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2017年4月 8日 (土)

こうの史代「この世界の片隅に」06年

Kouno_konosekai02
かなりぼんやりで絵をかくのだけが取り柄の浦野すず
北条周作に嫁にこわれて広島江波から呉へ嫁いで、戦争が深まる中、暮らしてゆくというストーリー
周作がすずを知ったのが、幼い頃、広島の町で毛深い怪物人さらいに入れられたカゴの中とはこうのさんらしい

夫がなくなり出戻った小姑の黒村径子にうるさく言われながらもなんとかつとめるが
その子供晴美を連れていて不発弾で死なせてしまう
自分も右手を失ったが、径子は半狂乱
家事も十分手伝えないすずは実家に戻ろうと思う
焼夷弾が屋根をつきやぶって畳を燃やしているときは狂ったように消し止めようとした
妹が見舞いに来て戻ろうというが、径子からここがあんたの家だといわれて泣き崩れたすず、ここが家だと決意する
広島の原爆きのこ雲を見たすず、木の上に飛ばされてきた木戸を見て、自分も強くなりたいと思う
敗戦の報を聞いて、すずはこれだけ命をかけた戦いを終わらすのかと怒りに燃え、続いては虚しさを感じる
翌年になって、すずはようやく広島入り、妹すみと再会、原爆を受けたすみは寝たきりになり腕にあざがみえる(両親はなくなっている)
廃墟となった市内で、片腕がないすずが原爆でやられて命が消えうじがたかるまですがっていた孤児の少女が自分たちの運命に思えてを北条家に連れ戻る

すずが実家から見える海の波をうさぎがはねているようだという場面がおもしろい
こわもての水谷さんが北条家にすずを訪ねてきて、水谷さんへの思いがすける挿話が切ない
広島で迷って知り合った遊郭の白木りん
字が書けないりんに名前と住所を書いてくれたという切れ端が、周作の手帖の一部だと知った時のすずのショック
(そのりんも空襲で遊郭が焼けてなくなってしまうのだが)

今回、読み返して、ちょっと地味な画面が、映画アニメによって奥行きを増した気がした

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