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2017年8月

2017年8月20日 (日)

益子かつみ「さいころコロ助」再開連載64年

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「少年ブック」9月号本誌より再開された物語は翌年3月号までと短期連載だった
絵がいくぶんモダンになっているのか、連載開始より10年たったコロ助は少しませた感じになっているのがおもしろい

9月号本誌17Pで新連載
織田軍に攻められる娯楽城
夜になって足軽軽田が敵襲を恐れている
トランプ小僧は娯楽城の兵だが、これも逃げ出そうとしている
コロ助は気丈夫で最後まで娯楽城を守って戦うという
一度は逃げ出そうとしたトランプ小僧も思い直して戻る
殿からは城の命運も尽きるので、こけし姫を連れて落ち延びてくれとコロ助に命令が下る
軽田もお供になるが、姫はコロ助に気がある様子
コロ助もまんざらではないところが1964年の少年漫画らしい

10月号本誌17P
夜に乗じて逃げ出したが、戦闘がはじまりコロ助は姫と離れてしまう
姫は軽田が連れて落ち延びる
コロ助は織田軍につかまり、勇敢な様子で藤吉郎が家来にしようと思っていると
付近に巣くう黒馬組が現れてコロ助を譲ってほしいと申し出る
黒馬組にはユニークな術・わざにたけた忍者が9人いて、コロ助を合わせて10人衆にしたいと思っている
ことわったコロ助、逃げ延びて戦の残り品をあさっていたどろぼう一味すご六組に拾われる
姫は敵の手に落ちた娯楽城につかまっていると教えられる

11月号本誌18P
逃げきれないと思った軽田は報奨金につられて姫を織田軍に差し出していた
乗り込んだコロ助は姫が藤吉郎に丁重に扱われていることを知って矛をおさめる
藤吉郎から手柄をたてれば、娯楽城復興を助けるといわれ、今川城を探りに出る
軽田も手柄をたてようと、コロ助を慕うすご六組大将の娘お駒ちゃんをさそって探りに出る
途中、軽田たちは黒大将につかまってしまう

12月号付録48P
今川城へ忍び込んだコロ助
トランプ小僧と出会うが今は黒大将の手下になったいる
そして黒大将は今川軍についている
お駒ちゃんと軽田を人質にコロ助の刀を捨てさせる
コロ助は今川・織田が戦えば苦しみのは普通の人々だと戦争をやめさせる決心をする
その時、今川の若様を織田軍がさらっていった
コロ助は若様を救い出して今川に届けるが、すでに軍は織田との戦に出陣した後
ダイナマイトを持って止めに行く

65年1月号は所蔵がなく
2月号本誌19P
お手柄で山のとりでをもらったコロ助
とりでに向かう途中、黒ごま鉄心が現れて、黒大将がとりでを襲うと忠告する
コロ助はかあ公を飛ばせてすご六組をとりでに呼び寄せる
すご六組の手をかりて大急ぎで工事をはじめる
黒馬組が攻めてくると、やぶれとりでがりっぱな城に変わっている
雪で作った細工と見破った黒大将が攻めてきたが
雪が上からなだれて黒馬組は負けてしまう

3月号本誌16P 最終回
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藤吉郎が今川を攻めているすきに、娯楽城は黒一族に占領されてしまう
コロ助が兵を募ると、軽田も兵を集める
軽田ははげしい訓練をして、コロ助の部隊はゆったり食べて飲んでは休んでいる
黒隊長はコロ助部隊は心配ないと油断して、軽田部隊を警戒する
闘いがはじまると、軽田部隊は日ごろの猛訓練で疲れていて力が出ない
コロ助部隊が裏をかいてお城を取り戻して、物語は終了する

伊藤幾久造

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戦後はぎょろめの主人公が違和感を覚えさせる絵になっていて、あまり好みではなかったが
戦前は高垣眸の作品挿絵で有名、少年倶楽部では一番人気だったのではないか

戦後の少年誌でおもしろみを感じなかった幾久造さんだが、「少年」55年連載の「少年宮本武蔵」は異様な迫力があった
5月号、いのししと戦う弁之助の場面

2017年8月19日 (土)

益子かつみ「さいころコロ助」58年武者修行

「日の丸」7月号本誌18P
戦闘も一段落したところで、コロ助は武者修行の旅に出る
まず藤吉郎から預かった報奨金を持っておろち村の日の丸赤之助を訪ねる
茶店の主人に赤之助の住まいを尋ねると、乱暴者のまむしの兄貴が主人をなぐりつける
コロ助が相手してのしてしまう
それを聞いた親分は銃を渡してコロ助を連れてこさせる
褒美の小判を渡すのだと聞いた親分はカゴかきに赤之助の家に連れてゆかせる
カゴは途中、谷から落とされ、うまく岩をけって下まで下りたコロ助は赤之助の墓を見つける
そこに小判を手向けていると、カゴかきが来るので、赤之助の幽霊になりすまし親分が犯人だと知る
仇討ちに親分の所へ乗り込むが、両側から銃を出されて動けない

8月号本誌10P
大蛇親分はコロ助を縛っていかだで流す
コロ助は岩をうまく避けて、滝も回避
見張りのまむしくんを味方につけて、日の丸赤之助の若が住む小屋を聞き出す
行くと、大蛇親分が若にピストルを向けているところだった

[9月号付録
赤之助の土地から金が出ることがわかった大蛇親分は奉行横這蟹之守(かにのかみ)と組んで金を村人に掘らせていた
その金を使って贋金まで作っている]

10月号本誌11P全カラー
贋金作りの証拠は赤之助の若たちに藤吉郎のところへ届けさせたとコロ助
そこへ大蛇親分が証拠の品は取り上げたと若たちをとらえて入ってくる
コロ助、絶体のピンチ
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11月号本誌8P
蟹之守(カニノカミ)の守り神大ガニと戦うコロ助
コロ助が全力でぶつかり、大ガニもたじたじ
分が悪くなりあぶくを出し始める
これに乗じてコロ助は若たちを連れ奉行所に逃げ込む
そこで一輪車を作って逃げ出そうとするが、一本道を渡らないといけない
大ガニが行く手をさえぎっている

12月号、本誌8P最終回
蟹につなを切られて一輪車ごと崖を落ちるコロ助
途中の木でひっかかるがどうやって上へ上れようと思案していると
かあ公がやってきてひもを上の木にかけてくれる
話を聞いた藤吉郎は少ない手勢で偵察にくるが
それをみた蟹之守がかえって藤吉郎を始末しようと大きな鎌で囲む
カア公に一人をつつかせてすきにコロ助が囲みを破り、金採掘でとらえられていた村人を解き放つと
一斉に攻めてきて部下も逃げだし蟹之守を退治して終わる

伊勢良夫

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当初は塗り系の普通の挿絵
「少女倶楽部」「婦女界」など女性誌で活躍した
昭和14年、大下宇陀児「黒百合城」で梁川剛一風の妖しい雰囲気を出すようになる
海野十三の挿絵も雰囲気がある
戦中から線画も描くようになり、戦後は少しこじんまりする
そんな中で、1950年「野球少年」、宮本旅人「自然児デルスウ」は鈴木御水風の写実絵でユニーク
同年「東光少年」連載の活劇絵巻、大町浩太作「幽霊騎手」の挿絵も写実的で山川惣治を思わせる

「少女ブック」55年7月号では大城のぼるの「胡蝶陣」を代筆し、同じような絵柄を見せる
1955年後半「ぼくら」連載の「怪獣バーバリ」がユニーク

2017年8月18日 (金)

益子かつみ 「日の丸」の「さいころコロ助」58年

1958年は「幼年ブック」が「日の丸」と改題している

1月号本誌12P
藤吉郎のすのまた城がかるた族に襲われてピンチ
コロ助は、信長から軍資金をもらって駒之助と送り届けに出る
途中、かるた族に襲われ軍資金は奪われ、命も危ない状態に
鉄心はこけし姫にさとされて、コロ助たちを助ける
軍資金を奪われたコロ助は信長に頼み込み再度もらって出発するが
コロ助は鉄心がこけし姫をかるた族から取り戻すのに身代金がいることを知っているので
わざと落としたふりをして鉄心に渡す
駒之助はどうするのか心配顔だが、コロ助は絵師を連れてきて紙のすのまた城を瞬く間に作らせる
しかしこの細工がばれて、かるた族が進軍してきた
鉄心はコロ助に知らせに走るが

2月号付録64P
かるた族の猛攻で、すのまた城は落ちてしまう
コロ助の所に戻ろうと敵中を駆け抜けてきた鉄心はこけし姫とも信長勢の所へ連れて行かれる
味方を裏切りかるた族のスパイとなっているひょう六が言いがかりを付け、姫をとらえようとする家臣を切ったことで鉄心は窮地に
信長は鉄心・こけし姫の磔を命じた
コロ助が思案しているのを、藤吉郎が馬を用意して合図
コロ助は鉄心・姫を救って馬で逃げ出す
それでもすのまた城を取り返さなくては信長を納得させることもできないと
コロ助達はかるた族を追い出すため城を守る大砲をなんとかしようと、敵陣に侵入し破壊する決死行動に出る
途中、地雷源を抜けたり、熊の穴に迷い込んだり一苦労あるが
城を目の前に腹がへって動けない一行、それを熊が食料を持ってきてくれるというのだから30年代のまんがらしい

3月号本誌16P
鉄心とコロ助は敵陣に入り大砲に火薬をしかけるのに成功したが、逃げ出たところをつかまる
杭に縛られ銃殺の用意、覚悟したところに火薬が爆発し敵の大砲はふっとんでしまう
混乱に乗じて駒之助が縄を切る
大砲が使えなくなったと藤吉郎に知らせに行くが、鉄心が深手を追っていてお堂に隠れる

