アニメ・コミック

2018年8月26日 (日)

野呂新平「チコちゃん」58年

「少女ブック」連載
付録が多くなり、1月、5月、7月、9月は内容がわからない
デジタルデータで補完できたのは4月、10月号だけ

2月号
転校生飯野さんがチコのクラスへ入ってくる
授業で「秋の日のヴィオロンの・・」という詩を聞いて涙ぐむチコ
チコのなくなった父はヴァイオリニストだった
飯野さんも父がいなくて親しくなる
放課後、福寿草が咲いたのを見ないかとチコが誘うので飯野さんもスガちゃんも行く
飯野さんの家は母がたいこ焼きを始めた
チコの母が友達が来たので買ってゆくと、飯野さんの母も娘の友達の家にあいさつとたいこ焼きをもっていったから・・

3月号では
スガちゃんとバスで郊外に散歩のチコちゃん
三田先生と弟のあきら君も来ている、いろいろユーモラスな出来事があり
帰りのバスで乗り合わせたのがクラスのいいのさん、メリケン粉を買い出しにきた
お母さんが病気でたいこ焼きが作れない
あきらの好きなかばやきを夕食に買ってきてやると出かけた三田先生はいいのさんが困っているのを知り
たいこ焼きを作ってあげると、お客さんから大好評
そうこうしているうちにあきらの食事の方を忘れてしまって大謝り

4月号本誌8P
上級生になり入学係に選ばれたチコとスガ
隣のカンナちゃんが新入学なのに、父が失業で鞄を買うのも難しい
校長先生に頼んで、お父さんを用務員にしてもらう

6月号では(この月、付録は「母よぶこえ」「しあわせの鐘」とTVまんが「おさげ社長」(作者は森安なおやらしい)
学校からの旅行に行けない田山さん、お母さんが病気で田植えをしなければいけないという
そこでクラスのみんなが田植えを手伝いに
お母さんの病気は破傷風とわかり、急いで血清がいる
三田先生が弟あきら君に持ってくるよう電話すると、学校の駅伝競走を利用してリレーで見事届ける
こうして田山さんも旅行に来れるようになる

7月号は「チコちゃん」は付録、ほかに「ふたりのねがい」と「おさげ社長」(これは7月で終わったようで付録ばかりで作者も不明)

8月号は
7月号付録からの続きで、チコちゃんは母のふるさと、灯台島へ遊びに来ている
とはいえ、かつては結婚を反対したおじいさん、夫に腹たてて記念のオルゴールを海に投げ捨てたこともあった
それを聞いたチコちゃんは、たまたま動物採取に来ていた三田先生やあきらくんに頼んで磯を探ってもらう
三田先生が拾い上げたのが見事にそのオルゴール

9月号は「山びこ少女」と「チコちゃん」は付録

11月号は小栗さんの困難を救う
Noro5811chiko

クラスの小栗さんが悲しそうにしている
裏の畠の柿の木を思い出して泣いている
退学の手紙を母より預かって三田先生に出しているところを見ると大変な事態
家は破産して人手に渡るので裏のいもを掘るのも最後だと同級のチコちゃんたちがかけつける
あきらも友達の深大寺に仏像を見に来てチコたちと会う
仏像の背文字を頼りに、「日暮れに夕日指さす所、小栗家の宝眠りし」を確かめる
芋掘りのスガちゃんが大きな芋を掘り出して、なんと金のつぼ
中には小判がつまっていて先祖が困ったときに役立つよう埋めてくれたもの

12月号、7P
チコの家を貯水槽に乗ってのぞきみしたスガちゃん
足に氷りがくっついて坂をチコちゃんと滑って下ると止まらず牛乳配達に自転車にぶつかった大騒動
授業はクリスマス飾り作りとなる頃
シジミ売りのかもめちゃんと警官をしているチコの兄さんが出会う
かもめは密輸船の連絡係りをやっていた、まじめになっても暮らしは大変
チコがくれたお守りを大事にがんばっている
かもめのシジミはなかなか売れなかったが、美容のためと校長先生がぜんぶ買い取ってくれる
家に戻ったかもめの所にチコたちがつめかけてクリスマスのお祝いを
校長からは学校の雑務をするかわりに授業に出て勉強しろというプレゼントが告げられる

2018年8月25日 (土)

