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2020年1月

2020年1月31日 (金)

昭和漫画館青虫 008 集英社「おもしろ漫画文庫」

探偵シリーズの横には2段半に渡って集英社のシリーズが並んでいます

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このシリーズはB6判ですが、B6判貸本単行本とはだいぶ違う
紙も薄くて、背表紙も平たい、表紙も簡素でそっけない
値段も130円ではなく100円です
内容は伝記・文学名作を漫画化したものが多く、おとなしめで絵柄も淡々としたのが多い
そんな中でも、大城さんの作品はひと味違う
大城のぼるといえば、戦前の中村マンガシリーズに数々の作品を残し
戦後もいち早く、雑誌に連載を重ねた重鎮
もともと丸っこい絵柄だが、1955年頃は、時折、写実的な絵を織り込んでくる

漫画文庫の並びから取り出したのは吉川英治原作の「新州天馬峡」
漫画ではなく絵物語で、おもしろ漫画文庫では異色です
55年「おもしろブック」連載の1~3月号分を6月に発行したもの
大城さんの漫画文庫はもう一冊あって、後で貴重図書棚で発見
それが55集の「少女白菊」54年
落合直文の名作「孝女白菊」を漫画化したものだが
漫画的な絵柄と写実的・絵物語的な絵柄が混ざって興味深い

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母がなくなり、狩りに出て行方不明の父を探しに出かけた白菊
山賊につかまったり苦労するが、僧侶に助けられる
不良息子で家を飛び出したが反省し僧侶となっていた兄だった
家に戻ってみると、父も無事であったという大団円
内容はなんということもないけれど、絵がいいですね

2020年1月29日 (水)

昭和漫画館青虫 若木探偵シリーズ 007

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入ってすぐの棚の続きで向かって左側(西側)棚から見ていきました
芳文社のまんが講談、山川惣治など、「0マン」の単行本など
続いて若木の探偵マンガシリーズが二段
次の棚に集英社「おもしろ漫画文庫」シリーズが150冊はあったか
次の棚がA5判貸本、上が少年向け、下が少女向け
その後、少女向け短編誌、怪奇もの、少年向け短編誌と続くが
少女向け単行本をチェックしている段階ですでに一日目のお昼近く
昼食から戻って読み出します、「探偵シリーズ」から一冊

若木の探偵シリーズは今でも著名な作家というと、つげ義春さんと石森・赤塚合作が一つずつくらい
それ以外では、48巻目のフカイヒロー(深井日郎)「狂った大都会」が注目
殺人事件に巻き込まれたイワオ少年が、宇宙スパイに情報を売り渡す陰謀を阻止するストーリー
探偵ものにしては話が大きく、人物もデフォルメが強く、宇宙人の姿などシュール
後、イラストレーターとして名をはせた深井さんの筆力を見る
これなど、もう一度、頁を繰ってみたい本です

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2020年1月28日 (火)

昭和漫画館青虫 写真撮影 006

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旅の記録もかねてデジタルカメラを持参していたので館内の写真を数枚
加えて、どういう本があるのかを知るため棚を撮影させてもらいました
図書館で漫画本を閲覧する時は、表紙とクライマックス部分を一、二枚コピーしてもらいます
青虫には複写サービスがないので、一冊につき表紙と一、二枚の撮影をお願いすると快く許可してもらいました
棚から気になった本を取り、あらかじめ渡されている本サイズの目印箱を置く
長いすに戻って読む、読み終えると、気に入りの頁を撮影します
表紙は問題ないのですが、中の頁は本などで支えないと閉じてしまう
それで一冊でなく、一度に二三冊を取り出して机に置いていました
わたしの場合、本のストーリーが大事なので、あらすじを読みながら走り書いて
旅館に戻った夜、一度確認しておきます
このとき、撮影した写真も確認し、変に撮れていたり、撮りもれなどがあると翌日ということも