4月号
あたりを探っていた野武士の一味に見つかりコロ助は一人、連行された
居城どくろ城で牢に入れられて一週間何も食わせてもらえない
そのうえでどくろ隊長がコロ助と勝負するのだが
実は鉄心がやってきてひそかにコロ助に食べ物を与えていた
元気があるコロ助は隊長との勝負に勝つ
隊長が負けたので、鉄砲隊がコロ助を狙う
そこへ山から来たてんぐ小僧が文句を言って、つぶてで鉄砲隊を倒す
野武士の総大将どくろ隊長が出てきて天狗小僧と戦う
このすきに駒之助たちは逃げ出すが、コロ助はてんぐ小僧が心配で残る
みねうちされたてんぐ小僧とコロ助は水牢へ入れられる
水を飲んもうだめという小僧をはげます時、水を飲んで死んだかとどくろ隊長がふたを開けた
水をかけるとどくろ隊長のどくろマスクが取れて顔が見える

5月号本誌18P
コロ助はどくろ隊長から家来にならないかともちかけられるが断り
牢に落とされる
そこには発明家戸田バクサイがとらわれていた
どくろ城のさまざまなしかけやロボットはバクサイが発明したものという
他にもこういうものがあるとピストルを見せてくれる
どくろ隊長が食べ物を渡さないので飢えそうな二人
小穴があるのでコロ助なら小さいから通れるとバクサイに教えられる
小穴を抜けると隊長の居場所
ピストルで隊長を脅すが、上のひもを引くとコロ助がはじきとばされた
外ではどくろ城を攻めようと藤吉郎が軍勢を率いている
橋を渡れば爆破されるのでコロ助が止めようとするが

6月号付録64P(北海道訪問a05)
どくろ隊の城を攻める藤吉郎の軍勢が橋にかかるが、爆弾がしかけられている
土に埋められたコロ助は抜け出してどくろ隊が爆弾のボタンを押すのを刀を光らせてめくらまし防ぐ
部下が影を作って光をせえぎり、軍隊をはさむ板が両側から押し出してくる
救いに来たコロ助の橋が裏返って、コロ助はワニのいる堀へ落ちてしまう
どくろ隊長は面を取って素顔を見せる
それは花丸城主、赤単之守だった
戦いに敗れ、顔は焼けただれ、子供も行方知れずで復讐のためどくろ面をかぶり藤吉郎に向かっていた
どくろ隊長が石油を箱から流して火をつけようとした時、堀から橋によじ登ったコロ助がどくろ隊長に銃を向けた
囲みを解かせて藤吉郎を救うが、コロ助は鎧戸に閉じ込められる
このすきにどくろ隊長達は逃げ出す
藤吉郎たちが追おうとするが、橋がひっくり返るので容易にわたれない
山の暴れ者てんぐ小僧が藤吉郎側につき、大力で橋に大木をくくりつけひっくり返らないようにする
それで軍勢がわたると、橋の仕掛けは逆になるだけでなくせり上がる仕掛けもあって軍勢は落下
殿はつかまり木にくくりつけられ、下にはサソリが押し寄せる
仕方なく藤吉郎軍は武器を捨てる
コロ助は、捕らわれていたトダ博士を呼び出して殿のためお線香をあげようという
念仏を唱えると城が爆発、トダ博士が地下の石油に細工して火が付いた
大木から殿を下ろすてんぐ小僧が持つ守り袋を見て、赤単之守は我が子と知る
守に岩が落ちるのをてんぐ小僧がかばい、コロ助は縄を引いて二人を救う
勝利のほうびを問われてコロ助は赤単之守の命乞いをして入れられる
藤吉郎からすのまた城の城主にならないかという誘いを断り、コロ助は武者修行の旅に出る

ピザ

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お盆の振る舞い料理の最後は久しぶりにピザ
6枚作って、
3枚が普通パタン(トマト・ピーマン・玉ねぎ・コーン・きのこ類・ベーコン)
2枚がアイダホ(じゃがいもさいの目と今回はソーセージのさいの目切り)
1枚はカスタードクリーム地で果物缶詰類を乗せる

お昼に3人で3枚食べ、一枚分を実家に持って行く

デザートは谷シェフのレシピによる桃のコンポート
桃をゆでずに、熱いシロップで味付ける

お盆の洋食:ヴォフ・ブルギニョン

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お昼に浪漫で食事をした夜は洋食を用意する

前菜はプロヴァンス風テリーヌ
 木下レシピで、赤パプリカと茄子を重ねてゼリーで固めたもの、バルサミコ酢とメイプルシロップのソースで 
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スープがビシソワーズ、冷凍してあった牛骨を使ってブイヨンを作る
サラダにエビの揚げ物をつける
 西洋風ならフリットだけど重いのが暑さにあわないようで、唐揚げにする
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メインがすね肉の赤ワイン煮込み
 ソースはよいのができたが、ワインが少なかったのか何か、肉に硬い部分が残ったのが惜しい
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これでデザート、ようやく出回ってきたいちじくを赤ワインでコンポートに
 巨峰とオレンジの剥き身をそえる

昭和初期の挿絵家

少年誌・少女誌で活躍した挿絵画家

●がついた挿絵家は女性向け挿絵で高名な人
数字はデータで拾える作品のはじめと終わりの西暦年
[-]内の数字は日外アソシエーツ社刊「美術家人名事典」にのる作家の生没年
そのあと続くのが最後の掲載誌と作品名

井川洗厓 1907~39[1876-1961] 講談社の絵本124「国姓爺合戦」、代表作は「大菩薩峠」
 大正期は細い線画、昭和11年「少年倶楽部」6月号「怪童惔助」では普通の挿絵になっている
伊勢良夫 1934~67 「小学三年生」2月号「南極のスコット」扉絵
伊藤幾久造 1926~64[1901-1985] 倶楽部 「まんが王」3月号「後藤又兵衛」、伊藤深水塾出身、大正11年より人気と早い
岩田専太郎 1926~60[1901-74] 「週刊サンケイ」7月号「俺は藤吉郎」、伊藤深水師事
岡本歸一 1917~31[1888-1930] 幼年倶楽部 「コドモノクニ」6月号「オヂイサンノオハナシ」
 白馬舎で学ぶ、絵画家の要素が強い
加藤まさを 1922~62 倶楽部 講談社の絵本ゴールド版「空飛ぶ木馬」 ● 抒情的な絵
樺島勝一 1925~57[1888-1965] 「小学六年生」4月号「感激の上陸」、大正11年「正ちゃん」漫画で有名になるが、昭和初期は細密画が特徴
河目悌二 1923~58  キンダーブック : 観察絵本. 13(3) ユーモア絵
小林秀恒 1934~41 「婦人倶楽部」7月号「生産化粧」 ● 妖艶な女性絵
齋藤五百枝 1910~53 「少年クラブ」12月号 
清水崑 1935~71 「文芸春秋」5月号「賛のある肖像画」
須藤重 1921~43  「少国民の友」8月号 ● 抒情的な絵
高畠華宵 1919~55[1888-1966] 「中学生の友」12月号「炎の少年騎士」 中将湯の宣伝で名をなす、美人画の第一人者だが男性像も華麗
田代光 1932~77「太陽」8月号 簡素な線画挿絵を描いてきた(戦前はスパイ物にも絵を描いているが) 1956年 富田有為男作「山のさっちゃん」が塗りの深い絵で印象的だった
田中良 1914~54[1884-1974] ばらのおうじ(小学館の幼年絵本 22)最後は舞台芸術で名をなす
玉井徳太郎 1929~72 「週刊ポスト」21号「美女シリーズ」
富永謙太郎 1933~63 「大衆文芸」7月号「にょろにょろ物語」、菊池寛「心の王冠」(少女倶楽部)がヒット作、彫りの深い女性像で知られる
中原淳一[1913-83] 昭和7年「少女の友」で活躍した
林唯一 1920~65[1895-1972] 「こどもの光」4月号、洋画から出発している
蕗谷虹兒 1921~63[1898-1979]「よいこ」7月号「はなよめにんぎょう」●、大正14年~昭和4年のパリ留学が大きい
布施長春 1932~42「幼年倶楽部」9月号「かごかきとがくしゃ」
本田庄太郞 1912~40 講談社の絵本149 ユーモア絵
松本かつぢ 1935~69 「たのしい幼稚園」9月号「くるくるくるみちゃん」 ●
嶺田弘 1920~62 「小学館の絵本」4-7、戦前から活躍していた挿絵画家、何でも書くのでこれという作品の印象がない
山口將吉郞 1925~65[1896-1972]「大白蓮華」1月号、日本画で帝展入選し、少年倶楽部へ引き抜かれる

これ以外に少女誌にはほとんど書かず、少年誌で高名な挿絵画家も何人かいる
伊藤彦造 1925~65[1904-2004] 「小学六年史」6月号「世界を変えた決定的瞬間」橋本関雪師事、武士ものが極め付け
飯塚羚兒 1927~60「海員」1月号 最後は戦艦絵で有名
鈴木御水 1929~76[1898-1982]「週刊読売」戦争と人間シリーズ 動物画が白眉
村上松次郎 1929~63「三びきのこねこ」(トッパン) 戦艦・兵器の絵で知られる
梁川剛一 1931~70[1902-1961]「こどもの光」9月号「ロダン」 勇壮な物語、怪奇でリアルな挿絵

石田英助、倉金章介、大城のぼるなどの挿絵も書いている漫画家ははぶいている
また石井治、伊勢田邦彦、面谷俊介、永松健二など絵物語作家は省いている

2017年8月17日 (木)

益子かつみ「さいころコロ助」57年後半

「幼年ブック」連載
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9月号本誌7P
信長軍に敵対するかるた族
コロ助はかるた族を打ち破りいろは隊長と対決
追いつめられた隊長は逃げ込んだ部屋の瓶を取る
最後の切り札と、薬を飲むと透明人間となって消える
さっそく信長の命を狙いに向かった