野呂新平「チコちゃん」57年

Noro5701chiko
「少女ブック」連載
この年は、1月、10月と不明だったのをデジタルデータで補う
三田先生の弟ははじめはジローだったのが登場しなくなり、この年5月にあきら名で上京してくる
6月号ではチコちゃんの家には祖母と母がいて、いつから母親は上京したのか?
56年ころのチコちゃんはまるい子供漫画風の顔立ちだが、57年中頃ではまるみが取れて
58年になると面長、成長したのか、お姉さん風になってゆく

1月号本誌5P
田舎から三田さんを訪ねてきた花嫁さん
先生が結婚?と心配の生徒たちだが、学校の屋根を塗っている大工さんが同じ三田でその人だった
仕事を待つ間、花嫁さんは生徒たちとはねつき
負けた生徒は墨をするのを間違えた、屋根仕事のコールタールを塗ってしまったから
教室でみんなが顔を覆うのを三田先生が取らせると、取れない黒い×が顔中に

2月号
風邪引きのためスキー旅行へ行くなと三田先生から言われたユリちゃん
三田先生はスガちチコばかりひいきにするとすねて、不良に誘われてスキーについてゆく
行き先は水上と聞いた三田先生は責任を感じて追いかける
チコやスガも一緒に出るが駅について給料前、財布がからなのがわかるが気を利かせた校長がかけつけて電車代を払ってくれる

3月号
山にだましたユリちゃんを連れてきたギャング団
三田先生が救い出す

4月号付録 ようやく「チコちゃん」付録を一冊入手(翠光堂さんより)
57年と言えば、チコちゃんの兄さんがやくざから足を洗うため、撃たれ指をつめるとかなりの現実路線が見える時
この付録は上級生を慕うという学園もの
そこにほのかな百合気分が漂う
作者が身につけた戦前のムードが合間からにじみ出しているという感じ

卒業式のシーズン、3年になるチコちゃんは卒業する青山先輩と泣いている
青山先輩はスチュワーデスに合格して飛行機へ
一年生には先輩の妹が入ってくる
スガが気に入ってラブレターを出し、チューリップと呼ぶ
さて
チコちゃんのクラスは修学旅行に伊豆へ
弟の(中学生だが)あきらくんが持つ牧場へ泊まりに
チコちゃんはお姉様の写真を持ってきていて海を見せてあげようと出すと風で飛ばされしょんぼり
あきらが海際で拾って届けてくれ、俄然元気になり旗持ってみんなを牧場まで案内する
東京へはギャングの兄貴が弟分にスチュワーデスのかばんに入れておけと包みを差し出して飛行機に送り出す
それは爆弾で弟分スカンポには保険金がかけてある
飛行場でスカンポが青山さんのカバンに爆弾を入れる
変な男の後をつけてきたチューリップはそれを目撃するが兄貴分にさらわれ、
またそれを見た校長が追跡する
逃げる時、弟分を見殺しにする計画を聞いた運転手の鉄は親分に反抗して撃たれる
車の外へ捨てられた鉄はすぐ警官に保護され、飛行機に爆弾の連絡が届き、青山さんが投げ捨ててことなきをえる
一方、親分は逃げおおせようと山へ入り屋敷へ
たまたま来ていたチコ、スガちゃんも人質になってしまう
迎えに来た三田先生に犯人をばらしたので撃たれる
スガは最愛の青山チューリップを体でかばい肩に球が当たる
三田先生が親分をやっつけて逮捕

5月号
三田先生の授業は格調が高い
「あおじろく 十字はきれど うちわびて さみしきものを とりもせぬ まひるのひかり」と白秋の詩を朗読している
その頃、先生の弟三田あきらくんがアマボクシングに出るため東京へ向かう
壮行の友達が汽車で見送りするみやげにもちを持ってきてひっついて自分も列車にくっついてしまう
ズボンが脱げて恥ずかしい彼は前の座席のおばさんが赤ん坊を連れている
そのうわかけをかぶっていると東京で赤ん坊と間違われ連れてゆかれる
一方、残された赤ん坊をおばさんに届けようとあきらはひとまず兄の所へ
スガちゃんはおばさんが上京するがそのおばさんがあきらくんの前に座っていた人
あきらが赤ちゃんを連れてくるとうまい具合に探し先のおばさんに引き渡すことができる
話は替ってあきらの強敵がハワイ帰りのウルフの太郎
姓は神田と聞いて驚きのチコちゃん、いなくなった義理のお兄さんではないかと

6月号
10年ぶりの兄
やくざのゲジゲジ親分の子分になっていて、ボクシングの試合で八百長するように命じられているが
足を洗うつもりになっている
親分は裏切り者のウルフをピストルで撃つ
幸い大事にならずウルフは足を洗って警官になり生まれ変わる
実際は、組を抜けるために指をつめたというエピソードが7月号で明かされるのだが