漫画本を閲覧している間、館長さんはカウンターでもくもくとカバーを付けるなど本の処置をしています
昭和グッズの作業ということもありましたが、漫画本を読んでいるのはまれでした
ともかく本の美しさにこだわっていたのですね
開館は12時~17時になっていますが、只見訪問時にまとめて読みたいので、朝9時から昼休み一時間をはさんで18時まで
一日、8時間をお願いしていました
当然、午前中は他の来館者がなくて一人だけのために開けてもらっていたわけで、とても感謝しています

2020年1月27日 (月)

昭和漫画館青虫 高野さんの蒐集 005

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子ども時代に読んだ「まぼろし探偵」が単行本になっているのを大人になって見つけたのが蒐集の始まりとか
集めた漫画本が家に入りきらなくなり収蔵スペースを借りて、ついにこの元幼稚園を改造して収めたそうです
はじめは付録とかも集め、そのうち貸本・単行本も集めるようになったらしい

本の収集基準は、ともかく「綺麗な本」、並程度ではだめだと聞いてびっくりしました
集めた本の一割程度しか読んでいないと聞いてまたびっくり
綺麗な本を集めることが第一目的で、系統だって集めることはあまりないらしい
「好みの作品は何ですか」と聞くと、答えがつげ義春の「古本と少女」
それも「meiro」に掲載された最初のバージョンだと見せてもらう
「つげ義春全集」に収録されているものは「ガロ」に載った版で1966年
「meiro」は60年だから絵柄が違う
主人公の少年は、「ガロ」ではとがった鼻だが、「meiro」では丸い鼻
「meiro」はぱらぱら見せてもらっただけだが、丸い鼻の方がほのぼの内容に合っているみたい

2020年1月26日 (日)

昭和漫画館青虫 入ってすぐの棚 004

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入口右のカウンター、お客さんからすればその背側、入ったすぐの左側
けっこう一枠が大きな区画の棚があり、薄い付録やグッズが収まっている
館長さんによるとここは本来お客さんの荷物を置く棚なのでこんなに空間がある

4列4段で、一番下の棚は「まんだらけZenbu」など
二番目が「鉄腕アトム」の付録など
三番目、四番目の棚が作家の色紙など

二番目のアトムの横に「まり姫かがみ」4月号付録を見つけました
「まり姫かがみ」というのは、「ペスよおをふれ」を連載中の山田えいじさんが田山たもつ名で1958年一年間連載した名作
「まり姫かがみ」は当時、知りはじめた頃で、付録があることを始めて知って感激しました
この付録はB5判サイズと月刊誌と同じ大きさで迫力があります

なき城主の埋めた宝の秘密を隠す鏡を託されたまり姫
実権を握った伯父の有馬がまり姫を軟禁して宝を奪おうとする
山田さんの作品にありがちな、いじめが続いて悲劇に終わるパタン
ストーリーはいったりきたりですが、時折出てくる大きなコマがすばらしい筆致です

 

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付録漫画はそれほど陳列していないので、「まり姫」があるのが意外で尋ねてみると
「なかよし」58年~60年付録が十数冊セットで出ていて買ったうちの一冊ということでした

2020年1月24日 (金)

昭和漫画館青虫 高野行央さんをしのんで 003

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青虫館内に入ると、手前真ん中に番台みたいなカウンターがある
ここに高野さんが座って受付をしている
まず、入館の記帳をして、簡単な説明を受ける
荷物の置き場所、本を取ったらかわりに目印の札を指しておくこと、館内の配置など
カウンターの右側奥に「美術室」の札がある貴重本室を案内してもらう
ここだけがガラス棚になっていて他は開架式の棚ばかり
この奥の一部屋にはまんが関係の研究書が置いてある

もどって本堂といった本室、教会の前陣にあたり天井が高く広い
向かって右手の棚が、新書判サイズのコミックス、赤本、B6判の貸本
対面にはセルフサービスのお茶が用意されている
左手の棚が、A5判の貸本・短編誌

