船が拾い上げてくれるがルーナは記憶を失っていた
船長が寄港した町で撃たれ、ルーナは奴隷に売られる
たまたま妹に似ていたので親切にしてくれた日本人船長英二に頼って日本までやってきたルーナ
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英二の父は政治家、母は画家でこどもたちにはほとんどかまわないため妹あけみはわがまま放題に育ち、英二は親から遠ざかるため外国航路の船長になった
ルーナが生きていることを知ったエンゼル島の神官ピョーマは暗殺者を送る
殺しに失敗して生け贄にすることになり、間違ってあけみがさらわれエンゼル島へ送られる
輸送船の船長がたまたま英二で、事態を知った英二も島に監禁される
英二は薬で目が見えなくなるが、泉で洗って治る
あけみ(ルーナ)はピョーマに山頂の穴へ落とされる
穴へ落ちた島人は元の人魚に戻るが、あけみは人間だからそのままの姿、人魚たちに助けられ、兄と再会して日本へ戻ることに

日本ではあけみの父親が政治的争いで暗殺され、小さな家に移った母と娘はかえって幸せに暮らしていた
しかし、ルーナがニセ者だと知ったピョーマは双子の殺し屋をさしむける
殺しに失敗した双子はかえって忠誠を誓い、島に連れられたあけみを取り戻しに戻る
島からは殺し屋が失敗したことを知ったピョーマが自ら出向いていた
その船の船員一人が英二が化けていると見破っていかだで流してしまう(あけみも一緒)
そのいかだに双子がうまい具合に出くわして日本へ連れ帰る
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ルーナは本物のあけみが戻って来ると母にわからないよう家を飛び出して南へ向かう船に潜り込む
したしくなった船員ふぐ平とエンゼル島へカヌーで向かう
途中、ピョーマの飼うフカに襲われたのを助けたのが人魚族の王子ピレーネ
王子はルーナにひかれ恋し始める
島ではソレイユ姫(ルーナの姉、目が見えない)をなきものにしてピョーマが実権を握ろうとしていた
救おうと姿を変えて宮殿に近づいたルーナは見破られ、危ういところに大地震が起こりピョーマは下敷きに
ルーナはそれを救って、逃げようと海へ向かう
意識を取り戻したピョーマが追ってきてワニに襲わせようとするのを、ピレーネ王子が海から射て落とす
落ちたピョーマを見て驚いたのは王子、なんと自分の母親だった
海の王妃は島で二役をして権力を握っていたと知った王子は、ルーナに危険は去った、いつかまた会おうと消えて行く
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英二は島の宝を知ったギャングに脅され島を案内に来ていた
宝を見つけた時、ポセイドンが宣告したように島の最後がやってきた
火山爆発とともに島が沈みゆくなか英二はルーナに救われ、ふぐ平のカヌーへ移される
ルーナとソレイユは沈む島とともに消え、それを意識を取り戻した英二が見つめながら物語が終わる

エンゼル島の秘密がこの後次第に明らかになるが、様々な苦難を設定しておきながら最後は少し走りすぎあっけない幕切れとなるのが惜しい
人間性に主体をおく60年代まんがから同時期の少年まんが「キャプテンKen」「白いパイロット」のようにアクションを交えながら筋を楽しませる娯楽作要素が主になってくるからだろう

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