7月号
学校にどろぼうが入る事件が相次ぎ、チコちゃんの学校でも生徒たちがパトロールすることに
警官になった太郎がどろぼう逮捕に手助けを

8月号
三田先生は信州へボクシングのコーチに行く
見送りのチコちゃんは自分のかばんと先生のかばんを間違えてしまう、中にはグローブなんかが入っていた
スガちゃんのお寺が上林(かんばやし)、先生の行き先の近くなので遊びがてらかばんを届けることに
お寺にとまった時、どろぼうが入って、昼間とろろでかぶれた頭の珍念を見てどろぼうはお化けだと逃げ出してしまうがかばんを盗まれる
せっかく持ってきたかばんを盗られてしまったチコちゃん、三田先生に謝りに宿舎に行くと
その旅館に昨晩のどろぼうが泊まりに来て、あのかばんとチコちゃんが感づいて三田先生が退治する

9月号
三田先生はあきらと暮らしているが、食事も満足に作れないので早くよめをもらうよう周りからせかされる
校長先生があきらと一緒に信州へ様子を見に
チコ・スガが出迎え、散髪をしてあげると始めるが、校長先生が三田先生のお嫁さん候補写真を持ってきたと聞いてショックで剃っている手がすべって
あきらくんは真ん中がすっかり剃れてしまって大弱り
結婚する気のない三田先生はあまりきれいでない写真を選ぶと、何と校長の若い頃の写真で・・

10月号本誌7P
運動会の練習をしていると、お尋ね者が荒らしていると注意して回る太郎巡査
三田先生は夜に泥棒に入られ服を盗まれる
あきらも服がなくなり、二人とも南京袋をかぶって外出する
聖白バラ女学院(「聖」がつくのははじめてでは)は運動会真っ最中
そこへ太郎に追われてあきすが逃げ込む
競争にまじって走り回るが最後はつかまって、来年は普通に参加したいと連れられて行く

11月号
ラジオ放送で宝石強盗が入って、現場には神田警官の手帳が落ちていた
ショックの母とチコ、三田先生が心配して家庭訪問すると、ガス臭い
二人は自殺しようとしていたのを助け出し、なんとか回復するが、チコは学校へ行きたがらない
スガが音頭を取ってクラスのみんなでチコの応援に
綱引きしてスガが勝ったら学校へ来てと、指だけで引くからと言い出すので相手になったチコ
綱の後ろにはクラスのみんなが引っ張っていてチコもなんとか学校へ
臨時ニュースで強盗は逮捕、神田警官をつかまえて警官になりすまして犯行に及んだとわかる

12月号
北海道から音楽を教えに学校へ赴任してきたすずらん先生
乗ってきた列車の前座席の女のひとはわが子を捨てようとしていた
すずらん先生が子連れで現れたので三田先生はじめみんな驚くが事情がわかる
赤ん坊抱いて授業するわけにゆかず、校長が面倒を見てくれる
捨てた母親は自殺を考えていたが、警察に保護され警官太郎が車で送ってくる

こんな調子でクラス仲間の友情中心で進むが、チコの家では不良になった兄の改心
女子生徒たちのあこがれの三田先生が結婚するのではないかというやきもきが大きな話題になっている

2018年8月24日 (金)

野呂新平「チコちゃん」56年

Noro5602chiko
「少女ブック」55年8月号から連載が始まった作品
56年は地方都市の様子
56年になると、父がなくなったらしく東京のおばあさんのところへチコちゃんだけ預けられる
相棒だった弟ター坊の存在はその後まったく見られない

2月号

すずらん女学校へ入ったチコちゃん、担任はハンサムな三田先生
チコちゃんもおしとやかになり、笑いを誘うのは友達のスガモ(スガちゃん)になる
同年代の男役としては、三田先生の弟ジローがいるがこの年はあまり活躍なく
4月号から白ばら先生の弟じょーじが登場してたびたび出てくる

4月号本誌4P
白ばら先生の弟じょーじは不良でちんぴらたちが、スガモ質店を襲うと相談する
さすがにためらう弟は抜けようと逃げ出したところを撃たれる
学校帰りに倒れているのを見つけたチコちゃんとスガちゃんが助ける