右奥の部屋は雑誌創刊号が展示されている
右手前の部屋はトイレになっていて昭和のシングル盤が並んでいる
左手の奥すみには昭和のグッズがいろいろ展示してある
ポスターなどは至る所に掲示され昭和の雰囲気が匂う

真ん中には数列、教会で使う横長の机といすが並び、ここで取り出した本を読むようになっている
テーブルには所狭しと青虫・漫画関係のパンフレットが置かれている
いすにはざぶとんが置いてある
座った左奥のテーブルには、「ゲゲゲの女房」に貸し出された貸本を元に再現した貸本屋の写真が4枚

圧倒的な空間ですね、当時のブログに詳細を綴っていてそれをもとにしています

2020年1月23日 (木)

昭和漫画館青虫 高野行央さんをしのんで 002

P1010006 関西から昭和漫画館青虫のある只見はかなり遠いです
加えて初訪問の2012年は前年の豪雨のため只見駅への鉄道が不通になっていた
新幹線、東北線と乗り継いで、郡山から会津若松経由で会津川口まで行き代行バスで只見をめざす
ところが仙台行きやまびこの遅れから、代行バスの最終便に間に合わなくなったのです
只見の旅館へ連絡すると当日キャンセルも受け入れてくれ、川口で宿をとってはとのこと
ところが川口の旅館が満員で、時間迫って会津若松行きに飛び乗る
携帯電話を持たない悲しさで一度列車に乗ると何の手段もない
車掌さんに聞いて会津若松で泊まれば、翌朝一番の列車で代行バス第一便に間に合うと教えてもらう

会津若松で降りて、駅近くのビジネスホテルに宿を取り、翌朝は6時の只見線
それでも川口には二時間かかる、途中から山の中を行く路線となる
代行バスで一時間、只見駅前に到着して、まずみな川旅館で荷物を下ろす
なんだか聖地巡礼みたいです
青虫の場所を教えてもらってあの白い教会に到着しました
本来は12時開館のところ、要望に応じるとネットにあったのでお願いして滞在3日間は9時に開けてもらう
写真通りの入り口で玄関、ただ元幼稚園だから履き物入れの一枠は小さく片方の靴しか入らない!

帰りも郡山経由でした
13年は只見町の補助するバスがあると聞いて会津田島からバス、帰りは新潟方面周りで東京へ
14年からは上越新幹線を利用するのが早いと小出周りで只見をめざしている
写真は代行バスの出発、会津川口駅です

2020年1月21日 (火)

昭和漫画館青虫 高野行央さんをしのんで 001

P1010011 今月中頃にセシリアさんから高野館長がなくなったという知らせを受けました
青虫も高野さんもずっとあそこにあるものだと思いこんでいたのでショック
ドームのような漫画館で本棚に囲まれ静かに語る彼の顔つきが浮かんできます

昭和漫画館青虫には5年通いました
ここからしばらく、あの圧倒的な本棚を回想しながら、高野さんをしのびたいと思います

まず、わたしが青虫に行き着いた経緯から
ずっと音楽ファンだったのが、2000年に入って離れてしまい、一時テレビを見るようになりました
しばらくアニメファンになって、2004年頃漫画を読み始め、当時出版されていたものをけっこう読みました
2008年に国際児童文学館の存在を知って、通い詰め、古い漫画を読むように
雑誌を中心に一通り閲覧したと思った11年、貸本漫画(特にB6判)に関心を持ちました
すでに古書店では品薄で高値、文学館にも国際マンガミュージアムにも所蔵は少ない
そこで青虫の存在を知り、その年はすでに閉館で暮れ、12年に夏休みを利用して訪問しました
関西からはかなり遠くて5日の旅程で只見で3泊
館長さんにメールを送り、現地では皆川旅館に予約を取ってもらい
以来、毎年通っていたのが、16年に足を痛め(末梢動脈疾患)、その年は訪問できたものの
17年は断念、18年は父の死去、19年は眼病で訪問できないまま館長さんが逝ってしまった

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