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2016年12月 5日 (月)

赤塚不二夫「お母さんの歌」58年

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若木書房11/15発行、130円、B6判128P

みすずは兄良平の給料日でねだった赤い靴を買ってもらってごきげん
うれしくて靴をはいたまま寝てしまう
靴を見せたくて、兄をさそってバレエ映画に連れ出す
帰り道、友達イトちゃんが姉京子さんを連れていて、京子さんを好きな良平は照れくさそう
そんなある日、新潟の森あい子さんという人から手紙が来る
兄は落とした給料袋を拾ってくれた工員たちとつきあいだすが、しだいに不良の道へはまりこむ

酒を飲んで遊びはじめ母の着物を質に売ってまた飲む
仲間に誘われ工場の鉛管を盗んで警察につかまり、工場長をしている父は悲しみのあまりある
良平もさすがに申し訳なく、不良から縁を切るためなぐられたのを
父はまたけんかしたと怒るのでやけになって家を飛び出す
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雨の中、追うみすずをふりきるように、本当の妹ではない、新潟の森さんが夫にもしなれ、養子に出して再婚したんだと言ってしまう

ここで主線がみすずに切り替わる
急によそよそしくなる娘を見て、父母は良平から事実を言ったことを知る
それを聞いていたみすずが、母に抱き着き、手紙のことは本当ねと聞く
否定する母に抵抗して、新潟へ行くというみすず
みすずはほんとに新潟行の列車に乗る
着いた住所を見て、やはり帰ろう引き戻した道で、車にひかれそうな女の子を助ける
喜ぶ家族にお礼と連れられた家があの森家
仲良くしている娘たちは夫婦を見ていて切り出せないみすず
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あい子さんはひょっとしてこの子は?と思う気持ちがもたげるが、みすずはおじいちゃんと一人暮らしとうそをついてしまう
東京に手紙を送って、みすずは戻ってゆくのだった
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兄の失墜、みすずの悲嘆、新潟での複雑な気持ち、帰還といくつもの激しい展開をみごとにこなす作家
ここまでの単行本では意外なストーリーを描いてけっこうおもしろかったが
こういうふつうの家庭ドラマをここまで盛り上げる作者に非凡な才能を感じる
ストーリーの展開では、赤塚さんのどの作品より抜きんでているのではないか
あまりに平凡なタイトルに興味うすで敬遠していたのは大きな間違いだった

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コメント

こんにちは
赤塚さんのこの作品、なんだか読んでみたくなりました。
絵柄も好きな頃です。

こんにちは
赤塚さんの作品はコミックパークでだいたいの作品が復刻されているので手に入ると思います
表紙がよくないのがたまにきず

母が入院して実家に泊まり込んでいるのでコメントのご返事がおくれるかもしれませんが、またよろしく

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