10月号は本誌7P全カラーページ
カルタ城の信長をねらう透明人間
殿を救いに向かう一隊をかるた族が襲う
それを退けたのが駒のかっこうをした黒ゴマ鉄心、信長の家来になりたいという
城には透明になったいろは隊長が忍び込み、信長の首をしめる
鉄心が辺りに灰をまき姿が見えるようになったので逃げ去る
透明人間は夜8時にまたくるといい残した
コロ助が外へ追うと鉄心の姿が見えコロ助は怪しいとにらむが・・

11月号は付録82P(覆面の男、黒ごま鉄心などが表紙)
Masuko5711saikoro
鉄心を敵と思うコロ助が果たしあう
(鉄心はこけし姫をかるた族に取られていてそのいうことに従っていた)
鉄心が駒を回転させるとコロ助の体当たりも跳ね返し、攻撃しようがないと迷っていると藤吉郎が来て止める
信長はカルタ族の根城を調べに行く者を武芸大会の優勝者にしようと大会を開く
そんな時、コロ助は武者修行の駒之助と出会う
駒之助の、回転を見なければ気にならないとアドバイスする
武芸大会では鉄心が強く、コロ助と最後に当たる
駒之助の忠告に従って目をつむって鉄心の回転切りを防ぐ
さらに縄で回転軸を止めて、コロ助が勝つ
信長の命を受けてかるた族の根城を探りに向かうが、どこにあるかわからない
入った山寺で和尚から食べ物がなくなってきたので匿っているこけし姫を連れて逃げてくれないかと持ち掛けられる
時分にはかるた族の居場所を見つける役目があるというと、いろは山を根城にしていると教えてくれる
駒之助が一人、先駆けていろは山に向かったので危うい

12月号付録で詳細不明 

8月の浪漫

どの月にも食事に行って、最後に残った月が8月
今回、行きました 盆明けの時期ということもあるのか、うちの家族だけというのもはじめて
店主の言葉では、盆むけの精進料理風らしいが、なかなかの趣向を見る
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まずが桃のスープ、鶏ガラを少し加えた滋味な一品
続いて、ハモ寿司、うっすらした味がさわやか
お椀は、貝柱でだした白冬瓜の吸い物 昆布・鰹節・しょうゆなしながら濃厚な味がでる
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八寸が
にしん焚き物 下になす・うすあげ
とうもろこしとさつまいもの天ぷら 横につくのがじゃこの三枚おろし・昆布の素揚げ
満願寺とうがらしの唐揚げ
花豆
だっちゃ豆のスープ 水だけで伸ばしている
真ん中がずいきいための酢和え
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更科そば そばの実の中だけ使うのでそばの匂いがしない 上品なでき
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驚くのがはもの茶碗蒸し
 卵がとても柔らかく、はもも皮がのぞかれているので口あたりがいい
 くずのとろみもゆるみがぴったりの具合
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ご飯が、浪漫風冷やし飯
 鮎の出しの冷たいお茶漬けみたいな感じ
 上にカキ氷がのって、花山椒
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くずまんじゅうも驚いたことに、ご飯の終わり頃からくずあんを仕上げるので柔らかい
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吉田郁也

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56年末「少年画報」執筆がデジタルデータに見えるはじまり、それ以来長く活躍した
1960年代は「少女フレンド」からしだいに高学年向けの雑誌に描くようになる
1970年代は大人向け週刊誌に多く描いている
はつらつとした1950年代の絵が美しい
「幼年クラブ」57年6月号からはじまる「特急たんてい」が漫画形式で注目される
街頭でアメリカの人気少女スター、ベッシーがつけていた火星ダイヤが奪われる
その場にいた少年探偵英一が助手(といってもこちらが青年)大助と追いかけて、取り返してトロッコで逃げる
7、9月号は別冊付録でわからない
8月号は、少女まり子と水上ボートを楽しんでいると、まり子が近づいたボート一味黒こうもり団にさらわれる
ボートを追って上がった島で英一と大助がつかまるが
大助が縛られながら足で団長をけって縄を切り、英一とともにまり子を助け、ボブスレーで雪をすべって逃げる
10月号、富士川おおかみ城の持ち主は少女春子、祖父の遺産だというのを狙うのがおじ おじに似た男が化けていたのをつかまえる
11月号、川上博士が発明したものを軽くするKK液、これを黒い火星団が盗んでゆく
12月号、大助とのりこんだ英一はつかまってしまう
1月号、二人を銀のたかという覆面の怪人が救ってくれるが、その豆円盤を火星団の円盤が襲う
 円盤から発射された爆弾でなだれがおきて、豆円盤がまきこまれそうになる
2月号、敵基地につかまるが、川上博士が助けにきてくれ、円盤を奪ってKK液を塗って飛び立つ
 ほかの円盤には重くなるSS液を塗ったので海に落ちてしまい、火星団は逮捕される
 銀のたかの正体はイギリスの探偵だと明かし、なんだかありがたみがなくなる

2017年8月16日 (水)

お盆の食事

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実家へ寄って夕食を
以前は、近くの仕出し屋さんがおいしかったがすでになく
それ以来、寿司屋で取ったりしたがまずまずの味わい

このところ、実家では夕食を作ることが多いので今年は手作り

はじめに緑酢 はも・貝柱・きゅうりを入れて緑酢でかためる 上は梅肉のせ
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焼き魚が鮎、養殖だが今回のものはおいしい
お造りが、焼きはもときはだまぐろ
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煮物が冷やしとうがん
もう一皿は寄せ合わせ じゃがいもとかぼちゃの煮物・ずいきのゴマ和え・焼き茄子
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ご飯を枝豆ごはんにして、お汁はなし
デザートはそのままの桃

とうがんとずいきは冷やしておけるのでこの時期の定番料理になった

益子かつみ「さいころコロ助」57年

「幼年ブック」連載
57年1月号
木下藤吉郎からもろこしの姫(王女)を送り届ける仕事を引き受けたコロ助、だんごさんたち4人
立ち寄った沖縄で、ガラッパや空手坊が襲ってくるがやっつけてしまう
竜のお祭りを見ていると、王女が何者かにさらわれてしまう

2月号は付録50P 怒りをあらわにした赤ら顔の男がコロ助たちの背後でアップになっている表紙]
Masuko5702saikoro
王女は町の手品師のもとへ捕らわれていた
興行の剣投げの的にされていて、男が次々剣を投げつける
コロ助が見かけて近づくと、手品は箱隠しに変わって、王女が箱へ入れられる
コロ助が開けてみると箱には誰もいなくて逃げられる
手品師たちにトランプ小僧が王女は金になると持ちかける
百万円出せと身の代金要求が王のもとへ届く
コロ助が出向いて一暴れすると、手品師たちはタッコンという化け物を壺から甦らせる
出てきた化け物はタコの大きな入道
なんとかまいて逃げてきたが、姫を救いに行っただんごさんがつかまってしまう
助けに行ったコロ助もだんごさんを人質にされ縛られるのに任せる
王女は宝のありかを白状すると弱気
失意の王女はトランプ小僧を見て仲間がつらい目にあっているのにあなたは日本人なのと言われたトランプ
トランプはハーフなのだが、さすがにこたえて王女を救う
そのトランプ小僧をタッコンが踏みつけてつぶしてしまう
タッコンはさらに縛ったコロ助たちに火をふきかけるが、縄が焼き切れて、タッコンの口に水を注ぎ入れ倒す

3月号
送り届けた唐土の国で王女を迎える西洋人宣教師、東西南北は一癖ありそうな男
ガレー船の漕ぎ手たちが反乱を起すのも不満の爆発らしい

4月号
王のもとに王女を届けるが、東西南北がコロ助たちが姫を奴隷扱いしたとうその訴えをする
いじめた罰として、コロ助たちは虎に食わせる刑にされる

[5月号は付録 弁慶のような敵を相手にしている表紙
コロ助は敵一味に襲われ水へ逃れて無事
城へ戻ると、王女を町で見かけたという知らせがあって王様みずから探しに行こうとする
これは罠と感じたコロ助は止めるのだが・・]

6月号
大悪人東西南北(てんぐ鼻の西洋人)との対決
せっかく押していたコロ助が誤って大釜の中に落ちてしまう
東西南北はふたしてコロ助をゆで殺そうとする

[7月号は付録98P] このあたりで唐土の巻は終わったのでは?
[8月号は付録82P]

「筑摩少年漫画劇場」6巻目内容は「ピンポン小僧」の巻
黒手組と戦うコロ助にピンポン小僧という強敵が現れる
ピンポンのように飛んで来るのでつかみどころがない
カラスのカア公がさらわれ、おびき出されたコロ助はピンポン小僧と対決するが
逃げ延びて城へ戻るとクロテガ神父が来ている
実は神父は黒手組の回し者、信長の姫がさらわれると大徳寺にいると占う
信長一行がかごで寺へ入ると床ごと下へ落としてしまおうと企んでいる
探りに行った目明かし平次もつかまり姫と床下に縛られ殿ともに始末してしまおうという魂胆
コロ助が一足先に助け出し、姫の身代わり人形を置いて無事
コロ助がクロテガ神父の手形を取ると黒手組の印と同じだと判明、神父が黒手組の親分だとわかる
この物語が何年の何月号掲載分かわからないが57年8月号あたりではないだろうか?
あるいは57年12月付録あたりか?