3月号
スガちゃんの家へひな祭りに呼ばれてゆくのでチコちゃんの祖母はごちそうを持たせる
それを包む風呂敷をぶつかったジローの持つ風呂敷と取り違え、スガちゃんの家で開けると運動靴が出てくる
押し売りがやってきて、たてかけたほうきを見てはやりのチャチャチャを踊る
教えてと上にあげて、スガちゃんとチコちゃん、マンボ踊りをチャチャチャと始める
家の人が帰ってきて、押し売りも退散するが荷物を忘れて出るのでチコちゃんたちが追いかける
外では花嫁さんが通るが、二人がチャチャチャとやっているので、踊り好きな花嫁さんが高島田で踊り出し
鬘がはずれて坂をころげ落ち、お婿さんの家に入ってしまうという落ち

5月号
音楽の白バラ先生の弟じょーじは不良たちに盗みを誘われ断ってなぐられる
チコちゃんがそれを見て病院に連れて行ってあげる
家が質屋のスガちゃん、そこへ役者が仕事道具を質に持ち込む
不良がじょーじが来ていると乗り込んでくるが、狐面かぶったチコちゃんたちを見て逃げ帰る
次に来た不良は刀で遊んでいる二人の前に作り物の首が落ちていて、本当に切ったと勘違いして驚き退散

6月号縦3/5サイズ
銀行ギャングがすずらん女学校に逃げ込んできた
校長を脅して、教室でピストルふりかざし生徒たちを黙らせる
そこへ三田先生は「テストだ」と入ってくる
チコちゃんが機転を利かせて、スガちゃんに答えを見せてと口走る
すかさず見つけた三田先生は用紙を取り上げるが
そこには「ドアの後ろにギャングが」と書かれてあり、三田先生が飛びかかって退治してしまう

7月号縦3/5サイズ(7、8月号は道立資料)
「チコちゃん」縦3/5サイズ8P
この頃は、まだおばあちゃんが登場して、チコちゃんのお相手はジョージくん
チコちゃんはおばあちゃんと海水浴に来ている
ジョージくんが海のレストランでアルバイト
飛び込み台にあがったものの怖くて、待っている人たちをかきわかけてはしごを降りてくるチコ
日光浴していたおばあちゃんが水をかけたとゲジゲジあにきがいちゃもんをつけている
ジョージくんたち店の人が奮戦してゲジゲジ一家をのしてしまう
8月号は
チコはバレエに、ジョージくんはマラソンに精を出している
チコが発表会なのにバレエ衣装を忘れて間にあわない
田舎からチコの衣装を持ってきた母にかわってジョージが走って届けに行く

9月号
新学期が始まり、チコちゃんは映画出演の依頼を受ける
スガちゃんが助演するというので引き受けるチコ

10月号
縦2/5サイズの9P
中村千代之助主演の映画にチコちゃんが出演
映画は「安寿と厨子王」、チコは安寿役、スガは母親役
千代之助はなんとなく三田先生に似ている
さらわれるところまで撮影
Noro5610chiko
11月号
出来上がった映画を学校で上映しようと話が持ち上がり
午後にやるのを校長も許可してみんなで観劇する
漫画では、映画の後編を描いている

12月号
雨月物語を朗読する三田先生、白峰の段(崇徳院の妖魔)
幽霊話にこわがる生徒たちはみんな三田先生にしがみつく
おくれたスガちゃんがすがる所なくネクタイにぶらさがると首がしまって
これを見ていた校長はおかんむり
そこにストーブの上にあった弁当箱が持ち上がって妖怪のように鎌首をもたげた感じに
なんのことない、弁当に入っていた餅がふくれて箱自体が持ち上がってらしい
弁当箱の持ち主スガちゃんは学校に残されることに
遅くなってかわいそうと三田先生はスガの好物焼き芋を買って差し入れに
校長も口では厳罰を言うものの、心やさしく焼き芋を買って学校に戻る
二人が暗い所ではちあわせたものだから、泥棒と間違え相打ちしてしまうという落ち

三田先生は空手の選手、受け持ちは2月号では英語とあるが
授業では名作・名詩の朗読・引用が多く国語の先生?
いずれにせよ野呂さんの文芸趣味がかいま見える

2018年8月23日 (木)

関谷ひさし「少年八剣士」58年

Sekiya5811hatikensi
「冒険王」11月号付録48P
じい(剣一角の家老旗軍兵衛)とかおりを救うため魔虫城へ忍びこんだ剣一平と八郎太
見つかって鉄砲隊の猛撃を浴びる
かおりたちのところへたどり着いたが、じいはむちで責められて息が絶える
敵の若様をとらえるが、くも手八方斎に逃げられ兵士が押し寄せる
一平・八郎太はとらえられて、残りの八剣士をおびき寄せるため処刑の立札を出す
処刑当日、二人を魔虫十勇士と闘わせことに
まず出てきた野見飛太郎
のみのように飛び回りかかる手がかりもないが
一平が攻撃してくるときは正面からと見抜いて破る
次に毛虫坊が現れる

