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2016年11月 6日 (日)

山上たつひこ「光る風」72年

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朝日ソノラマ単行本2巻で読む、原作は「少年マガジン」連載

出島、藻池村での奇形の民祭りを潜入して調査する大杉教師、高校生たち三人を連れるが、帰りにつかまり、大杉は刑務所へ
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その一人が募金運動をしていて特別警察に追われ、射殺する
それを目前に見た同級の六高寺弦
父は元陸軍将校、兄光高も国防大学エリートという家風に違和感を持ち、弦は家を出て独立し、夜学に替えて小さな出版社に勤める
ベトナムで戦争をしている米軍の加勢に出陣する兵に兄も選ばれる
出陣の兄に反対する弦は近所の人たちから石を投げられ倒れてしまう
それを助けたのが大杉先生と島へ行った高校生たちという縁で、出島からの船を迎えに行く
藻池村リーダーの堀田は武器も蓄え政府転覆を企てているだけに無断で他人を連れて来たと腹をたて彼等と別れて行く
弦と級友は、不審船調査に来た国防隊に連行され、強制労働させられる
秘密の目的工事をするこの施設は浮浪者など身よりない者を集め、最終的には工事人を処分するというひどいところ
それまで知らないにしても圧政に耐えられない弦は知り合った男と脱走する
そう手段が汲取り式トイレのパイプの中を息を止めて潜って脱走を図るという壮絶なもの
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家の様子を見に行った弦は、兄光高が手足を失くしたダルマ状態で女中雪に世話されているのを知る
光高は雪に迫って拒否され池に身を投げて死ぬ
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その頃、邸にはアメリカ軍の将兵が来て光高を引き取りたいと申し出る
アメリカ軍に替わって日本兵が化学兵器運送をしていてその事故で息子が被害を受け、あとわずかの命と知る
さらにその体を検査材料にすると聞いて憤った父は将校を斬り殺してしまう
光高家は政府に反抗の罪で、切腹した父、父が道連れした母、自殺した兄の遺骸がさらしものとなる
弦は遺骸を埋めて雪と奔走し、アパートで同棲するが・・
国が軍国化するなか、大地震が起きて、弦は死んだ雪の遺骨を抱えてぬけがらとなったようにさまよう
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町を行く軍のパレードにかつての級友を見たように思ったが、もう弦には意味のないこと
道路に倒れた弦のわずかな意識をはげしい風が一条の光をともなって吹き飛ばした

30Pの短編「回転」がついている
戦争で恋人を失った堂本さん
中年となった今、目立つこともなく暮らしているが
駅のホームの前に、テレビで見た新四谷重工社長がいることを知り
近づく列車に押し倒した
それだけ重い苦しみが彼女の中に流れていたのだった

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