湯川久雄

初期1953年ころは動物をうまく描く作品が多い、人物も少年少女が光っていた
54年「幼年クラブ」1月より連載の「白馬の女王」は野生の白馬を飼いならし競馬に出場させる物語
たけし、はるみがならしたしろを東京付近の牧場へもっていったが
野生の気質ゆえ、牧場になじまず、騎手の黒木さんとはかみあわない
一度、山へ返した時、しろは足をいためたが、はるみの病気を機に黒木さんもしろと折り合うようになる
しだいに足もよくなり、最後は競馬競争で優勝する
Yukawa55dokuro
「幼年クラブ」や学年誌に描くことが多かったが、55年「ぼくら」に描いた「疾風どくろ騎士」は異様な雰囲気を漂わせる

2017年8月15日 (火)

お盆の会食:ベンベヌート

P170815benbe01
お墓参りの帰りで、どこも混んでいる
一週間前の予約で近くのイタリアンへ
前がまあまあだったのであまり期待していなかったが、けっこうよい出来
2300円の主菜入りコース
前菜
かんぱちのカルパッチョ、チーズの薄焼きの下に隠れているのがフリタッータ(イタリア風オムレツ)
スパゲッティはトマトと飛び子のトマトソースを頼む
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主菜がアクアパッツァ
鯛とムール貝を使って無難な味に仕上げている
アクアパッツァはむつかしくおいしいのに出会ったことがない
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デザートは葡萄ゼリーにソルベ、ティラミス、ソースはマンゴー
ティラミスがちょうどいい味付けになっている
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これにコーヒーが付くランチはお徳用

益子かつみ「さいころコロ助」56年掲載分

「幼年ブック」56年

1月号8P
信長と姫を城に閉じ込めて燃やそうとする今川軍
コロ助がかけつけホースの先をサイコロに付け放水して消し止める
殿と姫を逃がして自分はとらわれのコロ助
トランプ小僧がコロ助にすり替わって信長軍へ潜入するといって包帯を顔に巻いて出て行く
藤吉郎はそれを怪しんで、単身、今川城へ駆けつける

2月号
藤吉郎は今川軍からコロ助を助け、さらに巻物を取って逃げようとしているのを見つかる

3月号
なんとか集英城信長のもとへ逃げ帰るとニセ者のコロ助がいる
包帯男はトランプ小僧とばれてコロ助と戦い、トランプ小僧の刀が木にささってコロ助が勝つ
負けた敵は切らないとコロ助が命を救う
藤吉郎が今川城から持ち出してきた巻物はいなば城を狙う密書とわかる
信長は、いなば城をさぐりに藤吉郎を派遣したのでコロ助もお供する

4月号は付録

5月号
いなば城の図面を奪った藤吉郎とコロ助はトランプ小僧にみつかる
図面はカラスのかあ公がくわえて逃げる
天平を人質にして図面を返せと要求してくる

6月号
八蜂組という野武士が、図面を横取りしてしまった
藤吉郎は熊の毛皮をかぶってわざと捕獲され、野武士の巣窟へもぐりこむ

7月号付録 詳細不明

8月号付録(カブトを被ったコロ助の像)48P(国会デジタル)
Masuko5608saikoro
かあ公を人質にコロ助を呼び出したトランプ小僧
かめのこたわしの助がコロ助に加勢してトランプ小僧を川に落とす
コロ助はそんなトランプ小僧も助け出す
織田軍集英城に戻ると殿さまは、マージャン小僧という武者を新たに雇い入れていた
マージャン小僧は強くてしだいに集英城の実権を握り始める
武田城の様子をさぐりに行ったたわしの助は敵兵に化けたのがばれてしまう
つかまり処刑されるのをコロ助が救う
武田城では戦争が近づいていると、姫をひなんさせる
それをさらうマージャン小僧
戦争を好まないコロ助はマージャン小僧を倒して姫を戻そうと向かうが
武田軍はすでに進軍をはじめ、トランプ小僧は武田軍のダイナマイトを持って出た

Masuko5609saikoro
トランプ小僧よりダイナマイトを奪い取ったコロ助は荷車を引いて一本峠へ
峠の上から見ると、おりしも峠道両側から上ってきた武田軍と集英軍がはちあわせするところだった
コロ助は闘いを始めるならダイナマイトを投げつけると脅して、両軍をひかせることに成功
戦さもなくなったし、集英城の殿様は幼子姫を城へ呼び戻そうとする
マージャン小僧はトランプを誘って幼子姫をさらう
さらわれた姫を取り戻すためコロ助は単身、武田城へ向かう
武田城で、コロ助は武田軍に志願すると申し出るが、武田側についたマージャン小僧がその場に現れる
コロ助のたくらみを知っているマージャン小僧の告げ口でコロ助はつかまってしまう

10月号
集英城の幼子姫を救いに武田城に忍んだコロ助は、マージャン小僧の裏切りのためつかまり銃殺刑になる
集英城の侍を眠らせて攻めようと、マージャン小僧が出てゆく
生きていたコロ助が知らせに武田城を出ようとすると、花火が上がって中国の海賊が攻めてくる

11月号
武田城を攻める海賊、集英城の姫は解放されるが、城の外は海賊の群
コロ助が原爆ランチを食わせて姫を連れて逃げ出す
武田城が海賊に押されているので、藤吉郎も加勢してコロ助が助太刀に行く

12月号付録50P(中国風の塔を背景にトランプ小僧と戦うコロ助の表紙)48P(国会デジタル)
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集英城を乗っ取り根城にしている海賊、馬の骨
中ではトランプ小僧もつかまっている
コロ助は屋台を引いてきてラーメン屋にばける
大将は城に入れるなと反対するが、ラーメンのにおいを漂わせると家来たちががまんしきれない
そこでラーメン屋台を中に入れるため門を開ける
中へ入ったコロ助の活躍で海賊を倒すのに成功
捕まえた一味は乗ってきた海賊船に投げ込んで逃げ帰らせる
その船が沖に出た頃、中で騒ぎが起こり、海にだれか飛び込んで岸に泳いでくる
助け上げると海賊にさらわれていた唐土のお姫様
信長の命令で唐土の王女を故国へ連れもどすことに
海賊の船が近くにいてはじゃまだと、コロ助がのこぎりをプロペラのように回して空を飛び、海賊船の帆を切って進めなくする
唐土姫はお礼に宝もののありかを教えようとコロ助にいうが受け取らないコロ助
それならとトランプ小僧が申し出るとあなたには教えないとすげない
食料が足りないので立ち寄った沖縄
海賊たちも寄港していて、トランプ小僧は宝の話を馬の骨に教えて王女をさらうよう持ちかける
馬の骨たちが王女をさらって逃げたのを追うとその先には巨大なかっぱの怪獣ガラッパが現れた

萩原孝治

Hagiwara60utyuu
小松崎茂風の絵物語から出発している
1960年ころは漫画形式の作品もいくつか残して、60年代には挿絵に移る
その漫画では1960年兎月書房から発行された「宇宙少年」1号の「宇宙のアクマ」
70Pほどの作品で、冒頭から細密な挿絵出身の画家がアメリカンコミックをならって描いたようなさえを見せる
そころが36Pより簡素な漫画風に変わるのがとてもいいかげん
漫画風の絵もいくぶん人物がふっくらしてきて味がある

木村博士の宇宙ロケット開発の書類を盗む一味
一味は宇宙人かとも思える円盤を使って、ロケット発射を阻止している
博士は小林助手を孤島の基地に案内して豆ロケットをみせる
敵一団の秘密基地を発見しろと送り出す
小林助手じゃ世界を回り、一味の基地をさがしサハラ砂漠に見つける
博士の破壊光線で敵基地をつぶして物語はあっけなく終わる
円盤の絵に迫力がある

2017年8月14日 (月)

益子かつみ「さいころコロ助」55年後半から戦国時代版

[ ]にくくった付録はネットで散見する内容をまとめたもので全容は未読

[8月号が付録角判86P]
時代は日本の戦国時代
コロ助はさいころ家に伝わる家宝の人形
さいころ家を復興するために立派な武士になろうと武者修行の旅をしている
仕える殿様をさがしているとトランプ小僧に出会い「家来になれ」といわれる
トランプ小僧はこのあたりでは少しは名の知れた侍、他にも将棋の角を描いたしょうぎの駒助などがいる

9月号
コロ助は木下藤吉郎について織田軍側の侍となった
対する今川義元軍には、トランプ小僧がついてはかりごとをめぐらしている・・というのが9月号に書かれたそれまでの粗筋

つり天井がある部屋に入れられた信長一行
コロ助が牛に壁を引かせて救う
城に戻ると明智光秀がいて、信長から役にたたない奴だと怒られ、深く恨みを抱く
トランプ小僧がそこにつけいって信長をやりこめるのに手を貸すという

10月号
信長への贈り物の箱を光秀が運んでくる
中にはトランプ小僧が刀を抜いて待ち構えている
見抜いたコロ助は、箱をぐるぐる回してトランプ小僧の目をまわさせる
出てきたトランプ小僧、光秀が「殿の小姓として差し上げるのだ」とごまかしてしまう
信長はおもしろがって、勝った方を姫の小姓にしようとコロ助と勝負させる
勝負は一本ずつ取り、三本目はコロ助が取るが、トランプ小僧は姫をさらって逃げる

11月号
姫が今川城へ連れられたと聞いた信長はみずから出向いて行き、つかまってしまう

[12月号付録角判84P]
トランプ小僧となかよくするふりをして今川城へ入ったコロ助
今川軍はその頃、山賊に手を焼いていて、殿様みずからが出陣して戦さがはじまる
このすきに信長を助けて逃げようとするコロ助

高荷義之「巨竜の川」55年

Takani55kyoryuu
「少年」夏増刊号8P
島田一男の作品に絵をつけているが、冒険絵物語となっている
高荷さんは小松崎茂に師事し、この年3月に挿絵でデビューしたというから絵物語としてははじめの方

舞台は中国奥地
石人島のサメに毎年生け贄を捧げる村人
少女ミミが生け贄となるが父が替わって犠牲となることに
担架にくくりつけられ運ばれる父を見てミミは悲愴な面持ち
古城探検隊についてきた少年助手日出夫は憤る
魚が捕れないため少女を生け贄にするのは許せないとダイナマイトをサメにぶちこむ
石人島がくずれさり、大金国時代の古城が島の跡に現れる
サメは死んで、魚の大群が戻ってきて、魚沼族に幸せが訪れるという内容