9月号付録は64P
山育ちの一平は乱暴な若君をこらしめ、家来たちにつかまりさらし者になる

おとうを助けてくれた恩義で、少女かおりが一平を救う
めくらの剣士が加勢して、難敵くも手八方斎に向かう
剣士は一平ではかなわないと見切っている
若君が毛虫坊を連れてもどると八方斎は当て身をくらって気絶している
一平が山に戻ると、じいが態度を改めて、一平は武蔵大和の城主剣一角の若様だったと教える
会計役の魔虫が八剣士に毒を盛り、開城して隣国からの兵を呼び入れた
城主を含む八剣士は銃で撃ち殺されたが
八人にはそれぞれ息子がいて、八剣士として国を再興する可能性を残す

2018年8月22日 (水)

板井太郎「白馬峠の仇討ち」56年

Itai55hakuba
曙出版12月発行、130円、B6判128P
刀を集めるのが道楽のわしづか、真田源之助の家宝岩つばめがほしくて闇討ちして奪う
息子の弓ノ助は仇討の旅に出て5年
渡し船でむじなの六に財布をすられ弱る
道中、闇討ちにあう車えびの助を助けて、えびの助の世話になる
刀集めを趣味にする悪井軍兵えの仕業ではないかと疑うえびの助
弓ノ助は城下で、むじなの六が軍兵えの家来からすってつかまり手打ちになるところにでくわす
弓ノ助が助けてやったので、恩義に思うむじなの六は家来になる
軍兵えは、えびの助の長屋どなりの官兵えを雇って、えびの助を探る
長屋に置けないと、刀を刀師のぜあみ梅剣に預けに行くのを聞き出し多勢をさしむける
人数に押される、えびの助、弓ノ助だが、梅剣が来て助ける
梅剣は元指南役で腕が立つ
弓ノ助の腕では軍兵えは討てないといわれ、影を踏めと教えられる
軍兵えたちは集めた刀を試すのに辻斬りをしている
今夜も出てゆき、人を襲うのを聞いてかけつけた弓ノ助がかかるが
かけつけた役人に辻斬りを思われてつかまってしまう
軍兵えは代官を買収して、弓ノ助ははやばやと処刑させようとする
梅剣が本奉行に訴えたので、代官は祭りの夜にまぎれて逐電するよう諭す
むじなの六がさぐっていてこれを知り、弓ノ助を牢から逃がして仇討に行かせる
白馬峠で追いついた弓ノ助は軍兵えがわしづかだと認め、みごと父の仇を討つ

絵柄はいくぶんそぼくだが板井さんのものになっている

2018年8月21日 (火)

山田順一郎「剣鬼無頼帖」59年

Yamada59kenki
金竜社2月発行、130円、B6判128P
赤岩道場を破った阿部兵庫、道で門人に囲まれ帰り討ちにする
腕前を見ていて秋山紋十郎が手合わせしたいとかかってきて互角とみて引く
兵庫は卑怯にも去ろうとする紋十郎を後ろから切り殺す
指南役が後ろから斬られるとは恥だとふれる黒川弥九郎と紋十郎の弟風ノ助はけんかになる
その後、弥九郎が指南役に抜擢され、帰り道で風ノ助と出会い立ち会うことに
弥九郎の力を身切った風ノ助はこれ以上試合はよい、自分には仇討の旅があると去ってゆく
おさまらないのが弥九郎、けった足から草履が脱げてあたったのが兵庫
切りあいとなって弥九郎が討たれる
さきほど家に知らせに行った弥九郎の家来たちが妹ききょうを連れて戻ってきて弥九郎の死を知る
ききょうは風ノ助が仇だと思い込んで二人の家来と追う
風ノ助は仇の顔もわからないので、ともかく兄の恩師石舟斎を訪ねて白雲岳に向かう
道中、風ノ助からすりそこなったまむしの長次が後をつけてくる
兵庫は、名人を破って名を上げようと白雲岳をめざしていた
小屋で風ノ助は兵庫と同じになるが、仇とはわからない
翌日、風ノ助はききょうたちに追いつかれ、家来二人を相手して橋から落ちて川へ流される
白雲岳にまず着いた兵庫、石舟斎の使い百太郎にも相手にならない
風ノ助がやってきて親しげにして、畑仕事を手伝うので、兵庫も弟子になりたいと仕事を手伝う
石舟斎は紋十郎に授けようと思っていた天心流かすみの秘太刀を風ノ助に授ける
極意を盗み見た兵庫は丸太をいっせいに切って坂に落して二人を巻き込む
これで石舟斎が命を落とし、百太郎は兵庫を討とうとするが
ききょうたちがやってきたので、風ノ助をいかだに乗せて下流へ逃げる

