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2016年12月 2日 (金)

わたなべまさこ「ガラスの城」

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集英社「わたなべまさこ名作集全5巻で読む

ロンドンで暮らすイサドラとマリアの姉妹
二人とも美人だが、マリアは気立てがやさしく、イサドラは激しい
マリアの恋人でデュークを奪ってしまう
ある日、ママが交通事故にあいなくなる
残した手文庫でマリアがストラトフォード城の娘だと知ったイサドラは、証拠のペンダントを取って自分が娘だと偽る
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(マリアの母、フランソワは許されない恋をして子供を産んだ
夫となるはずのテームズが仕事先のインドで重い熱病になったと聞いて単身追いかける
家政婦のミルズ・バーゲンに託して、行方知れずとなってしまった
ミルズにはイサドラという同じほどの年齢の子供がいて、彼女は姉妹として育ててきたのだった)

伯爵はマリサの方がフランソワに似ているし、温かい気質にひかれストラトフォード城に呼ぶ
イサドラが悪だくみをして、マリサは家政婦に落とされる
マックスという財産家の息子と親しくなったイサドラはでデュークをふる
自殺覚悟で山行きを決行して事故にあったデュークはニースの病院でフランソワに似た女性に出会う
執事クロッキーの調査でフランソワはが見つけ出されお城へ呼ばれるが記憶をなくしていて彼女自身確信を持てず去ってゆく

イサドラはリヒテンシュタイン皇太子と親しくなり、マックスにはつれなくなった
そのためマックスがマリサに求婚すると、イサドラは偽の手紙や細工をしてマリサが金目当てで結婚しようとしていると彼の両親に思い込ませる
悲嘆にくれたマリサは、いったんは首になった家政婦リタについてお城を出るが
リタもマリサを金づると利用しようとしているので逃げ出してまたお城へ戻る

伯爵はフランソワとの思い出のニースへ立ち、去ったフランソワと再会する
霧の中で出会ったフランソワはかつて呼んでいた呼び方で伯爵を呼び、伯爵は本人であると確信を持ち、屋敷へ連れる
フランソワと伯爵はかつてできなかった婚礼をあげることとなり、その衣装ができる
イサドラがこっそり入り宝冠を取り上げようとしたとき、フランソワが現れ、あなたこそ婚礼を喜ばない偽物だという
イサドラは自分は本当の娘かわからないと困ったふりをしてごまかし
うまい具合に、マリサが娘だというミルズの夫ケントが現れる
夫は刑務所から出たばかりのやくざな男でマリサを本物だと知っていて、邪魔者を連れ出したとイサドラから金をさしめようとした
そのため撃たれ、逆に介抱するマリサのやさしさに打たれ、イサドラとミルズが写る証拠の写真をマリサに渡して息絶える
マリサは写真を持ってイサドラに迫るが、お城の隠し部屋へ閉じ込められる
イサドラは自分に力を貸す者を求め、催眠術師ツタンカーメンを頼る(彼の求めた報酬はイサドラに娘が生まれた場合もらい受けるというもの)
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3巻目
ツタンカーメンによりマリサは催眠術をかけられ、自分はミルズのこどもだと思い込み、町で働く
クロッキーが見つけ出すが、あくまでマリサ・バーゲンと主張し、慈善病院に勤め、やがてモンゴメリー先生とアフリカで医療に携わる
遺産半分をマリサに譲る証書を作っているのを知ったイサドラは伯爵と言い争いとなり、燭台で殴り倒す
クロッキーが入ると死体は消えていて、ツタンカーメンの仕業と思われた
イサドラはハルトマン皇太子との結婚を反対するフランソワを乗る車に爆薬をしかけるが、幸い助かる
爆発のショックですべてを思い出したフランソワだが、イサドラの悪事は許すという
刺し殺そうと思っていたイサドラもさすがに手を下せず、呻吟するところ、火が出て顔を焼かれる
モンゴメリー先生と結婚してようやく幸せをつかんだマリサだが、彼が伝染病でなくなり、ストラトフォード城へ戻ってくると火が出て、フランソワが刺されている
いまわのきわに自分が本当の娘だと聞くのだが・・
夫人殺害と城放火の公判でイサドラはツタンカーメンが真犯人だと述べ、マリサは釈放される
(マリサはイサドラの悪事を述べたテープをフランソワから預かっていて、モンゴメリーとの間にできたこどもを産むためにも自由が必要だった)
イサドラはツタンカーメンのいっていた伯爵の甥、ウィリアム・ウィルソン男爵とあってマリサを葬り城と遺産を手に入れようと誘われる
男爵からもらった毒薬とはわからない薬をマリサに注いで死亡させ、成形手術で顔のあざを取る(焼けた顔のため皇太子との関係は終わっていた)