高荷さんはこの後、「少年」を中心に少年誌に描いて行く
精緻な影の付け方は、小松崎さんとはまた違って美しさを持つ

2017年8月13日 (日)

益子かつみ「さいころコロ助」55年

「幼年ブック」2月号
コロ助たちの活躍を知った、カルタ王国が、サーカス用の虎を一匹ずつつかまえてくれと依頼してきた
コロ助とゴロゴロレスラーが頼みを引き受ける
その頃、しごろく君は、悪人から逃げていたカルタ国王子を助け、カルタ国へ同行してきた
国のフリダシ大臣が張本人で、王子としごろく君はつかまってしまう
一方、虎をつかまえてきてカルタ国へやってきたコロ助たち
王子の姉アガーリ姫が、捕らえられた王子たちを救ってくれと願い出る

3月号は雑誌の所蔵がない
4月号が付録
Masuko5505saikoro
5月号8P
ここまでで国王がなくなったのか、フリダシ大臣は露骨に王位を狙う
王子とアガーリ姫を格闘場へ入れて、観衆の目の前で虎をけしかける
しごろく君・ひふみさんでは助けにならず、ゴロゴロが一人相手をするが虎の力を防ぎきれない
闘技場へ向かったコロ助は番兵に止められ、袋にのって蜜蜂に運んでもらう
蜜を虎にたっぷり食べさせ、蜜の乗った袋を大臣に投げると虎は大臣に向かう
このすきにみんなで丸太小屋に逃げ込むが、火を付けられ窮する
うまい具合に下が地下道につながっていて、さきほどの虎の宿舎へ出た
虎はさっきの蜜のお礼をいって、警備兵を押し込めるのを手伝う
コロ助たちはフリダシ大臣の戴冠を阻止しようと宮廷へ急ぐ

6月号は雑誌の所蔵がない

7月号本誌
海賊の大砲でコロ助が撃たれて飛んでしまうが
ワシがコロ助をつかまえ巣へ落とす
そこにはミー公、ナナちゃんが先にワシにつかまっている
コロ助は食べようとするワシの口をサイコロ穴ではさんで降参させる
コロ助は続いて海賊船にとらわれのひふみ・しごろくたちを救う
海賊たちを海へ落として日本へ戻ろうとすると、船に積んである奪った宝ものの箱からトランプ小僧が現れる
トランプ小僧は「開けてくれてありがとう」と雲に乗って飛び去ってゆく
ここで本誌が終わり、7月号は付録へ続く
ひふみさんやしごろく君たちに「あれは誰か」と聞かれたコロ助
現代で目覚めるまで、家宝として眠っていたコロ助が活躍していた戦国時代の話を始める
(コロ助は木下藤吉郎の家臣で、敵対する今川軍についていたのがトランプ小僧)

白井哲

Sirai56hyou
56年まで細密画、とりわけ動物を緻密に描いた絵はすばらしい
「少年クラブ」55年連載の「獣人ゴリオン」ではゴリラの怪獣を主役にもってきた
異様な雰囲気で、怪奇ものにも描くようになる
「中学生の友」55年4月号~一年間連載の「ひょうの谷」が筆致のすさまじさを見せる好作品
その後、しだいに簡素な絵に変わり、59年にはユーモアものにも範囲を広めた

白井さんの本領は55年、56年ということになる

2017年8月12日 (土)

益子かつみ「さいころコロ助」の初期

コロ助はちょんまげはしているし、腹面四つ穴の左下に刀を差している武士姿
当然、戦国時代の話だと思う
かいまみる付録や本誌でも時代劇しかでてこないが
道立図書館で一番古い「幼年ブック」1954年7月号を閲覧して現代ものだったので驚いた

コロ助のモデルとなったタンクタンクローがちょんまげ姿で現代戦で活躍するのだから変ではないか
55年8月号で戦国時代回想に入るまで二年間ほど現代ものだったことになる

連載開始が1953年10月号あたりとすと一年ほど内容が知れないのが残念
あかしや書房から単行本が出ていたようだが、三巻本なのでこのあたりも含まれるのか?
連載当初には、サイコロ形でちょんまげのコロ助が現代に甦る逸話が描かれているはず

ともかく54年後半の連載をまとめたものを再掲しておく
Masuko5407saikoro
54年7月号8P
ひふみさんとしごろく君の所へ現れたコロ助
運転できないのに車に乗ってつっこんでくる というのが7月号のところ

自動車で疾走する場面がうまくいかず困っている監督
その前に、おあつらえの車(コロ助の暴走車)が走ってきてこれをカメラに収めて撮影がうまくゆく
乗っていたのがコロ助で、ひばり女優のひばりさんと会って、撮影所を案内してもらう
侍が剣を抜く場面は本物と思ってむかっていくなど失敗ばかり
ひばりさんの車で戻るが、途中落とされて、遅れて着くと、ひばりさんが銃で脅され悪人に連れ去られる
コロ助はこれも芝居だと思って、家に入ると縛られたお父さんから誘拐だと知らされる
ひふみさん・しごろく君が警察にコロ助捜索を頼みに行っているところに飛び込んできたコロ助
ひばりさんを返すため100万円持ってこいという脅迫状が入りこむ
警察に知らせるなとあるのでしごろく君が持ってゆくのにコロ助もお伴

8月号
さらわれたひばりさんと身の代金との交換
犯人は人形のひばりさんを渡して、金をうばってヘリで逃げる
しごろく君が、コロ助をヘリに投げ、機内で暴れるコロ助だが、海へ落ちてしまう
コロ助は亀に乗り、カモメに乗り、親玉の船へ向かう
カモメに警察への手紙を託すと、残りのカモメたちに錨をつけて持ち上げる
犯人たちの上へ落とそうとしているところを見つかってしまう

9月号
錨を落として、船の中へ逃げ込んで見つからないコロ助
料理に眠り薬をまぜると、犯人たちはみんな眠ってしまい、つかまったひばりさんを救出する
ところが船を運転する者がいなくてかってに流されてゆく

10月号 3Pで付録へ続く
Masuko5410saikoro
コロ助一行を乗せた船が魔法使いばあさんの島へ到着する
コロ助たちを乗せた船が進むと島のトンネルが開いて中へ入る
ばあさんがいてごちそうをしてくれるが、魔法使いでみんなを豚に変えて食べるつもり
それを知って止めようとしたコロ助がばあさんに魔法の杖でぶたれる

11月号
コロ助は首をひっこめサイコロとなって魔法使いばあさんを油断させる
ばあさんが魔法の杖を放した時、奪い取る
魔法の杖はふると人間をブタにする
それで海賊たちをブタにして出航する
一人だけ船員をブタに変えずに船の運転させていたコロ助だが、ビンにつめられてしまい海へ流される
船は、ブタにされたひばりさんや海賊たちを乗せ、ブタの貨物船といったあんばいでニューヨークへ着いた
その頃、しごろく君はひろみさんと警察の船でコロ助たちを捜しに出発していた

12月号
コロ助もアメリカへ漂着して、ひばりさんを探す
入港したブタをドクロ団の親分が売りさばき、コロ助がかけつけた時は、ひばりブタを乗せた列車が出発したところだった
ひばりブタはブースカサーカスへ売られてゆく

55年
1月号
ひばりさんを追ったコロ助もブースカサーカスへ入れられる
そこで人気者となり、ねたむゴロゴロレスラーから試合を申し込まれる
コロ助はサイコロの形になってゴロゴロを負かす
ひばりさんが豚肉料理にされる寸前、コロ助が人間に戻して一連の話が完結する

少年誌中心の挿絵家たち

次の作家は戦後に活躍したが、少女誌にはほとんど描いていない作家

岩井川峻一 1952~55 「少年」8月号「猛獣撮影隊」、動物の細密が多い、人物の顔はちょっとへた
古賀亜十夫 1951~84 「小学二年生」7月号「アルプスの少女ハイジ」
霜野二一彦 1937~70 「小学六年生」8月号「世界最高峰への挑戦」
白井哲 1954~62 「中学時代三年生」5月号「二十世紀の神秘」、動物の細密画が得意
高荷義之 1955~87 「丸」6月号「世界の名戦艦」
萩原孝治 1953~70 小学館の幼児絵本「きょうりゅうのいろいろ」
柳瀬茂 1950~64 ポプラ社「怪盗ルパン2」
湯川久雄 1953~64 「ぼくら」5月号「きみのしりたい探偵術」
吉田郁也 1956~95 「週刊現代」44号「ゴルフ100を切るヒント」

古賀さんは塗り中心の絵、少女誌は少ないが「少女ブック」54年の「コゼット物語」がいい
Koga54kozet
霜野さんはいくぶん簡略な挿絵を通した画家、その分活躍時期が長かった
柳瀬さんは深い塗りの絵、少ない少女誌連載ものとして「少女ブック」56年、陣出達朗作の夢姫捕物帖がある
Yanases56yumehime

2017年8月11日 (金)

益子かつみ「さいころコロ助」の開始時期

連載に関するデータは
「幼年ブック」1954年4月号新連載
1955年4月号、8月号、12月号付録
1956年4月号、7月号、●8月号、●9月号、●12月号付録
1957年●2月号、5月号、7月号、8月号、〇●11月号、12月号付録

1958年「幼年ブック」改題「日の丸」
1958年〇●2月号、◎6月号、9月号付録
12月号最終回

「少年ブック」1964年9月号再開連載、1965年3月号最終回
1964年●12月号付録
(●は国会デジタルデータで読んだ分、○は国際児童文学館所蔵、◎は道立図書館所蔵
 今回調べて64年12月号も所蔵があるとわかった)