白山の城下は高名な武芸者が多い
腕を試したがる兵庫が必ず立ち寄ると百太郎が風ノ助を連れる
仏華寺へ寄宿したのをききょうの家来たちが見つける
兵庫はききょうに助太刀しようと、自分の名前で呼び出し状を送る
糺すの森での果たし合いに武士をやとい、多勢で押す兵庫
まむしの長次が見つけて役人の呼子のまねをして武士を引かせる
あとに残ったききょうに風ノ助は無実を信じてもらえないなら斬られてもよいという
ききょうは風ノ助を斬れず弱っていると、長次の懐からききょうの兄の財布が出てくる
長次から弥九郎の最期を知ったききょう、紋十郎の最期もわかる
ともに兵庫が仇とわかって二人で仇討をはたして物語が終わる

2018年8月20日 (月)

関谷ひさし「みみずく頭巾」58年

Sekiya5806mimizuku
「漫画王」8月号付録48P
大膳がつかまえた三太を脅してみみずく頭巾をおびき出そうとする
三太の声が涙含みなのを感じてわなと見た頭巾は背後に回って一人を倒すが
大膳が三太を殺そうとするので出てくる
まわりは忍者が黒馬党が銃をかまえて撃とうとする
副首領が刀で勝負したいと申し出て、やってみるが頭巾にかなわない
うまいぐあいに日が落ちたので頭巾はみみずくの大群を呼んで三太を連れて逃げ去る
三太を連れ帰ったのは大木の中、ここに小春がかくまわれている
愛馬銀星も入るほどの大きな洞だった
頭巾に逃げられた大膳が困っていると昆虫仮面という男が現れる
相手が強そうなので力を貸してやると、銃の腕前を披露する
頭巾が森に出るとみみずくが一羽撃ち殺されていて、昆虫仮面からの挑戦状が落ちている

ここまでの流れをデジタルデータで確認すると
新連載は58年2月号本誌5P
旗本阿久津大膳は船元の荒海屋をとらえ密輸品を運ばせようとしている
拒否するので娘の小春を人質に取る

3月号本誌8P
大膳は裏で黒覆面黒装束の黒馬党を操り好き放題
今度も荒海屋に密貿易を強要、屋敷に乗り込んで断ると命をもらうと脅してくる
正義の味方、みみずく頭巾は地獄谷での囲みを切り抜けて屋敷に助けにかけつける
しかし多勢に阻まれ、小春をさらわれてしまう

5月号
役人に囲まれるが煙玉で逃げる頭巾
父が死んで借家の払いができない三太少年
みみずく頭巾がかわりに払ってやり大家を追い払う
三太は頭巾の弟分にしてもらう
三太に自分は明るい光に弱いのだともらすのを目明かしが聞いていて大膳に知らせる
黒馬党は照明弾を用意して地獄谷にやってきた頭巾に光りを浴びせる

7月号本誌8P
小春を救いに来たみみずく頭巾、阿久麻大膳ひきいる黒馬党に追われる
谷で小春を救いながら、乗るのが銀星でない
遅くて追いつかれそうになり、降りて草むらでやりすごそうとするが火攻めにあう
馬小屋を壊し、逃げ出す馬にまぎれて谷を脱出しようとしたが
谷の出口の柵を下ろされてしまう
銀星が察知してかけつけてくれるも三太が乗り遅れてつかまってしまう

9月号本誌8P
みみずく頭巾は昆虫仮面と対決、撃ち合いでは少し早い頭巾が勝つ
倒れた仮面は黒馬党たちと合流して追うことに
一方三太と小春はアジトの大木に逃げ、見つけた忍者達は木ごと燃やしてしまう算段をしている

11月号本誌8P
昆虫仮面と一対一で戦い倒すが、仮面はみみずく頭巾の兄だった
二人の父は銃の研究者だったが、実験中のやけどで顔がみにくく変わった兄は人柄も変わってしまった
父を撃ち銃を奪って逃げ去って、それ以来悪の道に入った
弟は兄のため目をやられ気絶していたところを、みみずく老人に助けられ、みみずくの神経を移されて目が見えるようになった
みみずくのものだから夜に特に目がきくという力を得て、人のために尽くすようになった
さて、黒馬党が両側から迫ってきて逃げ場がない
みみずく頭巾が弟の竜次郎だと気づいた兄は、みみずく頭巾をつかまえたと連れ出す
黒馬党が油断したところで銃を乱射して自分が盾となり弟を逃がすのだった
黒馬党事件は12月号で終了したらしい

