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2017年7月17日 (月)

少女雑誌の挿絵家たち

戦前から活躍していた蕗谷虹児・松本かつぢはおくとして
1950年代に活躍していた作家として
池田かずお、糸賀君子、糸井俊二、江川みさお
勝山ひろし、佐藤なみ子、高木清、辰巳まさ江
花房英樹、日向房子、藤形一男、山本康代 あたりの名前が思いつく

このうちどの雑誌にも描いていてひときわ人気の高かったのが勝山ひろし
1955年頃は全盛、ふっくらしたほおの愛らしい少女像は好まれて追随者を生んだ
糸賀君子、江川みさお、佐藤なみ子あたりがそれにあたる

池田、糸井、高木、辰巳、花房さんは挿絵画家の絵柄で、勝山系の絵物語風絵柄と違う
辰巳さんはもっと前から活躍していた挿絵画家のようだ
高木、辰巳、花房さんたちは1960年以降も挿絵を描いている

もう少し詳しく見るため、国会図書館のデジタルデータを使ってみる
拾い出した主な作家のあとの数字はデータで拾える作品のはじめと終わりの西暦年
そのあと続くのが最後の掲載誌と作品名

相沢光朗 1946~62 「たのしい四年生」5月号 世界名作「ジョッコーのさいばん」
池田かずお 1949~64 小学館の絵本「さんにんのむすめ」11月
石原豪人 1955~88 「小学三年生」2月号「ミイラの秘密」
伊勢田邦彦 1948~73 「週刊明星」23号「母と娘愛情ゼロ時代」
糸井俊二 1937~56 「少女ブック」2月号 写真絵物語「かたみの舞扇」
糸賀君子 1949~74 「小学四年生」伝記「アンナパヴロワ」
岩井泰三 1953~70 「二年の学習」10月号「新かんせんをまもる」
岩田浩昌 1950~74 「小学四年生」創作読み物「とおせんぼう」
江川みさお 1951~69 「小学五年生」悲しく美しいお話「さいごの夏雲」 
大木けいり 1955~55 「少女」12月号「リンゴ物語」
勝山ひろし 1950~64 「小学四年生」4月号スター物語「トモ子はしあわせ」
岸田ハルミ 1950~70 「ディズニーランド」12月号「マミとスキャンプ」
小林秀美 1950~89 「歴史と旅」2月号「飛鳥の風 持統天皇」
佐藤なみ子 1937~63 「週刊少女フレンド」世界の名バレリーナ物語
沢田重隆 1949~78 「オール読物」10月号「卒塔婆小町」
高木清 1935~60 「面白倶楽部」 金と肉体大阪夜話「キャンデー・ワイン」
谷俊彦 1948~60 「小学六年生」2月号「空飛ぶ編集長」 
辰巳まさ江 1939~58 「痛快ブック」10月号「宵待草は泣いていた」
堂昌一 1950~2000 「週刊読売」14号「人間の剣」
中村猛男 1950~70 「少女フレンド」48号「くらやみの怪物」
中村信夫 1950~59 「少女ブック」7月号「星はみている」
原研兒 1948~57 「ぼくら」9月号「くじらにのまれた水夫」
花房英樹  1949~63 ます美書房絵本「しらゆきひめ」
日向房子 1948~76 「希望の友」3月号「タップリちゃん」
深尾徹哉 1950~69 「こどもの光」12月号「タイム超特急」
藤井千秋 1947~73 「小学三年生」2月号「雪の女王」
藤形一男 1951~60 「少女ブック」3月号「心に花のさく日まで」
松本昌美 1948~56 「少女」10月号「ここに幸あり」
丸山佳子 1961~63 講談社の絵本「ふしぎなランプ」
矢車涼 1950~83 「小学二年生」1月号「マザーテレサ」
若菜珪 1949~80 「小学三年生」3月号「三年生の詩」
山本サダ 1950~55 「4年の学習」3月号「きみえの前歯」
山本康代 1956~58 きんらん社「赤い草笛」
吉岡あきら 1956~57 「少女ブック」12月号「さすらいの二つ星」

伊勢田さんは絵物語作家として知った、戦後初期の「少女ロマンス」などに描いた挿絵が美しい
糸井さんは線画中心の簡素な絵、鼻をしっかり描くのが特徴でヒロインはあまりすっきりしなかった
沢田さんは少女誌の連載が少ない、「少女ブック」54年からの「よろこびの天使」が長く、絵も練れている

谷さんは初期、塗りも線画もうまく器用な作家、50年代後半は写実的で明るい挿絵を描いて60年代の絵を先取った
辰巳さんは戦前からの活躍、塗りも線画も描くが簡素な描き方、56年には勝山風の絵を取り入れた
中村信夫さんは、1950年「幼稚園」(小学館)に目次絵があるだけで、58年、59年しかデジタルデータで見えない
 それも写真構成とかの役割で肝心の絵がよくわからない
深尾さんは、塗り系の挿絵、手堅い絵を続け長く活躍した
矢車さん、50年ころは大人向け絵柄、52、53年ころから鼻が低い特徴が出てくる
若菜さんは少しデザイン的な人物像、それがかえってユーモア作にも適合して長く活躍した
山本サダさん、50年は落ち着いた線画で51年より塗りの絵が出る、54年ころ佐藤風の絵に変わる
 当時はやりの悪くない絵柄だが、これといって印象深い作品がない

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