国会図書館の蔵書検索では付録本が出てこない
国会には付録がないと思い込んでいたが、今回デジタルデータで検索すると付録本が数冊あった
さっそく出向いて閲覧すると確かに付録本で未知のものを5冊閲覧できたのが収穫
それでも1955年以前のものは付録本はもちろん本誌もほとんど所蔵がなく全容はわからないまま

現在、比較的手に入りやすい復刻は「筑摩少年漫画劇場」1970年発行の6巻目だろう
武内つなよし「赤胴鈴之助」、白土三平「死神剣士」との組み合わせ
「さいころコロ助」のページ数が80ページほどなので一回分の付録を収録したものだろうが
これもいつの掲載かわからない
確認しようと本を探すが見当たらず、どうも文学館で読んで、買わなかったらしい

今のところある資料だけで推測することに
なんといっても新連載の時期が問題
HPで1954年4月号としていたが、これは根拠がみつからない
1958年4月号扉に「連載55回」とある
これが確かだとすると、増刊号に掲載がないとしたら、1953年10月号が連載開始の号
「幼年ブック」はこの年の9月号が創刊で、これは文学館にあって確かめているので「コロ助」掲載がないとわかっている
創刊の次の号から連載が始まったのも考えられる
ちなみに増刊号は「幼年ブック」では1957年の夏に一度だけでている
この時には連載何回となる掲載はないと思われる(もしあっても特別バージョン)
1958年改題の「日の丸ブック」は正月・夏・冬と増刊を出しているが4月号までには正月号だけ
ここに連載があったとして、「コロ助」開始は1953年11月号となる

もりやすじ

Moriy54okoringo
あまり名が知られていないかもしれないが忘れられない作家さん
1952~62がデジタルデータに見える掲載年
最後は「小学館の幼稚園」8月号
低学年向けに描いていた作家だが絵がかわいい

雑誌を読んでいた時、特に印象深かったのが「おこりんぼむし」
54年「少年クラブ」1月号より一年間の連載
顔はねずみで背中が亀、足はうさぎのような手毬くらいの生き物
怒ると3メートルほどにもなるのでおこりんぼむしと名付けられるが
猿回しのおじさんが山中で拾って、町で見世物にしたら暴れ出す
2月号
山へ戻ったおじさんは冬の時期、食べ物を取るため鉄砲をもってでて足を滑らせおおけが
雪の中、猿だけでは運べないのでおこりんぼむしを大きくして運んでもらう
3月号
町へ出たおじさん、牛の力比べで、牛がかかってきておこりんぼむしは大きくなって投げ飛ばすが自分も逃げ出してしまう
4月号
山奥で一人暮らす少年に拾われて暮らすようになる、嵐で飛ばされて少年が探すと猿回しのおじさんと会う
5月号
蝶と楽しく遊ぶおこりんぼむしを学者が見つけて、動物園の人ととりあいになる
6月号
騒ぐので里へ下りてきたおこりんぼむしを、見つけた金持ちのおじさんが火に入れたので怒り出す
7月号
少年がおこりんぼむしを見つけ、旅に出る
8月号
港へ着いて、仮装競争で一等になる、これを見た魔法使いが虫ほしさに少年ののぞみごとをかなえるという
9月号
里が雨がなくて困っているので少年は雨を望み、ふりだしたのはいいがその間に虫は逃げ出して
10月号
追った少年が川に流され、虫は大きくなって助ける
少年は魔法使いに文句を言って、許しになくなった両親を今一度見せてもらう
そこへ、猿回し、学者、動物園の人がやってくる
11月号
少年は虫を動物園に譲ることに
園では猿たちにいじめられ、大きくなったおこりんぼむし
猿たちが恐れて許しをこうと小さくなったので、猿は虫を投げ飛ばす
12月号
虫は飛んできた梟に食われ、様子を見に来た少年が梟を見つけ、動物園の人へはき出させてもらう
おこりんぼむしは生き返るが、父母のところへ帰りたいと鶴に乗って山へ帰って行く

アイデアがおもしろい話だが、展開は今一つで最後はあっけない
森さんの描く絵がとてもよくあっている
初出は52年「小学一年生」8月号のフィルム漫画、こちらも動物絵がかわいい

2017年8月10日 (木)

益子かつみ

Masuko5710saikoro
挿絵画家の確認が終わったところで、漫画家に戻る
文学館で読み残した作品や、まとめきれなかった部分を、国会デジタルデータで補っていく

最終回が読めなかった石川球太「ザンバ」や野呂新平「星の子」など貴重な資料があるが
最初は益子さんの「さいころコロ助」の不明部分をできるかぎり埋めてみたい
1950年代の後半でもっとも手広く少年少女誌に描いていた漫画家は益子さんだと思う
手塚さんも四コマも含めて広い範囲で描いていたが、少女ものは限定的だし、ユーモア部分が薄い
それに比べて益子さんは少年、少女誌に同じように描いて、リアル絵もユーモア絵も巧み
「怪球Xあらわる!!」以外あまり知られていないのは残念

一番長い連載の「さいころコロ助」は筑摩書房から付録一回分くらいしか復刻されていない
初期の掲載誌、「幼年ブック」は北海道立図書館にいくらか所蔵があるくらいでほとんど出回らない
そのため、全容が知れない最大作といえる
また、デジタルデータを見ていて、1964年「少年ブック」で「さいころコロ助」が再開しているのもはじめて知った
その紹介とあわせて「さいころコロ助」を見直したい

前谷小太郞(しょうたろう)

Kuwata56farasino
少女雑誌に挿絵を描いていた作家のリストに入れなかった人を2人
前谷さんと森さんでまず前谷さん

桑田次郎作品リストを見ていくと、「あらしの花ぞの」というものがある
「少女」1956年夏増刊号だが、ここで桑田さんは原作者
漫画絵の方は前谷小太郎と聞いたことのない人
はじめは桑田さんが「ソレイユ」とかの雑誌風に描きたくて偽名を使っているのかと考えたのだが
桑田さんの絵は絵物語にそれても、モダンな少女風にそれることはない
前谷さんはれっきとした挿絵家で、単独の単行本はないようだが、1950年代は「少女」などに挿絵を描いている

まつざきあけみさんのブログ、1955年「少女」10月号の項目に詳しい(その号の目次イラストが前谷さん)
それによれば、55年以前は普通の挿絵だったのが、55年になると突然、中原淳一風絵となったらしい
この手の絵柄で漫画を描くのは、高橋真琴さんの影響があらわれた1958年以後なら受け入れられる素地はあったでしょうが
1955年では早すぎる絵柄でした
1955年というと雑誌がA6判からB5判へ切り替わる頃でビジュアル化がいっそう進む
そういう時に、読者が選んだ少女像は中原流のモダンスタイルではなく、勝山ひろし流のしっとりした姿だった
作品内容もまだ母ものが多い頃だったし

2017年8月 9日 (水)

太平洋文庫

国会図書館(関西館)ではデジタルデータで貸本単行本を読み始めている
貸本大手の若木書房は納本がなかったのでほとんど所蔵がないが、太平洋文庫はかなり冊数がある
1950年代はじめはあまり見るべきものもないので、1954年~1956年あたりから読む
そこで気づいたのは、1950年代後半貸本単行本に見られる、スリルを感じさせる要素や母がからむことが多い悲しい物語がほとんどないこと
絵自体がほんわかしたものだからスリルや悲しみを現すには十分でないことが大きな原因だろう
冒険ものもリアルな絵をつける絵物語や小説類に主体があった
漫画作品の話題は、小説や物語、講談など戦前から人気があったものを使っている
作者自身の中から生まれてきた物語が描かれていないため、作品はおもしろみのないものが多くて残念

吉岡あきら

Yosioka57sasurai
55年「少女」後半連載の村崎守毅「海に咲く花」
56年「少女ブック」中山淳太朗「さすらいの二つ星」9月号~12月号の連載しか見えない
「さすらいの二つ星」新連載扉絵が美しく気になった作家さんだがどちらの連載も勝山ひろし風の絵が基本
絵はあまりうまくないようで、56年連載でも時々構図が変、顔立ちが整ってなかったりする
このあたりが短命に終わった理由でしょう
「さすらいの二つ星」は人気少女スター葉山サユリとそっくりなかよ子が撮影所で入れ替わったばかりに騒動に巻き込まれる物語

2017年8月 8日 (火)

高橋一夫(太田加英二)「仙女とお姫さま」55年

Ootaka55sennyo
太平洋文庫、130円、B6判128P
越後の新発田六万石
姫は自分が仙女とどちらが美しいか気にしている
小姓小四郎に比べさせ、人間味があるが美しさは仙女が上を言われる
憎んだ姫はかんざしを投げ仙女を追い返す
怒った仙女のため、藩は気象異常で次々不幸が起きる
さらに江戸からは日光東照宮改修の命令が寄せられる
かかる費用は三百万両だが、藩には三千両の余裕しかない
絶望する藩主を前に、小四郎は決心する
小四郎は仙女に謝るため山へ入る
仙郷へ招かれ、仙女の恨みも和らいだ時、返される
気が付くと小四郎は剣龍峡にいて、洪田家の宝を見つける
宝を狙う二組の悪党がいることも仙女から教えてもらい、ひそかに宝を運び出しておいた
宝は悪党にさらわれるが偽物で、藩に活気が戻る
城には仙女のさびしげな笛音が響くのであった

ちょっと単純な話
太田加さんの絵もあっさりしすぎている

山本康代

Yamamoto56mizuiro
国会デジタルデータでは56年「少女クラブ」5月号で「心の真珠」
58年きんらん社から発行された単行本「赤い草笛」の2作品を確認できるだけ