59年新年号からは江戸で女の子をさらうこうもり組事件
附録48P
大こうもりが人さらいを続ける
みみずく頭巾は小春をおとりにして捕らえようとするが
小春に舞い降りるこうもりと別にもう一人こうもり怪人がいて頭巾に投げ縄をうつ
こうもり怪人を操っているのは荒潮屋
つかまえた娘を南蛮人に売ろうとしている
そんな荒潮屋に用心棒に雇われた浪人、実はみみずく頭巾
荒潮屋をさぐる和尚と三太がつかまり、船底に投げ込まれるところにみみずく頭巾が現れる

2月号
みみずく頭巾に恐れをなしたのか、荒潮屋たちは船を捨てて海へ飛び込む
おかしいと船底に爆薬をしかけたのを察知した頭巾が爆薬をすんでのところで海へ
爆発したのに船が動いているのに驚く悪人たち
清国の船から砲撃を受けるがかわしていると逃げ去ってゆく
陸へ戻った荒潮屋、店へ戻れず秘密のアジトへ行く
頭巾は用心棒の先生として入りこむがこうもり怪人が頭巾でないかと疑う
仲間というならつかまえている娘を撃ち殺せと試される
そこへみみずく頭巾の声が洞窟のむこうでこだました
腹話術で切り抜けて敵中に侵入


59年3月号付録 最終回
荒潮屋を洞窟に追いつめたが背後から一味に斬りつけられる
洞窟はふさいで小春と逃げ出すが途中、毒がまわってくるみみずく
荒潮と組む紅こうもり組は空を飛んで追いかける
鉄砲をかまえて包囲する一味
みみずくの苦しみを察知した銀星が駆けつけ危うい所で救出する
銀星が連れ帰った先、寺のみみずく和尚はもう助かるまいと一言
こうもり組の手下が様子をうかがっていたので知らせは荒潮たちにも
一味は怖いものがなくなり大商人の娘をさらうなどしたい放題
和尚の企みで死んだように見せかけていたみみずく頭巾は実は生きていて機会を狙っていた
人さらいのこうもりを封じて逃げる一味を追って敵の本拠地へ
一時は撃たれたように見せかけ密貿易船に荷物にまぎれて乗り込んで荒潮屋たちをつかまえる

2018年8月19日 (日)

渡辺くにお「剣士の涙」56年

Watanabek56kensi
曙出版、130円、B6判128P
強井道場の天下太平は若いながら腕がたち、道場破りを追い返す
酒屋で飲んでいて、腕のある浪人門田一角に会う
太平が手合わせすると互角の腕前
道場主は破天荒な太平をしかるが太平は動じるどころか恩師と手合わせして負かす
太平は破門され、町で弱る
すりと間違えられ橋から落ちたところが家老の乗る小舟
太平が若様とそっくりなのに目をつけていた家老は太平を暗殺した若様の身代わりにしたてる
下屋敷の照姫、家老が弟若に会わせないので見舞いにやってくる
太平を身代わりにして、なんとかごまかす家老
早いこと照姫も暗殺しなければと雇われたのがあの一角
姫に同情した太平は姫を逃がし、自分も逐電
宿屋に落ち着いた姫は家来に命じて、若君の病気回復のため水垢離する
これを知った太平は姫のため力になることに
一角たちが襲う峠で、姫を守って家老たちを討つ
道場主があらわれ、太平の活躍をほめ破門をとく
姫は太平を認め弟として城へ戻るよう説得、太平は城へ迎えられるという変な結末

ディズニー映画の漫画化で華麗な絵を描いた渡辺さん
月刊誌連載でも絵柄が美しいのだが、武家ものの単行本ではこんなあかぬけない絵柄で通す
別人が描いたのかと思えるほどの違いがあって不思議

2018年8月18日 (土)