マリサは生きていて、執事職を失ったクロッキーが世話をしてこどもを産む(マリア)
ウィルソン男爵が知って、病院を爆破するが、クロッキーが赤ちゃんを救い出す
死んだと思われたいたマリサも生きていたが、赤ん坊は死んだと思う
そのころ、イサドラにも娘(ミューズ)が生まれて、ツタンカーメンにさらわれないよう、死んだと思わせて地下で育てさせる
その乳母に手伝いに入ったのがマリサだから、憎しみのあまりミューズを殺そうとするが残酷なことはできない

4巻目
ツタンカーメンの正体はウィルソン男爵、男爵というのも嘘で、イギリスを覆す組織のボス
ストラトフォード城にはバッキンガム宮殿に続く地下道があり、それを使って宮殿を爆破するため城主になる必要があった
娘を要求したのは、イサドラから秘密が漏れないため人質とするつもりだった
これを知ったイサドラはツタンカーメンを銃で撃つ
マリサは母のテープによってストラトフォードの正統な娘とわかり、城へ戻り、クロッキーと娘マリアとも再開する
イサドラの罪はとわず、マリア、ミューズは無事に成長するように見えたが
ミューズには残酷な性質が受け継がれ、異常にマリアを愛するようになる
イサドラはリヒテンシュタイン皇太子妃を狂犬にかみ殺させる
精神に異常をきたしていた彼女はストラトフォード城を焼いて、病院に入れられる
マリサは母のことを秘めてミューズを育てた

最終巻では、マリア、ミューズは妙齢の女性になっている
マリアにはロジェ殿下が結婚を申し込む
イサドラは病気が快復してきたと城へ帰ってきたが、マリサは北の塔に住まわせ、ミューズには秘密にしている
ミューズは、伯爵のはじめの恋人(フランソワにとられたと恨んでいる)ガボォルからイサドラが母だということを知らされる
ガボォルは復讐の道具にミューズを利用しようとした
北の塔に連れて行ったガボォルはもう狂いも治っていたイサドラのため毒蛇のえじきになる
イサドラはミューズと城から失踪する
付近で山火事が起こり、二人の死体が発見されるが(それは替え玉だった)

ストラトフォード家の財政が悪化して、グラスゴー島の金を使う以外に手がないと聞いたマリサはマリアを連れて旅だつ
島は魔女狩りがまだ残っていて、館の若い主アントワープはミューズの変装だった
マリサは部屋の奥でイサドラと対面する
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その顔はかわりはてていた、ツタンカーメンからうつされたハンセン病によって
それを神の報いだと受けとめているイサドラははじめてマリサにざんげするのだった

マリアが魔女だと告発され、火あぶりにされようとしている
極限にいたって悔いたミューズは自分が火あぶりにかわろうとした
ここに死んだはずの伯爵が現れ、魔女狩りはグラスゴー島で見つかった金を知られないようにするための隠れ蓑だと人々に伝える
たくわえられた金は城の建材に使われ、伯爵が爆破すると黄金の城が現れる
そこで伯爵はこの金は島の住民に分け与えると宣言して、人々の興奮を収め、マリアたちを飛行機に向かわせる
館はイサドラが火をつけ燃え出すが、ミューズはこれで母の苦しみは終わるという
伯爵はなんとクロッキーの変装、一世一代の芝居を終えた彼は帰りの飛行機で息絶える
ミューズは修道院に入り、マリアと同じ名前の聖母に一生お仕えするとさてちゅく

最終巻の展開はとってつけたようだが、イサドラが改悛し、ミューズが修道院に行くというラストは予想を上回る感傷を与える
イサドラがあれほどまで悪辣で残酷な人間だったから
やはり残酷で自分勝手だったミューズが最後までマリアを愛したというのがとても切ない気持ちにさせる

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