自分の複写では56年「なかよし」に連載された香山滋作「水色のなぞ」(つづきたんてい絵物語となっている)
そこでは糸賀さんをもう少しすっきりさせた絵柄がうかがえる
なかなか美しい絵で印象に残っているが、山本さんの名を記憶するのは「赤い草笛」による
なんとこちらは漫画形式、挿絵出身らしく、モダンな絵柄で動きはすくないがしゃれた感じで好感がもてる
内容は病いの母を助けるため歌うバイトをする少年正次が劇薬をあびて一線を退いた歌手の息子とわかり
正次の歌も認められ、楽長さんが実の父親だと再会できるという、わりとありそうな物語
これだけの書き手が、少ない作品で終わったのはどうも
だれかの別名義かもしれないが・・

2017年8月 7日 (月)

太田二郎「坊太郎天狗」54年

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太平洋文庫、130円、B6判128P
紀州の家老四宮甲斐守の悪だくみで酒を飲まさた安藤彦十郎
酒癖が悪い彦十郎は殿の大事な器を割ってしまい、甲斐守の進言で切腹に
父が江戸から戻ると息子は切腹になっていたが、安藤は落ち着いている
甲斐守は安藤に毒を飲まそうとして見つかり、自分が切腹になる
甲斐守の息子源八郎はそれを聞いて仇討ちに紀州へやってくる
町できくと安藤氏を悪くいうものがなく自分の父が悪人だと知る
安藤屋敷に出向くと安藤氏は討たれるつもりで待っていた
非を謝ると安藤氏は丸亀藩への就職を世話してくれた
丸亀藩では源八郎の腕を憎む指南役堀氏が闇討ちをかける
母子はお寺に身を寄せ、子、小太郎は小僧になっていた
たまたま江戸からやってきた片岡氏に父の非業を聞いて武芸をみがいて仇を討とうと考える
黙って片岡氏の乗る船に乗り込んで江戸へついていき道場で修行を積む
腕をあげて紀州へ戻るのに道場の達人、大道寺と辻が同行する
先に堀道場へ乗り込んだ大道寺たちは試合を申し出て堀氏の腕前をみる
適当に負けて、今の小太郎では勝ち目がないと、こてんぱにやられたとうそをついて江戸へ連れ戻す
出直して二年、大道寺、辻にも勝つようになったのが小太郎18の時
世話になる水戸公に話すと、堀を紀州藩に足止めする策を練ってくれる
紀州藩には、江戸から向かう大道寺、辻に10本中一二本でも勝てば江戸指南役に召し抱えると知らせを入れる
あの相手なら勝てると喜んでいる堀の前に現れたのが小太郎
父の仇討ちを知らされ、藩主の御前で試合がはじまる
みごと仇討ちを果たすラスト

丸山佳子

  • Maruyama59taiyou

1959年「なかよし」1月号新連載の小沢はつえ作「赤い太陽」に描いている絵が印象的で複写をとっている
10月号まで続いたようだが、文学館では小説は読んでいないので内容は確認していない
国会図書館は「りぼん」「なかよし」をまだデジタル化していないので、現在通う関西館では確認できなかった
また、デジタルデータでは、丸山さんは1961年から63年にかけて講談社の絵本3冊に描いているのが出ているだけ
今のところ、一番なぞの多い挿絵画家さんになる

2017年8月 6日 (日)

下山長平「おもかげ太郎」54年

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太平洋文庫、130円、B6判128P
山でけむりがあがるので知らない人間が住み着いていると村人がうわさする
三平少年が様子をみにいって浪人伴大作が山暮らしを始めたとわかりみんな一安心
代官が横柄な人物で、ばあさんがお辞儀をしなかったと耳が遠いのも聞き入れず、代わりにと息子の才助をしょっぴいた
これを嘆いた三平は伴先生に頼んでとりなしてもらう
大作は代官所に乗り込んで腕ずくで才助を取り返してくれた
三平に語るには、大作は江戸に住む武家の長男
母はなくなり義母が我が子に家督を継がせるため大作を暗殺させる
暗殺は失敗、狙ったのが下男だとわかり義母の仕業と発覚して、義母は自害する
父は許さないが、家督を義母の幼子主税(ちから)に譲ると書置きして江戸を去った

代官に父がとらえられた姉弟
父を出すのに必要な金銭を上州屋に借りてくるが、途中、賊に金を奪われる
弟が抵抗し、賊が上州屋の手下とわかる
上州屋に乗り込んだが追い返されるばかり
代官と組んだ上州屋の悪だくみをみた大作が代官屋敷に乗り込む
代官は話を聞いて、父親を明日返すと偽って、村へ役人を差し向ける
大作は江戸の友人本田兵馬に手紙を出していた
今は上役になっている兵馬は密偵に調べさせ代官の悪事を調べ上げていた
大作逮捕の役人が向かうころ、江戸から通達が届き、代官は逮捕される
兵馬が村へきて大作に戻るよう説得するが、翌日大作は置手紙を残していずこと知らせず去っていた

下山さんは初期からしっかりした絵、話は芯がなくて物足りない

松本昌美

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1950年ころ、もっとも美しい少女絵を描いていたのが松本さん
「少女」「少女クラブ」「少女ブック」といった商業誌が隆盛を極める1955年ころから作品がみられなくなる
その中でも「少女」に54年4月より1年半連載した小糸のぶ作「ここに幸あり」が注目される
松本さん本来の頬がふっくらした美少女像が描かれているが
それ以上に座りポーズなど他の作家が描かない姿勢を描いて少女の美しさを見せているのがおもしろい
このような全体ポーズを描くのはこの人以外知らない

2017年8月 5日 (土)

篠崎寿「あばれ金時」54年

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太平洋文庫、130円、B6判128P
篠崎さんのこども絵ながらすごみを含んだ絵がさえる
物語があちこち飛んで、金時の出番はほとんどない

加藤清正が見出した熊を退治するほどの怪力少年金時、豊臣秀頼に仕える
そのころ、豊臣側の花見丹後守の一行が襲われ、急場を加勢した龍虎之助が丹後守に仕えた
実は賊としめしあわせた芝居で、龍虎之助は家康のスパイ
松村大膳が怪しむのを聞いて、龍虎之助がにじり寄りわびにそらせる
丹後守子息サクラ丸がかつらをかぶせて一晩ごまかし、翌日には毛生え薬で生えたことにして大膳を救う
サクラ丸の知恵を恐れ、家康は徳川の人質にとることに
大膳は賊に襲われ、切られるところを鷹に乗る小太郎に救われる
小太郎は石田三成家老大月のこどもで豊臣のため働いている
大膳の息子菊之助はサクラ丸を城から連れ出すが途中つかまり、海で岩に縛られて満ち潮で死ぬところを地震で逃げてきたサクラ丸に助けられる

小太郎はサクラ丸によく似ているので身代わりに人質に駿府城へおもむく
のち様子を見に行ったサクラ丸がばれて、小太郎と逃げ出すはめに
人質が逃げたので、家康は丹後守の三日月城を攻める
金時の知らせで秀頼も援軍を出すというのがラスト

藤形一男

Fujikata55yukihime
 1951~60 「少女ブック」3月号「心に花のさく日まで」
少女誌中心に描いた挿絵家
学年誌には移行しなかったようで活躍時期は短い
その中では55年「少女ブック」連載、沙羅双樹「雪姫七変化」が印象深い
この時期の藤形さんのふっくらした少女像は美しさにあふれている
56年「少女ブック」連載の「母の呼ぶ声」も同様
Fujikata56hahayobu
「雪姫七変化」は3月号まで加藤敏夫さんが絵を描いていたのを引き継いだ
由井正雪がとらえられ、一時は正雪のもとにいた雪姫が狙われることに
正雪がかくした軍資金のありかを隠した鼓を雪姫が持っているためだ
大阪にいた雪姫は京都見物から帰る途中、襲う一味を蛇遣いのお蝶が救い、家来の熊谷弥太郎たちが合流する
雪姫は自分の素性を知るため今一度江戸へ帰ろうと若侍に姿をかえて船に
船で役者の胡蝶と知り合う
雪姫を追うのは一度襲った玄々斎一味と紀州の侍たち 3月号までの内容

4月号
姫が胡蝶の芝居を見物している間に大津の宿に紀州侍が入り、女姿をしていた月之丞が姫を間違われ連れ去られる
5月号、江戸役人都築幻蔵が役人を連れ、姫を召し取りにくる
6月号、胡蝶一座にまぎれこみ、雪姫が江戸、牧野じいの屋敷をめざす
 その牧野じい(兵庫)は紀州の侍たちと会い、姫は紀州の姫とわかるが行違う
 一座がもうからず、鼓をあけた姫は秩父中津川渓谷に三万両埋まってあるのを知る
7月号、胡蝶と江戸へ入るが、牧野じいの屋敷は人手にわたり、姫は中津川をめざす
8月号、鼓は玄々斎の手先に盗まれるが、てんぐ岩まで覚えている姫は秩父へ
 蛇つかいのお蝶がやってきて玄々斎一味も秩父に向かったと教える
9月号、紀州の殿と会った兵庫は、裏切りの弥太郎、玄々斎、幻蔵三組が姫を狙っていると教える
 家老と兵庫が姫を助けに手勢と向かうことに
10月号、てんぐ岩の周りは毒蛇がいっぱいいて、玄々斎一味に囲まれるが
11月号、蛇つかいの名の通りお蝶が蛇を投げつけ洞窟へ入り、姫は軍資金を見つける
 外では弥太郎の一味が来て玄々斎と手を組むことになり、姫を出口で待ち受ける
12月号、出たところを一味が囲むが、のろしが上がり、それをみた兵庫たちがかけつけ姫を救う
 山男になっていた熊谷がのろしをあげたという、紀州へ帰る姫を見送り終わる

2017年8月 4日 (金)