板井太郎「孝女立花姫」55年

曙出版、130円、B6判128P
寿永2年、平家にかげりが出始めた頃の信州
義仲の子義高となかよしの立花姫(家老手塚太郎の娘)
平家が山伏にばけて義高をさらう、家老たちの活躍で取り戻す
冬になり、平ら宗盛の家来たちがきて、米を盗む
家老が守って討ち死にし、義仲が戻って追い払う
やがて平家は滅び、義高は鎌倉へ呼ばれ、立花の母唐津がついて行く
その冬、鎌倉からきたという娘あおいを立花姫たちが救って泊める
父の名を秘すからになにかいわくがありそうで、追っ手がやってきた
北条時政の家来といってあおい姫もなぎなたで立ち向かい、信州を去ってゆく
京都にいる義仲に唐津から、義仲追討の相談が鎌倉で持ち上がっているという書状が届く
義仲は折り返し、頼朝暗殺を唐津に命じる
唐津は失敗して投獄された
心配の立花姫は鎌倉へ出て、あおいと道で会う
あおいの紹介で頼朝のところで鹿島という名前で女中として働くことに
踊りのうまい立花姫は頼朝のもとでも認められる
すきをみて母を救おうとした立花姫だが見つかって同じ牢獄へ閉じ込められる
立花姫親子の処遇をあわれがる頼朝の子、実朝が牢から逃がす
手伝ったのがあのあおい、なぎなたをかざし名剣士ぶりをみせる
Itai56tatibana
絵柄はまだ安定していないが、独特の曲線を持つ人物像を描く
板井さん特有のユーモア感もすでに備わっている佳作

2018年8月17日 (金)

川田漫一「0下の地獄」56年

Kawata56zeroka
東京漫画出版6月発行、130円、B6判128P

少年探偵大助はマグロー島行き飛行機でパール漁航会社の娘早川ゆりえと知り合う
大助は日本からスコッチの鉄とラッキョーの仙公というギャングを追ってきた
パール会社の共同経営者バット氏と息子ジムが父を殺した疑いを抱くゆりえ
大助がゆりえを訪ねて行くと何者かに襲われようとしていたところ
会社ではバット氏側と早川氏側に別れ対立が起き、早川氏側は押されている

今度捕鯨に出るサブリ号のスクリューを壊そうとするのを見つけた大助
小舟を追跡すると、空からジムが飛行機で銃撃してくる
危ないところ竜巻に巻き上げられた大助はニューバ島へ落ちる
ここはロック博士が最新鋭の飛行艇VD号を製造しているところ
X国が奪おうと侵入してくるのを大助が防ぎ、いつでも呼び出せるという無線機をもらって戻る

マグロー島では捕鯨行に大助も同行してほしいとゆりえから懇願されるが
スコッチたちを捕まえる任務があるので応じられない
船団が出発した記事を新聞で見た大助は、甲板にスコッチたちが写っているのを知る
悪者どうし、スコッチたちはバット氏の仲間になっていたらしい
急いで警察にかけあい、水上飛行機を借りて船団を追う
スコッチたちを捕まえるが、捕鯨に人数が必要だと、仕事が終わるまで船に置くことになる
船底に閉じ込められていたキールという男からジムが早川氏を船から落としたと知る
キールを連れ出すと銛が飛んできてキールが刺し殺ろされる
追っていくとジムの部屋に出るが証拠がないので泳がせる
いよいよ小型船で捕鯨に出ると母船から連絡が入る
X国の軍艦から砲撃を受けバット氏がなくなったという
さっそく戻った大助は水上飛行機で出て軍艦と戦い、爆弾で仕留める
しかし飛行隊がきて撃たれて水上へ着陸
だめかと思っているとロック博士がVD号で救援にくる
飛行艇の威力はすさまじく、飛行隊を全滅させると敵基地へ向かう
なんとゴジラが地底からめざめて基地を破壊している
ゴジラは飛行艇も敵だと思って火をはいてくるので、博士はゴジラも退治する
大助の飛行機が水上に落ちたショックで無線機にスイッチが入ったらしい

博士は戻って行き、捕鯨が続く
エンゼル号で出た大助とゆりえだが、浸水して助けを呼ぶと、これを機会にと思ったジムがキャッチャー艇をぶつけてくる
大助は応戦して銛を打ち込み、両艇とも沈む
氷上でテントを張っていると生きていたジムが入ってきて銃で脅して食料を持ち逃げする
追いかける大助にラッキョーがライフルを撃ってくる
こちらはピストルしかないので届かず、大助が背後に回って押さえる
なおも追跡すると、ジムはスコッチを足手まといと撃ち殺して逃げていた
ジムに追いついた大助、最後は素手で格闘となり投げられたジムが氷の割れ目に落ちて果てる

こきみよいテンポでの活劇
ゴジラが暴れるところが愛嬌だが、56年頃でこれだけ描ける人はまれ

より以前の記事一覧