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2017年5月31日 (水)

ロアルド・ホフマン「これはあなたのもの 1943~ウクライナ」

芸術文化センター 阪急 中ホール 14:30開場
八千草薫と吉田栄作主演の演劇
作者は文学者でなく、ノーベル賞受賞の科学者
自身の体験を描いた作品と聞く

第二次世界大戦時、ドイツがウクライナに侵攻したとき
その前、ソビエト軍に占領されたとき、ウクライナの知識人をソビエトに密告したとユダヤ人が今度はドイツに密告される
エミールの一家は親切な家族にかくまわれたが
父と姉をなくした母はウクライナ人全部が許しがたい
かくまってくれた一家も財産を差し出した契約だと思っている
現在はフィラデルフィアへ移って家族をもったエミール
一家の夫妻がなくなり遺品を整理していたら、エミールの母の結婚指輪と思われるものがでてきたと
娘さんがアメリカへ来るのに届けてくれるが
母は「これはあなたのもの」と返してしまう
この出来事は戦争の記憶を封印してきたエミールと母が一歩踏み出すきっかけとなる
悪いウクライナ人がいるわけでなく、事情に応じて行動する
守られてきたエミールもおとなしく賢く振舞えたから生き残れた
おじさんの娘は母をなくして泣き叫ぶばかりで声が聞こえてはとおじさんがポーランド人に預けた
終戦時のソビエト軍侵攻でポーランド人たちが殺され娘も犠牲になった

この劇は混乱が生む人間模様の複雑さを思い知らせるが、こうであったような事態を示すだけでかなりあいまい
舞台も変わらず、戦争時のことは上部分に枠を作って再現する工夫をしているが、全体に地味
何をめざしたかわかりづらく、のちのちの印象は薄れるのでは

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