中島利行「真田幸村」54年

Nakajima54sanada
太平洋文庫、130円、B6判128P
安中砦を攻めた徳川方は、真田勢が砦を爆発させる作戦にはまってしまう
秀忠が信州上田城に向かった途中、松井田城を攻めるのにも爆発を恐れる
真田の十勇士が活躍して、上田城へ引き上げる
秀忠は上田城を取り巻いて、攻撃を狙っている
敵の総攻撃をかわした雪村だが、大坂城落城間近と聞いて九度山へ移る
そこに住んで五年、霧隠才蔵や猿飛佐助は大暴れ
父雪村がなくなり大助は大阪城の小姓によばれ、十勇士もついてゆく

絵ははつらつとしているが話のしんがなくて散漫

藤井千秋

Fujii55hanamonogatari
「少女の友」でモダンながら落ち着いた少女絵を描いていた
55年、56年ころ勝山人気の影響か、目を大きく描くようになってよりモダンさが強まる
59年ころからまた落ち着いた絵、挿絵的なものにかわり、60年代も活躍した
モダンさがはっと引き付けるようになったのは56年「少女ブック」11月号、吉屋信子「花物語(浜なでしこ3のイ)」からか
10月号の「花物語」は藤形一男さんが絵をつけている

2017年8月 3日 (木)

永島慎一(慎二)「山彦童子」54年

Nagasima54yamabiko
太平洋文庫、130円、B6判128P
さすがに永島さんの絵は動きよくいきいきしている
ただし筋立てが単純でまずまずの作品で終わっている

山で暮らす山彦童子(智刀丸)の父は育て親
12年前、月田山城守の行列が城代家老熊坂大膳の一味に襲われた
屈強の強羅が城に引き返し仲間と対策を練るが、熊坂側の武士が多く、若様を連れて逃げることに
若様は木曽氏が連れ、狼山まで逃げる
そこはかつて城主に恩を受けた中島弥右門が住んでいて、木曽に山を譲って去っていった
そうして現在、町へ出た木曽は役人に切られ、その傷がもとで戻って息を引き取る
今はに姉ゆり姫をさがし、大膳を討ち取れと童子へ言い残した

町へ出た童子は占い師により探し人が舞姫峠にいると知る
行ってみると山賊の住処で一味に加わる
さゆり姫が持つ守り袋から二人が兄弟だとわかる
姫を連れて逃げた侍、風見・強羅、山賊の首領がなくなり今では風見が首領になっていた
部下の勘兵エがこれを聞いて、仲間を裏切り城主に密告する
奇襲の裏をかいて城へ突入して仇を討つ
途中、山彦童子を救い、城の奇襲を知らせた虚無僧は月田四人組の一人早川氏だった

日向房子

Hyuga58amakara
読み物の中で数は少ないが必ず入っているのが「ゆかいなお話」
矢車涼さんあたりが代表的な挿絵家だが、1956年「少女ブック」森いたる作品あたりから日向さんのユーモア絵も見られる
日向さんはもともと挿絵家で、1950年から描いて、1970年代初頭まで作品がある

56、57年頃から目がはっきりした日向さんの特徴があらわれ76年の「タップリちゃん」までその特徴は残る
58年頃の絵がとくにモダンで明るくて印象的(森いたる「あまから選手」「少女クラブ」58年など)
この絵柄で同じ「少女クラブ」7月号で漫画形式を披露しているのが注目される「があぴいさん」
少女像は美しいが、少年やおじさんは頼りなく、動きがぎこちない
やはり挿絵家のコマ漫画は難しいというところでしょう

2017年8月 2日 (水)

鳥海康男「夕立勘五郎」54年

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太平洋文庫、130円、B6判128P
勘五郎は剣の師匠伊藤先生がなくなり江戸へ出る
入った高木道場が偶然にも伊藤先生の師匠にあたる
高木道場でも強い勘五郎はさらに腕をみがく
町で松平家の荒馬が人をけって暴れているのを投げ飛ばす
かりにも松平の馬なのでどういう裁決になるのかみんな恐れるが、勘五郎は松平家に乗り込む
殿様は殿にはおとなしい愛馬が外では乱暴者だったのを知って勘五郎を許す
物語はここからあちこちへ飛んでまとまりがなくなった
発端は高木先生が弟子の田沢・大原に切られたこと
勘五郎は師匠のかたき討ちと、大原の実家越後に追うが逃げられ、あれこれ探し回って
戻ってきた江戸で討ち取るという流れ

肥後橋のイタリアン:クイントカント

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食べログで4.3という驚異的な評価を獲得しているイタリアン
お昼は5000円のコースだけと聞いてちょっと心配でしたが
お店はどっしりした構え、そのわりにサービス係はみんな人当たりがよくて雰囲気がいい

おいてあるメニューを見ると、10ほど並んでいてこれで5000円と疑う(税・サービス料で2割ほどアップするのだけど)

アミューズ:竹炭のビニエ フォアグラとレモンのマーマレード
冷前菜:鴨のテリーヌとアメリカンチェリー 上に乗るのはオゼイユという小ハーブ
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温前菜:えいのムニエルとブロッコリーのサラダ
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鰯とういきょう詰めの三角パスタ
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一口スプーン(海老ジェラート・リドヴォ・ゴルゴンゾーラ)
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ストリケッティ 和牛のラグーソース これはラザニアに近い
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主菜:子羊煮込み ズッキーニ・ペコリーノチーズそえ
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サルサポモドーロ(トマトのスパゲッティ)60g
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デザートがカンノーリのプロポスタ(リコッタチーズが下、横にピスタチオアイス)
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コーヒーにチョコレートサラミ

甲州のノンアルコールワインというのがあって赤を頼んでみたが、ブドウジュースだった
妻の頼んだシャンペンは一杯が1800円と高め
どれも細かい仕事を凝縮したような皿が続く
皿も凝っていてみているだけでも楽しい
パンには好きな飾りタイルを敷いてくれる
コーヒーは温かいものを頼んでガラス器で出てくる

料理はえいがあくが強い
子羊の煮込みはくさみを消すが、羊ならではのおいしさはあまりない
一番印象に残ったのはトマトとオリーブ油だけで仕上げた濃厚なスパゲッティか
値段からするといろいろ巧みな料理だが、食材を抑える分味はついてこないのか
ソース系統にはっとするものがないのが気がかり
評価は値段の値打ち感によるのかも

花房英樹

Hanabusa55kokorono
1955年ころの勝山さんに並ぶ少女向け挿絵家というと花房さんだろうか
絵物語を多く手がけているが正統的な挿絵スタイルを残している
目は大きめに描くが、ほおはふっくらとさせず、すっと細くなる実際の人間に近い描き方
ただ、正面像では、鼻の線を描かないため、野暮ったく見える
1955年「少女ブック」連載の菊地寛作「心の王冠」は単行本にもなっているので広く知られた作品といえる
1954年「少女ブック」夏増刊号では川端康成「バラの家」に絵をつけている
1955年までは一番格の高い挿絵家だったのかもしれない

鼻筋を書かないことで花房さんに近い絵柄にみえる作家に糸井俊二さんがいる
「少女サロン」にも手がけているようだが、1955年頃の「少女ブック」、「少女」をさかいに名前が見えない

2017年8月 1日 (火)

ブリューゲルバベル展

中之島の国立西洋美術館に美術展を見に行く
メインは「バベルの塔」とボスの「聖クリストフォロス」くらい
ブリューゲルの版画はじっくりみるとおもしろいだろうけど、照明が少なく小さいので疲れる
バベルの塔はかなり小さいので図版を見て、隣でやっている5分くらいの解説ビデオで細部がつかめるくらい
会場はそう混んでいないが、この絵のところだけ立ち止まらないように進ませられる
絵が小さいのでしかたがないところもあるけれど、これで混んだ日だと大変だろうなぁ
会場を歩くと疲れるのではと心配していたがそれほどでなくよかった
大阪へ出たついでに寄ったりするが、今回は食事だけですぐに戻る
それでも昼ご飯をすまして展覧会だと戻ると5時

川本修平「誉れの天守閣」54年

太平洋文庫、130円、B6判128P
千寿姫が町奉行信田の子息小次郎と祝言をあげる
城を狙う家老赤垣は毒を盛る
それを小次郎ではなく千寿姫が飲んで急死する
家老は御家乗っ取りの罪を小次郎に着せて、奉行は切腹
小次郎は逃げ、信田家来の三羽烏稲妻三郎・鳥羽源之助・南郷坊太郎も逐電する
稲妻は妻がなくなり一人赤子を抱いていた
今では赤垣が城主になった城の役人が手配人と見つけて追廻した騒動で、我が子は徳松屋の子と取り違えられ
徳松屋の子は捨て子と思われ馬子になっていた南郷が拾って育てる

そうして10年、南郷は正体を見破られ役人に切られ、菊之助(稲妻の子)と力丸を残してなくなる
鳥羽も見つかりきられ、息子一馬が父の遺志をつぐ
菊之助たちは浪人稲妻に出会い、奇遇にも一馬も現れ、かつて親しい徳松屋へ出向く
赤垣が城主になってから商売も傾いたが恩に報いる徳松屋利兵衛
息子幸吉が稲妻の息子、菊之助が徳松屋の息子だともわかる
そこへ役人がかけつけ襲うのを小次郎が現れ救う
利兵衛が集めた爆薬を持って城へ乗り込んで仇を討って物語が終わる

川本さんだから絵はこなれている
内容がごちゃごちゃして、文字が多くなって読みにくい

原研児

Harak53benitokage
「おもしろブック」に「怪傑紅トカゲ」を二度描いている
はじめは49年12月より翌年9月号までの連載
絵物語の形を借りた冒険西部劇みたいな感じだが、52年9月号からの連載は緻密な挿絵となっている
「少年クラブ」など主に少年誌で活躍したが54年8月からは「少女クラブ」で中沢坙夫作「母恋山彦」を連載
55年からは「少女ブック」でも二反長半「歌のつばさ」に描いている
Harak55utano
原さんの描く少女はかわいいとはいえず、少年向けの勇壮な絵が似合っている

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